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解雇は再就職のときにばれる?考えられる影響や転職活動のポイントを解説
この記事のまとめ
- 解雇されたことが再就職で必ずばれるとは限らない
- 解雇後の再就職で作成する履歴書には、「退職」と記載すれば問題ない
- 面接で退職理由を聞かれたら、正直に答えて前向きさをアピールすることが大切
- 解雇の事実を意図的に隠すと、経歴詐称に該当する可能性があるため注意が必要
- 解雇後の再就職に不安がある場合、就職・転職エージェントに相談するのも手
前職を解雇されたあとに、再就職を目指している方もいるでしょう。解雇されたことで「志望企業にばれないか」「選考で不利になるのでは」と不安になりますよね。
解雇されたという事実は、再就職先に必ずばれるとは限りません。面接で退職理由を聞かれたら嘘の経歴を伝えるのは避けて、仕事に対して前向きな姿勢であることをアピールしましょう。
このコラムでは、キャリアアドバイザーの高城さんのアドバイスを交えながら、解雇が再就職先でばれる可能性についてまとめています。また、選考に与える影響や転職活動をするときのポイントもご紹介。前職を解雇されて再就職を目指している方は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事にコメントしているアドバイザー
解雇は再就職先にばれる?
前職を解雇された場合でも、必ずしも再就職先にばれるとは限りません。離職票や雇用保険受給資格者証に解雇されたことが記載されていますが、再就職の際に提出を求められることはほとんどないためです。
また、転職活動で作成する履歴書には解雇の事実を記入する必要はないため、選考の段階でばれることはないでしょう。ただし、面接等で前職の退職理由を聞かれた場合があるので、正直に答えることが大切です。
解雇されたことを隠すのは避けよう
面接で前職の退職理由を聞かれた場合に、解雇されたという事実を意図的に隠すことは避けましょう。嘘の経歴を伝えると、会社からの信用を失ったり、選考に影響があると判断された場合内定取り消しになったりする恐れがあります。
また、悪質と判断された場合には、経歴詐称の罪に問われることもあるでしょう。経歴詐称になるリスクは、「経歴詐称は罪?バレる理由や該当する刑事罰について解説」のコラムで解説しているので、チェックしてみてください。
解雇が分かる書類
転職先企業から履歴書以外の書類の提出を求められた場合、書類によっては解雇がばれる可能性があります。解雇履歴が記載される書類は「退職証明書」「離職票」「雇用保険受給資格者証」の3つが挙げられます。それぞれの転職活動で提出を求められる可能性や使用用途も解説するので、理解を深めておきましょう。
退職証明書
退職証明書は、職場を退職したことを証明する書類です。退職証明書には、前職を退職した理由だけでなく雇用契約を解消することになった理由と経緯が記載されます。
転職活動では退職証明書の提出が求められないのが基本ですが、企業によって必要となる場合があるのでしょう。退職証明書は社員が退職する際に、必ず企業が発行する書類のため、提出を求められた場合には指示に従う必要があります。
離職票
離職票は、失業保険の受給手続きを行うために交付される書類です。退職した会社から1週間~10日程度で郵送されてくるのが一般的です。
離職票には退職日、企業名、退職理由のほかに、退職に至った理由や経緯が記載されているため解雇された事実がばれる書類の一つ。通常、ハローワークにて失業保険の受給手続きを行う際に提出が必要な書類なので、再就職先に提出を求められることはほとんどないでしょう。
雇用保険受給資格者証
雇用保険受給資格者証は離職票と同様にハローワークで使用する書類で、失業保険の手当を受ける資格があることを証明するための書類です。退職した理由が直接的に記載されているわけではありませんが、退職理由ごとにコードが記載されているため、コード番号を調べれば解雇の事実が判明する可能性があるでしょう。
ただし、雇用保険受給資格者証も、転職先企業から求められることは少ない書類なのでばれることはないといえます。
企業が前職に確認してもばれる可能性は低い
企業によっては、採用の判断材料として応募者の前職に直接評価を問い合わせる「前職調査」をする場合もあるでしょう。ただし、基本的には応募者の同意によって行われるため、自分の知らないところで解雇されたことがばれる可能性はほとんどありません。
また、すべての企業が前職調査を行っているわけではないので、拒否をすればばれることはないでしょう。前職調査で調べられることは「職歴の嘘がバレるのはどんなとき?詐称せずに自分を正直にアピールしよう」のコラムで解説しているので、参考にしてみてください。
解雇は再就職で不利?種類別に考えられる影響
解雇が再就職にどのような影響があるのかが気になるという方もいるでしょう。解雇が再就職に影響するかどうかは、どのような理由で解雇に至ったのかによります。
それぞれの解雇の場合でどのような影響があるのかを見ていきましょう。
会社都合の整理解雇(リストラ)の場合
一般的にリストラと表現される整理解雇は、会社都合による解雇のため再就職に影響を及ぼす可能性はほとんどないでしょう。整理解雇が行われる理由としては、「経営不振による倒産防止」を始めとした会社側に責任がある場合が多いため、労働者側に責任はないと考えられるためです。
整理解雇が原因で転職活動を行うことになったとしても、再就職先にばれて選考で不利になるということはないと考えて良いでしょう。
会社を解雇にされても人生終了ではない
会社を解雇されたとしても、諦めずに前を向く気持ちが大切です。解雇の理由によっては、再就職先にばれると転職活動が不利になる可能性はゼロではありませんが、転職が不可能になるわけではありません。
転職成功のケースもたくさんあるので、落ち着いて自分のやるべきことを一つ一つ行っていきましょう。会社を解雇された場合にやるべきことについては、「会社を辞めたあとにやることを解説!退職後は保険や税金の手続きをしよう」のコラムでも紹介していいるのでぜひ併せてご覧ください。
労働者側に原因がある場合
整理解雇のような会社都合によるものでなく、労働者側に何らかの責任がある場合には、再就職に影響を及ぼす可能性があります。ここでは、労働者側に原因がある3つの解雇理由について見ていきましょう。
懲戒解雇
労働者側に原因がある解雇のなかでも、懲戒解雇は最も重い処罰です。横領などを始めとした法律違反はもちろんのこと、就業規則違反や契約違反行為などが行われた場合には、懲戒解雇となる可能性があります。
懲戒解雇になっても再就職が不可能になるわけではありませんが、不利になる可能性があることを留意しておきましょう。
諭旨解雇
論旨解雇とは、懲戒解雇でもおかしくないような状況が発生したものの、会社側の酌量により処分が軽減された解雇です。懲戒解雇とは異なり企業から一方的に行われるものではなく、会社側と従業員で話し合い、両者が納得したうえで従業員側が解雇を受け入れることになります。
懲戒解雇よりも軽い処罰とはいえど、具体的な理由によっては再就職が難しくなってしまう場合も。ただし、再就職は不可能ではないので、諦めず転職活動に臨みましょう。
普通解雇
普通解雇は、従業員の能力不足や仕事に対しての姿勢などが原因として行われる解雇です。また、健康上の理由で仕事を続けることができないと企業側から判断される場合も、普通解雇の対象となるでしょう。
普通解雇によって前職を退職したことがばれれば、採用担当者から能力不足を不安視され再就職に不利になってしまうということもあるかもしれません。
普通解雇と懲戒解雇の違い
普通解雇と懲戒解雇の違いとして挙げられるものは、「退職金の有無」「解雇予告の有無」「失業保険の制限」が代表的です。普通解雇の場合では、退職金が支給されますが、懲戒解雇では退職金の給付が行われないこともあります。
また、解雇予告は通常解雇予定日の30日前までに通知しなければならないという法律上の定めがありますが、懲戒解雇の場合はその限りではありません。失業保険については、懲戒解雇の場合には1〜3ヶ月の間は失業保険が受け取れないということもあるようです。
また、試用期間中14日以内の場合は解雇予告なしに解雇されることもあります。試用期間中で解雇が不安という方は、「試用期間でクビにならないためには?前兆になることや対処法も紹介」のコラムをご参照ください。
解雇されてから再就職前にやるべきこと
解雇されてから再就職前にやるべきことには、「解雇理由を確認する」「年金手続きを行う」「健康保険の切り替えを行う」「退職金や失業手当について確認する」が挙げられます。以下でそれぞれ解説しているので、漏れている手続きがないか確認しておきましょう。
解雇理由を確認する
解雇されたら、解雇理由に問題がないか確認しましょう。確認するべき代表的な内容としては、就業規則に明示されている解雇理由であるかどうか、解雇予告は適切に行われたかどうかなどです。
解雇理由を口頭で済まされる場合もあるため、解雇予告通知書や解雇理由証明書など書類で受け取るようにしておくと安心でしょう。発行が拒否された場合には、不当解雇の可能性も考慮する必要があります。
不当解雇と感じたときの対処法
会社に解雇理由を確認したうえで、不当解雇ではないかと考えられる場合には、すぐに弁護士や労働基準監督署に連絡しましょう。その際には、できる限りの証拠が必要となりますので、会社の就業規則や自身の職務記録、解雇理由証明書の発行が拒否された場合にはそのやり取りの証拠などを集めておくとスムーズです。
不当解雇と感じたときの対処法については、「仕事をクビになったらどうする?解雇される理由や不当解雇の対処法を解説」のコラムで解説していいるので参考にしてみてください。
年金手続きを行う
退職後の転職先が決まっていない場合には、厚生年金から国民年金へ切り替え手続きを行う必要があります。年金の切り替え手続きは退職翌日から14日以内に行わなければならないと定められているため、しっかりと確認しておきましょう。
ただし、退職後にすぐに転職することが決まっているという場合には、手続きを行う必要はありません。
健康保険の切り替えを行う
転職先企業が決まっていない場合には、健康保険の切り替え手続きも行いましょう。一般的に会社に勤務していた場合は社会保険に加入していますが、会社を退職すると「国民健康保険」「家族の扶養」「任意継続被保険者制度」という3つの選択肢が取れます。
それぞれの場合においてとるべき手続きが異なりますので、しっかりと調べておきましょう。健康保険に加入しないと、医療費が全額負担になったり、未加入期間の保険料を追納したりするリスクがあるので注意が必要です。
退職金や失業手当について確認する
解雇後には、退職金や失業手当など自分が受け取ることができるお金についても確認しておきましょう。退職金は解雇理由や企業によって条件が異なることが多いようです。
また、失業保険を受け取れる金額や期間も退職理由によって変わるので、再就職先が決まるまで生活費を受け取りながら転職活動できるようにあらかじめ確認しておきましょう。
失業保険の受給手続き等に関しては、「退職後にハローワークで行う手続きって何?失業保険の受給条件や手順を解説」のコラムで解説しているので、ぜひご覧ください。
解雇後に再就職をするときの3つのポイント
解雇の経歴があるからといって不安を抱えたまま転職活動を進めると、面接で自信のなさが伝わり内定が遠ざかる可能性があります。以下で、解雇後に再就職をするときのポイントを3つ解説するので、前向きに転職活動を進められるよう参考にしてみてください。
解雇後に再就職をするときのポイント
- 履歴書には解雇の事実を書く必要はない
- 面接では正直に答えて前向きさをアピールする
- 就職・転職エージェントに相談する
1.履歴書には解雇の事実を書く必要はない
解雇後に再就職を目指して転職活動するときは、履歴書には解雇の事実を書く必要はありません。職歴欄の書き方としては「▽年▽月 株式会社▲▲ 退職」のように退職したという事実のみを記載すれば大丈夫ですよ。
また、履歴書の賞罰欄がある場合も、解雇の事実を記入する必要はありません。賞罰欄に記載しなければならない内容は、有罪がすでに確定している犯罪行為なので、就業規則違反などの場合には記入せず提出しましょう。
2.面接では正直に答えて前向きさをアピールする
面接で前職の退職理由について聞かれた場合には、正直に解雇の事実を伝えましょう。解雇されたことを伝えるときは正直に退職理由を伝えるだけではなく、仕事に対して前向きな姿勢があることもアピールすることが大切です。
面接で退職理由を聞かれたときは、解雇の経験から学んだことや反省点、これまでの経験をどう活かすかを明確に伝えることを心掛けましょう。これらをしっかりと述べないと、反省していないのではないかと思われてしまい、採用担当者に不信感を与えてしまう可能性があります。
ハタラクティブ プラス在籍アドバイザーからのアドバイス
高城綾香
転職活動の際には、転職理由や退職理由を聞かれるため、解雇されたという事実は面接時に転職先に知られることがあるでしょう。解雇歴があることが転職に及ぼす影響としては、その理由次第で「うちに入社をしても同じことが起こらないか」を見られるということです。
そのため、解雇歴がある場合は「勤務態度が問題で解雇された」「上司とうまが合わず解雇された」といった発言をしてしまうと良い評価には繋がらないので面接での説明の仕方には注意しましょう。会社の経営悪化といった環境要因でない場合は、あくまで自責思考で「どうすれば解雇を免れたか?」という点に注意して退職理由を説明することが大切ですよ。
3.就職・転職エージェントに相談する
解雇されてからの転職活動がうまくいくかどうか不安という方は、就職・転職エージェントに相談することも検討しましょう。就職・転職エージェントでは、転職活動を行う方の希望に応じた求人の紹介だけでなく、解雇されたという事実に対して不安を感じている場合も親身になって就職相談に乗ってくれます。
「解雇されて再就職できるか不安」「退職理由を聞かれたときの答え方が分からない」という方は、就職・転職エージェントのハタラクティブへご相談ください。ハタラクティブは、若年層に特化した就職・転職エージェントです。
専属のキャリアアドバイザーがヒアリングを行い、学歴や経歴に合ったサポートを実施。求人のご紹介はもちろん、応募書類の添削や面接対策で解雇が不利にならないアピール方法をアドバイスするので安心して就活・転職活動に臨めますよ。
監修者:後藤祐介
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。
ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。
資格 : 国家資格キャリアコンサルタント・国家資格中小企業診断士
メディア掲載実績 : 「働く」をmustではなくwantに。建設業界の担い手を育て、未来を共創するパートナー対談・定時制高校で就活講演 高卒者の職場定着率向上へ・【イベント開催レポート】ワークリア障がい者雇用セミナーSNS : LinkedIn®・YouTube