ハタラクティブ
ハタラクティブ

職安とは?どうやって利用する?サービスの特徴や求人の探し方を紹介

職安とは?どうやって利用する?サービスの特徴や求人の探し方を紹介の画像

この記事のまとめ

  • 職安とは「公共職業安定所」の略で、厚生労働省が運営しているハローワークのこと
  • 職安は年齢や職歴を問わず誰でも利用でき、全国の求人を閲覧できる
  • 職安では求人検索のほかにも、窓口での相談や職業訓練などのサービスが利用可能
  • 職安で求人を探すときと失業保険の手続きをするときでは、利用時の流れが異なる
  • 職安を活用する際は、積極的に質問したり民間の就職支援機関と併用したりすると良い

職安で受けられるサービスや利用方法が分からないと、利用したいと思っていてもなかなか踏み出せませんよね。

職安は国が運営する求職支援を行う機関で、一般的には「ハローワーク」と呼ばれています。利用登録をすることで豊富な求人を閲覧できたり、窓口で質問できたりと、就職活動に関する包括的な支援を受けることが可能です。

このコラムでは、キャリアアドバイザーの太田さんのアドバイスを交えながら、職安の基本情報やサービス内容などを解説します。また、実際の利用方法や持ち物などもご紹介。職安がどういった機関か知りたい方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

職安とは

「職安」の正式名称は「公共職業安定所」で、通称は「ハローワーク」です。求職者と雇用事業主の間に立ち、無償で就職支援サービスを提供しています。運営は、厚生労働省です。

所在地

職安は全国500ヶ所以上に設置されており、居住地の近くや職場の最寄りなど、好きな場所で支援を受けられます。

各地の職安の所在地は、「厚生労働省のWebサイト」で確認することが可能です。地図や交通アクセス、連絡先情報なども掲載されているので、訪れる前に一度確認してみると良いでしょう。

開庁時間

職安の開庁時間は、平日の午前8時30分から午後5時15分までです。土日祝日は基本的に閉庁していますが、一部の施設では平日夜間や土曜日にも職業相談が利用できます。

施設ごとに開庁時間が異なる場合もあるので、利用を考えている職安について、必ず事前に確認するようにしましょう。

職安の強み

仕事を探す求職者と人材を探す事業者をつなぐサービスである職安には、国が運営する機関ならではの強みがあります。

求人が豊富

職安の強みの一つは、豊富な求人情報を有している点です。

無料で求人情報を掲載できる職安には、業界や職種、雇用形態などを問わず多種多様な求人情報が寄せられます。地域に密着した支援を行っているため、転職サイトでは見つけにくい地元の優良企業や中小企業などの情報も豊富です。

また、求人情報は、全国に設置されている職安の端末やインターネットサービス内でまとめて閲覧できます。勤務地を問わず理想の求人を見つけたい方や、UターンやIターンを考えている方も、現在の居住地から希望エリアの求人情報を調べられますよ。

利用条件がなく無料で利用可能

職安のもう一つの強みは、利用条件がなく、無料で誰でも利用できる点です。

職安には年齢や職歴などの利用制限がないため、老若男女問わずさまざまな人が訪れます。また、求人検索や求職活動に関する相談、職業訓練などのサービスが無料で受けられるため、金銭面を気にせず活用できるでしょう。

ただし、職業訓練などではテキスト代などの費用が自己負担になる場合も。利用を検討しているサービスについて、事前に確認しておくと安心です。

職安とハローワークの違いは?

「職安」も「ハローワーク」も、いずれも公共職業安定所の通称です。同じ施設を指す言葉なので、意味やサービス内容に違いはありません。

「ハローワーク」という名前は、職業安定所が地域や地域住民に親しまれるようにと定められた愛称です。現在ではその名前が浸透しており、求職活動の強い味方として広く認知されています。

参照元
厚生労働省
ハローワーク

職安で受けられるサービス

職安を利用してみたくても、何ができるのか分からないと難しく感じてしまいますよね。

「職業安定所」という名前のとおり、求人情報の検索以外にも職業訓練や失業保険の手続きなど、さまざまなサービスが受けられます。ここでは、主なサービス内容をご紹介します。

求職活動に関する相談

職安では、求職活動に関する相談をすることが可能です。

たとえば、自分に合った仕事の見つけ方や応募書類の書き方など、求職活動に関する悩みや疑問を解決できます。また、求人情報に関する質問ができたり、応募条件の交渉などを依頼できたりすることも。職員からのアドバイスや提案を受けられるため、安心して求職活動を進められるでしょう。

職業訓練

専門的なスキルを身につけられる職業訓練も、職安で受けられるサービスの一つです。

「ハロートレーニング」と呼ばれる職業訓練では、ものづくりや介護、プログラミングなどの多種多様な訓練コースから、自身の希望するものを選んで受講できます。テキスト代以外の受講料はかからないため、大きな負担なく知識や技術を習得可能です。

ただし、雇用保険を受給中の場合と受給終了後または受給できない場合では、コース種別が異なります。事前に職安の職員に相談し、間違いがないようにしておきましょう。

参照元
厚生労働省
ハロートレーニング

求人の検索や紹介

職安で受けられる代表的なサービスが、求人情報の検索や紹介です。

職安の強み」で述べたように、職安では全国各地の求人情報を検索できます。「自分に合う仕事が分からない」という場合は、職員に相談することで求人をピックアップして紹介してもらうことも可能です。

ハローワークインターネットサービスも活用できる

求人の検索には、ハローワークインターネットサービスを活用すると良いでしょう。

ハローワークインターネットサービスとは、公共職業安定所が扱っている求人情報をWeb上で閲覧できるサービスです。全国各地の求人情報を自分のスマホやパソコンで検索できるため、より効率的に求職活動が行えます。

職安で求職申込をしていない方も利用可能であるほか、サービスから仮登録を行えば職安の初回利用時の手続きがスムーズになりますよ。ただし、ハローワークで手続きを行うまでは、閲覧できる情報が限られていたり、紹介状の発行を依頼できなかったりするなど、制限があるため注意が必要です。

失業保険の受給手続き

職安では、失業保険の受給手続きも行えます。
失業保険とは、退職後の生活を安定させて雇用を促進するために失業者に給付される給付金のこと。受給のためには、職安に離職票を提出し、失業認定を受けるといった手続きを行います。

ただし、雇用保険の手続きは、居住地を管轄している職安以外ではできないので注意が必要です。退職後に失業保険の受給を考えている人は、事前に管轄地域の職安について調べておくと安心でしょう。

状況に応じた専門的な支援

職安では、求職者の状況に応じた専門的なサービスを展開しています。代表的な3つのサービスを紹介するので、一緒に確認しましょう。

新卒応援ハローワーク

新卒応援ハローワーク」とは、大学や専門学校などの卒業を控えている学生や、卒業後おおむね3年以内の既卒者に特化したサービスです。

通常の職安とは異なり、担当者による個別支援を受けられるのが大きな特徴の一つ。きめ細やかな支援が受けられるため、求人の探し方や就職活動の進め方などの不安や疑問を解消しながら就活を進められます。

わかものハローワーク

わかものハローワーク」は、おおむね35歳未満の若者を対象に、正社員就職に向けた支援を行っている機関です

新卒応援ハローワークと同じく個別支援制で、一貫したサポートを受けられます。初回利用時には個々の状況に合わせたプランを作成してもらえるため、見通しをもって就職活動が進められるでしょう。就職後のフォロー体制も充実しているので、フリーター歴が長い方や正社員歴が短い方も安心です。

マザーズハローワーク

子育て世代が家庭と両立できる仕事探しをサポートしているのが、「マザーズハローワーク」です。

「マザーズ」とありますが、子育てと仕事の両立を目指している方なら男女問わず利用できます。キッズスペースが完備されていたり、時短勤務や柔軟な休暇取得が可能な求人の紹介が受けられたりと、子育て中ならではの不安を取り除きながら求職活動が可能ですよ。

参照元
厚生労働省
新卒応援ハローワーク
わかものハローワーク
マザーズハローワーク

職安を利用するときの流れ

ここでは、職安を利用するときの流れについてご紹介します。「どうやって利用すれば良いか分からない…」という方は、ぜひご確認ください。

職安で求人を探すときの流れ

職安で求人を探すときは、下記の流れに沿って手続きを行いましょう。

  • ・求職申込みをする
  • ・職安の端末や自分のパソコンで求人検索を行う
  • ・窓口で紹介状を発行してもらう

公共職業安定所で求人を探すときは、最初に求職申込みを行います。職安の端末で仮登録してから窓口で手続きを行う方法と、自宅からハローワークインターネットサービスを利用して仮登録する方法があるので、やりやすい方法で手続きを行いましょう。

求職申込みができたら、職安で求人検索ができるようになります。求人情報に関する質問や疑問は職員に質問できるので、積極的に活用するようにしましょう。求人に申し込むと、紹介状を発行してもらえるので、面接には忘れずに持っていくようにしてください。

求人を探すときの持ち物

求人を探すときに必要なものや、持っておいたほうが良いものについてまとめました。

  • ・ハローワークカード
  • ・履歴書や職務経歴書
  • ・筆記用具
  • ・スケジュール帳

ハローワークカードとは、職安の窓口で相談したり端末で求人検索したりするときに必要な書類のこと。求職申込みのときに貰えるので、公共職業安定所を利用するときは忘れずに持っていくようにしましょう。

履歴書や職務経歴書は、求職申込みで職歴を記入するときや、窓口で求職活動に関する相談をするときにあると便利です。自らの職歴がひと目で分かるほか、依頼すれば添削も行ってもらえますよ。

筆記用具やスケジュール帳は、求人番号を控えるためのメモとして使用します。また、求人についての相談や紹介状の発行を依頼したときに、その場で面接の日程が決まる場合があるので、予定をすぐに確認するためにも持参しておくと良いでしょう。

失業保険の受給手続きをするときの流れ

失業保険の受給手続きを行うときは、求職申込みの後の流れが仕事探しのときと異なります。手続きの流れを把握しておくと、実際に職安を利用したときに、戸惑うことが減りますよ。

  • ・求職申込みをして離職票を提出する
  • ・雇用保険の受給説明会に出席する
  • ・求職活動を行う
  • ・月に1回、失業の認定を受ける

失業保険を受給するには、まず離職票を提出して受給資格があることを示す必要があります。資格の確認が済むと受給説明会のしおりを受け取れるので、日時を確認しましょう。説明会では、手続きに必要な書類が配布されるほか、失業認定日のお知らせもあるため、必ず参加するようにしてください。

説明会から失業認定日までは日にちが空くため、この間に求職活動を行いましょう。なぜなら、失業保険を受給するためには、認定日から次の認定日までの間に2回以上の求職活動を行う必要があるためです。その後、失業認定日に公共職業安定所に必要書類を提出することで、受給できるようになります。

失業保険の手続きに必要な持ち物

失業保険の手続きには、退職したことが分かる書類や身元確認書類などが必要です。必ず、以下のリストに書いてある持ち物を職安に持参するようにしましょう。

  • ・雇用保険被保険者離職票(-1、2)
  • ・マイナンバーが確認できる書類
  • ・身元確認ができる書類
  • ・証明写真2枚
  • ・本人名義の預金通帳またはキャッシュカード

離職票は、前職から発行してもらいます。退職から10日以上経っても手元に届かない場合は、前職に確認をとる必要があるでしょう。

身元確認ができる書類は、マイナンバーカードや運転免許証、保険証などが該当します。顔写真のない書類の場合は、異なる書類を2種類用意しましょう。証明写真は、縦3cm×横2.4cmのものが2枚必要です。ただし、マイナンバーカードがあれば省略できます。

失業保険の手続きについては「退職後にハローワークで行う手続きって何?失業保険の受給条件や手順を解説」のコラムでも解説しているので、ぜひ参考にしてください。

参照元
ハローワークインターネットサービス
雇用保険の具体的な手続き

職安を上手に活用するための3つのポイント

職安を上手に活用するための3つのポイント

  • 積極的に求人検索や質問をする
  • 応募前に求人票の内容を精査する
  • 転職支援サービスと使い分ける

職安では求職活動に関するさまざまなサービスを無料で受けられるぶん、「活用できるだろうか」と不安に感じる方もいるかもしれません。

ここでは、職安をより効果的に活用するための3つのポイントを解説します。職安の利用を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

1.積極的に求人検索や質問をする

職安を利用するときは、積極的に求人検索をしたり、窓口で質問したりしましょう。

職安の利用時は、職員から声かけや提案があるわけではありません。消極的な姿勢では公共職業安定所のサービスを活用しきれないため、自分から動くことを意識してみてください。

2.応募前に求人票の内容を精査する

職安で求人を探すときは、求人票の内容をよく確認すると良いでしょう。

職安は多くの求人を取り扱っているものの、無料で掲載できるぶん企業の質もさまざまです。なかには、求人票と実際の労働条件が異なっていたり、入社後に社風と合わなかったと発覚したりする場合も。

応募前に求人票の内容について窓口で詳しく聞いたり、企業情報を調べたりして、できる限りの下調べを行うようにしましょう。「仕事の決め方で大切なことは?自分に合ってるか不安なときの対処法を解説」のコラムでは仕事選びのポイントを解説しているので、ぜひ参考にしてください。

3.民間の就職・転職支援エージェントと使い分ける

職安は求人数が豊富だったり無料で窓口相談ができたりする一方、求職活動に慣れていないと「多過ぎて選べない」「もっとじっくり相談に乗ってほしい」と悩んでしまいかねません。また、地元の中小企業の求人が多いため、求人情報も地域に密着したものに偏りやすいといえます。

そのため、きめ細やかなサービスを受けながら自分に合った求人を探したい場合は、民間の就職・転職支援サービスと使い分けるのが有効です。就職エージェントについては「就職エージェントとは?サービスの概要やおすすめの活用法を紹介!」のコラムで解説しているので、ぜひチェックしてみてください。

ハタラクティブ プラス在籍アドバイザーからのアドバイス

太田雅子

太田雅子

職安は、希望の勤務地内で業界・職種を問わずさまざまな求人が探せます。仕事探しを始めたばかりの場合は、職安を利用することで、どのような仕事があるのかを知ることが可能ですよ。

ただし、無料で掲載できるぶん、採用にコストをかけられない中小企業も多い傾向にあります。わたしたちハタラクティブは、未経験から若手を育てることに積極的な企業の求人を多くご紹介可能です。「教育体制がしっかり整っている企業で成長したい」という方は、就職・転職エージェントの併用を検討してみてくださいね。

就職活動を一人で進めるのが不安という方は、就職・転職エージェントのハタラクティブがおすすめです。ハタラクティブでは、20代を中心とした若年層に特化した就職支援を行っています。

キャリアアドバイザーが丁寧なカウンセリングを行い、自己分析や適職探しをお手伝いすることが可能です。未経験から活躍できる企業の求人が多いため、正社員就職に不安のある方も安心して仕事探しができますよ。

また、応募書類の添削や面接対策も行い、求職活動をトータルサポート。疑問はキャリアアドバイザーにすぐ質問できるので安心です。サービスはすべて無料のため、ぜひお気軽にご相談ください。

職安の利用に関するお悩みQ&A

職安の利用方法が分からないという方に向けて、よくある質問や悩みについてQ&A方式でお答えします。

職安では求人検索以外にどんなことができますか?

職安では、求人検索以外にも、求職活動に関する相談や職業訓練などのサービスが受けられます。職安は国が運営している機関のため、基本的に無償で利用可能です。このコラムの「職安で受けられるサービス」でサービス内容を詳しく解説しているので、どのようなサービスがあるのか確認してみましょう。

最寄りの職安以外も利用できますか?

最寄りの職安以外でも、求人検索や窓口相談などのサービスは利用できます。在職中で最寄りのハローワークの開庁時間に間に合わないときは勤務地に近いハローワークを利用するなど、上手く活用してみましょう。ただし、求職申込みや失業保険など、一部の手続きは居住地を管轄しているハローワークで行う必要があります。

職安で受けられる職業訓練について知りたいです

職安で受けられる職業訓練は、主に雇用保険の受給者を対象にした「公共職業訓練」と、受給していない人を対象にした「求職者支援訓練」の2つです。どちらも無料で受講可能で、コースもWebデザインや介護、事務、ものづくりなど豊富に選べます。ただし、種別によって選べるコースが異なるので、事前によく確認しておくと良いでしょう。

職安以外に就活をサポートしてくれるサービスはありますか?

職安以外の就職支援機関を利用するなら、就職・転職エージェントがおすすめです。マンツーマンで一人ひとりに合わせたきめ細やかなサポートが受けられるため、安心して就活が進められるでしょう。求職活動の経験が少なく不安という方は、ハタラクティブの利用をご検討ください。あなたの適性を見極め、未経験から活躍できる求人情報を厳選してご紹介します。

後藤祐介

監修者:後藤祐介

京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。
ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。

資格 : 国家資格キャリアコンサルタント国家資格中小企業診断士
メディア掲載実績 : 「働く」をmustではなくwantに。建設業界の担い手を育て、未来を共創するパートナー対談定時制高校で就活講演 高卒者の職場定着率向上へ【イベント開催レポート】ワークリア障がい者雇用セミナーSNS : LinkedIn®YouTube