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中卒ってどれくらいやばいの?就職を成功させる方法や求人の探し方を解説

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この記事のまとめ

  • 中卒から正社員として働いている人もいるので、「やばい」とは言い切れない
  • 中卒者は応募先の選択肢が狭くなりやすいため、就職に難しさを感じる可能性もある
  • 「やばい」と感じる状況を抜け出すため、就職に向けて資格取得を目指すのも一つの手
  • 中卒から就職を成功させるには、自己分析の徹底や学歴不問の求人を選ぶ
  • 中卒の学歴が理由で就職活動に自信がない場合は、就職支援サービスを利用しよう

「中卒ってどれくらいやばいの?」と悩んでいる方もいるでしょう。学歴に自信がもてないと、「このまま就職できなかったらどうしよう…」「将来どうなるの…」と不安になりますよね。

結論からいうと、中卒の学歴は「やばい」とは限りません。なぜなら、正社員として就職すると、学歴よりも仕事の成果で評価してもらえる可能性があるためです。

正社員として就職するには、学歴や経歴を問わない職種を選んだり、面接でポジティブなアピールを心掛けたりして、しっかりと対策をとることが重要。このコラムでは、キャリアアドバイザーの荒井さんのアドバイスを交えつつ、中卒の就職事情や就活を成功させるコツを解説します。

中卒からの就職に挑戦しやすい職種についても紹介するので、ぜひ参考にして内定獲得を目指しましょう。

中卒ってどれくらいやばいの?

中卒の場合、就職や収入に関して「やばい」と感じることがあるでしょう。ここでは、中卒者の就職事情や給与について解説します。「中卒ってどれくらいやばいの」と不安な方は、現状や将来について考える際の参考にしてみてください。

中卒者の就職率は34%

中卒者の正社員就職率は、高卒や大卒と比べて低い傾向にあります。以下では、厚生労働省が公表している「令和5年若年者雇用実態調査の概況」をもとに、学歴別に正社員として働く人の割合を表にまとめました。

最終学歴正社員の割合
中学34%
高校63.5%
専修学校(専門課程)70.8%
高専・短大68.7%
大学87.3%
大学院81.0%

参照:厚生労働省「令和5年若年者雇用実態調査の概況(p.12) 表9-2 最終学歴、雇用・就業形態別在学していない若年労働者割合

データから中卒で正社員として働いている人の割合は34%であり、高卒の63.5%、大卒の87.3%と比べて低いことが分かりました。学歴が高くなるにつれて求人の選択肢も広くなり、最終学歴が高いほど正社員の割合も概ね高いようです。

一方、中卒の応募者は学歴によって求人の選択肢が狭まることがあるので、就職が不利になりやすいと考えられています。しかし、就職を考えたときに「中卒はやばい」とは一概にはいえません。中卒の人も3人に1人以上は正社員として働いているため、就職の可能性はあるでしょう。
参照元
厚生労働省
令和5年若年者雇用実態調査の概況

中卒者の平均賃金は20~30万円前後

年齢や業界によって異なりますが、中卒として働く人の平均賃金は20~30万円程度です。以下では、e-stat 政府統計ポータルサイトに掲載されている「令和6年賃金構造基本統計調査」の結果をもとに、中卒者の平均賃金を表にまとめました。

※すべて産業計、企業規模10人以上
※所定内給与額のデータ(時間外手当、深夜手当、休日出勤手当などを含まない)

~19歳18万4,000円
20~24歳22万3,900円
25~29歳24万3,200円
30~34歳26万2,700円
35~39歳28万8,900円
中卒合計28万円

参照:e-stat 政府統計ポータルサイト「令和6年賃金構造基本統計調査 第2表 年齢階級、勤続年数階級別所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額 産業計

データによると、10代の中卒者の平均賃金は18万4,000円。年齢とともに上がる傾向がありますが、30代以下は30万円未満のようです。

高卒や大卒との平均賃金の差

学歴が高いほど、平均賃金も高い傾向にあります。以下では、前述した「令和6年賃金構造基本統計調査」をもとに、学歴別の平均賃金を表にまとめました。

※すべて産業計、企業規模10人以上
※所定内給与額のデータ(時間外手当、深夜手当、休日出勤手当などを含まない

中学28万円
高校28万8,900円
専門学校30万6,900円
高専・短大30万7,200円
大学38万5,800円
大学院49万7,000円
学歴計33万400円

参照:e-stat 政府統計ポータルサイト「令和6年賃金構造基本統計調査 第2表 年齢階級、勤続年数階級別所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額 産業計

中卒と大卒を比べると、平均賃金に10万円以上の差があることが分かります。中卒者の平均賃金がほかと比べて低い理由は、学歴によって基本給を設定している企業があるためです。

中卒の方が高収入を得るには、資格を取得したり専門的なスキルを身につけたりして、より幅広い就職先を選べるようにすることが重要といえるでしょう。
学歴別の平均収入について詳しく知りたい方は、「平均収入を徹底解説!学歴や年齢別の実態と年収アップの方法」のコラムもご確認ください。

業界別の平均賃金

中卒者の平均賃金は、業界によっても差があります。前述の「令和6年賃金構造基本統計調査」から、中卒者の平均賃金を業界別に表にまとめました。

※すべて産業計、企業規模10人以上
※所定内給与額のデータ(時間外手当、深夜手当、休日出勤手当などを含まない)

鉱業、採石業、砂利採取業29万7,000円
建設業33万2,700円
製造業26万8,000円
電気・ガス・熱供給・水道業40万3,800円
情報通信業54万1,300円
運輸業、郵便業27万9,900円
卸売業、小売業27万4,600円
金融業、保険業28万6,700円
不動産業、物品賃貸業29万7,700円
学術研究、専門・技術サービス業33万7,700円
宿泊業、飲食サービス業26万2,600円
生活関連サービス業、娯楽業25万1,000円
教育、学習支援業26万4,400円
医療、福祉24万4,800円
複合サービス事業24万7,400円
サービス業(他に分類されないもの)24万6,900円

e-stat 政府統計ポータルサイト「令和6年賃金構造基本統計調査 第1表学歴、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額

データから、中卒の方は「電気・ガス・熱供給・水道業」「情報通信業」「建設業」で平均給与額が高いことが分かりました。なお、同データによると学歴計・産業計の平均賃金は33万400円です。

中卒の方の平均給与は、「電気・ガス・熱供給・水道業」「情報通信業」「建設業」で学歴計・産業計を上回っています。この点においても、「中卒はやばい」と言い切れないでしょう。

参照元
e-stat 政府統計ポータルサイト
令和6年賃金構造基本統計調査

中学新卒でハローワークを利用した場合の就職率

厚生労働省の「令和5年度『高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職・就職内定状況』取りまとめ(3月末現在)~高校生の就職内定率は 99.2%~(p.1)」によると、2024年に中学を卒業した人のうち学校やハローワークから職業紹介を希望した人の就職内定率は、2024年3月末時点で79.5%でした。中学卒業後すぐに就職を希望し、ハローワークや学校のサポートを受けて就活した人は、約10人に8人の割合で内定を獲得していることが分かります。
このデータからも、中卒の学歴を悲観し過ぎる必要はないといえるでしょう。

参照元
厚生労働省
令和5年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職・就職内定状況」取りまとめ(令和6年3月末現在)~高校生の就職内定率は 99.2%~

中卒者が直面する現実はやばい?

中卒者は、学歴が理由で周囲の人にネガティブなイメージをもたれたり、結婚を反対されたりする恐れがあります。しかし、必ずしも「現実はやばい」と決まっているわけではありません。

ここでは、中卒者の現実についてまとめたので、「中卒ってどれくらいやばいの?」と不安な方は参考にしてみてくださいね。

周りにネガティブなイメージをもたれやすい

中卒の場合、高卒や大卒の方と比べて学校で学んだ期間が短いので、周りの人から「基礎的な学力が身についていないのではないか」と思われる可能性があります。また、近年では大学まで進む人が多いため、「なぜ進学しなかったのか」という疑問を持たれることも。周囲の人に偏見やネガティブなイメージをもたれていることに気づくと、「中卒ってそれほどやばいんだ」と落ち込んでしまう方もいるでしょう。

ただし、先述したように「中卒はやばい」とは限りません。努力次第で周りの人のネガティブなイメージを払拭できることを意識しておきましょう。

結婚を反対される恐れがある

学歴を理由に結婚を反対される恐れがあるのも、「中卒者が直面する現実はやばい」といわれる理由の一つです。前述したように、中卒者はネガティブなイメージをもたれることがあります。相手の両親や親族が中卒の学歴に対して否定的な場合、結婚を反対されてしまう可能性があるでしょう。

しかし、結婚は学歴だけでは決まりません。性格や相性なども関わっているので、「中卒だから結婚できない」と諦めるのは控えましょう。

中卒者の将来はどうなる?

中卒者は、学歴が理由で就職や結婚で不利になる恐れがあります。しかし、高校や大学に通わないぶん、同世代の人と比べて早くから仕事で実務経験を積めるのはメリットです。長期にわたってキャリア形成ができるので、将来的にビジネスシーンで活躍できる可能性も考えられますよ。

中卒の学歴を「やばい」と感じるタイミング

中卒の場合、学歴が原因で自己肯定感が下がったり、面接で企業側に指摘されたりしたときに「やばい」と感じることがあるようです。「やばい」と感じるタイミングを知ることで、状況を抜け出す方法を見つけるきっかけにもつながります。
ここでは、中卒の学歴を「やばい」と感じるタイミングをまとめたので、ぜひご一読ください。

学歴が原因で自己肯定感が下がったとき

学歴が原因で自己肯定感が下がると、「中卒はやばい」と感じてしまう可能性があります。たとえば、友人から高校や大学の話を聞いたときに、学校に通っていない自分の価値を見失ってしまい、自己否定につながることがあるでしょう。

また、「基礎的な学力がない」といった中卒者に対する偏見を聞いたときに自己肯定感が下がり、「やばい」と感じてしまう恐れもあります。自分に自信をもてず「やばい」と感じたら、「小さな成功体験を積み重ねる」といった改善策を試してみましょう。
自分に自信が持てない人の特徴とは?原因や改善策を合わせて解説!」を参考に、自信を取り戻すために行動してみてください。

面接で企業側に学歴を指摘されたとき

中卒者は、就職の面接を受けたときに「やばい」と感じることもあるようです。面接で「なぜ高校を卒業しなかったのか」といった指摘を受けると、自分に自信がなくなり「やばい」と感じてしまう可能性があるでしょう。学歴が原因で選考が上手く進まなければ、「中卒はやばい」と感じるのも無理はありません。

中卒者は、ほかの学歴の方と比べて学習期間が短いため、企業側に「一般常識が足りず、仕事で苦労するのではないか」と懸念を抱かれる場合があります。職務を遂行できる知識やスキルは、企業側が新たな人材を採用するときの判断基準の一つです。
学歴は知識やスキルを示す指標となるため、学歴を確認する採用担当者がいると考えられます。

就職先の選択肢が少ないと感じたとき

中卒者は、学歴によって就職先の選択肢が狭くなることがあります。たとえば、求人情報に「高卒以上」「大卒以上」といった条件が設けられていた場合、その求人には応募できません。また、高度な専門知識を必要とする仕事や、特定の学問をベースにした職種などに応募できないことも。
自分がやりたい仕事に挑戦できないと、「中卒はやばい」と感じる可能性があるでしょう

資格の取得条件を満たせないとき

資格の取得条件を満たせないときに、中卒の学歴を「やばい」と感じることもあるでしょう。特定の資格を取得するには、高卒以上の学歴が要求される場合があります。学歴によって資格を取得できない場合、さらに就職先の選択肢が狭くなってしまう恐れもあるでしょう。

資格取得が必要な職種に就きたいのであれば、高等学校卒業程度認定試験(高卒認定試験)を受けるのも方法の一つです。たとえば、安全管理士や食品衛生管理者などの資格は、高卒認定試験に合格している方を高卒と同程度として扱っています。

もちろん、仕事によっては資格がない状態での就職も可能です。資格がない状態から目指せる正社員の仕事は「無資格からできる仕事一覧!正社員になるためにできること」のコラムで解説しているので、ぜひご一読ください。

人脈の狭さに気づいたとき

人脈の狭さに気づくときも、中卒者が「やばい」と感じるタイミングの一つです。高校に進学しなかったり中退したりすると、学校生活を通して友人関係を広げるのが難しくなると考えられます。「友人が少ない」「境遇の異なる知り合いがいない」などと気づいたときに焦ってしまう可能性があるでしょう。

しかし、人脈は学校以外でも広げられます。たとえば、興味のあるイベントに参加したり、SNSで交友関係を築いたりすると、学歴に関係なく人との関わりをもてますよ。

中卒者が「やばい」といわれる状況を抜け出す方法

中卒の場合、学歴が原因で自分に自信をもてず、「やばい」と感じることもあるでしょう。しかし、中卒の方も、資格取得を目指したり高卒認定試験に合格したりすると、「やばい」といわれる状況を抜け出せる可能性はあります。

ここでは、「やばい」といわれる状況を抜け出す方法をまとめました。現状を変えるために行動したい方は、ぜひご覧ください。

資格を取得する

中卒者が「やばい」といわれる状況を抜け出すには、資格を習得するのがおすすめです。資格があると、就職活動の際に専門知識や仕事に対する熱意をアピールできます。
採用担当者に「勉強に対する意欲がある」「専門知識を活かして活躍してくれそう」というイメージをもってもらえる可能性もあるでしょう。

高等学校卒業程度認定試験に合格する

「中卒だから就職先が少なくてやばい…」とお悩みの方は、高等学校卒業程度認定試験(高卒認定試験)を受けるのも一つの手です。高卒認定試験とは、文部省が行っている国家試験の一つ。合格すれば、高校卒業と同程度の学力があることを証明できます。

文部科学省の「高等学校卒業程度認定試験合格者の企業等における扱いに関する調査結果 令和5年度調査結果(p.3)」によると、高卒認定試験の合格者を高卒と同程度として扱う企業の割合は、2024年の調査で32.8%です。学歴が変わるわけではないものの、合格すれば応募できる求人が増え、就職先の選択肢の幅が広がるでしょう。

高卒認定試験を受けるメリットは、「高卒認定がないと就職で不利?取得するメリットや就活のポイントを解説」のコラムで詳しく解説しているので、受験を考える際の参考にしてみてください。

参照元
文部科学省
高等学校卒業程度認定試験合格者の企業等における扱いに関する調査結果

正社員就職に挑戦する

正社員として就職することで、中卒の学歴に対するネガティブなイメージを払拭できる可能性があるでしょう。社会に出ると、学歴よりも仕事の成果で評価されるのが基本です。そのため、頑張り次第で学歴に対する偏見を払拭できることがあります。

雇用や収入が安定した正社員になると、周囲からのネガティブなイメージを払拭できて、結婚を反対されなくなる可能性もあるでしょう。

キャリアアップに向けて努力する

「管理職に就く」「専門性の高い仕事をする」などのキャリアアップを叶えることで、「やばい」といわれる状況を脱却できる場合があるでしょう。先述したように、中卒の方は同年代と比べて早くキャリアを積めます。
キャリアビジョンを具体的に思い描いたり、スキルアップに向けて努力したりして、キャリアアップを目指しましょう。

キャリアビジョンを明確にする

キャリアアップを目指すには、「将来どのようになりたいか」というキャリアビジョンを明確にすることが大切です。理想の将来像を思い描くことで、自分が今何をすべきかを把握できます。1年後、3年後、5年後など年数を区切り、どのようになっていたいか目標を設定してみましょう。

職場でスキルアップを目指す

仕事を通してスキルアップを目指すことも、キャリアアップにつながります。たとえば、仕事で得た専門的なスキルを活かして資格を取得すると、より難易度の高い仕事を任されたり、管理者に昇進できたりする可能性も。また、資格を活かして好条件の企業への転職も目指せるでしょう。

中卒からの就職に挑戦しやすい職種9選

中卒からの就職を目指す場合、採用時に学歴や経験が求められにくい職種を選ぶのがおすすめです。ここで紹介する職種は、応募者の働く意欲や人柄が重視される傾向にあるので、学歴を問わず挑戦しやすいといえます。ぜひ、仕事選びの参考にしてみてください。

1.営業職

営業職は商品やサービスを顧客に紹介し、購入につなげる仕事です。学歴よりもコミュニケーション能力や交渉力が評価されるため、中卒からの就職先として挑戦しやすいでしょう

営業職として実務経験を積むと、コミュニケーション能力や課題解決力など職種を問わず活かせるスキルを身につけやすいので、転職時にも役立ちます。営業職についてより詳しく知りたい方は、「営業職とは?きついって本当?向いている人の特徴や年収、目指し方を解説!」のコラムをぜひご覧くださいね。

2.介護職

高齢者や障がい者の支援をする介護職は、「困っている人をサポートしたい」「社会貢献をしたい」と思っている人に向いている可能性があります。人材不足の傾向にあるので、人材確保のために学歴・経験不問の求人が出ているようです
専門的な資格が求められる場合もありますが、無資格で入職し現場で働きながら資格取得を目指せる場合もあります。

3.接客・販売系の職種

飲食店やアパレルなどの接客業では、コミュニケーションスキルや扱う商品の知識が求められます。これらは実際に働きながら身につけやすいため、学歴・経験不問の求人が出ているようです。
顧客に対して楽しく、快適な時間を提供するためのホスピタリティーがあると、中卒から就職後に活躍できる可能性があるでしょう

4.IT系の技術職

IT系の技術職は、中卒から就職に挑戦しやすい職種といわれています。専門知識をもった人材を育てるべく、入社後の研修体制を充実させている企業があるためです。また、スクールに通ったり独学したりして知識やスキルの習得を目指すことも可能。中卒から専門性を活かして活躍できるでしょう。

情報化が進む現代社会では、IT系の技術者は重宝されます。技術が進化しているため、将来性も期待できるでしょう

5.ドライバー

ドライバーは、運転免許があれば学歴に関係なく即戦力として働ける職種。特にトラック運転手は、物流の需要増加に伴い、需要が高まっているようです。

ドライバーは、トラック運転手のほかにもタクシー運転手、バス運転手などの職種があります。トラックやバスを運転する場合は、「大型自動車運転免許」「大型自動車第二種運転免許」の取得が必要な可能性があるため、事前に確認しておきましょう。

6.建設作業員

建設作業員は、学歴や資格が必要とされにくいので、中卒から就職を目指しやすいと考えられます。職業情報提供サイト job tag「建設・土木作業員」によると、中学卒業後そのまま働く人もいるようです。立ち仕事やかがみ姿勢での作業が中心のため、体力に自信がある方に適しているといえるでしょう。

建設現場で働く作業員のうち、主に高所で働く職人は「鳶職」と呼ばれます。建設に関わる仕事に挑戦したい場合は、「鳶職とは?向いている人の特徴や給料を解説!大工との違いも紹介」のコラムもチェックしてみましょう。

参照元
職業情報提供サイト job tag
建設・土木作業員

7.施工管理職

施工管理職は、施工が計画どおりに進むように建設現場で監督や指導を行う仕事です。学歴を問わず満17歳以上であれば、2級施工管理技術検定の受験が可能。さらに知識を習得して、1級施工管理技術検定の取得も目指せます。資格を取得すると、中卒の方も専門性を活かして活躍できるでしょう

8.工場作業員

工場作業員も、中卒からの就職先として挑戦しやすい職種の一つ。就職に当たって、学歴や経験を求められにくいようです。ベルトコンベアに流れてくる製品に手を加える仕事からフォークリフトの操作まで幅広い仕事があります。基本的に立ち仕事なので、体力に自信がある方に向いている可能性があるでしょう。

企業によっては住み込み可の求人もあるので、「遠方で働きたい」「就職を機に一人暮らしを始めたい」という場合にも検討してみてくださいね

9.警備員

警備員は、入社時に学歴や経験が認められにくいので、中卒から就職を目指しやすい職種の一つです。一般的に入社後は身の守り方や応急救護などの研修を受けるため、「中卒で知識に自信がない」と不安な方も挑戦しやすいでしょう

事務所や商業ビルなどさまざまな施設で警備が必要とされているので、将来的に安定的な需要を見込めます。

10.清掃員

清掃員も、中卒から就職に挑戦しやすいといわれています。ルーティンワークが中心のため、「仕事を覚えられるか不安」という方も業務に取り組みやすいでしょう。チームで作業することがあるので、周囲の人と協力しながら働きたい場合に向いていると考えられます。

11.コールセンターのスタッフ

コールセンターのスタッフは、顧客からの問い合わせに対応したり、電話で営業活動を行ったりする職種です。経験や学歴より、コミュニケーションスキルが重視される傾向にあります。中卒の学歴に不安がある方も安心して挑戦できるでしょう。

研修制度があったりマニュアルが整っていたりする職場では、未経験の方も仕事に挑戦しやすいと考えられます。

12.公務員

公務員も中卒者にとって選択肢の一つです。一部の職種では学歴の制限がなく、公平な選考をもとに採用されます。企業とは異なり業績に影響されにくいぶん、収入や雇用の安定性を期待できるのも特徴です。

公務員になるためには、受験対策をしっかりと行っておく必要があります。また、公務員試験には年齢制限が設けられている場合もあるため、受験を検討している方はあらかじめ確認しておきましょう。
中卒ニートを脱出する方法10選!おすすめの就職先もご紹介」のコラムでは、中卒から挑戦しやすい職種を解説しているので、ぜひ仕事選びの参考にしてみてくださいね。

中卒から就職を目指す場合におすすめの資格

先述したように一部の資格は受験資格が設けられていますが、中卒者が取得可能な資格も存在します。たとえば、日商簿記やMOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)などは学歴不問。資格を取得すると、選考の際にアピールしたり仕事で活かせたりするでしょう。

ここでは、中卒から取得を目指せる資格をまとめました。「就職に向けて知識やスキルを身につけたい」と考えている方は参考にしてみてください。

日商簿記

日商簿記は、会計や経理の知識を証明できる資格です。企業の経営活動について知識を身につけられるので、取得すると仕事で役立てられる可能性があります。「中卒で学力に自信がない」という方も、資格の勉強を通してビジネスに必要な知識を習得できるでしょう

MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)

MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)は、WordやExcelなどマイクロソフトオフィスのスキルを証明する資格です。事務職や営業職などさまざまな職種でPCの操作が求められるので、資格をもっていると選考の際にアピールできます。
PCを使う職場への就職を希望している場合は、MOSの取得を目指すのがおすすめです

ITパスポート

ITパスポートは、ITに関する基本的な知識を証明できる資格です。経営や法務、財務、マーケティングなどに関する問題も出るので、ビジネスで必要な知識の習得につながります。情報技術の発展が進む社会において、ITの知識があると就職の際にアピールしやすいでしょう

秘書検定

秘書検定は、社会人としての基礎知識を証明する資格です。秘書業務に必要な知識のほか、一般常識や敬語、ビジネス文書の作成に関する問題も出題されます。秘書検定を取得して社会人としてのマナーが身についているとアピールすると、企業側の中卒者に対する「基礎学力がないのでは」といった懸念を払拭できる可能性があるでしょう

宅地建物取引士

宅地建物取引士は、不動産の売買や賃貸契約のあっせんの際に顧客に対して重要事項の説明を行うための国家資格です。学歴や実務経験を問わず試験を受けられるので、中卒の方も資格取得を目指せます

宅地建物取引士は不動産業界において不可欠な存在です。不動産業界への就職を目指している方は、資格の取得を検討してみてくださいね。

介護職員初任者研修

介護職員初任者研修は、介護の基礎から応用までを学べる資格です。先述したように介護業界は未経験・無資格から就職を目指せますが、資格があると知識やスキル、仕事への意欲をアピールしやすいでしょう。資格を取得することで「無資格不可」の求人にも応募できます。

介護職員初任者研修の資格をベースに業務を通して知識を深めると、「介護福祉士実務者研修」「介護福祉士」とキャリアアップを目指すことも可能です

資格があると就職の際にアピールできますが、無資格の方も就職を目指せます。「資格なしは就職で不利?企業が資格よりも重視しているポイントを紹介!」では、無資格の方が就職を成功させるコツを解説しているので、ぜひご一読ください。

中卒から就職を成功させるためのポイント

「中卒で就職できるか不安」と悩んでいる方もいるでしょう。中卒の方も自己分析を徹底したり、学歴や経験が求められにくい職種を選んだりすることで就職できる可能性があります。

ここでは、中卒から就職を成功させるポイントについて解説するので、就職に向けて一歩を踏み出すための参考にしてみてください。

職業訓練を受ける

学歴に自信がなく、中卒からの就職が不安な方は、ハローワークで職業訓練に申し込むのがおすすめです。職業訓練とは、就職を希望する人々に対して知識やスキルなどの習得をサポートする制度のこと。一般的なPCスキルをはじめ、介護やWebデザインなどの専門スキルが身につくコースもあります。

職業訓練を受けると、履歴書の職歴欄に記載できるのがメリットです。経歴に自信がなく、履歴書の作成に不安がある場合も、受講を検討してみましょう。「ニートは職業訓練を受けるべき?メリットやおすすめのコースを紹介」のコラムでは、職業訓練のメリットを解説しているので、ご一読ください。

職業訓練の詳しい情報は、厚生労働省の「ハロートレーニング(離職者訓練・求職者支援訓練)」でも確認できます。

参照元
厚生労働省
ハロートレーニング(離職者訓練・求職者支援訓練)

経験や学歴が求められにくい職種を選ぶ

中卒から就職するには、学歴や経験不問の職種を選びましょう。先述したように、接客業やドライバー、工場作業員などは、入社時に学歴や経験を求められにくいようです。経歴よりもコミュニケーション能力や体力、仕事の成果などが重視される場合、学歴に関係なく活躍できる可能性があるでしょう

ハタラクティブ プラス在籍アドバイザーからのアドバイス

荒井幹太

荒井幹太

昨今、「学歴不問・経歴不問」の求人が増えています。このように明記されている企業の面接では、「中卒」はそれほど大きなハンディギャップにはならないでしょう。
中卒者の就活において、企業側は「あなたが何をしてきたか」に注目します。面接では、自分の言葉で明確な回答を用意し、選考に臨むことが大切です。
ハタラクティブでは、内定率をアップさせる面接対策も行っていますので、事前にしっかりと準備ができますよ。

自己分析を徹底する

中卒から就職を成功させるには、自己分析を徹底することが大切です。学生時代の経験をはじめ過去のエピソードから、自分の能力やスキル、得意・不得意を考えてみましょう。

自己分析をすれば、「自分のやりたいこと・できることは何か」「自分はどのような職種や業種に適しているか」「どのような取り組み方で自分をアピールすべきか」などを具体的に理解できます

面接でポジティブなアピールを心掛ける

中卒からの就職では、面接でポジティブな内容をアピールするのがおすすめです。面接では、学歴よりもあなた自身の意欲や人柄が重視されることがあります。学歴や経験に自信がなくても、自分の長所や強み、仕事に対するやる気を前向きに伝えましょう。

面接を突破するポイントを知りたい方は、「面接に受からない原因と具体的な対策を紹介!気をつけたい注意点も解説」のコラムもあわせて読んでみてください。

中卒者の正しい履歴書の書き方

履歴書はあなた自身をPRする重要なツール。中卒からの就職を成功させるには、正しい履歴書の書き方を知っておくことも重要です。

学歴については「中学校卒業」から記入します。学校名は正式名称を記入しましょう。高校に進学した場合は、「中退」の経歴を正直に書いてくださいね。履歴書に嘘を書くことは経歴詐称となり、バレると内定取り消しになる恐れがあります。誠実さをアピールするためにも、真実を伝えるようにしましょう。

中卒から就職する際に求人を探す方法

中卒から就職を目指す場合、「応募できる求人数が少ない」と悩むこともあるでしょう。就職を成功させるためには、求人の探し方を知ることが大切です。
ここでは、中卒から就職を目指す際に求人を探す方法を解説するので、自分に合った就職先を見つけるために参考にしてみてください。

ハローワークを利用する

中卒から就職する際の求人探しには、ハローワークを利用しましょう。ハローワークは国が運営する公共職業安定所。学歴に関係なく、誰でも利用が可能です。

ハローワークでは、職員が求職者の希望条件に合った求人情報を紹介してくれます。また、履歴書の書き方や面接の対策方法など、就職活動に必要なアドバイスを受けたり、職業訓練を申請したりすることもできますよ。
ハローワークのサービス内容は、「ハローワークとは?詳しいサービス内容や利用時の流れなど分かりやすく解説」のコラムで解説しているので、ぜひご確認ください。

求人サイトで検索する

求人サイトは、求人情報を掲載しているWebサイトです。「学歴不問」「未経験歓迎」など、条件を設定して求人を検索できるため、中卒の方も自分に合った応募先を探しやすいでしょう。自分で求人を探して応募できるので、自由に就職活動を進めたい場合に向いている可能性があります。

就職・転職エージェントを活用する

中卒から就職を成功させるには、就職・転職エージェントを活用するのも一つの手。就職・転職エージェントは、求職者と企業をつなぐサービスです。プロのキャリアアドバイザーが一人ひとりに合った求人を紹介してくれます

また、就職・転職エージェントによっては非公開求人を扱っているので、ほかのサービスでは見つけられなかった求人に出会える可能性も。「中卒で応募できる求人に限りがある」と感じている方も、応募先の幅が広げられるでしょう。

中卒からの就職活動では、不安や難しさを感じることもあります。しかし、自己分析や面接対策などを徹底すると、就職できる可能性はあるでしょう。学歴や未経験をマイナスに捉えず、自分の強みを見つけてアピールできるようにしてみてください。

若年者向け就職・転職エージェントのハタラクティブでは、学歴・経験不問の求人を多く扱っています。専任のキャリアアドバイザーがマンツーマンでお悩み相談や選考対策を実施するので、「中卒で学歴に不安がある」「正社員経験がない」という方もご相談ください。内定率が高く、自分に合った企業への就職を目指せますよ。
サービスの利用料はすべて無料ですので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

中卒からの就職に関わるQ&A

ここでは、中卒からの就職にまつわる疑問やお悩みにQ&A形式で回答します。「中卒ってやばいの?」「学歴に自信がない自分も就職できる?」と不安な人は、ぜひ参考にしてみてください。

「中卒で人生終わり…」と感じる状況から脱却する方法は?

正社員就職を目指すのがおすすめです。正社員になると、周りからネガティブなイメージをもたれにくくなると考えられます。

「応募できる求人に限りがある」と感じる場合は、高卒認定試験を受けたり資格取得を目指したりしましょう。選考の際に資格をアピールすると、採用担当者に好印象を与えられる可能性があります。
中卒から就職を成功させるポイントは、「中卒から正社員を目指すなら学歴不問を狙おう!成功のコツと求人の探し方」のコラムでチェックしてみましょう。

中卒から就職を成功させるためにまずやることは何ですか?

自己分析をしてみましょう。自分の価値観や強みを客観的に把握することで、向いている仕事を見極めやすくなります。
自分に向いてる仕事に出会うには?見つけるメリットや探し方を解説」のコラムでは、自己分析の方法を解説しているので、就職を成功させるためにぜひご一読ください。

中卒から就職活動を始める際の注意点を教えてください

万が一、不採用になっても焦らずに就職活動をしましょう。「早く就職しなければ」と焦ってしまうと、適性と合わない企業を選んでしまい、早期離職につながる恐れがあります。不採用になった場合は、反省点を考えそれを活かして諦めずに就職活動をするのがおすすめです。

「中卒からの就職活動に不安がある」「自分に合う企業が分からない」という方は、ぜひハタラクティブにご相談ください。専任のキャリアアドバイザーが1対1であなたの就職活動をサポートします。

後藤祐介

監修者:後藤祐介

京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。
ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。

資格 : 国家資格キャリアコンサルタント国家資格中小企業診断士
メディア掲載実績 : 「働く」をmustではなくwantに。建設業界の担い手を育て、未来を共創するパートナー対談定時制高校で就活講演 高卒者の職場定着率向上へ【イベント開催レポート】ワークリア障がい者雇用セミナー
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