この記事のまとめ

  • 大学退学理由は、「進路変更」「就職」「経済的事情」「心身の不調」などがある
  • 大学退学理由の履歴書への書き方のポイントは「嘘を書かない」「簡潔に書く」
  • 大学退学後の就職活動では、学歴よりもポテンシャルを重視する企業を選ぶのがおすすめ
  • 就職の面接で大学退学理由を聞かれたら、例文を参考にしてポジティブに伝えよう
  • 大学中退からの就活に不安を感じる場合は、就職・転職エージェントに相談してみよう

「大学退学理由の履歴書への書き方や例文を知りたい」「就職の面接で退学理由をどう答えれば良いか迷っている」という方もいるでしょう。履歴書の学歴欄には、大学中退の年月を正確に書くとともに中退理由を簡単に記入します。
たとえば、「進路変更のため退学」「経済的事情により退学」などが挙げられるでしょう。「一身上の都合により退学」でも問題ありません。ただし、面接で理由を聞かれる可能性があるので、スムーズに回答できるよう準備しておくと安心ですね。

このコラムでは、キャリアアドバイザーの八木さんのアドバイスを交えつつ、大学退学後の就職活動のポイントを解説します。大学退学からの就職を目指している方は、ぜひ参考にしてみてください。

大学退学理由の例は?

大学を退学(中途退学)する理由には、他大学への転学や進路変更、就職などが挙げられます。なかには、精神的な不調、経済的な事情など、やむを得ない理由から大学退学を決めた人もいるでしょう。

どのような理由で大学を退学する人が多いのか、その割合については以下をご覧ください。

大学退学理由別の割合

文部科学省の「令和5年度 学生の中途退学者・休学者数の調査結果について」を参考に、大学・短期大学・大学院・高等専門学校における中途退学の理由の割合をランキング形式でご紹介します。

 中途退学の理由割合
1位転学・進路変更など22.0%
2位学生生活不適応・修学意欲低下16.5%
3位就職・起業など14.4%
4位経済的困窮13.6%
5位学力不振7.3%
6位精神疾患6.6%
7位病気・ケガ・死亡4.1%
8位海外留学0.7%

参考:令和5年度 学生の中途退学者・休学者数の調査結果について

なお、上記のランキングでは「その他(13.8%)」と、「不明(1.0%)」の回答は、退学理由が不明瞭なため除外。また、この割合はあくまで一例であり、対象の年度により変動します。

大学退学を決めるときは、その理由が自分の思い描く将来像と合っているか、よく考えることが大切です。
大学を辞めると後悔する?メリット・デメリットや中退後の進路を解説」のコラムでは大学を退学後に就職を成功させるコツを紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

参照元
文部科学省
学生支援

就職活動にあたって大学退学理由を明確にしておこう

大学退学後に就職活動を始める場合は、退学理由を整理しておくことが大切です。このプロセスを経ることで、履歴書の記入や面接での質問に自信をもって対応できるようになります。

たとえば、退学理由が「進路変更」の場合、「なぜその決断に至ったのか」「その後、どのような行動を取ったのか」を具体的に説明できるよう準備しておきましょう。これにより、新たな進路を実現するため前向きに努力する姿勢をアピールできます。

大学退学理由を履歴書にどう書く?【書き方の例文】

大学中退から就職を目指す方のなかには、履歴書の書き方に悩む人もいるかもしれませんね。履歴書の学歴欄には、事実を時系列順に書けば問題ないので難しくありません。

以下の書き方の例文を参考に、履歴書の学歴欄を記入してみましょう。

学歴
20●●年3月 東京都立●●高等学校 卒業
20●●年4月 ●●大学●●学部●●学科 入学
20●●年●月 ●●大学●●学部●●学科 中途退学(経済的事情により退学)
退学理由が「病気療養のため退学しましたが、現在は完治しフルタイム勤務可能」のように長くなる場合は、「中途退学」の一つ下の行に記入すれば問題ありません。

大学退学理由が「進路変更」の場合

キャリア目標の変更に伴い、新たな進路を選択するため退学
進路変更が理由で大学を退学した場合、履歴書にはその旨を明確かつポジティブに記入することが大切です。なぜなら、自己分析と将来設計の結果として捉えられるため、比較的、好印象を与えやすいからです。

大学退学理由が「経済的な事情」の場合

家庭の経済的な事情により退学
家庭の経済状況が変わり、学費の支払いが困難なため退学した場合は、上記のように簡潔に記入します。
経済的な理由は、やむを得ないと理解してもらいやすい退学理由です。履歴書に正直に状況を記入したうえで面接で仕事への意気込みを伝えることで、ポジティブな印象をもってもらえる可能性があるでしょう。

大学退学理由が「学業不振」の場合

学業への適性を見出せず、新たな進路を模索するため退学
学業不振が理由で大学を退学した場合、履歴書ではネガティブな印象を和らげるため、上記のように表現を工夫しましょう。そうすることで、自分の適性を踏まえ、将来を見据えて退学を決断したことを示せます。

大学退学理由が「病気やケガ」の場合

病気になり、療養に専念するため退学(現在は回復し、フルタイムで就労可能)
病気やケガにより大学を退学した場合は、健康状態が回復し、問題なく働けることも記入しましょう。
なお、健康情報は個人情報なので、病名や詳細な症状については触れる必要はありません。面接で詳しく聞かれた場合も、業務に支障がない健康状態であることを伝えれば十分です。

履歴書の大学中退理由は「一身上の都合により退学」でもOK

単位不足や就学意欲の低下、あるいは極めて個人的な理由で中退した場合、「事実を書きたくない」と感じることもありますよね。
そのような場合は履歴書に、「一身上の都合により退学」と記入しても大丈夫です。

ただし、面接では退学理由を聞かれる傾向があるので、次項の例文を参考に、説明できるよう準備しておきましょう。

大学退学理由を履歴書に書くときのポイント

大学退学理由を履歴書に記入する際は、事実を正確に書くことが大切です。以下のポイントを押さえて、適切な記入を心掛けましょう。

学歴欄に嘘を書かない

履歴書は公的な文書のため、嘘を書くのは厳禁です。
大学を退学したにも関わらず履歴書に「卒業」と書く行為は、経歴詐称に該当します。場合によっては罪に問われる恐れもあるでしょう。たとえ罪に問われなかったとしても、応募先企業からの信用を失ったり内定を取り消されたりするリスクがあります。

大学退学理由が何であれ、大学退学を経て就職を目指し努力しているという事実を前向きにアピールしましょう。
履歴書の学歴欄の書き方に不安がある方は、「最終学歴が中退の場合は履歴書に書かない?就活時に求められる書き方とは」のコラムもぜひチェックしてみてください。

記載漏れや誤字脱字に注意して正確に書く

履歴書は就職活動における重要な書類です。記載漏れや誤字脱字があると、「不注意」という印象を与えかねません。以下の点に特に注意しましょう。

  • ・入学日と退学日を正確に記入する
  • ・在籍していた学部・学科名を正確に書く
  • ・「中退」「退学」と略さずに「中途退学」と記載する
  • ・「年」の記載は和暦・西暦のいずれかに統一する

また、退学理由は、簡潔に書きましょう。前述のとおり、個人的な理由のため事実を書きたくない場合は、「一身上の都合により退学」という表現でも問題ありません。

誤字脱字を防ぐために、手書きの場合、紙やパソコンで下書きを作り、下書きを見ながら書くことをおすすめします。鉛筆や消せるボールペンは使用せず、黒色のポールペンで書きましょう。履歴書に修正液は使用できないため、書き間違えた場合は新しい用紙に最初から書き直します。
作成方法が指定されていない場合は、手書きではなくパソコンで作成するのも一つの方法です。
履歴書は第一印象を左右する重要な書類なので、丁寧に書いて、必ず見直しを行いましょう。

面接では大学退学理由を聞かれる?【答え方の例文】

大学を退学した場合、就職の面接では、必ずといって良いほど退学理由を聞かれます
ここでは、大学退学の理由別に例文を紹介するので、自分に当てはまるものを参考に面接での回答を考えてみてください。

面接では大学中退理由を聞かれる?【答え方の例文】

  • 大学中退した理由が「進路変更」の場合
  • 大学中退した理由が「人間関係」の場合
  • 大学中退した理由が「学業不振」の場合
  • 大学中退した理由が「経済的な事情」の場合
  • 大学中退した理由が「病気やケガ」の場合

大学退学理由が「進路変更」の場合

大学に入学してから●●に対する関心が高まり、新たな道を選択するため大学を退学しました。
受験の際は特定の分野で夢中になれるものがなく、「合格できそうな大学ならどこでも良い」といった安易な考えから大学を決めてしまったことが退学の理由です。
就職活動では同じ過ちを繰り返さないよう、企業研究を徹底的に行いました。
そのなかで、業務の進め方を個々の裁量に任せていただけるという御社の特徴に惹かれ、応募させていただきました。
入社後は、大学退学後にアルバイトで得た●●の経験を活かして、自ら行動し業績アップに貢献していきたいと存じます。
進路変更を理由に大学を退学した場合は、まず、「なぜ進路変更に至ったか」を説明します。次に、新たな進路を実現するために取り組んだことや志望動機を話し、意欲をアピールしましょう。そして、入社後の目標を伝えます。

大学退学理由が「人間関係」の場合

大学での人間関係で悩んだ結果、退学を決意しました。
私は人と会話することが苦手だったため、大学入学後に友達ができず、孤立してしまいました。大学では「日本文学について研究したい」という目的があり入学したにも関わらず、本来の目的とかけ離れた理由で退学を決意したことを反省しています。
大学退学後は人間関係で二度と同じ過ちを繰り返さないために、コミュニケーションスキルを身につけたいと考え、接客業でアルバイトをしていました。
アルバイトでは相手の話に耳を傾けることの大切さや、自分の提案を伝えるときのコツなど多くのことを学びました。
この経験は、御社の業務においても活かせる自分の強みではないかと感じています。入社後は良好な人間関係構築に努めつつ、お客さまとの対話を楽しみながら御社に貢献していきたいと思っております。
人間関係のトラブルが理由で大学を退学した方もいるでしょう。
そのような場合は、反省点を伝えるとともに、大学退学後に反省点を改善するために取り組んだことを説明します。そして、取り組みによって学んだスキルや経験をアピールすると、プラスの印象を抱いてもらえる可能性がありますよ。

大学退学理由が「学業不振」の場合

大学在学中は情報工学を専攻していましたが、授業についていけなくなり、度々欠席してしまい単位が足りず留年が決定したため、退学しました。
授業を理解するために自分の頭で考えたり、分からない部分は積極的に質問したりすべきだったと反省しています。
大学退学後は、自分の意思で一つのことを成し遂げたいという想いから、基本情報技術者試験の資格取得に向けて勉強に励みました。その結果、試験に合格しましたので、この知識を活かして御社に貢献していきたいと考えております。
大学退学理由が学業不振だった場合、まずは正直にその事実と反省点を述べます。そして、反省点を克服するためにどのような努力をしたかを示すのがポイントです。

大学退学理由が「経済的な事情」の場合

大学の学費は両親が支払ってくれていたのですが、父の収入が減少し経済的に苦しくなってしまったため退学しました。
私もアルバイトをして学費を払い、なんとか大学に通い続けたいと考えていたものの、学業と仕事の両立はやはり難しかったというのが事実です。これまで大切に育ててくれた家族を支えたいという気持ちも強く、大学を退学し働くことを決めました。
就職後は常に自分には何ができるかを考えて、全力で業務に取り組みたい所存です。
「経済的な事情から大学を退学した」という事実だけではなく、その背景も説明するのがポイントです。また、大学を退学したあとに就職という道を選択した理由や仕事への意欲も伝えると、前向きな姿勢が伝わりやすくなります。

大学退学理由が「病気やケガ」の場合

大学●年生の●月に体調を崩し、通い続けることが困難になったため大学を退学しました。●ヶ月間の入院を経て自宅療養をしておりましたが、現在は完全に回復しており仕事に支障はありません。
担当医師からも「フルタイムで働いても問題ない」といわれています。
療養中は同級生が次々と就職先が決まるなか、思うように体が動かないもどかしさや焦りも感じていました。同時に、そのような私を根気よく支えてくれた家族や医療関係の方々に対し、感謝の気持ちが大きくなりました。
医療業界で働いて少しでも恩返しをしたいという気持ちから、御社の医療事務の仕事に興味をもち志望させていただきました。
大学を退学した理由が病気やケガの場合は、療養していた期間に加え、現在は問題なく働けることをアピールしましょう。
なお、面接の際、できれば病名や症状を伝えたくないと考える方もいるかもしれません。たとえば、精神的理由や個人的な事情で大学を退学した場合、自ら申し出るのは勇気がいることです。
就職の面接では「就業には問題ない」という事実が伝われば良いので、病名や症状の詳細を伝えなくても問題ないでしょう。

面接で大学退学理由を聞かれたらポジティブに伝えよう

面接で大学退学理由を聞かれた際は、ポジティブな表現で答えることが重要です。退学という経験から学んだことや、その後の成長に焦点を当てて説明しましょう。

たとえば、「退学をきっかけに自分と向き合い、本当にやりたいことを見つけました」「その後、経理について学び、簿記の資格を取得しました」のように、自己啓発や学習の取り組みを具体的に説明しましょう。

面接官が知りたいのは、「なぜ退学したのか」「その後、どのように成長したのか」「自社で活躍できるか」ということです。退学を失敗ではなく成長のきっかけとして前向きに語り、仕事への意欲を伝えましょう。

大学退学後に就職・転職活動をする際のポイント

ここでは、大学退学後に就職や転職活動をする際に覚えておきたいポイントをまとめました。
「就活したいけど、何から始めれば良いか分からない」という方は、以下を参考に今できることから始めてみましょう。

大学退学後に就職・転職活動をする際のポイント

  • 自己分析と企業研究をしっかりと行う
  • 就活に役立つ資格を取得する
  • ポテンシャル重視の企業を選ぶ
  • 面接では自分の経験やスキルをアピールする

自己分析と企業研究をしっかりと行う

大学退学後の就職・転職活動では、自分の強み・弱み、得意・苦手、これまでの経験、就職後に何がしたいかなどを明確に理解することが大切です。このような作業を自己分析といいます。
それぞれノートに書き出してみると考えをまとめやすく、自分を客観的に見つめ直すことができるのでおすすめです。

一方、企業研究とは、気になる企業の事業内容や企業理念、従業員数、福利厚生などを詳しく調べる作業を指します。
企業によっては、面接のときに「社長の名前は?」と聞かれる場合も。求人サイトで応募要項を確認するだけでなく、企業のWebサイトでも応募企業の情報をチェックしておきましょう。
企業研究を徹底的に行っておくと、志望動機を考えるときにも役立ちます。

就活に役立つ資格を取得する

大学退学からの就活では、就職後の業務に活かせる資格を取得するのもおすすめです。たとえば、事務職を目指す場合は簿記の資格、IT関連の仕事にはMOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)などが役立つでしょう。

資格の勉強は独学のほか、専門のスクールに通ったり、ハローワークの求職者支援訓練を受けたりする方法もあります。

厚生労働省の「ハロートレーニング(離職者訓練・求職者支援訓練)」によると、求職者支援訓練は、就職に必要なスキルや知識を習得するための訓練です。コース内容は地域によって異なるものの、基本的には無料で受講できます。
興味のある方は同Webサイトの「訓練検索・一覧」で検索してみてください。

大学中退後は資格取得したほうが良い?メリットや有利になる職種を解説」のコラムでは大学中退者におすすめの資格を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
ハロートレーニング(離職者訓練・求職者支援訓練)

参照元
厚生労働省
ハロートレーニング

ポテンシャル重視の企業を選ぶ

大学退学後に就職をする場合は、企業選びも重要です。学歴よりもスキルや適性、成長意欲といったポテンシャルを重視する企業を選ぶことをおすすめします。
大学を中退した理由が何であれ、今後の成長に期待し評価してくれる企業であれば、あなたとマッチする可能性があるでしょう。

ハタラクティブ プラス在籍アドバイザーからのアドバイス

八木寛斗

八木寛斗

大学中退理由は、学外活動と学業の両立ができなくなったことによる中退や家庭の事情、人間関係など人それぞれです。

大学中退後の就活は中途採用枠で応募するのが一般的なので、新卒と比較すると選択肢が狭まる可能性も。ただし、正社員の経験がない方や、大卒でない若者を積極的に採用する企業はあるので、就活では企業選びが重要です。

一度就職して経験を積んでから、より自分に合う企業へ転職するという道もありますよ。

面接では自分の経験やスキルをアピールする

面接の際は、大学生活や退学を通じて学んだこと、あるいは退学後に身につけたスキルなどをアピールしましょう。

履歴書の学歴欄に大学退学と記入すると、面接で詳しい退学理由を聞かれる可能性があります。「答え方によっては、ネガティブな印象を与えてしまうのでは?」と心配になる人もいるかもしれません。面接官には、なるべくポジティブな印象を与えたいですよね。
そのためには、大学退学の経験から得たものや入社への熱意、将来のキャリアプランを前向きな言葉で伝えるのが効果的です。

大学退学から就職を目指すときはプロに相談しよう!

大学生活から一転して社会に出るということに、不安を感じる方もいるでしょう。大学中退後の就職活動は、一人で苦悩するよりも、プロの意見やアドバイスを参考にすることをおすすめします。

就職・転職エージェントにはキャリアアドバイザーが在籍しているので、自分に合う企業の選び方や自己分析のやり方、履歴書の書き方などさまざまなサポートを受けることが可能です。

ハタラクティブは、20代のフリーターや既卒など若年層に特化した就職・転職エージェント。専任のキャリアアドバイザーがマンツーマンでカウンセリングを行い、あなたの希望やスキルにぴったりの求人をご紹介します。ポテンシャルを重視して未経験者を積極的に採用している企業の求人を豊富に取り揃えているので、「学歴に自信がない」という場合も安心です。
また、履歴書の書き方や面接対策、企業に合った志望動機の作り方などもアドバイス。大学中退から就職を目指す方をしっかりサポートいたします。
登録・相談はすべて無料なので、ぜひ一度お問い合わせください。