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大学院を中退しても就職できる?就活の成功法をご紹介

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この記事のまとめ

  • 大学院を中退すると、新卒と比較して選択肢は減るが就職は可能
  • 大学院を中退する理由は研究に興味がなくなる、経済的に困窮するなど
  • 大学院を中退すると、社会人としての経験を早く積めるメリットがある
  • 大学院を中退すると、応募できる企業に制限がかかるといった就職へのデメリットがある
  • 大学院中退後の就職を成功させるには、在籍中から計画を立てて空白期間を短くする

大学院の中退を考えていても、「将来が不安…」「就職にどのような影響があるの?」と心配ごとが重なり、なかなか踏み切れないですよね。

大学院を中退した場合も、既卒者として就職することは可能です。ただし、新卒者と比べて応募できる求人数が減ったり、研究職に就きにくかったりといったデメリットもあります。大学院の中退が就職に及ぼす影響を理解し、辞める前に次のステップについて考えておくことが大切です。

このコラムでは、キャリアアドバイザーの板垣さんのアドバイスを交えつつ、大学院を中退するメリット・デメリットや就職を成功させるポイントについて紹介します。大学院を中退して就職を考えている方は、ぜひご一読ください。

大学院を中退すると就職しにくい?

大学院の中退を考えている人は「就職しにくくなるのでは?」と不安になりますよね。ですが、中退すると就職できないというわけではありません。若い人材は需要が高いため、大学院を中退していても採用したいと思う企業は多いはずです。

新卒と比較すると選択肢は少ないが就職できる

大学院を中退した場合、新卒と比較すると就職先の選択肢が制限されることは事実です。しかし、「就職できない」ということはありません。大学院での研究や経験、持っているスキルを評価する企業も存在するので、自分の熱意が伝われば採用される可能性は十分にあります。

大学院の中退率

文部科学省の「学生の修学状況(中退者・休学者)等に関する調査(令和3年度末時点)」では、2021年度の大学および大学院の中退率は1.95%との結果が出ています。全体の割合で見ると少ないように感じますが、新型コロナウイルスの影響による中退者も出ており、問題視する人もいます。

大学院生活は精神的、経済的に負担が大きい傾向があり、誰もが適応できるとはいえません。ですが、もし中退してしまったとしても、大切なのはこれまでの経験を次の段階へと活かせるかどうかなのです。

参照元
文部科学省
学校に関する状況調査、取組事例等

大学院を中退したいと思う3つの理由

大学院を中退したいと思う3つの理由

  • 研究自体に興味・関心がなくなった
  • 就職・起業したい
  • 経済的に難しくなった

大学院を中退したいと考える人には、研究に対して関心がなくなったり就職したいと感じたりするなど、さまざまな理由があります。以下で詳しくまとめたので見ていきましょう。

1.研究自体に興味・関心がなくなった

最初は熱心に取り組んでいた研究に興味を失ってしまい、大学院を中退する人もいます。

また、大学院に入ることを目標としていた場合、入学した時点で目標が達成されてしまうため、その後のモチベーションを維持できず中退に至ることも。大学院へ入学した後の目標をしっかり持っておくことが大切です。

2.就職・起業したい

就職や起業の道に興味を持ち、大学院を中退する人も一定数います。大学院で勉強していくうちに、自分の理想を研究ではなく実践で叶えたいと考えるからです。早く社会に出ることで、今より多くの経験を積む機会を得られることに魅力を感じるのでしょう。

3.経済的に難しくなった

大学院を中退する理由として、経済的な問題も挙げられるでしょう。大学院での生活は経済的な負担が伴うため、学費や生活費を気にしながら何年も研究に打ち込むことは大変なことです。

経済的理由で大学を中退の中退を考え、就職の道を選ぶ人も一定数います。

心身の不調が原因の場合もある

大学院での研究や生活でストレスや疲労を抱えてしまい、心身の不調を理由に中退する人もいます。大学院での研究を続けることは、忍耐力が必要な大変な作業です。ときには、1日中研究室にこもって黙々と作業を続けることも。

「大学院が辛くて中退すると逃げたと思われるのではないか…」と不安で、今の環境を変えられない方もいるでしょう。しかし、ストレスや疲労を抱え続ければ、体調を崩してしまうことも考えられます。自分の健康を最優先して、これからのことを考えましょう。

大学院を中退するメリット

大学院の中退は、どうしてもネガティブに捉えてしまいがちですよね。ですが、社会人経験を早めに積めるといったように、あなたにとってメリットと感じることもあります。以下で詳しくまとめたので、考え方を変えるきっかけにしてみてください。

卒業するより社会人経験を早めに積める

大学院を中退すると、卒業するより早く社会人としての経験を積めます。新たな環境での社会人経験を積むと、大学院での研究では勉強できないビジネスマナーや、チームで仕事を成し遂げる協調性などが身に付くでしょう。

よって、大学院を卒業した人と比べると、自分のキャリアやスキルを形成しやすいといえます。

大学院での時間や学費を別のことに使える

大学院を中退すると、時間や学費を有意義に使うことができるのもメリットの一つです。

大学院は一般的に、卒業まで最短で2年、最長で4年かかります。大学院を中退すると、これからかかるはずだった学費や時間を、自分の成長やキャリア、可能性に投資することができるでしょう。

研究分野以外の企業も視野に入れて就活できる

就職先の選択肢が広がる事も、大学院を中退するメリットの一つです。自分が専門としている研究分野だけでなく、広範囲の分野から就職先を選ぶことが可能になります。

企業側にも、志望動機として「大学院を中退してまで新しい分野に挑戦したい」という気持ちを伝えれば、熱意や意欲のアピールにもなるでしょう。

大学院で得た経験が就活のアピール材料となる場合も

大学院を中退しても、これまでの経験は決して無駄にはなりません。大学院の試験を突破し入学したことや、一つの分野を研究し続けた事実は、粘り強さや自己管理能力のアピールに繋がります。これらは求人市場で求められるスキルでもあるため、適切にアピールすれば大学院での経験をポジティブに捉えてもらえるでしょう。

ハタラクティブ プラス在籍アドバイザーからのアドバイス

板垣拓実

板垣拓実

大学院を中退した場合、その経験をどのように伝え、アピールするかが就職を成功させる鍵となります。

中退理由は、否定的な印象を与えず前向きな気持ちを伝えることがポイント。もちろん嘘の理由を伝えてはいけません。たとえば「研究を続けるのが心身ともに辛かった」ではなく、「心身の状況を考えて冷静に判断した」と伝えると、困難な状況でも冷静な判断力があるとアピールできますよね。

わたしたちハタラクティブは、これまでの経験からあなたの強みを見つけて、活かせる企業を紹介したり伝え方を一緒に考えたりするお手伝いをしています。

大学院を中退するデメリット

大学院の中退は、応募できる企業が限られたり学校からの推薦を受けられなかったりするなど、就職に影響を及ぼすデメリットがいくつかあります。大学院中退を考えている方は、以下のデメリットを知っておきましょう。

新卒より応募できる求人が制限される

大学院中退者は、新卒者よりも応募できる求人が制限される可能性があります。企業の多くは新卒採用を一斉に開始するので、募集人数や求人数が多く、新卒者の選択肢は広いといえるでしょう。

一方で大学院中退者は、中途採用の枠で応募することになります。なかには新卒と同じ扱いとしている企業もありますが、新卒と比較すると求人数が少ないです。また、転職者がライバルとなる場合もあるため、ハードルが高くなりやすいと考えられます。

大学院修了者と比較して給料が下がる場合がある

大学院を卒業した人と大学を卒業した人とでは、一部の業界や職種では給与水準が異なることがあります。これは、企業が学歴を一つの給与決定指標として使用しているからです。

よって、大学院を中退してしまった場合は最終学歴が大学卒となるため、大学院卒業者と比較して給与が下がる可能性があります。「正社員の給料を分類別に紹介!病欠時の給与計算や前払いの可否も解説」のコラムでは学歴別の平均賃金を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

学校推薦や教授推薦を受けられない

大学院を中退すると、もちろん学校からの推薦や教授からの紹介は受けられなくなります。

大学からの推薦は、学生の能力を認めている証拠となるので、多くの企業にとって信用の一因です。民間企業ではなく研究職に就きたいと考えている人にとって、デメリットが大きいといえるでしょう。

大学院中退後に就職を成功させる5つのポイント

大学院中退後に就職を成功させる5つのポイント

  • 大学院を中退した後の計画を立てておく
  • 大学院中退後の空白期間は短めが良い
  • 大学院の中退理由を伝える際はポジティブに
  • 幅広い業種・職種を視野に入れて考える
  • 転職エージェントを活用してみる

大学院の中退が就職に影響すると知ったら、辛い状況でも一歩踏み出すには勇気がいりますよね。しかし、大学院中退後の就活を成功させるポイントを押さえていれば、希望の仕事へ就ける可能性は高まります。以下を参考にして、意欲的に未来を切り開いていきましょう。

1.大学院を中退した後の計画を立てておく

大学院を中退する気持ちが固まったら、辞める前にこれからのキャリアプランを明確にしておきましょう。「どのような仕事に就きたいのか」「どのような業界を目指すのか」をはっきりさせることで、目標に向けて具体的な行動を始められます。

また、面接のとき矛盾のないキャリアプランが答えられれば、大学院は無計画に中退したのではないことが伝わりやすいでしょう。

2.大学院中退後の空白期間は短めが良い

就職を成功させるには、大学院を中退した後の空白期間を短くすることもポイントです。

選考時は企業側から、空白期間に何をしていたのか、なぜその期間が空いているのか聞かれる場合があります。やむを得ない理由がなく空白期間が長いと、採用しても辞めてしまうのではないかとマイナスなイメージを与えてしまうことも。

空白期間が長くなるようであれば、短期間のアルバイトやインターンシップなどで経験とスキルを磨くのがおすすめです。空白期間については「空白期間が面接官に与える印象は?答え方のポイントや履歴書の記載例を紹介」のコラムで解説しているので、ぜひ参考にしてください。

3.大学院の中退理由を伝える際はポジティブに

選考時は、大学院を中退した理由を問われる可能性が高いため、前向きに答えられるように準備が必要です。大学院での経験から何を学び、どのように成長したのかに焦点を当てて考えると良いでしょう。

大学院の中退理由は嘘をつかずに伝えよう

大学院の中退理由を伝える際は、嘘をつかず伝えることが大切です。万が一嘘がバレてしまうと、経歴詐称などの疑いを掛けられたり、内定取り消しとなったりするリスクがあります。

「大学院の中退理由を伝えると不利になるのではないか…」と不安な方は、伝え方を工夫してみるのがおすすめ。たとえば、「研究に興味がなくなった」ではなく、「違う分野に興味を持った」といったように前向きな伝え方を意識すれば、面接官に与える印象も変わってくるはずです。

4.幅広い業種・職種を視野に入れて考える

大学院を中退していたことをネガティブに捉え過ぎず、幅広い業界や職種を視野に入れることが、就職活動を成功させるコツです。研究分野と関係のない業界や職種も含めて就職活動を行うことで、採用のチャンスが広がるでしょう。

また、これまで大学院で学んだことは、一つの専門領域だけでなく、異なる業界や職種で価値がある場合もあります。その知識や技術を活用できる仕事に出会うためにも、広い視野を持って探していきましょう。

職種がわからない方へ種類を一覧でご紹介!特徴や有効な就活の進め方を解説」のコラムでは職種について解説しているので、ぜひチェックしてみてください。

5.転職エージェントを活用してみる

「大学を中退後、就職を成功させる自信がない…」「1人での就職活動が不安」といった人は、転職エージェントを活用してみるのもおすすめです。転職エージェントは、希望や適性に合わせた求人紹介や選考対策など、就職活動全体をサポートしているのが特徴。大学院の中退経験を持つ人が、最適な仕事を見つけるためのサポートをしています。

大学院中退者で転職エージェントの活用を考えている人には、ハタラクティブをおすすめします。ハタラクティブは、20代を中心とする若者に向けた転職エージェントです。専任のアドバイザーが希望条件を丁寧に聞き取り、ぴったりの仕事をアドバイスします。

ほかにも、面接対策や書類添削などを実施しているので、自信をもって就活ができるのもポイントです。サービスのご利用は無料なので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

大学院の中退に関するFAQ

ここでは、大学院を中退した人が抱えているお悩みに、Q&A形式でお答えします。

大学院を中退する人は多い?

このコラムの「大学院の中退率」でも解説していますが、中退率は2021年で1.95%です。数字上は多いようには感じられませんが、新型コロナウイルス感染症の影響もあり問題視する人もいます。主な中退理由は、研究に疲れてしまったり、経済的理由で就職を選択したりするといったことです。

大学院の中退はやめとけといわれるのはなぜ?

就職に影響を与える可能性があるからです。大学院を中退すると最終学歴は大学卒となり、応募する求人の多くは中途採用枠となります。経験者がライバルとなることもあり、採用のハードルは高くなるでしょう。

また、大学や教授の推薦が受けられないため、一般企業ではなく研究職を目指す人にとってデメリットが大きいといえます。

大学院を中退した人は公務員になれる?

大学院を中退していても、公務員になることは可能です。公務員試験の基本的な応募資格は「大卒」なので、大学を卒業していれば問題ありません。

ただし、公務員試験には年齢制限があるので、早めに目指すことをおすすめします。

後藤祐介

監修者:後藤祐介

京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。
ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。

資格 : 国家資格キャリアコンサルタント国家資格中小企業診断士
メディア掲載実績 : 「働く」をmustではなくwantに。建設業界の担い手を育て、未来を共創するパートナー対談定時制高校で就活講演 高卒者の職場定着率向上へ【イベント開催レポート】ワークリア障がい者雇用セミナーSNS : LinkedIn®YouTube