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フリーターが親の扶養を外れるタイミングは?抜ける手続きも解説
この記事のまとめ
- フリーターは、親の扶養から外れるタイミングが5つある
- フリーターが扶養から外れたら「社会保険」「国民健康保険、国民年金」へ加入する
- フリーターが扶養から外れたら、障害年金や医療保険のサポートを受けられる
- フリーターが扶養から外れるには、正社員就職をして自立するのがおすすめ
就活相談を受けていると、「フリーターが親の扶養を外れるタイミングって?」「就職後は扶養外になる?」という声をよく聞きます。働いてお金を稼ぐうえで、年収額によって扶養にどのような変化があるかが気になる方は多いようです。
フリーターが親の扶養から外れるタイミングは、年収が一定額を超えたとき。その年収額によって支払う税の種類も異なることがあるため、基本的な知識を知っておくことが大切です。
このコラムでは、キャリアアドバイザーの八木さんのアドバイスを交えながら、扶養の基礎知識や親の扶養から外れるタイミングについて解説します。扶養から抜ける手続きもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事にコメントしているアドバイザー
フリーターが知っておくべき扶養の基礎知識
ここでは、フリーターが知っておくべき扶養の基礎知識を解説します。扶養の基礎知識は、どのような雇用形態であっても、働くうえで重要な知識です。「扶養について聞いたことはあるけど、具体的には知らない」という方は、ぜひご一読ください。
扶養とは
扶養とは、経済的に自立していない配偶者や子どもなど、生計をともにする家族を経済的に支えることや支えられることです。支える側は「扶養者」になり、支えられる側は「被扶養者」の立場になります。
全国健康保険協会(協会けんぽ)「被扶養者とは? 被扶養者の範囲」によると、扶養に入るには、以下の条件のいずれかに当てはまっていることが必要です。
1.被保険者の直系尊属、配偶者(事実上婚姻関係と同様の人を含む)、子、孫、兄弟姉妹で、主として被保険者に生計を維持されている2.被保険者と同居して家計をともにしていて、被保険者の収入により生計を維持されている次の人
①被保険者の三親等以内の親族(1.に該当する人を除く)
②被保険者の配偶者で、戸籍上婚姻の届出はしていないが事実上婚姻関係と同様の人の父母および子
③②の配偶者が亡くなった後における父母および子
※ただし、後期高齢者医療制度の被保険者等である場合は除く
なお、被保険者の直系尊属であれば、同居している必要はありません。◯税金と社会保険の2つの意味がある
扶養には、社会保険と税金の2つの意味があることを知っておきましょう。以下でそれぞれ解説しているので、チェックしてみてください。
税法上の扶養
税法上の扶養とは、家計を支えている人(家計支持者)が家族を扶養している場合、家計支持者の所得から扶養人数に応じて、一定額を控除できる制度です。家計支持者の課税所得が減るため、住民税額や所得税額を抑えられます。
社会保険上の扶養
社会保険上の扶養とは、家計支持者が入っている社会保険の扶養に入ることです。社会保険上の扶養に入れば、自分で社会保険料を支払わずに済みます。
社会保険は、健康保険と厚生年金のことを指し、2つセットで加入しなければなりません。
参照元
全国健康保険協会協会けんぽ
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フリーターが親の扶養から外れる5つのタイミング
フリーターが親の扶養から外れる5つのタイミング
- 年収103万円を超えるとき
- 年収106万円を超えるとき
- 年収130万円を超えるとき
- 年収150万円を超えるとき
- 年収201万円を超えるとき
「どのような条件に当てはまったら親の扶養から外れることになる?」という疑問がある方は多いでしょう。ここでは、フリーターが親の扶養から外れる5つのタイミングを詳しく解説します。
ハタラクティブ プラス在籍アドバイザーからのアドバイス
八木寛斗
扶養内でフリーターを続けるには、年収に上限があります。「もっと稼ぎたい」という方も、家計の状況によって扶養内にいなればいけない場合には、年収を103万円以下に抑える必要があることを覚えておきましょう。
1.年収103万円を超えるとき
年収103万円を超えると、親の扶養から外れるタイミングです。
定められている金額は自治体によって異なりますが、多くの場合、100万円を超えると住民税と所得税を支払わなければならないことを覚えておきましょう。
住民税の支払い
財務省の「Q&A ~身近な税について調べる~ 住民税について教えてください。所得税とはどう違うのですか?そもそも国税と地方税の違いはなんですか?」によると、住民税は、自分が住む地域社会の費用を分担するためものです。支払った住民税は、子育て・生活保護といった社会福祉費や、公園・道路などの管理費に当てられます。
納税通知書が毎年6月ごろに届き、6月・8月・10月・翌年の1月と、4回締め切りが設けられているので、忘れずに支払うようにしましょう。
所得税の支払い
財務省の「Q&A ~身近な税について調べる~ 所得税について教えてください。」によると、所得税は、働いて稼いだお金に掛かる税のことを指します。所得税は住民税とは違い国税扱いになり、所得の大きさに応じて税率が変わる仕組みです。
親の負担が大きくなる
親の扶養を外れると、親の負担が増えることに注意しましょう。前述したように、扶養に入ることで、家計支持者の課税所得が減るからです。
「しばらくフリーターとして働き続ける予定があり、年収が増える可能性がある」という場合は、親の負担が増えることを踏まえて、稼ぐ額について話し合っておくと良いでしょう。
2.年収106万円を超えるとき
年収106万円を超えるときも、親の扶養を外れるタイミングの一つです。年収106万円を超えたら、住民税と所得税に加えて健康保険と厚生年金が給料から引かれることになります。
社会保険料の支払い
106万円を超えると、社会保険を自己負担しなければなりません。会社員なら共済組合や健康保険組合に加入することが多いですが、フリーターであれば国民健康保険に加入することが一般的です。保険料が掛かることは、月々の手取りが減ることを意味します。
なお、条件に当てはまらない場合は適用外になるため、支払うのは住民税と所得税のみです。
3.年収130万円を超えるとき
年収130万円を超えると、親の扶養と、社会保険の扶養からも外れると知っておきましょう。年収130万円を超えたら、住民税・所得税・社会保険料(国民健康保険や国民年金)の支払いが必要になります。
国民健康保険や国民年金の支払い
年収130万円を超えると、新たに国民健康保険や国民年金の支払いが発生するのが特徴です。県保健に関しては「国民健康保険か健康保険」に加入、そして年金に関しては「国民年金か厚生年金保険」に加入することで、保険料を納めることになります。
なお、年収130万円は交通費や住宅手当といった費用も含まれる点に注意しましょう。
厚生労働省の「社会保険適用拡大ガイドブック」によると、これまでは支払いが増えるぶん手取りが減ってしまう問題があったものの、社会保険適用拡大に伴い保障内容が充実したとのことです。
国民健康保険と国民年金の違い
「国民健康保険」とは、病気やけがをしたときの医療費を補助するためのものです。一方、「国民年金」は、将来のために毎月積み立てを行う制度で、老後に受け取る年金となります。
4.年収150万円を超えるとき
さらに年収が上がり150万円を超える場合、住民税・所得税・社会保険料の支払いをする点は年収130万円までと変わりません。しかし、配偶者特別控除額が減少するようになります。
配偶者特別控除額が減少
配偶者特別控除とは
配偶者特別控除は、配偶者にあまり収入がない場合に受けられる税金の控除のこと。配偶者特別控除を受けるには、配偶者が要件すべてに当てはまることが必要です。金額面の要件としては、国税庁の「No.1195 配偶者特別控除 概要 配偶者特別控除を受けるための要件」から、配偶者の年間の合計所得金額が48万円超133万円以下の場合に適用されるとされています。
5.年収201万円を超えるとき
年収201万円を超えると、扶養から外れて住民税・所得税・社会保険料の支払いをするのに加え、配偶者特別控除の対象からは外れる点に注意しましょう。
年収が201万円を上回る場合は、より高い収入と年金額を得られる正社員に就職することを検討するのがおすすめです。正社員就職について詳しく知りたい方は、「20歳フリーターは正社員就職したほうがいい?将来のためにできること3選」のコラムを参考にしてみてください。
参照元
財務省
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厚生労働省
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国税庁
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フリーターが親の扶養から抜ける手続き
フリーターが親の扶養から抜ける手続き
- 被扶養者の異動届を提出
- 健康保険の資格喪失証明書を発行
- 社会保険か国民健康保険・国民年金へ加入
ここでは、フリーターの方が親の扶養から抜ける手続きについて紹介します。
「収入が増えてきた」「就職したので扶養から抜けよう」という方は、以下を参考にしてみてください。
被扶養者の異動届を提出
親の扶養から抜けるには、「被扶養者の異動届」を提出します。これは、親が勤務している会社の人事や総務部に提出する書類で、被扶養者が扶養から外れることを申請するものです。
「被扶養者の異動届」の申請時には、フリーターとして働いていた期間に使用していた保険証を会社に返却する必要もあります。返却後、親が勤務している会社をとおして管轄の年金事務所に返されるのが一連の流れです。
健康保険の資格喪失証明書を発行
次に、「健康保険の資格喪失証明書」の発行を申請します。これは、親の健康保険から外れたことを証明する重要な書類で、新たに自分で国民健康保険に加入する際にも必要になるものです。
基本的に、「被扶養者の異動届」を提出した親が勤務している会社を通じて発行します。発行されない場合は、親の会社に確認するか、親の会社を管轄する年金事務所に直接問い合わせてみてください。
社会保険か国民健康保険・国民年金へ加入
扶養から外れたら、社会保険か国民健康保険・国民年金に加入することが求められます。以下を参考に、それぞれの加入要件から自分がどちらに加入することになるか知っておくと良いでしょう。
社会保険の加入要件
社会保険料を支払うには、社会保険の適用条件に当てはまっているかを確認してください。
厚生労働省の「社会保険適用拡大ガイドブック」には、以下の内容が社会保険の適用条件とされています。
- ・勤め先の従業員数が101人以上
- ・週に定められた労働時間が20時間以上
- ・月額賃金が8万8,000円以上
- ・雇用見込みが2ヶ月を上回る
- ・学生ではない
なお、勤め先の従業員数は2024年10月以降さらに拡大します。
国民健康保険や国民年金の加入要件
社会保険に加入する条件を満たしていない場合は、国民年金と国民健康保険に加入しましょう。ずっと加入しないでいると、扶養から外れた日まで遡って保険料を支払わなければいけなくなります。
未加入の期間が長いと被扶養削除日まで遡って保険料を支払うことになるため、扶養を外れたフリーターは速やかに手続きを行いましょう。
年金を支払わないリスクについては、「ニートは年金を支払わなくて良い?未納のリスクと免除の申請方法をご紹介」のコラムもチェックしてみてください。
参照元
厚生労働省
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フリーターが扶養から抜けると起こる変化
フリーターが扶養から抜けると起こる変化
- 障害年金を受け取れる
- 将来もらえる年金額が増加する
- 医療保険のサポートを受けられる
- 自己負担が増える可能性がある
ここでは、フリーターの方が扶養から抜けると起こる変化について解説します。家族からの経済的支援を受けない場合、どのような生活になるかを考えてみてください。
社会保険に加入することによる変化
社会保険に加入することによる変化としては、「障害年金を受け取れる」「将来もらえる年金額が増加する」「医療保険のサポートを受けられる」といったメリットがあります。
障害年金を受け取れる
障害年金を受け取れるようになるのが、社会保険に加入するメリットの一つ。
日本年金機構の「障害年金」によると、障害年金とは、「病気やけがをして生活や仕事などに制限が生まれる場合に受け取れる年金」のことです。
将来もらえる年金額が増加する
社会保険に加入すると、将来もらえる年金額が増加するのもメリット。日本年金機構の「厚生年金保険等の被保険者資格取得の基準の明確化 平成28年10月1日から厚生年金保険・健康保険の加入対象が広がります!」によると、「全国民共通の基礎年金に加えて、報酬比例の年金(厚生年金)が終身でもらえる」としています。
医療保険のサポートを受けられる
社会保険に加入すると、病気になったりけがをしたりしたときに医療保険のサポートを受けられます。治療費の一部を支援してもらえ、全額自己負担とならずに済むので、急な出費に慌てるリスクを抑えられるでしょう。
自己負担が増える可能性がある
社会保険に加入すると、自己負担が増える可能性があるのがデメリットでもある変化といえます。
前述したように、社会保険に加入すると、保険料を払わなくてはなりません。これまで親の扶養に入っていて、保険料を親に支払ってもらっていても、扶養から外れて自分で保険料を支払うようになると、月々の出費が増えることになります。さらに、年金も自分で支払う必要があるため、将来のためとはいえ、手元の収入は減少することになります。
参照元
日本年金機構
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フリーターから扶養を抜けて働く方法
「フリーターから扶養を抜けたい」「自立して働きたい」と考えている方は、正社員として働くのがおすすめです。
現在のアルバイト先を変えずに正社員になる方法もあるので、以下をチェックしてみてください。
正社員登用を目指す
フリーターから扶養を抜けて働く方法の一つとして、現在のアルバイト先で正社員登用を目指すのも手です。慣れ親しんだ職場で正社員を目指せるため、「新しい環境に馴染めるか不安」「職場が好きなのでこのまま働きたい」というフリーターの方に向いている方法といえるでしょう。
ただし、すべての職場に正社員登用制度があるわけではないので、自分のアルバイト先の制度を確かめてみてくださいね。
正社員登用制度について知りたい方は、「正社員登用制度とは?面接や試験は難しい?受かる人の特徴をおさえよう」のコラムもぜひご一読ください。
就職活動を始める
就職活動をして新たな環境で正社員として働くことを目指すのも良い方法です。
正社員として働くことを目指す場合は、自己分析をして、自分の関心分野や活かせるスキル、長期的なキャリアプランなどを明確にするようにしましょう。自己分析をして明らかになった結果を踏まえて、応募したい企業を選定し、選考対策を進めます。
なお、就職活動をする際は、就活に必要な費用や生活費を確保した状態、あるいはアルバイトと両立する見通しをしっかり立てるようにしましょう。むやみに「就活をするからアルバイトを辞めよう」と決断してしまうと、内定獲得までの生活費がなくなってしまう可能性があるからです。
フリーターから正社員を目指して就職活動を行う方は、「就活中のバイトはどうする?やめるか迷ったときの考え方や両立のコツを解説」のコラムもご覧ください。
フリーターから正社員就職をして扶養を抜けたい方は、効率良く就活を進められる就職支援エージェントに頼るのがおすすめです。
20代のフリーターやニート、既卒、第二新卒の方の就職をサポートするエージェントのハタラクティブは、専任のキャリアアドバイザーがあなたに合った求人を紹介します。応募書類の添削や面接対策だけでなく、就職後の不安や選考に関する疑問についても丁寧に回答。些細な心配をクリアにして選考に臨めます。
「扶養から抜けたい」「フリーターから正社員になりたい」という方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
フリーターの扶養に関するQ&A
ここでは、フリーターの扶養に関する疑問をQ&A形式でお答えします。確定申告や扶養に関する年齢制限などにも触れているので、ぜひチェックしてみてください。
無職だと確定申告はしなくても良いですか?
無職の方は、確定申告の必要はありません。しかし、一年のうちに働いて所得があった場合や、年金を受け取っている方は確定申告が必要な可能性があるので、注意が必要です。確定申告について知りたい方は、「フリーターの確定申告は収入いくらから?方法や忘れた際の対処法も解説」のコラムをぜひご一読ください。
親の扶養内にいるのが恥ずかしいので就職したいです
アルバイトをしている場合はそのまま正社員登用制度を活用したり、無職の場合は正社員就職を目指すのが良いでしょう。就職すれば年収が上がることがほとんどなので、親の扶養からも外れられるでしょう。
はじめて就職に挑戦する場合は、「未経験でもできる仕事8選!正社員就職成功のコツもご紹介します」のコラムで未経験から挑戦しやすい仕事を参考にしてみてください。
あまり働きたくないのですが、何歳までなら扶養内にいられますか?
75歳までなら、扶養内にいられます。75歳以上になると、「後期高齢者医療制度」によって健康保険に加入しなければなりません。
しかし、働きたい意思が少しでもある場合、早めに就職活動を始めるのがおすすめです。年齢ごとの就職の難易度は、「仕事が見つからないのはなぜ?年代別にみる求人探しのコツや支援制度を解説」のコラムを確認してみてください。
バイトとして扶養なしで生活することは可能ですか?
バイトとして自立して生活することは可能でしょう。しかし、自立するには、バイトやパートなどの収入だけで生計を立てられるだけの金額を稼ぐ必要があります。年収に応じて社会保険や国民健康保険への加入、住民税や所得税の支払いなどをしなければならないため、正社員就職をするほうがメリットが大きい可能性もあるでしょう。
若年層向け就職支援エージェントのハタラクティブでは、求職者一人ひとりの適性に合った求人を紹介。「正社員就職できるか分からない...」という場合も、キャリアアドバイザーが丁寧に働くうえでの希望条件をヒアリングします。1分程度でできる、性格を分析して分かる適職診断もありますので、お気軽にご相談ください。
監修者:後藤祐介
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。
ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。
資格 : 国家資格キャリアコンサルタント・国家資格中小企業診断士
メディア掲載実績 : 「働く」をmustではなくwantに。建設業界の担い手を育て、未来を共創するパートナー対談・定時制高校で就活講演 高卒者の職場定着率向上へ・【イベント開催レポート】ワークリア障がい者雇用セミナーSNS : LinkedIn®・YouTube