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ハローワークの職業訓練って何?受講できるコース一覧や申し込み方法を解説

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この記事のまとめ

  • ハローワークの職業訓練とは、就職に必要なスキルや知識を無料で習得できる制度のこと
  • ハローワークの職業訓練は、公共職業訓練と求職者支援訓練に分けられる
  • ハローワークの職業訓練で受講できるコースにはパソコン関係やIT関係などがある
  • ハローワークの職業訓練は、厚生労働省に認可された民間機関でも受講できる

就職や転職を検討している方のなかには、「ハローワークの職業訓練って何?」と疑問を持つ方もいるでしょう。どのような内容を受講できるのかが分からないと、受けたほうが良いのか判断できませんよね。

ハローワークの職業訓練では、求職者が就職に必要なスキルや知識を無料で身につけられる制度です。受講できるコースにはパソコン関係や経理関係、IT関係などさまざまな種類があり、ハローワークで申し込みするのが基本。希望する職種を明確にしておくと、コース選択しやすくなりますよ。

このコラムでは、キャリアアドバイザーの太田さんのアドバイスを交えながら、ハローワークで受けられる職業訓練とはどのようなものかを解説しています。また、受講できるコースや申し込み方法もご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

この記事にコメントしているアドバイザー

ハローワークの職業訓練とは?

ハローワークの職業訓練とは、求職者が就職に必要な職業スキルや知識を習得するための訓練を無料で受けられる制度です。厚生労働省の「ハロートレーニング(離職者訓練・求職者支援訓練)」にあるように「ハロートレーニング」といわれ、「公共職業訓練」と「求職者支援訓練」に分けられています。

受講期間は選ぶコースによって異なりますが、基本的に3ヶ月〜1年間程度のものが多く、なかには、1〜2年の長期間の場合もあります。以下で、公共職業訓練と求職者支援訓練を解説するので、自分が受講対象になる訓練を確認してみてください。

公共職業訓練

公共職業訓練とは、失業保険を受給している人が受けられる制度です。訓練は無料で受けられますが、テキスト代は自分で負担する必要があるので注意しましょう。公共職業訓練を受講する条件は、以下のとおりです。

  • ・ハローワーク側から職業訓練が必要だと認められている
  • ・1年間の間に退校の扱いを受けていない
  • ・過去に公共職業訓練を受講してから1年以上経過している
  • ・失業保険を受け取れる期間が3分の1以上残っている(自己都合での退職の場合)

公共職業訓練を受講するためには、上記の条件をすべて満たしたうえで、筆記試験・面接試験に合格する必要があります。

また、公共職業訓練を受講すると、失業保険の給付期間を延長できる場合があるのが特徴の一つです。自分が失業保険を受け取れるか分からない方は「退職後にハローワークで行う手続きって何?失業保険の受給条件や手順を解説」のコラムで受給条件を解説しているので、該当するかチェックしてみてください。

求職者支援訓練

求職者支援訓練は、失業保険を受給していない求職者(受給が終わった方も含む)が受講できる制度です。ニートの方や主婦(主夫)といったブランク期間がある方も受けられるでしょう。

公共職業訓練と同様、受講料は無料ですが、テキスト代は自己負担になります。求職者支援訓練の受講条件は、以下のとおりです。

  • ・ハローワークに求職の申込みをしていること
  • ・雇用保険被保険者や雇用保険受給資格者でないこと
  • ・労働の意思と能力があること
  • ・職業訓練などの支援を行う必要があるとハローワークが認めたこと

また、求職者支援訓練は条件を満たせば、職業訓練受講給付金とて月10万円を受け取りながら受講できる場合があります。職業訓練受講給付金を受給する条件は、厚生労働省の「求職者支援制度のご案内」に記載されているので、チェックしてみてください。

在職中でも受けられる在職者訓練もある

職業訓練には在職中でも受講できる在職者訓練という制度が存在しています。在職者訓練は、業務に必要な専門知識及び技能・技術の向上を図るための制度です。

厚生労働省の「ハロートレーニング(在職者訓練)」によると、中小企業に従事している方が対象で、訓練期間は2~5日となっているので比較的短期間で仕事で活かせるスキルを学べるでしょう。講座は平日の夜や土日に開催されているので、働きながらスキルを身につけたい方は検討してみてください。

参照元
厚生労働省
ハロートレーニング(離職者訓練・求職者支援訓練)
求職者支援制度のご案内
ハロートレーニング(在職者訓練)

ハローワークの職業訓練で受けられるの主なコース一覧

ここでは、ハローワークの職業訓練で受けられるコースを一覧でご紹介します。職業訓練の受講を検討している方は、どのようなスキルを学べるのかチェックしてみてください。

ハローワークの職業訓練で受けられるの主なコース

  • パソコン関係
  • 経理関係
  • 機械・電気関係
  • IT関係
  • 金融関係
  • 介護・福祉関係
  • 美容関係

パソコン関係

職業訓練では、パソコン関係のスキルを磨くコースを受講できます。職業訓練で学べるパソコン関係のスキルは、以下のとおりです。

  • ・基本的なパソコンの操作方法
  • ・メールの使用方法
  • ・インターネットの利用方法
  • ・Word/Excel/PowerPointの操作方法
  • ・MOS(Microsoft Office Specialist)の試験対策

職業訓練では、パソコンを操作するうえでの基本的な操作方法からビジネスの場面におけるメールの使用方法、インターネットの利用方法までさまざまなスキルを学べます。ほかにも、ビジネスシーンで多用されるExcelやWord、PowerPointなどの使い方も学べるので、就職後スムーズに業務に取り組めるでしょう。

また、資格面では、MOSの試験対策も実施しています。現在、ほとんどの業界や職種でパソコンを使用しているので、スキルを取得することで職場の選択肢が広がるでしょう。

経理関係

経理の仕事をしたいと考えている方は、経理関係のスキルを磨くコースを受講してみても良いでしょう。職業訓練で学べる経理関係のスキルは、以下のとおりです。

  • ・企業会計の知識
  • ・税金や給与、社会保険料の計算
  • ・貸借対照表や損益計算書などの決算書類の作成
  • ・売上や経費、利益などの管理
  • ・簿記検定(3級・2級)の試験対策

経理の仕事は専門性が高いため、未経験者よりも実務経験者が有利になりやすい傾向があります。職業訓練で経理関係のスキルを学べば就職後に役立つだけでなく、選考で有利になりやすくなるメリットもあるでしょう。

機械・電気関係

機械・電気関係のスキルも、職業訓練で学べるスキルの一つです。職業訓練では、以下のような機械・電気関係のスキルを身につけられるでしょう。

  • ・金属切削加工や機械加工のスキル
  • ・機械製図
  • ・CADによる設計

機械・電気スキル関係のコースでは、建設関係の機械や荷役機械の扱い方などを学べます。職業訓練にあるコースのなかで機械・電気スキル関係のコースを選ぶ方は、建設・土木関係の現場での職種や荷物の配送などの職種に就く人に適しているでしょう。

IT関係

職業訓練では、IT関係のスキルを学ぶことも可能です。IT関係の職業訓練では、以下のような内容を学べます。

  • ・HLMLやCSSなどWebサイト作成に必要な言語
  • ・PhotoshopやIllustratorなどWebサイト作成で使用するツールの操作方法
  • ・WordPressの基礎や操作方法

昨今では技術の進歩もあり、IT関係の技術や知識を習得したいと考えている人も多いでしょう。未経験からの挑戦も可能ですが、職業訓練でスキルを身につければ就活や転職活動が成功しやすくなりますよ。

IT業界に興味がある方は、「IT企業とは?特徴や職種を解説!就職のポイントもまとめました」のコラムでIT企業に向いている人の特徴をまとめているので、チェックしてみてください。

金融関係

職業訓練のなかで金融関係のスキルを学ぶコースの内容は、以下のとおりです。

  • ・ファイナンシャル・プランニング技能士(2・3級)の試験対策
  • ・宅建士(宅地建物取引士)の試験対策

金融業界は慎重に情報を取り扱う必要があるため、資格の取得を応募条件にしている企業も多いでしょう。不動産業界や銀行、保険業界などの金融関係企業への就職を希望している方は、このコースの職業訓練を受講することで、就職活動を有利に運べるようになるかもしれません。

介護・福祉関係

職業訓練には、介護・福祉関係のスキルや知識を学べるコースも存在しています。介護・福祉関係のスキルでの受講期間と学べる内容は以下のとおりです。

  • ・3ヶ月の場合、介護職員初任者研修
  • ・6ヶ月の場合、実務者研修

3ヶ月コースでは介護職員初任者研修、6ヶ月コースでは実務者研修が行われることが多いようです。

介護・福祉関係の職業訓練を受講している人は介護・福祉業界への就職が有利になります。介護・福祉関係も未経験から挑戦可能な職種ではありますが、スキルを身につけておけばキャリアアップも目指しやすくなるでしょう。

美容関係

ネイリストやエステティシャンに興味がある方は、職業訓練で美容関係のスキルを学ぶのがおすすめです。美容関係のコースで学べる内容は、以下のとおりです。

  • ・実技
  • ・接客マナー
  • ・衛生管理
  • ・解剖生理学

実技的なスキルはもちろん、接客時のマナーなどについても学ぶことが可能です。なかには、職業訓練で介護アロマセラピーで役立つスキルを学べる学科がある都道府県もあるので、どのようなコースがあるかを調べることで就業先の選択肢が広がるでしょう。

職業訓練のコースは各都道府県で異なる

各都道府県によって、受けられる職業訓練のコースは異なります。自分の住んでいる地域ではどのような職業訓練を受けられるかはハローワークインターネットサービスの「訓練検索・一覧」で調べられるので、地元の職業訓練制度を用意している機関の情報を調べてみましょう。

受講する職業訓練を選ぶときは、自身の希望する職種で役立つスキルを学べるコースや興味のある業界のコースを意識するとモチベーションを保ちやすくなりますよ。

ハタラクティブ プラス在籍アドバイザーからのアドバイス

太田雅子

太田雅子

職業訓練で学べる範囲はさまざまなので、身につけたい職種のスキルや知識を学べる訓練校があるかを近くのハローワークに相談することをおすすめします。職業訓練はあくまで知識を身につけるのが目的なので、実務経験としてはカウントされないので注意しましょう。

参照元
ハローワークインターネットサービス
職業訓練検索・一覧

ハローワークの職業訓練を受ける3つのメリット

ハローワークで職業訓練を受講することで、自身のスキルや知識などを身につけるほかにもメリットが存在します。以下で、職業訓練を受講することで得られる可能性のあるメリットを3つ解説するので、職業訓練を受講するか悩んでいる方は参考にしてみてください。

ハローワークの職業訓練を受けるメリット

  • 失業保険の受給期間を延長できる可能性がある
  • 就職サポートを受けられる
  • 失業保険の申請を迅速に行える

1.失業保険の受給期間を延長できる可能性がある

失業保険を受給している方は、公共職業訓練を受講することで受給期間を延長できる可能性があります。一定の条件を満たせば訓練延長給付を受け取れるので、所定日数を超えても失業保険を受け取れるでしょう。

また、自己都合で退職した場合は、給付制限があるため3ヶ月間給付を受けられません。ただし、職業訓練を受けることで、その給付制限を解除できるのもメリットといえるでしょう。

自己都合で退職したときの給付制限期間は「失業保険を自己都合退職後にもらうには?給付制限期間や計算方法を解説!」のコラムで解説しているので、確認してみてください。

2.就職サポートを受けられる

職業訓練では自身のスキルを磨くだけでなく、就職サポートを受けられるのもメリットの一つといえるでしょう。職業訓練を受けても実績経験にはならないため、職種によっては就活や転職活動が難航する場合も考えられます。

職業訓練を受講後にハローワーク側から仕事選びのアドバイスを受けられたり、就職先を紹介してもらえたりするので、効率良く就活や転職活動を進められるでしょう。

3.失業保険の申請を迅速に行える

職業訓練を受ければ、失業保険の申請を迅速に行えるのもメリットです。失業保険を受給するために月に一度、認定日にハローワークへ訪れて手続きを行うことを求められるでしょう。

公共職業訓練を受講すると、訓練校側で認定日に失業保険の手続きを行ってもらえるので、ハローワークに引く手間を省けます。

ハローワークの職業訓練を受ける3つのデメリット

職業訓練の受講を検討するときはメリットだけでなく、デメリットの情報もしっかりと理解したうえで判断することをおすすめします。以下で、ハローワークの職業訓練を受けるデメリットを解説するので、前項のメリットと比較して自分に必要かどうか考えてみましょう。

ハローワークの職業訓練を受けるデメリット

  • 働いていない空白期間が長くなる
  • 無収入の期間ができる
  • 受講するコースや講師によって身につくスキルに差が出る

1.働いていない空白期間が長くなる

職業訓練は講座それぞれに訓練期間が設定されているため、働いていない空白期間が長くなります。職業訓練を受講修了までに掛かる期間のぶん、無職期間が長引くということを留意しておきましょう。

働いていない空白期間があることで、ネガティブな印象を持つ企業もあります。「空白期間が面接官に与える印象は?答え方のポイントや履歴書の記載例を紹介」のコラムで解説している空白期間が面接官に与える印象や面接での説明方法を参考にして、前向きな空白期間であること企業に伝えましょう。

2.無収入の期間ができる

職業訓練を受講することで無収入の期間が長くなり、金銭面の余裕がなくなる可能性があるでしょう。公共職業訓練を受講している場合、失業保険の受給期間を延長は可能ですが、勤務していたときの収入よりも受け取れる金額は小さくなります。

生活費を補うためにアルバイトなどで収入を得ると、報告義務が発生します。収入が発生した日は、失業手当が支給されないので注意しましょう。

3.受講するコースや講師によって身につくスキルに差が出る

受講するコースや講師によって身につくスキルに差が出るのが、職業訓練を受けるデメリットといえるでしょう。職業訓練のコース内容は、ハローワークの地域によって異なるため希望するスキルを身につけられない可能性があります。

また、知識は所持しているけれど実際に現場で勤務したことがない人が講師を行っているという場合もあるでしょう。職業訓練を受けても知識は得られますが、現場で活かせるスキルが身につかない場合があるので注意が必要です。

ハローワークの職業訓練を受けられる機関

ハローワークの職業訓練は、厚生労働大臣の認定を得ている民間機関によって受講できます。以下で、職業訓練を受けられる機関をまとめたので、チェックしてみてください。

職業能力開発校

ハローワークの職業訓練を受けられる機関には、職業能力開発校があります。職業能力開発校は、都道府県や市区町村など地域が主体となって運営している機関です。

また、地域によっては名称が変わっている場合も。厚生労働省の「地域毎の訓練情報(公共職業訓練(離職者訓練)関係)」で地域ごとに職業訓練の情報を得られるので、自分の住んでいる地域で受けられる機関を確認してみてください。

参照元
厚生労働省
地域毎の訓練情報(公共職業訓練(離職者訓練)関係)

 

民間教育訓練機関

厚生労働大臣の認可を得ている民間教育訓練機関でも、職業訓練を行っています。民間教育訓練機関は地域によって異なりますが、カルチャースクールや専門学校などが該当するでしょう。

職業能力開発短期大学校

職業能力開発短期大学校でも職業訓練を受けることが可能です。職業訓練を受講している方のなかで高校卒業を経て就職活動を行っている方が対象となっているのが特徴といえるでしょう。「高卒は仕事がない?少ないといわれる理由や就職を成功させるポイントを解説」のコラムで高卒の就活を成功させるポイントを解説しているので、併せてチェックしてみてください。

職業能力開発促進センター

職業能力開発促進センターは「ポリテクセンター」とも呼ばれ、受けられる職業訓練の期間が短いことが特徴です。短期での職業訓練を希望している場合におすすめの受講先といえます。職業能力開発促進センターの所在地は、独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用

支援機構(JEED)の「職業能力開発促進センター(ポリテクセンター)」で探せるので、利用しやすい施設を確認してみましょう。

各施設で職業訓練を受ける前にハローワークへの登録が必要

いずれも、各施設で職業訓練を受けるときは、ハローワークで求職申し込みの登録をする必要があります。ハローワークで申し込みしたら、ハローワークまたは訓練実施施設にて受講の申し込みを行いましょう。ハローワークを利用したことがない方は、「ハローワークとは?詳しいサービス内容や利用時の流れなど分かりやすく解説」のコラムで利用時の流れをまとめているので参考にしてみてください。

参照元
独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構のホームページ
全国の施設

ハローワークの職業訓練に申し込む方法

ここでは、ハローワークの職業訓練に申し込む方法を解説します。職業訓練を受講しようと考えている方は、チェックしてみてください。

職業相談を行う

職業訓練制度を利用したいときは、ハローワークで職業相談の案内を受けましょう。職業訓練制度を利用するためには、ハローワークから職業訓練が必要だと認可を得る必要があります。そのため、ハローワークで職業相談を行い、職業訓練が必要なのかを判断してもらいましょう。

職業訓練校と受講するコースを選択する

ハローワークで職業訓練の受講を認められたら、受けたいコースを選択します。コースを選択する際は、就職・転職を希望する職種を明確にしておきましょう。

希望の職種を考えておくことで身につけるべきスキルが分かり、受講するコースが選びやすくなります。目標を持ったうえで受講すればモチベーションも保てて、職業訓練での経験がより効果的にもなるでしょう。

また、コースを選ぶ際には、自身の居住地からの通いやすさや希望の受講期間などを考慮したうえで選択するのがおすすめです。希望の職種や仕事が見つからない方は「どんな仕事がしたいかわからない!見つける方法と面接時の回答例文を紹介」のコラムで見つけ方を解説しているので参考にしてみてください。

職業訓練校の説明会に参加する

受講するコースと職業訓練校を選択したら、説明会に参加しましょう。説明会に参加することで、受講するコースの詳しい情報だけでなく、実習風景を見学できる場合があります。

また、職業訓練を受講するイメージが明確にできるメリットのほかにも、面接試験に向けて訓練校に対して意欲をアピールできるかもしれません。

職業訓練校への入学申し込みを行う

職業訓練校とコースを選択したら、入学の申し込みを行う必要があります。入学の申し込みには本人確認書類や証明写真、雇用保険受給資格者証などの書類が必要となるので、漏れがないように注意してください。

申込書や必要書類の内容はそれぞれの訓練校のパンフレットと一緒に配布されていたり、Webからダウンロードしたりするなど形態はさまざまです。申し込み方法の確認を怠らないようにして、不明点があれば早めに確認することを心掛けましょう。

職業訓練校の選考試験を受ける

申し込みができたら、職業訓練校の選考試験を受けましょう。選考試験は筆記や面接をはじめ、書類選考や適性検査など各施設によってさまざま。受講したいコースの試験情報を事前に調べて対策を行うことが大切です。

また、人気のあるコースでは倍率が高くなる傾向があるので、しっかり対策を行うと良いでしょう。選考受験に落ちると、職業訓練が受けられないこともあるので注意してください。

職業訓練校の入学手続きを行う

選考試験に合格したら、ハローワークで職業訓練校への入学手続きを行いましょう。入学手続きを忘れたり、受付期間を過ぎたりした場合は、合格が取り消しとなることもあるので注意してください。

また、ハローワークで入学手続きを行う際に、就職支援計画書が交付されます。就職支援計画書は、職業訓練受講後にハローワークから再就職のあっせんを受けるときに必要な書類となるので失くさないようにしましょう。

職業訓練に欠席するとどのようなデメリットがある?

職業訓練が行われる日に欠席すると、受け取っている手当がもらえなくなる可能性があるので注意しましょう。ほかにも、欠席率が20%を超えてしまうと、職業訓練が受けられなくなってしまうことも。病気や面接、採用試験など正当な理由での欠席は問題ありませんが、証明できるものが必要となるので忘れないようにしましょう。

ハローワークで受け取れる職業訓練受講給付金とは?

職業訓練受講給付金とは、失業保険を受給できない方が職業訓練を受ける際に受け取れる給付金です。職業訓練受講給付金には、「職業訓練受講手当」「訓練実施施設までの通所手当」「寄宿手当」が挙げられます。受け取れる金額は、以下のとおりです。

  • ・職業訓練受講手当:月額10万円
  • ・訓練実施施設までの通所手当:4万2,500円まで
  • ・寄宿手当:月額1万700円

厚生労働省の「求職者支援制度のご案内」によると、職業訓練受講手当が受けられなくても、通所手当のみ受給することは可能です。ただし、寄宿手当は、ハローワークが必要性を認めた方に限り受給できるので注意しましょう。以下では、職業訓練受講給付金を受け取る条件と流れを解説します。

職業訓練受講給付金を受け取る条件

職業訓練受講給付金を受給するには、条件をクリアする必要があります。受給に必要な条件は、以下のとおりです。

  • ・本人収入が月8万円以下
  • ・世帯全体の収入が月30万円以下
  • ・世帯全体の金融資産が300万円以下
  • ・現在住んでいるところ以外に土地・建物を所有していない
  • ・訓練実施日全てに出席する(やむを得ない理由により欠席し、証明できる場合(育児・介護を行う者や求職者支援訓練の基礎コースを受講する者については証明ができない場合を含める)であっても、8割以上出席する。)
  • ・世帯のなかで同時にこの給付金を受給して訓練を受けている者がいない
  • ・過去3年以内に、偽りそのほか不正の行為により、特定の給付金の支給を受けていない
  • ・過去6年以内に、職業訓練受講給付金の支給を受けていない 

給付金の受け取りを考えている場合は、自分が条件に当てはまっているかを確認したうえで申し込みを行いましょう。

給付金受け取りの流れ

職業訓練受講給付金を受け取るには、初めにハローワークで求職の申し込みをして求職者支援制度の案内を受けます。職業相談を受けて訓練コースを選択し、職業訓練の申込書などの必要となる書類を受け取りましょう。

受け取った書類を記入をしたらハローワークの窓口にて職業訓練受講の申し込み手続きを行い、訓練実施機関からの選考を受ける流れとなります。合格通知が届き次第、再びハローワークで職業訓練受講給付金の支給申請に必要な書類を受け取りましょう。

給付金受け取り審査に必要な書類

給付金を受け取るには、さまざまな書類をハローワークへ提出する必要があります。これらの書類の情報を基に給付金の受け取りの可否が決まるので、しっかりと準備しておきましょう。必要書類は以下のようなものが挙げられます。

  • ・本人情報確認書類(マイナンバーや免許証など)
  • ・ハローワークから交付される書類(職業訓練の受講申込書、事前審査所、職業訓練受講給付金要件申告書、職業訓練受講給付金通所届)
  • ・住民票(3ヶ月以内交付のもの)
  • ・収入証明書類
  • ・源泉徴収票等(前年度の本人及び家族の収入情報の証明)
  • ・預金通帳(申請日時点で口座残高が50万円以上である本人及び家族のもの)
  • ・給付金振込先口座の通帳
  • ・ハローワークから求められる書類

また、ハローワークで給付金の申請は1ヶ月に1回行われますが、その際にも必要書類があるため注意しましょう。給付金の受給継続の申請に必要な書類は、以下のとおりです。

  • ・事前審査通知書(初回のみ必要)
  • ・給付金支給状況
  • ・職業訓練受講給付金支給申請書
  • ・就職支援計画書
  • ・訓練を欠席した場合の証明書(欠席理由の証明)

書類に漏れや不備があると、受給が遅れたり、受け取れなかったりするのでしっかり確認したうえで提出しましょう。ほかにも、ハローワークで受け取れる給付金は「ハローワークで受け取れる給付金は?必要な条件や申請する方法を解説」のコラムにまとめているので、チェックしてみてください。

参照元
厚生労働省
求職者支援制度のご案内

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後藤祐介

監修者:後藤祐介

京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。
ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。

資格 : 国家資格キャリアコンサルタント国家資格中小企業診断士
メディア掲載実績 : 「働く」をmustではなくwantに。建設業界の担い手を育て、未来を共創するパートナー対談定時制高校で就活講演 高卒者の職場定着率向上へ【イベント開催レポート】ワークリア障がい者雇用セミナーSNS : LinkedIn®YouTube