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高卒認定がないと就職で不利?取得するメリットや就活のポイントを解説

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この記事のまとめ

  • 高卒認定を取得し就職活動すると、応募できる求人の幅が増えるのがメリット
  • 高卒認定の最終学歴は中卒だが、その後進学することで大卒となることも可能
  • 就職活動では、高卒認定取得のための努力をアピールすると良い
  • 高卒認定を就職で活かせるのは、18歳以降なので注意が必要
  • 高卒認定を取得しても就職活動が不安なら、就職・転職エージェントに相談するのも手

高卒や中卒として就活を始める方のなかには、高卒認定を取得するか迷っている方もいるでしょう。高卒認定を受けないと「就職で不利になるのでは」と不安になりますよね。

高卒認定を受けることで就職が有利になるとは限りませんが、求人の幅が広がるので取得するもの良いでしょう。独自の経験や努力をアピールすることによって、就活で好印象を与えることも可能です。

このコラムでは、キャリアアドバイザーの八木さんのアドバイスを交えつつ、高卒認定を取得するメリットをまとめました。また、高卒認定が就職活動を行う際に抑えておくべきポイントもご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

高卒認定を取得しないと就職に不利?

高卒認定があるからといって就職が不利になるとは限らず、取得することで求人への応募の幅が広がるでしょう。取得できる資格も豊富になるので、高卒認定の取得が就職に対して不利に働くことはほとんどありません。

目指したい業界や職種が決まっている場合は、中途採用枠に応募するのも可能です。「高卒者の中途採用は難しい?おすすめの職種や成功させるポイントを解説」のコラムで高卒者が中途採用の求人を効率的に探す方法を解説しているので、就職先を探すときの参考にしてみてください。

就活で高卒認定取得者を中卒扱いする企業は少ない

高卒認定を中卒扱いする企業は少数です。平成25年に文部科学省が発表した「高等学校卒業程度認定試験合格者の企業等における扱いに関する調査の結果について(p4)」によると、高卒認定の取得者を「高卒と認めない」と回答した企業は1.3%にとどまっており、「高校と同等である」と回答した企業は25.9%でした。

また、「学歴で差は付けていない」と回答した企業も17.7%という結果となっています。近年では高卒認定の認知も広くなってきており、高卒認定を高卒扱いする企業の数は増えてきていると考えられるでしょう。

参照元
文部科学省
高等学校卒業程度認定試験合格者の企業等における扱いに関する調査の結果について

高卒認定試験とは?

高卒認定の正式名称は、「高等学校卒業程度認定試験」であり、高校を卒業していなくても高校卒業と同等の学力があることを示すものです。以前は「大学入学資格検定(大検)」という名称でしたが、平成17年から変更されました。

毎年8月と11月の日程で2回試験が行われており、高校を中退した方や何かしらの理由で高校に通うことができなかった方、日本国籍を持たない外国人の方を対象に実施されています。

高卒認定取得者の最終学歴

高卒認定取得者の最終学歴は、「中卒」になります。この理由として、高卒認定はあくまで高校卒業程度の学力を保有していることを示すものであり、実際に高校を卒業しているわけではないためです。

高卒認定を取得しても、最終学歴が「高卒」にならないことを留意しておきましょう。ただし、高卒認定を取得すると履歴書の学歴欄に記載できるので、高卒同等の学力があることをアピールできます。

高卒認定と高卒資格は違う?

高卒認定と高卒資格は、高校を卒業しているかどうかという点で異なります。高卒資格とは、全日制・定時制・通信制の内いずれかの形態の高校に3年間在籍したうえで、卒業した人が取得する資格です。

高卒認定は前述のとおり、取得後に大学や短大、専門学校への進学を行わなかった場合には最終学歴が「中卒」となりますが、高卒資格は最終学歴を「高卒」として扱える点で異なるので注意しましょう。

履歴書に高卒認定を記載する方法

履歴書に高卒認定を記載する方法は、以下のとおりです。自分の学歴に合うものを選んで、省略せずしっかりと明記しましょう。

中学校卒業後に取得した場合

中学校卒業後に取得した場合の画像

中卒は就職できない?就活のポイントやおすすめの職種を知り採用を目指そう」のコラムで、中卒者は就職が難しいといわれる理由を解説しています。中卒の方は現状をしっかり理解したうえで就活に臨み、就職を成功させましょう。

高校中退後に取得した場合

高校中退後に取得した場合の画像

高卒中退後に高卒認定を受けた場合は、後項を中退したこと明記したうえで高卒認定に合格したことを記載しましょう。

高卒認定に学を卒業すれば大卒と同じ扱いになる

高校を卒業せず高卒認定を取得して大学に進学後卒業できれば、大卒枠として就職活動を行えます。

もちろん最終学歴は大卒となり、学歴欄にも卒業した大学を記載することも可能です。大卒枠であれば応募することができる求人の幅もさらに広がり、選択肢も増えるためチャレンジするのも良いでしょう。

高卒認定を取ってから就職活動をする6つのメリット

高卒認定を取ってから就職活動をするメリット

  • 高卒以上の求人に応募できる
  • 正社員として採用されやすくなる
  • 高卒同等の条件で待遇を受けられる可能性がある
  • 公務員を目指せる
  • 受験資格が高卒以上の資格を取得できる
  • 大学受験が可能になる

ここでは、高卒認定を取得することでどのようなメリットがあるのかを具体的に見ていきましょう。

1.高卒以上の求人に応募できる

高卒認定を取得していれば、高卒以上の求人に応募可能になるのがメリットになります。ただし、求人の応募条件として「高卒以上」としか係れておらず、高卒認定について言及していない場合には、企業に直接確認する必要があります。

2.正社員として採用されやすくなる

高卒認定を取得していると、正社員として採用される可能性が高まるメリットがあります。厚生労働省による「平成30年若年者雇用実態調査(p18)」の調査結果によると、最終学校卒業時から1年以内に正社員として採用された人の割合は、「中学卒」が11.7%、「高校卒」が61.9%となっており、正社員としての採用に大きく影響していることがわかるでしょう。

参照元
厚生労働省
平成30年若年者雇用実態調査の概況

3.高卒同等の条件で待遇を受けられる可能性がある

高卒認定を取得しているメリットには、採用後に給与といった条件面で高卒と同じ待遇を受けられる可能性があることが挙げられます。ただし、就職先の企業によって判断は分かれているため、必ずしも同じ条件で採用されるとは限らないことに注意しましょう。

4.公務員を目指せる

高卒認定を取得すると、公務員への就職の幅が広がることもメリットです。中卒から公務員を目指すのも可能ですが、高卒認定を取得することで受験できる公務員試験の選択肢が増えるでしょう。

公務員の種類や試験内容は「第二新卒から公務員になるのは不利?適切な準備と進め方を解説!」のコラムで解説しているので、興味がある方はチェックしてみてください。

5.受験資格が高卒以上の資格を取得できる

高卒認定を取得することで、高卒以上を受験資格としている資格への挑戦が可能になるのもメリットといえます。国家資格の試験に合格すれば、選べる仕事の幅はさらに広がるでしょう。

国家資格には、保育士試験、小学校教員資格認定試験、衛生管理者免許試験(第一種・第二種)、食品衛生管理者などがあります。「高卒でも取れる資格で高収入は目指せる?おすすめの資格を紹介」のコラムで高卒から挑戦できる資格をまとめているので、興味のある仕事に役立つ資格をチェックしてみてください。

6.大学受験が可能になる

高卒認定を受けると、大学・短大・専門学校などへの進学ができるメリットがあります。平成25年度に文部科学省が発表した「高等学校卒業程度認定試験合格者の進路状況に関する調査の結果について(p2)」によると、高卒認定合格者のうち45.0%の人が大学・短大・専門学校・大学校へ入学したという結果となっています。大学等へ進学し大卒となることで、就職先の幅はさらに広がるため、将来の選択肢を広げたいという方は進学を検討してみても良いでしょう。

参照元
文部科学省
高等学校卒業程度認定試験合格者の進路状況に関する調査の結果について

就職前に知るべき高卒認定試験の概要

高卒認定は、16歳以上かつ日本において高校を卒業していない人が対象です。受験の科目は必須科目として国語・数学・英語・歴史・地理・公共の6教科と選択科目。文部科学省の「⾼等学校卒業程度認定試験における試験科⽬、 合格要件、免除科⽬、出題範囲の変更等について」では、「令和6年から試験科目が変更される」とあるので、受験前に試験内容を確認することをおすすめします。

また、合格の効力が出るのは18歳以上からなので、すぐに効力が出るものではないことを留意しておきましょう。就職活動でも、高卒認定を名乗ることができるのは18歳以上からとなるので注意が必要です。

出願から受験までの流れ

高卒認定の出願から受験までの流れは、以下のとおりです。

1.願書を出願する

高卒認定試験を受験するために、願書を提出しましょう。願書は、各都道府県の教育委員会から入手できます。文部科学省の「出願書類フローチャート」で必要な書類を確認し、余裕を持って用意しましょう。

2.受験票を受け取る

願書が無事受理されると、受験票が郵送されてきます。受験票は、当日に必ず持参しなければならないため、大切に保管しましょう。願書についての不明点や疑問などがないか、届いたら内容をしっかり確認することが大切です。

3.本番試験を受ける

願書が受理され、受験票が郵送されればいよいよ本番試験となります。試験会場は都道府県によって異なるため、しっかりとチェックしておきましょう。

また、会場に時計が設置されていない可能性もあるため、腕時計があると便利です。基本的に、試験は定刻通りに開始されるため、遅刻しないように前日から準備を行い、当日は余裕を持った行動を心掛けましょう。

参照元
文部科学省
高等学校卒業程度認定試験(旧大学入学資格検定

高卒認定の合格率

文部科学省から発表された「令和5年度第2回高等学校卒業程度認定試験実施結果」によると、令和5年度の高卒認定試験の受験者は第1回と第2回の合計で1万6,813人となっており、うち高卒認定試験合格者は7,932人合格率は約47.2%という結果でした。

令和4年の合格率は46.4%となっており、年度によって多少の差はありますが概ね45%前後で推移しているといえるでしょう。

高卒認定に合格するためのポイント

高卒認定試験は何度も受験することができ、一度合格した科目については次回以降免除されます。令和5年度の高卒認定試験において、1科目でも合格に達した人の割合は90.3%となっているため、試験内容の難しさよりもどれだけ効率的に準備できるかが重要になるでしょう。

参照元
文部科学省
令和5年度第2回高等学校卒業程度認定試験実施結果

高卒認定を取得して就職活動をするときのポイント

高卒認定を取得して就職活動をするときのポイント

  • 高卒認定を取得するために行った努力をアピールする
  • 学歴より自分の人柄や仕事への熱意をアピールする
  • 高校以外で得た経験をアピールする
  • 社会人としてのマナーに注意する

ここからは、高卒認定を取得した方が就職活動を行うときに押さえておくべきポイントについて解説していきます。大卒と比較してネガティブになるのではなく、高卒認定だからこそアピールできることをまとめ、しっかりと準備して就活に臨みましょう。

高卒認定を取得するために行った努力をアピールする

主食活動では、高卒認定を取得するために努力したことを積極的にアピールしましょう。何らかの理由で高校に通えなかったとしても、自分で努力して高卒認定試験に合格したという経験は、企業に対してアピールになります。

アピールの際は、高卒認定を取得しようと思った経緯や、試験に合格するために行った工夫やアイディアなどを伝えられるようにまとめておきましょう。

学歴より自分の人柄や仕事への熱意をアピールする

高卒認定を取得して就活に臨む場合、大卒と比較される学歴という部分で勝負するのではなく、自分自身の人柄や仕事への熱意という部分でアピールしましょう。

就職活動の面接では、自己PRや志望動機を聞かれることがあります。自分自身の強みや長所と、入社後に貢献できること、仕事への意欲を伝えることで、採用担当者に好印象を与えられるでしょう。

志望動機の書き方は「志望動機書の書き方やコツは?第二新卒や未経験から転職する際の例文も紹介」のコラムで解説しているので、書類作成をするときの参考にしてみてください。

高校以外で得た経験をアピールする

高校に通っていない方は、その期間にどのような経験をしていたかをアピールするのもいいかもしれません。たとえば、アルバイトをしていた方であれば、どのようなアルバイトをしてどんな経験をしたのか、成長できた点は何かなどを話せるようにしておきましょう。

また、アルバイトをしながら高卒認定取得に向けて勉強していたのであれば、それも立派なアピールになります。

社会人としてのマナーに注意する

就活の面接では、身だしなみはもちろんのこと、声の明るさや清潔感などの社会人としてのマナーにも注意しましょう。たとえば、取引先や顧客と接する必要がある仕事をする際は、清潔感がないと企業のイメージダウンにつながるため、採用を避けられる可能性があります。

また、声が暗く、はきはきと話せないと自信がなさそうな印象を持たれがちです。「頼りない」「入社意欲が低い」といった悪印象を持たれる可能性があるので、面接では元気にはきはきと受け答えすることを心掛けましょう。

ハタラクティブ プラス在籍アドバイザーからのアドバイス

八木寛斗

八木寛斗

高卒認定を利用して就職活動をする際は、学歴不問や高卒の求人の選考を受けられます。企業からは面接のなかで「なぜ高校を中退したのか」「進学しなかった理由は?」といった点について質問される可能性があるので、きちんと答えられるようにしておきましょう。

また、自身の経歴やスキルに自信がない場合は、就職・転職エージェントに相談するのもおすすめですよ。就職・転職エージェントのハタラクティブでは、自分では気がつかなかったあなたの強みの引き出し、今後のキャリアを築いていくうえで適切なお仕事のご提案や面接での受け答え方などのアドバイスもさせていただきます。

就活に不安がある方は、ぜひ就職・転職エージェントに相談することを検討してみてくださいね。

高卒認定で就職を有利に進めたい方はプロに相談しよう

高卒認定試験を受けるかどうか悩んでいる方や、就職に困っているという方は、就職・転職エージェントに相談するのも良いでしょう。就職や将来の相談はもちろんのこと、応募書類の書き方や面接対策まで幅広いサービスを提供しているため、就活するのが初めての方も安心して臨めます。

「高卒認定を受けたが一人で就活するのが不安」「自分に合う仕事が分からない」という方は、就職・転職エージェントのハタラクティブにご相談ください。ハタラクティブは若年層に特化した就職・転職エージェントです。

専属のキャリアアドバイザーがヒアリングを行い、一人ひとりに合った求人をご提案。未経験歓迎の求人も豊富に保有しているので、納得したうえで仕事選びを行えるでしょう。

また、応募書類の添削や面接対策も行うので、就活や転職活動をしたことない方も安心して臨めます。ご登録・ご利用は無料なので、お気軽にご利用ください。

高卒認定を得て就職活動する方によくある疑問Q&A

ここでは、高卒認定を得て就職活動する方が抱きがちな疑問をQ&A形式でまとめました。

ハローワークに高卒認定が応募できる求人はありますか?

ハローワークに高卒認定者が応募できる求人はあります。
ハローワークは求人検索はもちろん、職業相談や就活セミナーも実施されているので利用を検討するのも良いでしょう。初めて利用する方は、「ハローワークとは?詳しいサービス内容や利用時の流れなど分かりやすく解説」のコラムで利用方法を解説しているので、チェックしてみてください。

高卒認定を取得しても意味ないって本当ですか?

高卒認定を取得することで大学進学できたり、高卒以上の求人に応募できたりできるので、意味がないとは限りません。
ただし、「フリーランスになる」「起業する」といった場合、学歴が評価されることが少ないので、「意味がない」と感じるかもしれません。高卒認定を受けるか迷っている場合、自分のキャリアビジョンを描いたうえで受験するか判断しましょう。

高卒認定を取得しても就職先が見つからないときの対処法は?

なかなか就職先が見つからない場合は、自己分析で強みや活かしたいスキルを見直すのも良いでしょう。
就職・転職エージェントのハタラクティブではヒアリングを行い、あなたに合った求人をご提案するのでミスマッチを防げます。また、ご紹介する企業はすべて担当者が足を運んだ優良企業なので、社風もお伝え可能。自分に合った仕事探しがしたい方は、ぜひハタラクティブへご相談くださいね。

後藤祐介

監修者:後藤祐介

京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。
ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。

資格 : 国家資格キャリアコンサルタント国家資格中小企業診断士
メディア掲載実績 : 「働く」をmustではなくwantに。建設業界の担い手を育て、未来を共創するパートナー対談定時制高校で就活講演 高卒者の職場定着率向上へ【イベント開催レポート】ワークリア障がい者雇用セミナーSNS : LinkedIn®YouTube