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ニートは職業訓練を受けるべき?メリットやおすすめのコースを紹介
この記事のまとめ
- 職業訓練には「公共職業訓練」「求職者支援訓練」「学卒者訓練」の3種類がある
- ニートの方が職業訓練を受ければ、履歴書の職歴欄に書いてアピールできる
- ニートの方におすすめの職業訓練のコースは、IT系や医療福祉系など
- 職業訓練以外でニートの方におすすめのサービスは、ハローワークや就職エージェント
ニートからの就職を考えている方のなかには、職業訓練の受講を検討している方もいるのではないでしょうか。私たちハタラクティブも、求職者から「就職のためにまずは何から始めるべきか」という相談を受けることがあります。
職業訓練を受ければ、興味がある仕事に役立つスキルや知識を身につけられるほか、選考でアピールできる可能性もあるので、選択肢として受講を検討してみるのも良いでしょう。
このコラムでは、キャリアアドバイザーの高城さんのアドバイスを交えつつ、職業訓練を受講するメリットや、活用するためのコツを解説します。就職活動における選択肢の一つとして、参考にしてみてください。
この記事にコメントしているアドバイザー
職業訓練とは?
職業訓練とは、国や地方公共団体が提供する無償の訓練です。就職や転職活動をしている人を対象に、仕事に役立つスキルを身につけたり、資格を取得したりすることを目的としています。別名は「ハロートレーニング」。IT関連や医療福祉系、事務系など、幅広い分野から受講するコースを選択することが可能です。
受講を希望する場合は、最寄りのハローワークを通して申し込みを行います。職業訓練の受講は基本無料ですが、コースや種類によってはテキスト代や受講料がかかる場合もあるので、説明を受ける際にその点もよく確認しましょう。
職業訓練の種類は?
職業訓練には、「公共職業訓練」「求職者支援訓練」「学卒者訓練」の3つの種類があります。受講を考えている方は、自分の状況に合った種類の職業訓練を選びましょう。
1.公共職業訓練
公共職業訓練は、主に雇用保険を受給している人を対象としています。訓練期間はおよそ3ヶ月~2年で構成されており、電気設備技術や木工、介護サービスなど、受講できるプログラムは多種多様です。
2.求職者支援訓練
求職者支援訓練は、条件を満たしていない、受給期間が終了したなど、さまざまな理由で雇用保険を受給できない人を対象としている訓練です。幅広い分野のコースを無料で受講できます。また、一定の条件を満たしていれば職業訓練受講給付金を受給できるので、自分が該当しているかも確認しておくと良いでしょう。
3.学卒者訓練
学卒者訓練は、学校を卒業した方を対象に実施されます。実施される学卒者訓練は、中卒者・高卒者を対象とした普通課程、高卒者などを対象とした専門課程、専門課程修了者などを対象とした応用過程の3種類です。受講期間は1~2年と、ほかの訓練と比べると長めに設定されています。また、学卒者訓練は有料の訓練となるので、よく確認しておきましょう。
職歴なしの場合に受けられるのは?
職歴なしの方は、求職者支援訓練を受講できます。前述したように、求職者支援訓練は無料で受講でき、条件を満たしていれば給付金を受け取れるので、「就職のために何らかのスキルを身につけたい」「就職は考えているものの、就活中の収入がない期間が不安」という方におすすめです。
職業訓練の受講方法は?
職業訓練を受けるには、まず最寄りのハローワークで求職の申し込み手続きを行い、登録をすることが必要です。求職者登録をした後、希望するコースを窓口で相談をすれば、職業訓練について案内してもらえます。
職業訓練の申し込みをしたら、職業訓練校や施設で選考を行うので、「なぜその職業訓練を受けようと思ったのか」「身につけたスキルをどのように仕事に活かしたいか」など、想定される質問の回答を用意しておくと良いでしょう。
選考に合格したらハローワークで斡旋を受け、指定された訓練校や施設で職業訓練を受けられます。
「ハローワークの利用方法とは?初めての方へ使い方を解説!」のコラムではハローワークの利用方法や受けられるサービスについて解説しているので、ぜひチェックしてみてください。
参照元
厚生労働省
ハロートレーニング(離職者訓練、求職者支援訓練)について知る
ハロートレーニング(学卒者訓練)
ニートは職業訓練に行かないほうが良いってホント?
一部では、ニートの方は職業訓練に行かないほうが良いという説もあるようですが、それは本当なのでしょうか。
詳しくは「ニートが職業訓練を受けるメリット」で後述しますが、職業訓練には一定の期間を要するなどのデメリットがあるのも事実です。しかし、自分の興味がある分野の資格やスキルを習得できる、履歴書に職歴として書ける、選考でのアピール材料にもなるなど、ニートの方が受講するメリットは多々あります。
また、職業訓練を受講してスキルを身につけたり、資格を取得したりすれば「目標を達成できた」という自信にもつながるでしょう。
そのため、一概に「ニートだから職業訓練に行かないほうが良い」と決めつけず、メリットとデメリットを踏まえたうえで受講を検討することをおすすめします。
ハタラクティブ プラス在籍アドバイザーからのアドバイス
高城綾香
ニートから就職を検討する場合、まずは第三者に相談をするなど、少しずつ動き出す必要があります。ハローワークや就職エージェントに登録することから始めるのも手です。
少しずつ動くことで就職活動の感覚がつかめてくるはずなので、焦らず自分のペースで進めてみましょう。わたしたちハタラクティブでは、未経験からの就職活動をサポートしているので、「動き出すのが不安」という方は、ぜひご相談くださいね。
ニートが職業訓練を受けるメリット
ニートが職業訓練を受けるメリット
- 仕事に役立つ知識やスキルが身につく
- 履歴書に書ける
- 給付金を受け取れる
- 同じ悩みを持った仲間ができる
ニートの方が職業訓練を受けることには、仕事に役立つスキルを身につけられる、履歴書に書ける、給付金を受け取れる、仲間ができるといったメリットがあります。
以下でそれぞれのメリットについて詳しく解説しているので、職業訓練を受講しようか悩んでいる方は参考にしてみてくださいね。
仕事に役立つ知識やスキルが身につく
職業訓練は、仕事に役立つ知識やスキルを身につける絶好の機会です。職業訓練を受講すれば、PC関連や医療福祉関係、工業系など、幅広い分野の知識やスキルを身につけられます。
「取りたい資格があるけれど、独学で勉強を続ける自信がない」という方は、興味がある仕事に関する分野のコースの受講を検討してみると良いでしょう。
履歴書に書ける
職業訓練を受講すると、履歴書の職歴欄に記載できます。職業訓練の履歴を職歴欄に書くことで、空白の期間を埋めるだけでなく、自身の成長やスキルアップへの意欲をアピールできるでしょう。
履歴書に職業訓練について書く際は、職業訓練校に入学した日と修了した日を忘れずに書いておきます。
給付金を受け取れる
職業訓練に参加した場合、以下の条件を満たしていれば職業訓練受講給付金を受給することが可能です。
- ・本人の収入が月8万円以下
- ・世帯全体の収入が月30万円以下
- ・世帯全体の金融資産が300万円以下
- ・現在住んでいるところ以外に土地や建物を所有していない
- ・全ての訓練実施日に出席している
- ・世帯の中に給付金を受給して職業訓練を受けている人がいない
- ・過去3年以内に、不正行為によって特定の給付金を受給したことがない
- ・過去6年以内に職業訓練受講給付金を受給したことがない
- 引用:厚生労働省「ハロートレーニング 就職支援・給付金などについて知る」
職業訓練受講給付金は、受講期間中の生活を支援することを目的としたものです。給付金を受給すれば、生活を支えながらスキルアップに取り組む一助になるでしょう。
参照元
厚生労働省
ハロートレーニング 就職支援・給付金などについて知る
同じ悩みを持った仲間ができる
ニートの方が職業訓練を受講することで、就職に関して同じ悩みを持った仲間ができる可能性があるのもメリットの一つです。職業訓練を通して、お互いの悩みを相談したり、就職活動に関する情報を共有したりするなど、助け合える関係を構築できるかもしれません。
「就職活動に関する悩みがあるけれど、周りにはなかなか相談できない」「人とコミュニケーションが取りたい」という方は、まずハローワークの窓口でどのような職業訓練があるのか聞いてみるのがおすすめです。
職業訓練のデメリットも知っておこう
職業訓練にはメリットだけでなく、デメリットもあります。
たとえば、訓練コースによっては半年以上や1~2年など、期間が長くなってしまう場合がある、受講しても必ずしも就職できるとは限らない、職業訓練の選考に落ちて受講できない可能性があることなどです。
このようなデメリットを踏まえつつ、受講するかどうかをしっかり考えることが大事といえます。
ニートが職業訓練を活用するコツ
ニートの方が職業訓練を有効活用するためには、自分が就きたい仕事で活かせるようなコースを選ぶことが大切です。「職業訓練の受講方法は?」でも述べたように、職業訓練の受講の申し込みは最寄りのハローワークで行えるので、自分が興味のある分野のコースを受講できるか窓口で相談してみましょう。
職業訓練の受講が決まったら、講師の話にきちんと耳を傾け、真面目に講習を受けるなどを心がけて臨むことが大切です。
遅刻や早退に注意
職業訓練を受講する際は、遅刻や早退に注意しましょう。職業訓練受講給付金を受給している場合は、遅刻や早退をすると支給されなくなる可能性があります。
また、給付金を受給していなくても、職業訓練の遅刻や早退は評価を落としてしまったり、途中退学になったりする恐れも。職業訓練は仕事に役立つ知識やスキルだけでなく、社会に出る際に大切なマナーや習慣を身につけられる場でもあるので、やむを得ない理由以外での遅刻や早退はしないよう心がけましょう。
ニートにおすすめの職業訓練コース
「職業訓練を受けてみたいけれど、どのコースを受講すればいいか分からない」というニートの方もいるかもしれません。ここでは、ニートの方におすすめの職業訓練のコースを紹介するので、興味がある方は参考にしてみてください。
IT関連
IT関連のスキルを身につけられるコースは、ニートの方におすすめの職業訓練の一つです。
近年はデジタル技術の発展により、IT関連の職業の需要が高まっています。企業によっては若手の未経験者を募集している場合もありますが、ある程度の知識やスキルを身につけておけば就職活動を有利に進められる可能性もあるでしょう。
プログラミングやWebデザイン、データベース管理など、多様なITスキルを身につけることで、将来性のある職業に就くチャンスを広げられるでしょう。
事務系
事務系の仕事に興味があるニートの方は、オフィスワークに関する基礎的な知識やスキルを学べる職業訓練の受講がおすすめです。
エクセルやワード、パワーポイントなどの基本的なPCソフトの使用方法や、簿記の資格など、事務職に役立つ幅広い知識やスキルを身につけられるでしょう。
医療・福祉系
医療・福祉系の分野は、少子高齢化に伴い人手不足となっているため、需要が増加傾向にあります。医療事務や介護事務、看護助手のコースなど、医療・福祉関係の仕事に興味があるニートの方におすすめです。知識やスキル、資格を身につけていることで、就職が有利になる場合もあります。
「ニートから就職・転職はできる?おすすめの職種や支援サービスも紹介!」のコラムではニートから目指しやすい職種を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
職業訓練以外にも!ニートにおすすめの就職支援
職業訓練以外にも!ニートにおすすめの就職支援
- ハローワーク
- 就職エージェント
職業訓練以外にも、ニートの方の就職活動に便利な就職支援サービスがあります。以下で詳しく解説するので、参考にしてみてください。
ハローワーク
ハローワークは、国が運営する公的な就職支援機関です。全国におよそ544カ所設置されており、求人の検索や職業相談、就職に役立つセミナーなどのサービスを無料で提供しているのが特徴。職業訓練の案内も、ハローワークの窓口で行われています。
ハローワークの求人検索は、職種や地域による細かな条件検索も可能なので、地元で就職先を見つけたい方にもおすすめです。
「ハローワークとは?詳しいサービス内容や利用時の流れなど分かりやすく解説」のコラムではハローワークを利用するメリット・デメリットを紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
参照元
厚生労働省
ハローワーク
就職エージェント
就職エージェントは、就職を考えている方をプロのアドバイザーが支援するサービスです。
一人ひとりに専属のアドバイザーがつき、あなたの経歴やスキル、希望に見合った仕事を探してくれるほか、応募書類の添削や面接対策も行ってくれます。就活のプロがサポートしてくれるため、ニート期間が長い方も安心して仕事を探せるでしょう。
エージェントには、正社員歴が短い、あるいは働いた経験がない方に向けたものと、転職を希望する方に向けたものがあります。ニートからの就職を考えている方は、正社員歴がない方に向けたエージェントを選びましょう。
就職エージェントのハタラクティブは、ニートやフリーター、第二新卒など、若年層のサポートに特化しています。未経験者を歓迎している求人を多く取り扱っているので、正社員としての経験がない方や、新しい仕事に挑戦したい方におすすめです。
紹介する求人は実際に企業に取材を行ったものなので、入社後にミスマッチを感じる不安も軽減できます。ニートからの就職を目指している方は、ぜひハタラクティブの利用をご検討ください。
ニートの職業訓練に関するお悩みQ&A
ここでは、ニートの方の職業訓練についてのお悩みや疑問にQ&A形式でお答えしています。
職業訓練は履歴書に書けますか?
職業訓練は、履歴書の職歴欄に書けます。
仕事に役立つスキルを身につけるために努力していたことを担当者にアピールできるので、職業訓練を受けていたことは履歴書に書いておくのがおすすめです。履歴書に記載する際は、受講したコースの正式名称、訓練校への入学日と修了日を書きましょう。
職業訓練の就職率は?
厚生労働省の「令和4年度 求職者支援訓練実績」によると、令和4年度の求職者支援訓練の就職率は、基礎コースが57.1%、実践コースが59.0%という結果が出ています。この結果から、ニートの方が職業訓練を受けて就職できる確率は低くないといえるでしょう。
ただし、職業訓練を受講したからといって必ずしも就職できるとは限らないので、スキルアップに取り組みながら就活の準備を並行して進めるのがおすすめです。
参照元
厚生労働省
ハロートレーニング
30代ニートは職業訓練を受けたほうがいいですか?
30代のニートの方も、職業訓練を受けるのがおすすめです。「やりたい仕事のために資格を取りたい」「全くの未経験よりもスキルや知識を身につけておきたい」という場合は、職業訓練で学んだことを就職のために活かせる可能性があります。
ただし、職業訓練を受ける明確な目的がない場合は、受講するよりも就職活動に専念したほうが良いでしょう。目的意識のないまま職業訓練を受けても思うようにスキルアップができず、時間だけが過ぎてしまう可能性があるからです。
職業訓練に落ちたらどうしたらいい?
職業訓練の選考に落ちた場合は、同じコースの選考に再挑戦する、内容が近い別のコースを申し込むといった方法があります。職業訓練だけにこだわらず、希望するスキルを身につけられる民間のスクールや講座の受講を検討してみるのもおすすめです。
また、職業訓練やスキルアップ講座を受けずに就活を始める選択肢もあります。年齢が若いうちであれば、経験よりも人柄や熱意を重視するポテンシャル採用の可能性もあるので、思い切って決断をするのも手です。
一人での就職活動が不安な方は、就職エージェントのハタラクティブのご利用を検討してみませんか?プロのアドバイザーが丁寧な就活サポートを行います。
監修者:後藤祐介
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。
ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。
資格 : 国家資格キャリアコンサルタント・国家資格中小企業診断士
メディア掲載実績 : 「働く」をmustではなくwantに。建設業界の担い手を育て、未来を共創するパートナー対談・定時制高校で就活講演 高卒者の職場定着率向上へ・【イベント開催レポート】ワークリア障がい者雇用セミナーSNS : LinkedIn®・YouTube