この記事のまとめ
- 警察官になるには地方公務員や国家公務員として目指すか考え、公務員試験を受験する
- 警察官の仕事は交番勤務や地域パトロール、国家公務員なら警察行政や皇宮警備など多岐にわたる
- 警察官になるには、武道初段以上や情報処理系の資格があると就職が有利になる
- 警察官になるには、受験資格や募集要項を確認し早めにスケジュールを把握するのが大切
- 希望する部署に役立つスキルを事前に身につけ、自分の強みが発揮できる警察官を目指そう
「警察官になるにはどうしたら良いの?」「採用試験では何をするの?」といった疑問がある方もいるでしょう。警察官になりたいけど、目指し方や必要な対策がわからないと「本当になれるのか」「目指すのは難しいのでは」と不安になりますよね。
警察官になるには、公務員試験に合格する必要があります。地方公務員として警察官を目指す場合は自治体が行う警察官採用試験を受験し、国家公務員として目指すなら国家公務員試験と警察庁の採用試験の合格を目指しましょう。
このコラムでは、キャリアアドバイザーの板垣さんのアドバイスを交えつつ、警察官になる方法をまとめました。また、採用試験の概要や実施される内容も解説しています。警察官を目指したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
警察官になるには試験を受験しよう
警察官になるためには、「警察官採用試験」または「国家公務員試験」などの公務員試験に合格する必要があります。警察官は、国民や住民の安全を守るという公共の利益のために働くため、公務員として採用されます。
警察官の採用試験は「地方公務員」と「国家公務員」それぞれ目指し方によって異なるため、自分がどちらの道に進むか検討することが大切です。以下で、「地方公務員」と「国家公務員」にわけて、警察官の目指し方を解説するのでチェックしてみてください。
地方公務員の目指し方
地方公務員として警察官を目指す際は、各自治体が行っている「警察官採用試験」を受験しましょう。警察官採用試験に合格後は「巡査」の階級が与えられ、警察官に必要な基本的な知識や体力、技術を身につけるために警察学校へ入校します。
入校期間は、大学卒業者の場合は6ヶ月間、それ以外の者の場合は10ヶ月間です。警察官学校卒業後は各都道府県の交番で勤務となり、警察官として働くことになるでしょう。
試験の内容は後ほど詳しく解説しますが、応募から採用までの流れは次のようになります。
- ・採用試験情報の確認
- ・願書提出
- ・一次試験
- ・二次試験
- ・最終合格/採用
各都道府県によって試験内容や採用条件が異なるため、志望する都道府県警察のWebサイトで最新情報を確認することが大切です。また、地方警察官は勤務地が原則として採用された都道府県内に限定されるという点も覚えておきましょう。
国家公務員の目指し方
国家公務員として警察庁の職員になるには、人事院が実施する「国家公務員採用総合職試験」または「国家公務員採用一般職試験」のいずれかに合格する必要があります。試験合格後、警察庁の官庁訪問を経て採用試験を受験し、内定を得るのが一般的な流れです。
政策の企画立案に携わりたいなら「国家公務員採用総合職試験」、各省庁で専門業務に深く関わりたいなら「国家公務員採用一般職試験」が適しています。どちらの試験を受けるかは、自身のキャリアパスの志向性や職務内容をよく確認したうえで決めましょう。
どの職種を目指すかによって、受ける試験が異なります。国家公務員試験の種類は、次のとおりです。
| 試験区分 | 対象者 | 主な警察関連職種 |
|---|---|---|
| 総合職試験 | 大卒程度 | ・警察官(法律や経済、行政などの区分で合格し、警察庁に採用) ・警察行政職員(事務官や技術官など) |
| 一般職試験 | 大卒・高卒 | 警察行政職員(事務官や技術官など) |
| 専門職試験 | 各専門分野 | 皇宮護衛官など |
ただし、皇宮護衛官は、人事院が実施する「国家公務員採用総合職試験」や「国家公務員採用一般職試験」とは別の試験である「国家公務員採用専門職試験(皇宮護衛官採用試験)」に合格する必要があります。この試験は、警察庁の採用とは別枠で行われるため、別の採用ルートとなることに注意しましょう。
いずれも難易度が高い試験をクリアする必要があるため、時間を掛けて試験対策をしっかり行うことが大切です。
ハタラクティブ プラス在籍アドバイザーからのアドバイス

板垣拓実
警察官になるための資格としては、日本国籍をもち、かつ指定された年齢内であることが一般的な要件です。身体検査や適性検査といった警察官採用試験に合格し、採用後、警察学校での訓練を受けられます。警察学校での訓練を経て、正式に警察官としての任務を開始できるでしょう。
警察官としての職務は重責が伴うものですが、そのぶんやりがいがあるのが魅力の一つです。
不安を乗り越え目標に向かって努力することで、警察官を目指せるでしょう。
高卒から国家公務員を目指すことは可能
高卒から国家公務員を目指すことは可能です。「国家公務員一般職(高卒者)試験」に合格する必要があります。しかし、試験の難易度や倍率は高い傾向にあるため、ハードルは高めだと理解しておきましょう。
国家公務員一般職(高卒者)で出題される問題範囲はとても広く、しっかり対策をする必要があります。また、「国家公務員採用一般職試験(高卒者試験)」によると、2024年度の倍率は3.1倍でした。これは、受験者のおよそ3人に1人しか合格できないことを意味し、競争率が非常に高いことがわかります。
合格を勝ち取るためには、広範囲にわたる出題科目への対策が不可欠です。具体的には、数的処理、文章理解、時事などの基礎能力試験や作文試験、そして人物試験(面接)といった、総合的な対策が求められます。
そのため、合格するためには、基礎学力だけでなく、人物試験(面接)を含めた総合的な対策が不可欠だといえるでしょう。
「大学中退から公務員に就職・転職できる?試験の年齢制限や給与について解説」のコラムでは、大学中退者が公務員に就職・転職するメリットやデメリットを解説しているのでチェックしてみてください。
警察官の種類と仕事内容
警察官は「地方公務員」と「国家公務員」の2種類にわかれます。どちらも治安維持という共通の目的をもちながらも、それぞれ仕事内容が異なるので自分の希望するキャリアパスに合わせて選択しましょう。以下で、地方公務員と国家公務員それぞれの仕事内容を解説します。
地方公務員
地方公務員の警察官は、各都道府県に設置されている都道府県警察に所属し、その都道府県内の治安維持を担当します。一般的に「おまわりさん」と呼ばれ、地域住民の安全と安心を守るのが主な役割です。
地方公務員の警察官の仕事内容は、交番での地理案内や落とし物の受理といった市民生活に身近な業務をはじめ、地域のパトロールや交通事故の処理、事件の初動捜査など地域に密着しており、幅広い役割を担っているでしょう。
地方公務員の警察官は、以下の5つの部門にわかれて活動します。
| 地域警察 | 交番やパトカー勤務で、地域の安全を守ります |
| 生活安全警察 | 少年犯罪やサイバー犯罪、ストーカーなどの生活に関わる犯罪対策を専門としています |
| 刑事警察 | 殺人や強盗、詐欺などの犯罪捜査を行います |
| 交通警察 | 交通違反の取り締まりや交通事故の処理、交通安全教育などを担当します |
| 警備警察 | テロ対策や災害時の救助活動、要人の警護などを行います |
地域住民との信頼関係を築きながら、身近な安全を守る仕事に就きたい人に向いています。
また、警察署での刑事や生活安全課など、さまざまな部署での勤務機会があります。そのため、多岐にわたる専門分野でキャリアを築ける可能性があるでしょう。
身近な安全を守る仕事に興味のある方は「警備員」もおすすめです。「警備員の仕事内容とは?やりがいは?年収や向いている人の特徴など徹底解説」のコラムでは、警備員に向いている人の特徴や警備員になるまでの流れを解説しているので、興味のある方はチェックしてみてください。
国家公務員
国家公務員として警察官になる道には、主に警察庁警察官と皇宮警察官があります。警察庁に所属する警察官は、全国規模での警察行政の企画立案や国際テロ対策、組織犯罪対策など、国家レベルの安全保障に関わる業務に携わるのが主な仕事内容です。
皇宮警察に所属する警察官は、皇居や御所の警備、天皇皇后両陛下や皇族の護衛を専門に行います。国家公務員警察官の主な分類と職務内容は、以下のとおりです。
| 区分 | 所属機関 | 主な職務 |
|---|---|---|
| 警察庁職員 | 警察庁 | 警察行政や政策立案、捜査指揮など |
| 皇宮警察官 | 皇宮警察本部 | 皇居・御所の警備や皇族の護衛など |
採用試験の難易度は地方より高く、キャリアパスとしては全国転勤を伴いながら昇進していくことが一般的です。全国規模での活躍や専門分野でのキャリア形成を目指す方に適した選択肢となります。
警察官になるための採用試験の概要
警察官になるためには、各都道府県が実施する警察官採用試験に合格する必要があります。この試験は、学力や体力、人物像など、警察官として必要な適性を総合的に判断するものです。
試験は1次試験と2次試験で構成されることが多く、筆記試験や面接、体力検査などが実施されます。試験内容は都道府県や試験の種類によって異なりますが、ここでは、多くの自治体に共通する試験の概要を解説します。事前にしっかりとした情報収集が大切なので、チェックしてみてください。
警察採用試験の種類
警察採用試験の種類は、「1類」「2類」「3類」の3つです。それぞれの試験の対象者は、以下のようになります。
| 試験の種類 | 対象者 |
|---|---|
| 1類 | 卒業見込み者および大学卒業程度の学力を有する人(短期大学を除く。) |
| 2類 | 短大卒および短大卒業程度の学力を有する人 |
| 3類 | 高校既卒者および高校卒業程度の学力を有する人 |
自治体によって、実施している試験が異なります。また、対象者の範囲が異なったり、年齢制限があったりするので注意が必要です。
また、東京都では「Ⅰ類」と「Ⅲ類」、大阪府では「A区分」と「B区分」というように、試験の呼び方や区分は都道府県によって異なります。分類ごとの年齢や学歴は各自治体によって異なるので、地方公務員試験の受験を検討する際は、自分が試験を受ける地域の警察官採用試験情報を確認しましょう。
受験資格と条件
警察官採用試験を受けるには、いくつかの受験資格や条件を満たす必要があります。これらの条件は、受験する都道府県や試験の種類によって異なるのでしっかり情報収集を行いましょう。
年齢と学力
警察官採用試験を受けるときは、年齢と学力をしっかりと確認しましょう。年齢や学力によって受けられる試験が異なります。先述しているように、条件は自治体によって異なるため、しっかり確認することが大切です。
たとえば、警察庁の「令和7年度 警視庁採用サイト 警察官」によると、東京都の「Ⅰ類」は「平成2年4月2日以降に生まれた人で大学(学校教育法による大学(短期大学を除く。))を卒業又は令和8年3月までに卒業見込みの人」または「平成2年4月2日から平成16年4月1日までに生まれた人で大学卒業程度の学力を有する人」を対象としています。そのため、高卒者は「Ⅰ類」を受験することはできません。自分の学歴と年齢に合った区分を選んで出願しましょう。
参照元
令和7年度 警視庁採用サイト
採用情報
身体基準
警察官になるには、身体基準をクリアする必要があります。令和7年度 警視庁採用サイトの「警察官」を参考に、身体基準をみてみましょう。
| 視力 | 裸眼視力が両眼とも0.6以上、または矯正視力が両眼とも1.0以上であること |
| 色覚/聴力 | 警察官としての職務執行に支障がないこと |
| 疾患 | 警察官としての職務執行上、支障のある疾患がないこと |
| その他身体の運動機能 | 警察官としての職務執行に支障がないこと |
引用:令和7年度 警視庁採用サイト「警察官 第2次試験」
警視庁では2023年度の採用から身長・体重の基準を廃止しています。ただし、すべての県で廃止されたわけではありません。おおむねの目安が示される場合があるので、確認しておくと安心ですね。
参照元
令和7年度 警視庁採用サイト
採用情報
その他の受験資格
年齢・学歴・身体条件以外にも、いくつかの受験資格があります。
- ・日本国籍を有すること
- ・成年被後見人または被保佐人でないこと
- ・禁錮以上の刑に処せられていないこと
- ・懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から2年を経過していないこと(自治体により異なる)
- ・日本国憲法またはその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、またはこれに加入した者ではないこと(自治体により異なる)
また、都道府県によっては、普通自動車免許の取得(または採用後の取得見込み)が条件となっている場合もあります。タトゥーや刺青がある場合は、多くの都道府県で採用に影響する可能性が高いため注意が必要です。
最終的な受験資格の確認は、必ず自身が受験する地域の警察官採用試験の公式サイトや募集要項で行いましょう。
採用倍率
警察官の採用倍率は男女で大きく異なる傾向があります。また、地域や年度によっても変動するため、志望する都道府県の過去の倍率を参考にするとよいでしょう。
以下では、警察庁の調査結果を参考に、男性・女性にわけて採用倍率を解説します。
男性警察官
令和6年度における男性警察官の採用倍率は、以下のとおりです。
| 受験者数 | 合格者数 | 倍率 | |
|---|---|---|---|
| Ⅰ類(大学卒業程度) | 4,196人 | 1,128人 | 3.7倍 |
| Ⅲ類(高校卒業程度) | 1,960人 | 358人 | 5.5倍 |
引用:令和7年度 警視庁採用サイト「警察官合格倍率」
一般的に、警察官採用試験のⅢ類(高校卒業程度)は、Ⅰ類(大学卒業程度)よりも合格者数が少ないため、倍率が高くなる傾向があります。これは、警察が幹部候補としての期待を込めて、大卒者の採用枠を多く確保しているためと考えられるでしょう。
また、倍率は景気や社会情勢、警察側の採用計画に左右されるため、年度によって差が出るでしょう。たとえば、同サイトによると、令和4年度の倍率をみると、Ⅰ類は6.1倍、Ⅲ類は10.3倍と高くなっています。
令和4年度は、新型コロナウイルス感染症の流行後の経済情勢が不安定だったため、多くの人々が不安定な民間企業への就職を避け、安定した公務員である警察官を志望したため、倍率が上昇したと考えられるでしょう。
女性警察官
令和6年度における女性警察官の採用倍率は、以下のとおりです。
| 受験者数 | 合格者数 | 倍率 | |
|---|---|---|---|
| Ⅰ類(大学卒業程度) | 1,469人 | 388人 | 3.8倍 |
| Ⅲ類(高校卒業程度) | 716人 | 162人 | 4.4倍 |
引用:令和7年度 警視庁採用サイト「警察官合格倍率」
一般的に、女性警察官の採用枠は男性に比べて少ない傾向があるため、倍率が高くなることがあります。しかし、近年では多くの警察組織が女性の活躍を推進しており、採用枠を拡大しているため、男女間の倍率の差は縮小しつつあり、目指しやすいでしょう。
警察官のように、特定の専門スキルや知識が身につけられる「手に職」といえる職業に興味がある方は、「手に職をつけたい女性におすすめの転職先とは?在宅で働ける仕事もご紹介!」のコラムも参考にしてみてくださいね。
参照元
令和7年度 警視庁採用サイト
採用情報
試験スケジュール
警察官採用試験は多くの都道府県で年に1〜2回実施されますが、警視庁では年3回行われるなど地域によって異なります。一般的なスケジュールは、春季(4〜5月頃)と秋季(9〜10月頃)に第一次試験が実施されるケースが多いようです。
ただし、自治体によって日程は異なるため、詳細は各警察の採用サイトで確認しましょう。
日程が異なれば複数の警察官採用試験を受験できる
各都道府県の警察官採用試験は実施日程が異なるため、複数の都道府県を併願することが可能です。これにより合格の可能性を広げられるでしょう。複数受験のメリットには、不合格のリスクを分散できるほかにも、試験の経験を積めたり、条件の良い職場を選べる可能性が広がったりする点が挙げられます。
ただし、各都道府県の試験内容や出題傾向は異なるため、志望する都道府県それぞれの対策をしておくことが重要です。また、合格した場合の優先順位も事前に考えておくと良いでしょう。
警察官の年収
警察官の年収は、階級や勤続年数によって昇給していくのが特徴です。令和7年度 警視庁採用サイトの「給与・昇任制度」によると、実務2年目の年収例は、615万2,000円とされています。要件に応じて扶養手当や住居手当、通勤手当等が支給されることがあるため、平均年収は高くなる可能性があります。
また、昇任試験に合格して階級が上がれば、年収も大きくアップするため、自分の努力次第で稼ぎやすくなるでしょう。
警察官は地方公務員であるため、景気の変動に左右されません。不況時でも給与が急激に減ったり、リストラされたりするケースは少なく、安定した収入が保証されています。
定年まで安心して働け、退職金や年金制度も充実しているため、将来的なライフプランを立てやすいでしょう。
公務員以外にも、安定している仕事はありますよ。「安定した職業に就きたい!その見分け方とおすすめの職種を紹介」のコラムでは、安定した職業や業界を一覧で紹介しているので、仕事を選ぶときの参考にしてみてください。
参照元
令和7年度 警視庁採用サイト
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警察官採用試験で実施される内容
警察官採用試験は一次試験と二次試験の2段階で行われます。各段階で実施される試験で、警察官として必要な知識や体力、適性が総合的に判断されるのです。
試験内容は都道府県によって若干異なりますが、基本的な流れは共通しています。まずは一次試験と二次試験の具体的な内容を確認していきましょう。
一次試験で行うもの
一次試験は、警察官としての基礎的な能力を測るための段階です。複数の試験項目があり、これらすべてに合格する必要があります。各試験の得点を総合して合否が判定されることが一般的となっています。
筆記試験(教養試験、論作文試験)
筆記試験では主に教養試験と論作文試験が行われます。教養試験では一般常識や社会情勢、時事問題などの幅広い知識が問われるでしょう。出題範囲は政治・経済・社会・数学・理科・国語など多岐にわたります。
論作文試験では、与えられたテーマについての考えをまとめる力や文章構成力が評価されるでしょう。たとえば、「警察官を志望する理由」や「地域社会と警察の関係」などのテーマが出題されることがあります。試験時間は教養試験が90分程度、作文が60分程度のケースが多いようです。
筆記試験の対策では、教養試験は問題集を繰り返し解き、時事問題は日頃からニュースに目を通してみましょう。また、論作文試験は過去のテーマで実際に文章を書けば、論理的な構成力を養えますよ。
身体検査
警察官の激務に耐えられる体力と健康状態を備えているかを確認するため、身体検査が行われます。身長や体重、視力、聴力、血圧などの基本的な項目から、内科・外科・眼科・耳鼻科などの検査が含まれています。
また、「タトゥー(入れ墨)は、市民への威圧感や不信感につながる可能性があるため、原則として不合格となります。採用試験の時点でタトゥーがある場合は、すべての都道府県警察で受験が認められないケースが多いようです。
身体検査で不合格とならないよう、日頃から規則正しい生活を送り、健康維持に努めましょう。
資格経歴等の評定
応募時に提出した履歴書や職務経歴書をもとに、これまでの経歴や取得資格などが評価されます。警察業務に活かせる語学検定や情報処理関連資格などの資格があれば加点対象となることも。スポーツの実績や社会貢献活動なども評価される場合があり、自己PRの効果的な材料となるでしょう。
評価基準は自治体によって異なりますが、多様な人材を確保するという観点から幅広い経験が評価されることが多いようです。
適性検査
警察官として適切な判断力やストレス耐性を備えているかを確認するため、適性検査が実施されます。この検査には、性格検査や状況判断テスト、集中力テストなどが含まれ、回答に一貫性があるかが厳しくチェックされます。
適性検査に臨む際は、「正直に答えること」が重要です。自分を良く見せようと矛盾した回答をすると、かえって不合格につながる可能性が高くなります。検査は主にマークシート形式で、時間制限があるため、素早く正確に回答しましょう。
二次試験で行うもの
二次試験は一次試験合格者を対象に実施され、より実践的な能力や人間性が評価されます。この段階では警察官としての適性がより深くみられるでしょう。
面接試験
面接試験では、志望動機や将来の目標、警察官としての適性などについて複数の面接官から質問されます。個人面接だけでなく、集団面接やグループディスカッションが行われる場合もあるでしょう。
面接では、警察官としての使命感や責任感、コミュニケーション能力、判断力などが総合的に評価されます。質問の例としては「なぜ警察官になりたいのか」「困難な状況にどう対処するか」などが挙げられます。
面接時間は20分〜30分程度が一般的です。限られた時間のなかで、質問に対して簡潔かつ論理的に回答すること、そして警察官としての熱意と使命感をはっきりと伝えましょう。
また、日頃から社会問題やニュースに関心をもち、自分の考えを整理しておくのもおすすめです。
「面接練習は必要?やり方は?効果的に進める方法や意識すべきポイントを解説」のコラムでは、面接練習をするメリットや面接練習を効果的に進める方法を解説しているので参考にしてみてください。
第2次適性検査
第2次適性検査では、一次試験の適性検査よりも詳細に人格や適性を調べる検査が行われます。状況対応力や判断力、ストレス耐性などをより深く検証するためのもので、場合によっては面接形式で行われることもあります。
警察官という職業柄、緊急時の判断力や倫理観、責任感などが特に重視されるのが特徴です。また、集団作業を通じてチームワークをみる場合もあるでしょう。
体力試験
体力試験は、警察官に必要な体力があるかを確認するための試験です。警察官の仕事は、市民の安全を守るうえで高い身体能力を必要とします。犯人の追跡や制圧、災害時の救助活動など、さまざまな場面で瞬発力や持久力、筋力、敏捷性が求められるでしょう。
体力検査は、これらの警察活動に必要な基礎体力を有しているかを確認するために実施されます。
主に持久力、瞬発力、筋力などが測定されます。男女や年齢によって合格基準が異なる場合もありますが、基本的な運動能力が求められます。日頃から計画的なトレーニングを行い、体力づくりに励んでおく必要があるでしょう。
大阪府警察の「令和7年度第2回大阪府警察官(巡査)採用選考」を参考に、以下に体力試験の例をまとめました。
| 検査種目 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| バーピー ・テスト | 2分間完全に実施できること | 1分20秒間完全に実施できること |
| 上体 おこし | 17回 以上 | 7回 以上 |
| 腕立て 伏せ | 1分間に10回以上 | 1分間に7回以上 |
| 反復 横とび | 20秒間に38回以上 | 20秒間に32回以上 |
| 握力測定 | 平均35kg以上 両手とも30kg以上 | 平均20kg以上 両手とも20kg以上 |
参照:大阪府警察「令和7年度第2回大阪府警察官(巡査)採用選考 第2次選考」
これらの検査種目は、警察官として職務を遂行するための基礎的な身体能力があるかどうかを総合的に判断するためのものです。各自治体によって基準や種目が異なる場合があるため、受験する地域の詳細な情報を確認することが重要です。
参照元
大阪府警察
採用制度
警察官を目指すなら知っておきたい種類と業務内容
警察官の種類は大きく3つにわけられます。ここでは、警察官の種類と業務内容について解説しているので、警察官でどのような業務をしたいのか考えてみましょう。
都道府県警察
都道府県警察は交番に勤務しながら、管轄地域の生活に密着した活動を行い安全を守ることが主な業務です。都道府県警察の業務内容として、パトカーで巡回やパトロールを行う防犯活動や職務質問による犯罪検挙、事件や事故発生時の初動警察活動などが挙げられるでしょう。
ほかにも、道案内や交通整備、遺失届・拾得物の受理などといった相談対応も行います。都道府県警察は地方公務員になるので、就職を目指したい場合は自治体が行う採用試験を受けましょう。
警察庁
警察庁は国の行政機関で、警察組織の中心として警察機関全体の計画や管理、運営などを行います。警察庁は都道府県警察を総括する役割も担っているため、現場に出て巡回や捜査活動を行うことはありません。
また、警察庁内の「公安」という組織では、国際テロ組織によるテロやゲリラを未然に防止するための対策や各種違法行為の取り締まりといった国を守るための業務を行っています。警察庁は国家公務員に属するため、警察庁での勤務を希望する場合は国家公務員試験を受験し合格を目指しましょう。
皇宮警察本部
皇宮警察本部は警察庁のなかにある天皇皇后両陛下や皇族の護衛や皇居や御所などの警備を行う組織です。ほかにも、海外の大使といった国家によって重要な来客が皇居を訪れる際に、身辺の警護を行うのも業務の一つでしょう。
皇宮警察本部は、護衛部と警備部の2部とそのほか10課、4護衛署および皇宮警察学校によって構成されています。皇宮警察は国家公務員ですが、国家公務員試験ではなく皇宮護衛官採用試験を受ける必要があるので目指す際は注意しましょう。
警察官の階級
警察官は、以下のような9つの階級にわけられています。(下級役職順)
- ・巡査
- ・巡査部長
- ・警部補
- ・警部
- ・警視
- ・警視正
- ・警視長
- ・警視監
- ・警視総監
一般的な企業における階級が上がることを「昇進」といいますが、警察官は公務員に属されるため「昇任」が用いられます。昇任するための昇任試験をクリアし、キャリアアップを目指すこともできるでしょう。
警察官以外に公共性の高い仕事に興味がある場合は、「準公務員の特徴は?おすすめな人や注意点まで解説」のコラムもチェックしてくださいね。
警察官への就職が有利になるスキル
警察官を目指すなら、就職後に役立つスキルを身につけておくと、選考で有利になる可能性があります。面接では、どのような実績があり、それを警察官の仕事にどう活かしたいかを具体的にアピールすることで、採用担当者に好印象を与えられるでしょう。
以下で、警察官への就職が有利になるスキルを解説しますので、自分がもっているものがないか確認してみてください。
武道(剣道、柔道など)
剣道や柔道といった武道の経験は、警察官としての職務に役立つでしょう。多くの都道府県警察では、これらの武道で初段以上の資格をもつ受験者に対し、採用試験の点数に加点する制度があります。
警察官を目指すために武道を始める場合は、初段の取得を目標にすることをおすすめします。剣道や柔道といった武道の経験は対人対策や自己防衛の能力を身につけるだけでなく、採用試験でも有利に働きやすくなるでしょう。
スポーツ歴
スポーツ歴も警察官になるうえで有利な経験の一つといえるでしょう。なぜなら、スポーツを通じて培った体力や精神力は、警察官の職務を遂行するうえで欠かせない資質だからです。
特に、国民体育大会、全国高校総合体育大会、大学選手権などの全国規模の大会に出場した経験は、多くの都道府県警察で高く評価されます。上位の成績を収めた経験がある場合は、さらに有効なアピールポイントとなるでしょう。
情報処理系の資格
情報処理能力は、現代の警察業務においてますます重要視されています。そのため、情報処理系の資格をもつことは、採用試験でプラスに評価されます。
特に、経済産業省管轄の「ITパスポート」「基本情報技術者」「応用情報技術者」などの国家資格は、加点対象となるケースが多いようです。ITパスポートはITの基礎知識を証明するものですが、基本情報技術者や応用情報技術者はより専門的な知識が求められるため、サイバー犯罪対策課などの専門部署を目指す際に特に有利に働くでしょう。
語学
国際化が進む社会において、語学力も警察官に求められる重要なスキルの一つです。特に、英語や中国語、韓国語などの語学スキルを証明できる資格は、採用試験で加点の対象となります。
具体的な基準は自治体によって異なりますが、目安として以下のような資格が挙げられるでしょう。
| 英語 | 実用英語技能検定2級以上、TOEIC500点以上 |
| 中国語 | 中国語検定3級以上、中国語コミュニケーション能力検定400点以上 |
| 韓国語 | ハングル能力検定準2級以上、韓国語能力試験4級以上 |
警察官で役立つ大学の学部は?
警察官を目指すなら、法学部や社会学部がおすすめです。特に、法学部では警察官の仕事に直結する刑事法や憲法など法律の知識の理解を深められるでしょう。
しかし、警察官を目指すにあたって、特定の学部に進学しなければならないという決まりはありません。警察官の採用試験には、幅広い学部や学科の出身者が受験しています。
そのため、自身の適性や興味に応じて学部を選ぶことが大切です。大学生活で培った様々な経験やスキルは、採用試験の面接などで重要なアピールポイントになるでしょう。
警察官になるための準備に大切な3つのポイント
警察官になるには、採用試験に合格するための準備が不可欠です。試験は競争率が高く、計画的な対策が求められます。ここでは、警察官を目指すうえで大切なポイントを3つ紹介するので、参考にしてみてください。
警察官になるための準備に大切なポイント
- 採用試験で有利になる資格を調べる
- 受験資格や募集要項などを確認する
- 採用試験のスケジュールを把握する
1.採用試験で有利になる資格を調べる
警察官採用試験で有利になる資格を調べ、取得を目指しましょう。採用試験で有利になる基準は自治体によって異なるので、あらかじめ受験する採用情報をチェックすることをおすすめします。
先述したように、資格取得は試験で有利に働くだけでなく警察官の仕事に役立つことも。自身のキャリアビジョンを明確にしたうえで、有利になる資格やスキルを身につけましょう。
2.受験資格や募集要項などを確認する
警察官採用試験を受験する前に、受験資格や募集要項をしっかり確認しましょう。特に、「受験資格」「採用予定人員」「試験日」「試験内容」をチェックすることが大切です。
確認を後回しにすることで、試験勉強にしたものの、対象外で受験できないといった恐れも。受験を希望する試験に年齢制限が設けられている場合があるので、早めに確認することをおすすめします。
また、「採用予定人員」は合格倍率に関わるため、過去の合格者数をチェックしておきましょう。いずれも受験する自治体によって異なるので、確認先にも注意が必要です。
3.採用試験のスケジュールを把握する
警察官を目指す場合、採用試験のスケジュールを把握するのも大切なポイントです。警察官採用試験は、どの自治体でも年に数回実施されます。早めにスケジュールを把握すれば、試験日が異なる複数の自治体での受験が可能でしょう。
希望の部署・職種で働く警察官になるための事前準備
警察官は採用試験に合格し、警察学校を卒業したあとに各部署に配属されますが、必ずしも希望する部署に配属されるとは限りません。しかし、事前に希望する分野の知識やスキルを身につけておくことで、自身の熱意を示すことができ、希望部署への配属を叶える可能性を高められるでしょう。
以下で、部署・職種ごとに、事前に準備できることを解説します。
| 目指したい部署・職種 | 事前に準備できること |
|---|---|
| 生活安全課 | 地域住民や子どもたちと積極的に交流し、コミュニケーション能力を向上させる |
| 内勤・事務職 | 簿記や情報処理など、事務作業に役立つ資格を取得したり、データ入力や文書作成スキルを磨いたりする |
| 少年課 | 子どもたちの心理や行動について学び、コミュニケーション能力を高める |
| サイバー犯罪対策課 | IT関連の資格取得や、サイバー犯罪に関する知識を自主的に学ぶ |
| 音楽隊 | 警察学校入校前から、楽器の演奏技術を磨く |
| 捜査一課 | 刑事訴訟法など、犯罪捜査に関する法知識を深める |
| 公安 | 警察学校入校前から、社会情勢や国際関連に関する関心を深める |
| 空港警察官 | 語学力を身につけたり、空港の保安に関する知識を学んだりする |
これらの事前準備は、警察官の採用試験の面接でも強いアピールポイントとなり、入職後のキャリア形成にも役立つでしょう。
警察の仕事は多岐にわたりますが、どの部署も市民の安全を守るという目的は同じです。自分がどのような分野で活躍したいのか、具体的な業務内容を理解しましょう。
「自分が何をしたいのか分からない…仕事や人生でやりたいことを見つける方法」のコラムでは、自分が何をしたいのか分からない原因や探す方法を解説しているので参考にしてみてください。
【まとめ】自分に合った仕事を見つけたいならエージェントに頼ろう
警察官になるには、「地方公務員」と「国家公務員」の2つのルートがあり、それぞれ特徴が異なります。自分の適性や希望するキャリアパスを考慮して、地方と国家どちらの警察官を目指すか、どの部署で活躍したいかを明確にし、そのために必要な準備を着実に進めていくことが大切です。
どちらを選ぶにしても、事前の準備と計画的な受験対策が成功へのカギとなるでしょう。しっかりとした目標をもち、準備したうえで挑戦するとモチベーションを保てますよ。
「警察官になるか迷っている」「警察官を目指したいけど合格できるか不安」といった方は、就職・転職エージェントのハタラクティブへご相談ください。ハタラクティブは若年層に特化した就職・転職エージェントです。
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また、応募書類の添削や面接対策、企業とのやり取りも担当者がサポートするので、安心して就職・転職活動を進められますよ。ハタラクティブへのご登録・ご利用は無料です。民間企業を目指す場合は、ぜひご相談ください。
警察官を目指したい方によくある質問
ここでは、警察官を目指したい方によくある質問をQ&A形式で回答します。
警察官に求められる人材像を知りたいです
警察官に求められる人材像は、「市民の安全を守るための強い正義感と使命感」「市民や同僚との連携をスムーズに行うためのコミュニケーション能力と協調性」「肉体的にも精神的にもタフな状況に耐えうる心身の強さ」の3つが挙げられるでしょう。
警察官は、どんな困難な状況でも職務を遂行する熱意が求められます。チームワークを大切にし、円滑な人間関係を築く協調性も不可欠です。また、犯罪捜査や災害対応といった厳しい現場で活躍するためには、肉体的にも精神的にもタフな強さが必要となるでしょう。
警察官になりやすい県を教えてください
警察官になりやすい県は、採用倍率が比較的低い県です。一般的に、人口減少傾向にある地方の県は都市部に比べて倍率が低い傾向にあります。ただし、採用倍率は毎年変動するため、特定の県が常に「なりやすい」とは断言できません。また、募集人数が少ない県は、倍率が高くなりやすい傾向もあります。過去の採用実績や募集人数を調べ、複数の都道府県を比較し、検討してみましょう。
警察官になるために大学では何を勉強すべき?
警察官になるために特定の学部や学科に進む必要はありません。どの学部からでも受験できます。しかし、法学部や経済学部、心理学部は、学んだ知識が警察官の業務に直結するため、学んだ知識が役立つ場面が多くあるでしょう。学部選びではなく、大学での学びを通して論理的な思考力やコミュニケーション能力を身につけることを心がけてみてくださいね。
高卒から警察官になるにはどうしたらいい?
高校を卒業して警察官になるには、Ⅲ類(高校卒業程度)を受験します。多くの自治体で18歳から受験可能なため、高校在学中から準備を始められます。高校での勉強に加え、体力試験対策として日頃の運動が不可欠です。また、論作文や面接対策として、仕事内容や志望動機を深く掘り下げておきましょう。
