この記事のまとめ
- 鳶職の平均年収は506万円と、日本の一般平均より高い水準となっている
- 鳶職は経験を積むほど年収アップが期待でき、40代では約625万円に達する
- 資格取得や専門スキルの習得で、収入アップも期待できる
- 鳶職は若い人材を求める企業があり、「経歴不問」「未経験者歓迎」の求人も豊富
- 鳶職で年収を上げるなら、「玉掛け技能実習」「足場組て等作業主任者」などの資格取得がおすすめ
「鳶職の年収っていくらくらいなんだろう?」「危険な仕事だけど、収入は見合っているのかな?」と気になっている方もいるでしょう。鳶職に興味がある方は、仕事内容はもちろん、年収も気になりますよね。
鳶職の平均年収は506万円と、日本の全職種平均年収460万円を上回る水準です。特に経験を積むほど収入は上がり、40代では約625万円に達します。高所での危険な作業や専門的な技術が求められる分、それに見合った報酬が得られる職業といえるでしょう。
このコラムでは、キャリアアドバイザーの中村さんのアドバイスを交えて、経験年数別・年齢別・学歴別の年収をまとめています。ほかにも、収入アップに役立つ資格や向いている人の特徴も紹介しているので、鳶職に興味がある方や、キャリアアップを目指している方は、ぜひ参考にしてください。
鳶職の平均年収は506万円
「鳶職ってどのくらいもらえるの?」「賞与はあるの?」と気になる方もいるでしょう。職業情報提供サイトjobtagと政府統計の総合窓口(e-Stat)のデータをもとに、鳶職の平均年収、賞与、初任給をみてみましょう。
| 平均年収 | 506万円 |
| 賞与 | 64万1,700円 |
| 初任給 | 23万4,100円 |
引用:職業情報提供サイトjobtag「とび」「令和6年賃金構造基本統計調査」
鳶職の平均年収は、506万円です。入社直後の年収は約344万円が目安ですが、経験を積むにつれて着実に年収アップが期待できます。
国税庁の「令和5年分 民間給与実態統計調査 2平均給与(p.15)」によると、日本の平均年収である460万円と比較すると、鳶職の平均年収506万円は高いといえるでしょう。特に、高所での作業や重量物の運搬など、危険や負担を伴うことや専門的な技術やスキルが必要であることが、年収に反映されていると考えられます。
ただし、働く地域や所属する会社の規模によって実際の収入には差があるので、あくまで目安として参考にしてみてくださいね。
参照元
職業情報提供サイトjobtag
トップページ
厚生労働省
令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況
国税庁
標本調査結果
経験年数別にみる鳶職の平均年収
鳶職は経験を積むほど年収が上がる傾向にあります。経験年数によって技術力や責任範囲が広がり、それに比例して給与も増加するためです。
以下で、政府統計の総合窓口(e-Stat)の「令和6年賃金構造基本統計調査」を参考に、経験年数別に平均年収をみてみましょう。
見習い期間(1~4年)は約356万円
見習い期間の鳶職人の平均年収は約356万円です。入社1~4年の時期は基礎技術の習得が中心となる「見習い期間」になるため、給与は比較的低めに設定されています。見習い期間中は大きな判断を任されることはなく、安全管理や作業手順について先輩の確認を受けながら進められることが多く、そのぶん責任も軽減されるためです。
しかし、ほかの未経験から始められる職種と比べると、初任給は高い傾向にあります。また、この時期に玉掛け技能講習や足場の組立て等作業主任者技能講習などさまざまな資格取得にチャレンジすると、将来の収入アップにつながりやすくなるでしょう。
「正社員の給料を分類別に紹介!病欠時の給与計算や前払いの可否も解説」のコラムでは、正社員の給料の推移をまとめているのでチェックしてみてください。
中堅鳶職人(5~9年)は約435万円
鳶職人のキャリアが5~9年になると、給与は大きく上昇し、平均年収は約435万円になります。この時期は「中堅期間」と呼ばれ、見習い期間を終え、一人前の職人として現場での重要な役割を担うようになるため収入が上がる傾向があるでしょう。
中堅鳶職人は、基本的な作業をすべて一人でこなせるようになるだけでなく、単独で複雑な作業を任されたり、後輩の指導にあたったりします。技術力が向上するにつれて、現場での状況に応じた判断力も求められるようになるでしょう。
この時期は、専門的な技術を習得することでほかの職人との差別化が図れる重要なフェーズです。たとえば、高層ビルや橋梁工事といった特定の分野で実績を積むことで、さらなる年収アップも期待できます。また、現場での責任範囲が広がることで、残業や休日出勤の機会も増え、それが収入増につながることもあるようです。
親方クラス(10年以上)は約568万円
10年以上の経験をもつ親方クラスになると、平均年収は約568万円に達します。この段階では現場の責任者として工程管理や安全管理を担うため、技術力だけでなく、チームを統率し、作業員全体の安全と効率を確保する能力が求められるでしょう。
現場を任されることで基本給が上がるだけでなく、各種手当も増額される傾向があります。また、独立して事業主になる選択肢も出てくるため、さらに収入アップの可能性が広がるでしょう。
鳶職で年収1000万は目指せる?
鳶職で年収1000万円を達成することは可能ですが、簡単ではありません。鳶職で年収1000万円を目指すためには、独立して鳶工事業を起業し、複数の現場を同時に受注できるようになれば、年収1000万円を超える可能性があります。
また、特殊技能をもつ超ベテラン職人として大手ゼネコンの難工事を担当するケースも高収入につながる可能性があるでしょう。
参照元
厚生労働省
令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況
年齢別の鳶職の平均年収
「鳶職」と聞くと、危険なイメージや体力が必要な大変な仕事だと感じる方もいるかもしれません。しかし、高い技術を要する専門職であり、年齢や経験を重ねるごとに年収が上がっていく傾向にあります。
職業情報提供サイトjobtagの「とび」を参考に、年齢を重ねるごとにどのように年収が変化していくのか、具体的な平均年収のデータをみてみましょう。
10代は約252万円
10代の鳶職の平均年収は約252万円です。10代は先輩の補助につきながら、道具の名前や使い方、安全対策などを一つひとつ覚えていく時期のため、ほかの年代よりも低い水準となります。
しかし、厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査の概況(3) 学歴別にみた賃金(p.8)」によると、10代の平均賃金は19万9,800円です。これを単純計算で年収にすると、約240万円となります。学歴や資格がなくても始められ、同世代よりも高い収入を得られるのは、鳶職の大きな魅力の一つといえるでしょう。
やる気や努力次第で、いくらでも成長し、収入アップも期待できますよ。
参照元
厚生労働省
令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況
20代は約337万円
20代になると平均年収は約337万円に上昇します。技術の向上と経験の蓄積により、より責任のある作業を任されるようになるためです。
20代は体力的にも充実しており、より高度な技術を習得する期間となるでしょう。また、資格取得により収入アップを目指す鳶職人もいるので、玉掛けや足場の組立て等作業主任者などの資格を取得すると、さらに年収アップが期待できます。
「フリーターの手取りはどれくらい?計算方法や正社員の収入との違いを解説」のコラムでは、フリーターの手取り額や正社員との違いを解説しているので参考にしてみてください。
30代は約499万円
30代の鳶職人の平均年収は約499万円と、20代から大きく上昇します。30代になると一人前の職人として認められ、現場での中核を担うようになるためです。
長年の経験で培った確かな技術力と判断力が身につくことから、難しい作業を任されたり、現場をまとめるリーダー的な役割を担ったりすることもあるでしょう。30代は技術と経験、そしてリーダーシップが年収に大きく反映される時期といえます。
40代は約625万円
40代の鳶職の平均年収は約625万円です。40代になると、技術や経験はもちろん、現場全体を俯瞰して指揮を執るマネジメント能力も求められるため、高収入を得られる可能性が高まります。
たとえば、大規模な建設プロジェクトや、難易度の高い特殊な現場でも、その豊富な知識と経験から頼りにされる存在となります。また、職長や親方として複数の現場を統括する立場になることも多く、これが安定した収入につながる大きな背景の一つです。この時期は、自身の技術をさらに高めつつ、若手の育成にも力を注ぐ、キャリアの集大成ともいえる年代といえるでしょう。
50代は約559万円
50代になると平均年収は約559万円と、40代からやや減少する傾向があります。50代は体力的な負担が大きい現場作業から、よりマネジメントや教育といった役割にシフトしていくためです。
長年の経験で培った確かな技術と豊富な知識は、若い職人にはない大きな強みとなります。体力を必要とする現場作業をこなしつつ、若手への指導や安全管理、見積もり作成など、現場を円滑に進めるための裏方業務も増えていく傾向があるでしょう。
体力的な不安を感じ始めたとしても、長年の経験は揺るぎない武器であり、新しい役割の中でキャリアを長く続けていくことが可能です。体力だけでなく、知識と経験が最も重要視される年代といえるでしょう。
参照元
職業情報提供サイトjobtag
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学歴別にみる鳶職の平均年収
ここでは、厚生労働省の「政府統計の総合窓口(e-Stat)の「令和6年賃金構造基本統計調査」を参考に、学歴別に鳶職の平均年収をまとめました。鳶職は実務経験や技術力が重視される職種であり、学歴よりも実力で評価される傾向にあります。そのため、あくまで目安として参考にしてみてください。
中卒は約443万円
中卒の鳶職人の平均年収は、約443万円です。中卒者は早くから現場に出て経験を積めるため、若いうちから技術を習得できるメリットがあります。
特に長い実務経験をもつ中卒の職人は、高い技術力に見合った収入を得ているケースがあるでしょう。また、資格取得によって収入アップを図るのも方法の一つです。
「中卒から正社員を目指すなら学歴不問を狙おう!成功のコツと求人の探し方」のコラムでは、中卒の就職が不利とされる理由や正社員採用に強い資格とスキルをまとめているのでチェックしてみてください。
高卒は約443万円
高卒の鳶職人の平均年収も中卒と同じく約443万円です。鳶職の世界では、学歴よりも実務経験や技術力が重視されるため、高卒と中卒の間に大きな年収差はほとんどありません。
高卒者は基礎的な知識を身につけた状態で現場に入るため、技術習得のスピードが速い傾向にあります。また、現場でのコミュニケーション能力や計算能力なども評価され、現場監督などへのキャリアアップが比較的しやすい環境にあるのが特徴です。
大卒は約508万円
「学歴は関係ない」といわれる鳶職の世界ですが、実は大卒の鳶職人の平均年収は約508万円と、中卒や高卒に比べて若干高い傾向にあります。これは、現場経験が少なくても、大卒者がもつマネジメント能力や事務処理能力が評価されるためです。
大手建設会社では、将来の現場監督や管理職候補として大卒者が採用されるケースがあります。大卒で鳶職に就いた場合、現場で技術を学びながらもキャリアの早い段階からマネジメント業務に携わることも。もちろん、学歴よりも実力が問われる仕事ですが、技術力に加えて、デスクワークや管理能力といったスキルが収入の差となって表れているといえるでしょう。
参照元
厚生労働省
令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況
鳶職の年収が日本の平均年収よりも高い理由
国税庁の「令和5年分 民間給与実態統計調査-調査結果報告- 2 平均給与(p.15 )」によると、日本の平均は460万円なので、鳶職の平均年収である約506万円は高い水準だとわかります。
この差が生まれる背景には、鳶職ならではの特殊な事情があります。その理由を具体的に見ていきましょう。
リスクの高い環境で働くため
鳶職の年収が日本の平均年収よりも高い理由は、リスクの高い環境で働くためです。鳶職は高所での作業が中心となり、常に危険と隣り合わせの環境で働くリスクの高さが給料に反映されているでしょう。
高層ビルの建設現場や足場の組み立てなどを行うため、高所からの転落の危険があったり、重量物の運搬による身体的な負担がかかったりするなど、一般的な職種では経験できない危険作業を行うことで危険手当がつくことがあります。
これらのリスクに対応するため、安全管理の徹底や専門的な技術が求められ、それに見合った報酬体系となっています。
人手不足で需要が高いため
人手不足で需要が高いのも、給与水準が高く設定されている背景の一つです。建設業界全体で高齢化が進み、特に鳶職は人手不足が深刻な状況にあります。そのため、高い専門性と危険を伴う仕事に見合った報酬を提示することで、若い人材を確保しようとする企業が増えているようです。
また、安定した需要があるため、経験を積めば積むほど年収アップを目指しやすくなっています。体力のある20代のうちからスキルを磨けば、高収入を手にすることも十分可能です。
人手不足な傾向がある職種や業界は、未経験者を積極的に採用している傾向があります。未経験者を歓迎している職種や企業は、学歴や経験よりも熱意やポテンシャルを評価されやすいので、フリーターの方も採用されるチャンスはありますよ。
「フリーターから就職するのは難しい?就活成功の秘訣をご紹介」のコラムでは、フリーターから就職を目指せるおすすめの仕事を紹介しているため参考にしてみてください。
参照元
国税庁
民間給与実態統計調査結果
鳶職で年収を上げるための5つの方法
鳶職として働きながら年収を上げる方法はいくつか存在します。以下で、鳶職で年収を上げるための方法を5つ紹介するので、取り組めそうなものを探してみてください。
鳶職で年収を上げるための方法
- スキルと経験を積み重ねる
- 資格を取得する
- 外部研修で学ぶ
- 給料の高い職場に転職をする
- 独立を目指す
1.スキルと経験を積み重ねる
鳶職で年収を上げるためには、スキルと経験を積み重ねるのがおすすめです。鳶職は「手に職」をつける仕事であり、年収はあなたのスキルと経験に大きく左右されます。
新人時代は先輩の指示に従いながら、足場や鉄骨の組み立て方を一つひとつ丁寧に覚えましょう。現場で経験を重ねることで、難易度の高い作業や、現場全体をまとめる「職長」としての役割を任されるようになります。仕事の幅が広がり、責任が増すほど、それに伴って給与もアップしていくでしょう。
常に学ぶ姿勢を忘れずに、技術を磨き続けることが高収入への近道ですよ。
2.資格を取得する
資格を取得するのも、年収アップをさせる方法の一つです。給料アップにつながる資格には、「足場の組立て等作業主任者」や「玉掛け技能講習」などが挙げられます。
資格を取得することで鳶職としての専門性を証明し、業務の幅を広げることで会社からの評価や手当につながり、結果的に年収アップを期待できます。鳶職としてのキャリアを築くうえで取得しておくと役立つでしょう。
会社によっては資格取得を支援してくれる制度もあるので、積極的に活用してみてくださいね。
ハタラクティブ プラス在籍アドバイザーからのアドバイス

中村凌河
資格取得で正しい知識を身につけると、作業における正確性が高まるでしょう。現場で任せてもらえる仕事が増えたり評価につながったりするだけでなく、怪我や事故のリスクを抑えられ、自分自身や周囲の作業員の安全性を高める効果もありますよ。
3.外部研修で学ぶ
現場での実務経験だけでなく、外部の研修に参加することも年収アップに有効です。鳶職としてのスキルを磨くために、業界の最新技術や安全管理の知識を体系的に学びましょう。
具体的には、新しい工法に関する研修や、より効率的な作業方法を学ぶセミナーなどがあります。研修で得た知識を現場で活かすことで、作業の効率化や安全性の向上に貢献でき、会社からの評価も高まります。その結果、昇給やキャリアアップにつながり、年収を増やすことができるでしょう。
4.給料の高い職場に転職をする
現在の職場での昇給が見込めない場合は、給料の高い職場への転職も視野に入れると良いでしょう。鳶職の給与体系は、日給制か月給制か、また企業の規模や福利厚生によって大きく異なります。
大手ゼネコンと直接取引がある会社や、公共事業を多く手掛けている会社は、比較的給与水準が高い傾向にあるでしょう。自身のスキルや経験を客観的に評価し、より良い条件の職場を探すことで、大幅な年収アップを実現できますよ。
ただし、転職活動をするときは、「給料アップ」を理由とするのではなく、「より責任のある仕事に挑戦したい」「将来、独立を見据えているため、大手ゼネコンの現場で技術を磨きたい」といった、前向きな意欲を示す理由に変換して伝えることが重要です。
面接で転職理由を聞かれた際に、「給与が低く、年収を上げたかったから」といったネガティブな内容を伝えると、志望先企業から「ほかに待遇が良い企業があれば退職するのでは」「熱意が低い」といった懸念をもたれる可能性があります。
転職をする際は、ポジティブな転職理由に変換したうえで伝えることを心がけましょう。「転職理由の書き方は?理由別でみる例文や面接で伝えるときのポイントを解説」のコラムでは、理由別で転職理由の書き方を例文付きで解説しているので参考にしてみてください。
5.独立を目指す
鳶職として高収入を目指すなら、独立するのも選択肢の一つです。独立すれば、請け負った仕事の単価がそのまま収入となるため、働き方次第では年収1,000万円を目指せる可能性があります。
しかし、独立には高い技術力だけでなく、営業力や現場管理能力、経理などの経営スキルも必要になるためハードルは高めです。独立後も継続して仕事を得るためには、これまで築いてきた人脈や信頼が重要になります。独立は大きなリスクを伴いますが、成功すれば自分のペースで自由に働きながら、収入を大きく伸ばしたい方は検討してみてくださいね。
鳶職で年収アップにつながるおすすめな資格
「就職活動を有利に進めたい」「高収入を得たい」という方に向けて、ここではおすすめな資格をご紹介します。取得方法やメリットも解説するので、資格を取得しようか迷っている方もぜひチェックしてみてください。
1.玉掛け技能講習
玉掛け技能講習で学べるのは、「玉掛け」という技術です。クレーンで鉄骨を扱う技術として、重要度が高い資格とされています。
クレーンで鉄骨資材を釣り上げたりワイヤーロープを掛けたりするだけでなく、鉄骨のバランスを取りながら作業したり重さごとに必要な器具を選ぶスキルが必要です。鉄骨鳶を目指す際は、玉掛けを習得する必要があるでしょう。
2.とび技能士
とび技能士は、鳶職に関する仕事全般の知識や実務を網羅する国家資格です。技能の難易度ごとに、1~3級に分かれています。
3級は実務経験の有無に問わず受験が可能ですが、2級は実務経験を2年、1級は7年以上積む必要があるため、取得までには長い期間がかかるでしょう。しかし、鳶職全般の技能があることを証明する資格であるため、取得すると、独立して開業したり職業訓練の指導者になる将来設計も可能になります。
3.足場の組立て等作業主任者
足場の組立て等作業主任者は、高さが5m以上ある足場作業現場に必要な国家資格です。取得すると、足場組立てを行う現場の作業員を災害から守るために指揮監督する役職に就けるようになります。
足場の組立て等作業主任者を受験したい場合は、受験資格をクリアしなければなりません。受験には、「満21歳以上で、足場作業に3年以上従事した経験がある」「満20歳以上で、学校で土木や建築、造船などの学科を専攻し、その後2年以上足場作業の経験がある」のいずれかに当てはまっている必要があります。
資格手当がつく企業もあるため、年収アップに直結する可能性があるでしょう。
4.建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者
建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者は、5m以上の高さがある鉄骨製建造物の作業現場に求められる資格です。
足場組て等作業主任者と同様の国家資格で、「鉄骨の組立て等作業の経験などの作業経験が3年以上あり、満21才以上」「学校で土木、建築、造船に関する学科を専攻し、その後の作業経験が2年以上ある」といった応募資格をクリアする必要があります。
また、講習会の日程は建設業労働災害防止協会の支部によっても異なるため、自分が住んでいる地域の講習会スケジュールを事前に調べておくのがおすすめですよ。
ハタラクティブ プラス在籍アドバイザーからのアドバイス

中村凌河
企業によっては、資格を取得した社員に対して資格手当の支給や昇給がある場合も。資格取得手当がない職場だとしても、将来的に転職で有利になったり、資格保持を考慮した給料設定をしてもらえたりすることがありますよ。
鳶職の仕事内容と種類
「鳶職にはどんな仕事がある?」「より詳しく業務内容を知りたい」という方もいるでしょう。ここでは、鳶職の仕事内容と種類を解説します。幅広い仕事内容がありますので、ぜひチェックしてみましょう。
主な仕事内容
鳶職は、建築には欠かせない役割の一つです。建設現場で足場を設置したり、高所での作業を行ったりします。足場の組み立ては、ほかの作業員の安全に直接的に関わる要因のため、専門的な知識やスキルが求められるでしょう。
鳶職の種類
鳶職にはいくつか種類があるため、以下で種類ごとの仕事内容を解説します。それぞれ専門とする業務内容や範囲が異なるため、興味のあるものがあるか参考にしてみてください。
町鳶(まちとび)
町鳶は、地元密着型の鳶職人です。地元の建造物の工事やそのための足場の組み立て、解体などが主な仕事になります。
ときには、祭りやイベント時の設営、個人からの依頼を受けて業務を行うことも。「地元で働きたい」と明確に就活軸が決まっている場合は、町鳶としての働き方がおすすめな選択肢の一つといえるでしょう。
重量鳶(じゅうりょうとび)
重量鳶は、大型の重い機材を扱う作業が中心の仕事です。クレーンやフォークリフトの操縦をして、作業現場に重量のある機材の搬入や設置、搬出を行います。
大型ビルや橋梁、タワーなどの大型建造物の建設に関わることが多く、機材を設置するために、クレーンを正確に操縦する技術や知識が重要になる仕事です。
送電鳶(そうでんとび)
送電鳶は「送電線架線工」「ラインマン」とも呼ばれ、鉄塔に登り、電力供給網を作る際に必要となる電線の設置を行う仕事です。足場を作らずに鉄塔に登ることがあるため、電気工事士の資格が必要になります。また、高所での作業に怖さを感じない方に向いているでしょう。
鉄骨鳶(てっこつとび)
鉄骨鳶は、建築物に使用される鉄骨を、クレーンなどで吊り上げ、所定の位置に設置・固定していく仕事です。大規模な建築物の骨組みを作る非常に重要な役割を果たします。
高所での作業が中心となるため、安全に作業を進めるための専門的な技術や知識が必要です。また、重量鳶と同様にクレーンで重い鉄骨を吊って作業するため、鉄骨の重さや大きさ、形状によって柔軟に操縦し、正確に組み立てるスキルが求められるでしょう。
橋梁鳶(きょうりょうとび)
橋梁鳶は、橋や高速道路、ダムなどの建設現場で活躍する仕事です。橋の建設工事を行うときは、ほぼ一定の高さで横方向に作業を行うのが特徴の一つ。ほかの鳶職とは違う足場組みのスキルやノウハウを必要とするため、専門的な仕事であるといえます。
未経験から始められるのが特徴
鳶職は多くの企業が「経歴不問」「未経験者歓迎」の求人を出しているため、未経験から始められるのが特徴です。なかには資格を必要とする仕事内容もありますが、入社直後は見習い期間がある傾向があるため、働きながらスキルを学べるでしょう。一から技術を習得でき、資格取得までサポートしてもらえることもあるのでキャリアアップも目指せますよ。
「フリーターから正社員になるのは難しい?おすすめの職種や就職のコツを解説」のコラムでは、フリーターから正社員就職を成功させるためのコツをまとめているので、就職活動を進めるときの参考にしてみてくださいね。
鳶職はキツい?向いている人に多い4つの特徴
「鳶職はキツい?」「興味はあるけど自分に合うかわからない」という疑問がある方も多いのではないでしょうか。ここでは、鳶職に向いている人の特徴を紹介するので、実際に働き続けられるかを考えながら確認してみてください。
鳶職に向いている人に多い特徴
- 実力で評価してほしい
- 筋力に自信がある
- 危険な場所で作業することが怖くない
- 危機管理能力がある
1.実力で評価してほしい
鳶職は、「実力で評価してほしい」と考えている方におすすめです。年齢や学歴に関係なく、現場で身につけた技術やリーダーシップ、難しい作業をこなせるスキルが直接的に給料へ反映される傾向があります。
自分の実力が数字として目に見える形で評価される働き方をしたい方にとって、鳶職は活躍できる可能性が高い仕事といえるでしょう。
鳶職のほかにも、実力を評価する傾向がある職種はあります。たとえば、営業職は、どれだけ契約を獲得したか、目標を達成したかといった「成果」が明確に評価されるため、年功序列ではなく、個人の能力が正当に評価される傾向にあります。
「営業職とは?どんな種類がある?仕事内容や就活成功のポイントを解説!」のコラムでは、営業職の年収や就職するメリット・デメリットを解説しているので、興味のある方はチェックしてみてください。
2.筋力に自信がある
鳶職は、「体力や筋力に自信がある」という方に適した仕事です。重い建築資材を運んだり、高所でバランスを取りながら作業したりと、常に身体を動かすため基礎的な体力や筋力が求められます。
しかし、単なる力仕事ではありません。効率良く資材を運ぶための身体の使い方や、長時間の作業に耐えうる持久力も重要です。日々の業務を通じて、自然と身体が鍛えられ、筋力や体力が向上していくため、「体を動かすのが好き」「働きながら体を鍛えたい」と考えている方には、特にやりがいを感じられるかもしれません。
朝早くから作業できる体力も求められる
鳶職は、早朝から作業ができる体力も求められます。建設現場での作業は、日中の明るい時間帯に安全に行うことが最も重要です。そのため、天候や季節によっては、朝早くから出勤して作業を始めることも少なくありません。
特に、クレーン作業などは風が弱まる早朝に行うことが多く、朝から集中力を維持できる体力が必要です。
3.危険な場所で作業することが怖くない
危険な場所で作業することに抵抗がない方は、鳶職に向いている傾向があります。鳶職の仕事は、足場の組み立てや鉄骨の設置など、高所で作業することが中心になるからです。
どれだけ安全対策が徹底されていても、高所での作業に恐怖を感じてしまうと、大きなストレスを抱え、長く仕事を続けるのが難しくなります。危険な場所でも冷静さを保ち、集中力を切らさずにいられる精神的なタフさも、鳶職には欠かせない資質といえるでしょう。
4.危機管理能力がある
鳶職には、高い危機管理能力が不可欠です。高所での作業が中心となるため、常に危険と隣り合わせの環境で、自分の行動一つひとつに細心の注意を払う必要があるからです。
危機管理能力とは単に危険を回避することだけではなく、現場の状況を素早く把握し、潜在的な危険を予測する力や万が一の事態に備えて的確な判断を下す能力を指します。自分の命だけでなく、同じ現場で働く仲間の安全を守るためにも重要な適性といえるでしょう。
「鳶職=ヤンキー」といわれる理由は?
「鳶職」という言葉から、特定のイメージをもつ方もいるかもしれません。そうしたイメージが生まれた背景には、体力や度胸が求められる現場において、学歴や経歴よりも実力や経験が重視されてきた業界の文化があります。
しかし、現在は多様な人材が活躍する業界へと変化しつつあるのが現実です。実際には真面目に技術を磨き、責任感をもって働く職人が大半なので昔のイメージで判断するのは避けるのが賢明です。
【まとめ】未経験の職種へ就職するならエージェントがおすすめ
鳶職の平均年収は506万円と、日本の全職種平均を上回る魅力的な収入が得られる職業です。経験を積むほど年収は上昇し、40代で最も高い約625万円に達します。
玉掛け技能講習や足場組立て等作業主任者などの資格取得や専門スキルの習得をすることで、年収アップも目指せるでしょう。鳶職は種類も多く、町鳶から橋梁鳶まで幅広い選択肢があり、未経験からでも始められるのが特徴です。
「鳶職に興味があるけど向いているかわからない」「一人で就職活動できるか不安」という方は、就職・転職エージェントのハタラクティブへご相談ください。ハタラクティブは、20代の第二新卒や既卒、フリーター、ニートの方の仕事探しをサポートする就職・転職エージェントです。
専属のキャリアアドバイザーが丁寧にヒアリングを行い、あなたの適性に合った求人紹介を行います。応募書類の添削や面接練習も一貫して実施するため、自信をもって就職・転職活動を進められるでしょう。
就職・転職に関する些細な疑問も丁寧に回答しますので、エージェント利用が初めての方も安心です。1分程度の性格からわかる適職診断も受けられますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
鳶職の年収に関するQ&A
ここでは、鳶職の年収に関する疑問をQ&A形式で解決します。
鳶職で年収2000万は目指せますか?
鳶職で年収2000万円を達成することは可能ですが、かなり難易度は高めです。一般的な職人としての道では難しく、通常は独立して成功した事業主か、特殊技能をもつ超ベテランに限られるでしょう。大規模な建設プロジェクトを手掛ける会社経営者や、高度な技術と豊富な人脈をもつ親方クラスなら、この水準に到達する可能性はあります。ただし、そこまで到達できるのは業界内でもごく一部の人材です。
鳶職で社長になると年収はいくらになりますか?
鳶職の会社経営者(社長)の年収は、会社規模や受注状況によって大きく異なるため一概にはいえません。たとえば、小規模な会社では600~1000万円程度、中規模企業では1000〜1500万円、大規模で成功している会社なら2000万円以上も目指せる可能性があるでしょう。ただし、経営状況によって収入が大きく変動する点には注意が必要です。
鳶職は金持ちの人が多いって本当?
「鳶職=金持ちが多い」というのは、少し誤解があります。確かに、鳶職には実力次第で高収入を得られる可能性があり、経験を積んだベテラン職人や独立した親方の中には、平均年収をはるかに超える収入を得ている人もいます。しかし、それは「金持ち」というよりも、危険を伴う専門的な仕事に見合った報酬だといえます。また、年収が高い職人は、見習い期間の苦労や長年の経験、そして堅実な金銭管理によって財産を築いています。楽に稼げるわけではなく、体力的な負担も大きいため、一攫千金を夢見るのは現実的ではありません。
鳶職で月収100万円を得る方法は?
鳶職で月収100万円を達成するには、いくつかの道筋があります。たとえば、10年以上の経験を積んで親方クラスになることです。また、玉掛けや足場作業主任者などの専門資格を複数取得し、高度な技術を習得することも方法の一つでしょう。さらに、高単価の現場(高層ビルや特殊工事)に特化したり、繁忙期には残業や休日出勤を引き受けたりすることで収入アップも可能です。ただし、体力的な負担や危険と隣り合わせの仕事であることを忘れてはなりません。
