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職務経歴書に退職理由を書かないのはOK?必要な状況と書き方の例文を解説

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この記事のまとめ

  • 職務経歴書には退職理由の記載が必須ではない
  • 職務経歴書に書く退職理由は、定型フレーズを使うのが一般的
  • 早期退職や転職を繰り返している場合は、退職理由を詳細に書いた方が良い
  • 職務経歴書に退職理由をまとめるときは、簡潔でポジティブな表現を心掛ける

就職・転職活動中に職務経歴書を作成していると、退職理由を記載した方が良いか悩んだり、書き方が分からなかったりすることがありますよね。特に、退職理由が「待遇への不満」「人間関係の問題」といったネガティブなものだと、正直に書いて良いのか不安になると思います。

職務経歴書に退職理由を書くのは必須ではありませんが、状況によっては記載した方が良い場合もあるようです。このコラムでは、キャリアアドバイザーの板垣さんのアドバイスを交えつつ、職務経歴書に退職理由が必要な状況と、書き方のノウハウをまとめました。採用側へ好印象を与えられる退職理由の伝え方も解説しているので、参考にしながら自信をもって選考に挑みましょう。

職務経歴書に退職理由の記載は必須ではない!

職務経歴書へ退職理由の記載は、必須ではありません。退職理由はネガティブな内容になりがちなので、自分をアピールしたい場合やこれまでの経歴上記載した方が良い場合以外は、職務経歴書へ書かなくてもかまいません。

職務経歴書に退職理由を記述した方が良い状況もある

職務経歴書の退職理由を詳細に書いた方が良い状況とは」で後述しますが、早期退職や転職を繰り返しているときは、その理由を記述しておいた方が良いでしょう。職務経歴書に退職理由を書く欄があったり、企業が記載を求めていたりする場合も必要です。

また、退職理由が「スキルアップ」といった前向きなものの場合は、企業へのアピールポイントとなる場合があります。退職理由を職務経歴書にあえて記載して、仕事への意欲や熱意を示すのも、企業側へ好印象を与える一つの手です。

採用担当者は退職理由から何を判断している?

採用担当者は、退職理由から応募者の「仕事への意欲や姿勢」を測っています。たとえば、特別なスキルや資格をもっていないのに、退職理由が「自分の能力が活かせないから」と書かれていると、「仕事への意欲が十分ではなかったのでは」と懸念を抱かせてしまう可能性も。

採用担当者は選考で、応募者が入社した後「長く働いてもらえそうか」「活躍できそうか」といったことを判断します。退職理由が曖昧だったり辻褄が合わなかったりすると、選考へ大きな影響を及ぼすでしょう。

入社後すぐに退職したのでマイナスイメージにならないか心配という方は、「早期退職の理由は面接でどう伝える?伝え方のポイントや例文を紹介!」のコラムを読んで対策してくださいね。

職務経歴書の退職理由は定型フレーズを使うのが基本!

職務経歴書に退職理由を書くときは、定型フレーズを使うのがおすすめです。職務経歴書はあくまで、これまでの経歴を確認するもの。特別な事情がない限りは、定型フレーズを用いて簡潔で見やすい職務経歴書を意識しましょう。

以下では、よく使われる定型フレーズについてまとめたので、職務経歴書に退職理由を記載する際の参考にしてください。

【自己都合】体調不良やスキルアップが退職理由のとき

体調不良や自身のスキルアップのため退職した場合は、自己都合退職となります。この場合、退職理由は「一身上の都合により退職」と記載しましょう。

  • 【例文】
  • 令和〇年 △月 株式会社×× 入社
  • 平成△年 〇月 一身上の都合により退職

なお、体調不良により職歴に空白期間がある場合は、「一身上の都合により退職」のみでは採用側に不安を抱かせてしまうため、具体的な退職理由の記載が必要となります。また、ポジティブな転職理由を企業へアピールしたいときは、「○○に挑戦したいため」「××の資格を取得するため」といったように、具体的に記述するのがおすすめです。

【会社都合】パワハラや倒産が退職理由のとき

会社側の経営不振や倒産、パワハラなどが理由で退職した場合は、会社都合の退職となります。退職年月日に続けて、「会社都合により退職」と記載しましょう。

  • 【例文】
  • 令和〇年 △月 株式会社×× 入社
  • 平成△年 〇月 会社都合により退職

なお、「会社の経営が危うそうだから」「倒産の噂を聞いたから」といった理由で退職した場合は、自己都合退職となるので注意が必要です。

契約期間の満了が退職理由のとき

期間の定めがある有期労働契約を結んで働いており、契約期間の満了によって退職する場合は、「契約期間満了につき退職」と記載しましょう。派遣社員や契約社員、臨時職員などが該当します。

  • 【例文】
  • 令和〇年 △月 株式会社×× 入社
  • 平成△年 〇月 契約期間満了につき退職

ただし、契約期間が切れるより前に自分から退職を申し出た場合は自己都合退職です。「一身上の都合により退職」と記載しましょう。

いずれの退職理由でも、退職後は受給条件を満たせば失業保険を受け取れます。退職後に転職活動を行う人は、「退職後にハローワークで行う手続きって何?失業保険の受給条件や手順を解説」のコラムで受給方法を確認しましょう。

職務経歴書の退職理由を詳細に書いた方が良い状況とは

前職を早期退職していたり転職を繰り返していたりする場合は、定型フレーズではなく詳細な退職理由を書いた方が、マイナスイメージを回避しやすくなります。以下の内容を参考に、職務経歴書の退職理由へ適切なフォローを入れましょう。

前職を早期退職している場合

前職を早期退職している場合、「一身上の都合により退職」のみ記載するのは避けた方が良いでしょう。採用側に、「入社しても同じように辞めてしまうのでは」「何か問題があったのでは」といった懸念を抱かせてしまう可能性があるからです。

退職理由が介護や体調不良など、やむを得ない事情であれば正直に記載するのがポイント。また、待遇への不満や人間関係のトラブルなどのネガティブな退職理由の場合は、なるべく前向きな表現を心掛けましょう。

何度も転職を繰り返している場合

転職を何度も繰り返している場合も、採用側へ「転職癖があるのではないか」「入社しても長く務められないのではないか」と、マイナスなイメージを与える可能性があります。退職理由は前述したとおり、やむを得ない事情は正直に記載し、ネガティブな事情は前向きな表現を心掛けましょう。

また、これまで経験した業界や職種に一貫性がない場合は、特に書き方に工夫が必要です。「キャリアプランが立っていない」「飽きっぽい」と思われないためにも、自分なりの考えがある場合は自己PRの欄で説明しておきましょう。

空白期間がある場合

経歴に空白期間がある場合も、退職理由は詳細に記載した方が良いでしょう。前職を退職してから数か月~半年程度の空白期間であれば、採用側も「転職活動をしていたのだろう」と理解してもらえます。しかし、空白期間がそれ以上になると、採用側に仕事への意欲や姿勢に疑問をもたれてしまう恐れも。

このようなイメージを抱かせないためにも、職務経歴書の退職理由の書き方には注意が必要です。「一身上の都合により退職」のみではなく、自身の事情に合わせて正直に理由を記載しましょう。

空白期間が企業に与える印象については、「空白期間が面接官に与える印象は?答え方のポイントや履歴書の記載例を紹介」のコラムで詳しく解説しています。

職務経歴書に退職理由欄がある場合

職務経歴書の形式によっては、退職理由を書く欄が用意されているものがあります。退職理由欄がある場合は、応募書類に空白をつくらないためにも記述が必要です。一言で説明できない事情以外は、退職理由欄のない職務経歴書を選んでおくと、作成時に迷わずに済むでしょう。

【退職理由別!】職務経歴書への具体的な書き方の例文

職務経歴書に書く退職理由を具体的にまとめるときは、文章が長くならないようにしましょう。採用担当者に伝えやすくするためにも、簡潔に一言付け加えるようなイメージで書くのがおすすめです。ここでは、職務経歴書へ退職理由を書く際の書き方の例文やノウハウをまとめました。

体調不良が退職理由の場合

病気や体調不良によって前職を退職した場合は、あらかじめ事情を記載しておくと入社後も理解を得られやすいでしょう。また、前職を早期退職していたり空白期間があったとしても、以下のような文言を添えておくと面接官が納得しやすいです。

  • 【例文】
  • ・体調不良で退職しました。現在は回復しているため、勤務に支障はありません。
  • ・持病の療養のため退職しました。現在は完治しているため、勤務に支障はありません。

企業側が「勤務するうえで差し支えないか」「長く勤務してもらえるか」といった不安を感じないよう、働くうえで支障はないことを明記しておきましょう。

スキル・キャリアアップが退職理由の場合

スキルアップやキャリアアップが目的で退職した場合、職務経歴書に記載することで自分をアピールすることが可能です。

  • 【例文】
  • ・システムエンジニアとしての経験を活かしてプロジェクトリーダーに挑戦したく退職しました。
  • ・介護福祉士の資格を取得するため退職しました。

前向きな姿勢が伝わるような退職理由は、あえて記載すると企業側へ好印象を与えられるかもしれません。「前職ではキャリアアップが難しかった」「スキルが活かせなかった」などの不満を抱えて退職した場合も、その旨を職務経歴書へ記載するのは避けた方が無難です。

結婚・出産が退職理由の場合

結婚や出産をきっかけに退職したときも、職務経歴書に詳細に記載しておくのがおすすめです。子どもがいる方は特に、あらかじめ伝えておくことで、急な欠勤や早退に対応してもらいやすくなります。

  • 【例文】
  • ・結婚に伴い退職しました。
  • ・出産に伴い退職しました。現在子どもは○○へ預けているため就業が可能です。

また、「結婚して収入アップを目指したい」「出産してワークライフバランスを整えたい」というように、志望動機につながるような事情の場合は、職務経歴書へ記載しておくと説得力が増すでしょう。

介護が退職理由の場合

退職理由が介護の場合は、「体調不良が退職理由の場合」と同様に、現在は就労するにあたって問題がないことを記載しましょう。

  • 【例文】
  • ・親の介護に伴い退職しました。現在は介護施設に入所しているため勤務に支障はありません。
  • ・親の介護に伴い退職しました。現在は平日のみ17時までホームヘルパーを利用しています。

介護と仕事を両立させる必要があるときは、差し支えない範囲で説明しておきましょう。採用側に事情を理解してもらったうえで選考してもらえるほか、入社後のミスマッチも防げます。

職務経歴書に記載する退職理由で好印象を与えるコツ

退職理由がネガティブなものの場合、「選考に影響するかも…」「記載しない方が良いのでは?」と不安になることがありますよね。職務経歴書に退職理由を記載する際は、できる限りポジティブな表現を使ったり見やすい職歴欄を意識したりすると、採用側へ好印象を与えられるでしょう。

以下では、採用側へ好印象を与える職務経歴書の書き方のノウハウをご紹介します。

ポジティブな表現を心掛ける

退職理由は可能な限りポジティブな表現を意識すると、採用側へ好印象を与えられるでしょう。ネガティブな退職理由であったとしても、前職への不満や愚痴と捉えられるような内容を記載するのは避けた方が良いです。

たとえば、「仕事にやりがいを感じられない」は「○○に挑戦するため」「××のスキルを獲得するため」といったように、仕事に意欲的に取り組む姿勢を示すと、自身のアピールポイントになります。

ハタラクティブ プラス在籍アドバイザーからのアドバイス

板垣拓実

板垣拓実

退職理由は、自分のキャリアプランや仕事への姿勢、考え方を伝える大切な項目です。ネガティブな表現や批判的な表現は避け、前向きでポジティブな表現を意識すると採用側へ好印象を与えられますよ。職務経歴書を初めて書く方は、「職務内容の書き方やポイントを解説!採用担当者が見るポイントも紹介」のコラムもご覧くださいね。

わたしたちハタラクティブでは、職務経歴書の書き方や好印象を与える退職理由の伝え方など、あなたの悩みや疑問に合わせたアドバイスをおこなっています。選考対策に不安がある際はぜひご相談ください。

伝えたいことは簡潔に記載する

職務経歴書に退職理由を書くときは、簡潔にまとめることが大切です。職歴欄へ長文を書いてしまうと、採用側へ「見栄えが悪い」「読みにくい」といったマイナスなイメージを与えてしまう可能性があります。

仕事を辞めた理由を詳細に記載したい場合は、退職理由欄のある職務経歴書を選びましょう。また、退職理由がポジティブな内容であったり転職を決意するきっかけだったりするときは、志望動機欄へ記載するのも一つの手です。

職務経歴書はパソコンで作成するのがおすすめ

職務経歴書はパソコンで作成した方が読みやすく、修正も簡単です。作業に掛かる時間を短縮できるほか、パソコンスキルがアピールできるメリットもあります。職務経歴書は、A4用紙1〜2枚程度が一般的。「文章が長過ぎないか」「採用担当者が見やすいかどうか」など、レイアウトも意識しながら作成しましょう。

退職理由は志望動機と関連付ける

【退職理由別!】職務経歴書への具体的な書き方の例文」で先述したとおり、キャリアアップやスキルアップといった前向きな理由で退職した場合は、その旨をあえて記載し、志望動機と関連付けるのがポイントです。採用側から、仕事へのポジティブな考え方や意欲を評価してもらえる可能性が高いでしょう。

また、これはネガティブな退職理由の場合も該当します。たとえば、前職の退職理由が「業務が合わなかった」といったミスマッチのときは、「業務の幅を広げたい」「新しいことに挑戦したい」というように、前向きな気持ちに変換して伝えるのがポイント。前職では叶わなかった理由もあわせて伝えると、採用側も納得しやすいでしょう。

書き方が分からないときは転職エージェントに相談する

「職務経歴書へ退職理由を記載した方が良いか分からない」「書き方が分からない」という方は、転職エージェントに相談するのも一つの方法です。転職エージェントでは、適性に合わせた求人の紹介のほか、履歴書や職務経歴書などの応募書類の添削やアドバイスを実施しています。

若年層を中心に支援を行っている就職・転職エージェントのハタラクティブでは、プロのアドバイザーがマンツーマンでカウンセリングを行い、求職者の悩みや希望に沿った支援を行っています。求人紹介のほかにも、応募書類の添削や面接対策、入社後のフォローまで、就職・転職活動を一括してサポートしているのが特徴です。

サービスはすべて無料でご利用いただけるので、一人でお悩みの方はぜひご活用ください。

職務経歴書に退職理由を記載するときのFAQ

ここでは、職務経歴書へ退職理由を記載するとき、疑問に感じやすいことをまとめたので参考にしてください。

職務経歴書へ記載する転職理由の書き方は?

職務経歴書に転職理由を記述するときは、志望動機欄の活用がおすすめです。志望動機欄へ転職理由を書く場合は、退職理由と一貫性をもたせましょう。

たとえば、退職理由が「親の介護」であるのに対して転職理由が「スキルアップ」だと、一貫性を感じられません。この場合、転職理由を「介護と仕事を両立する必要があったため」として、応募企業でそれが叶う理由を説明するのが自然でしょう。

職務経歴書の退職理由は「一身上の都合」でもいい?

退職理由が自己都合の場合は、「一身上の都合により退職」と記載してOKです。

しかし、早期離職や短期で転職を繰り返している場合は、採用担当者へ不安を抱かせてしまうことから、退職理由を明確に書いた方が良いといえます。詳しくは本コラムの「職務経歴書の退職理由を詳細に書いた方が良い状況とは」を参考にしてみてください。

退職理由がネガティブなときはどう伝えればいい?

職場への不満が原因で退職した場合、その理由をそのまま伝えるのは賢明ではありません。企業側に、「うちも同じ理由で辞めるのでは?」と思われるからです。

仕事にやりがいがなかったという理由で退職している人は、「成長できる環境を求めて」「今よりスキルアップしたいから」のように、前向きな理由に置き換えて伝えましょう。

後藤祐介

監修者:後藤祐介

京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。
ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。

資格 : 国家資格キャリアコンサルタント国家資格中小企業診断士
メディア掲載実績 : 「働く」をmustではなくwantに。建設業界の担い手を育て、未来を共創するパートナー対談定時制高校で就活講演 高卒者の職場定着率向上へ【イベント開催レポート】ワークリア障がい者雇用セミナーSNS : LinkedIn®YouTube