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教員免許の正式名称を紹介!履歴書の書き方や一種・二種・専修の違いも解説

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この記事のまとめ

  • 教員免許の正式名称は、「普通免許状」「特別免許状」「臨時免許状」によって異なる
  • 教員免許の正式名称は、「学校種別」や「一種」「二種」「専修」によっても違う
  • 履歴書の資格欄に教員免許を書く際は、「取得年月」と「正式名称」を一行で記入する
  • 教員免許の正式名称を記入するとき、中学校・高等学校の場合は「教科名」も記載する

教員免許の正式名称を記入する際、「正しい書き方が分からない」という方もいるでしょう。教員免許の正式名称は、学校種別や免許状の種類・教科名によって異なります。
このコラムでは、教員免許状の正式名称を種類別にご紹介。キャリアアドバイザーの荒井さんのアドバイスを交えつつ、教員免許の正式名称を履歴書へ記入する際のポイントや、教員免許をアピールポイントとして活用する方法についても解説します。教員免許の正式名称を間違えてマイナスな評価を受けないためにも、ぜひご覧くださいね。

教員免許の正式名称とは?主な教員免許状一覧

教員免許の正式名称は、種類が多いため正確に理解できていないという方もいるでしょう。教諭を目指す上では、教員免許の正式名称を間違えずに履歴書へ記載する必要があります。

教員免許の正式名称は「教育職員免許状」といい、認定機関である各都道府県教育委員会によって授与される資格です。しかし、ここからさらに細かい分類があるため、履歴書にそのまま「教育職員免許状」と記載するのは間違いと覚えておきましょう。

教育職員免許状には、「普通免許状」のほかに「特別免許状」「臨時免許状」がありますが、ここでは一般的に多くの教職員が取得している「普通免許状」について詳しく紹介します。
「普通免許状」は、さらに「二種免許状」「一種免許状」「専修免許状」に分けられており、それぞれ正式名称が異なるため注意しましょう。

幼稚園・小学校・中学校・高等学校の教員免許の正式名称

幼稚園・小学校・中学校・高等学校の教員免許状には、それぞれ以下の正式名称があります

 教員免許状の正式名称
短大卒業
教員免許状の正式名称
大学卒業
教員免許状の正式名称
大学院卒業
幼稚園幼稚園教諭二種免許状幼稚園教諭一種免許状幼稚園教諭専修免許状
小学校小学校教諭二種免許状小学校教諭一種免許状小学校教諭専修免許状
中学校中学校教諭二種免許状
(教科)
中学校教諭一種免許状
(教科)
中学校教諭専修免許状
(教科)
高等学校 高等学校教諭一種免許状(教科)高等学校教諭専修免許状(教科)

履歴書に記載する際、なかには「第一種免許状」のように間違えてしまうパターンもあるようです。「二種免許状」「一種免許状」の頭には、「第」を付けないよう注意しましょう。

養護教諭・栄養教諭・特別支援学校の教員免許の正式名称

養教護諭・栄養教諭・特別支援学校の教員免許にも、それぞれ以下の正式名称があります。

 教員免許状の正式名称
短大卒業
教員免許状の正式名称
大学卒業
教員免許状の正式名称
大学院卒業
養護教諭養護教諭二種免許状養護教諭一種免許状養護教諭専修免許状
栄養教諭栄養教諭二種免許状栄養教諭一種免許状栄養教諭専修免許状
特別支援学校特別支援学校二種免許状特別支援学校一種免許状特別支援学校専修免許状

特別支援学校の免許状を取得している場合、幼稚園・小学校・中学校・高等学校の免許状のうちいずれかの教員免許も取得しているため、忘れずに履歴書へ記載を行いましょう。

正式名称の間違いに注意しよう!

教員免許の正式名称は、教員免許「証」と混同しやすいため気を付ける必要があります。教員免許の正式名称は、教職員免許「状」のためしっかりと覚えておきましょう。
履歴書で正式名称を正しく使用することは、人に正しい物事を教える「教育者」という立場を目指すうえで基本です。教諭を目指している方は、教員免許の正式名称を理解し、適切に記載するよう意識しましょう。

教員免許の種類

教員免許の種類の違いを理解することは、教育現場で働くために重要です。ここでは、その種類や区分について見ていきましょう。

教員免許には、「普通免許状」「特別免許状」「臨時免許状」の3種類があり、その内の「普通免許状」の区分として「二種免許状」「一種免許状」「専修免許状」の3つがあります。この区分の違いにより、取得に必要な学歴や単位数、その区分の免許状で教えられる学校種別が異なるのが特徴です。

普通免許状の区分別の取得難易度は、一般的に「二種免許状<一種免許状< 専修免許状 」の順となります。以下で、教員免許の種類や区分をさらに詳しく解説するので、ぜひチェックしてみてください。

二種・一種・専修の区分とは?普通免許状の違い

普通免許状は、卒業した学校によって「二種免許状」「一種免許状」「専修免許状」の3つに区分されます。以下で、詳しく見ていきましょう。

短期大学卒業二種免許状
四年制大学卒業一種免許状
大学院修士課程修了専修免許状

「二種免許状」「一種免許状」「専修免許状」がありますが、3区分とも指導が可能な範囲に違いはありません。
また、「二種免許状」にて採用された場合は、将来的に「一種免許状」への移行を推奨されるパターンもあるようです。

高等学校には二種免許状がない

文部科学省の「教員免許制度の概要」によると、高等学校の普通教員免許状には、「二種免許状」が存在しません。「一種免許状」と「専修免許状」のみが、高等学校で指導することを認められているため注意しましょう。
「一種免許状」を取得する場合は、四年制大学を卒業する必要があり、「専修免許状」を取得する場合は、大学院の修士課程を修了する必要があります。
高等学校の教諭を志望する方は、「一種免許状」または「専修免許状」の取得を目指しましょう。

参照元
文部科学省
教員免許制度の概要

特別免許状・臨時免許状とは?

教員免許には、「普通免許状」のほかにも、「特別免許状」と「臨時免許状」があります。
以下で、「特別免許状」「臨時免許状」とはどういった教員免許なのか、詳しく見ていきましょう。

特別免許状とは

「特別免許状」は、指導する担当教科に関連する専門的な知識と経験または技能を持ち、社会的に信用と人望がある社会人経験者が対象です。この条件を満たす者のうち、採用を行う学校法人などの雇用者から推薦を受けた者が、「教育職員検定」に合格した場合のみ「特別免許状」を授与されます。
なお、「特別免許状」の効力は、各都道府県内のみです。

また、養護・栄養・幼稚園教諭には「特別免許状」はありません。

臨時免許状とは

「臨時免許状」は、学校側が「普通免許状」を持つ教員を採用できない場合に限り、臨時で実施される免許状です。都道府県の教育委員会で行われる「教育職員検定」に合格すると「臨時免許状」を授与されます。
「臨時免許状」の有効期限は、原則3年間です。しかし、暫定処置として有効期限が6年間に延長される場合もあります。
なお、「臨時免許状」の効力は、各都道府県内のみです。

履歴書へ教員免許の正式名称を記入するポイント

「履歴書に教員免許の正式名称を書くときのルールが分からない…」という方向けに、ここでは、教員免許の正式名称を履歴書に記入する際のポイントについて分かりやすく解説していきます。

教員免許の正式名称を履歴書に記入するときは、「学校種別→教諭→免許状区分→教科(中学校・高等学校のみ)」の順番で記入しましょう。そして、教員免許の正式名称の横に少し隙間を開け、「取得」と記載します。

以下では、中学校・高等学校の教科名一覧や複数の教員免許状を保有している際の記載順についてご紹介。そのほか、新卒者が履歴書へ教員免許の正式名称を記入するときのルールも解説しますので、ぜひチェックしてみてください。

教員免許状の取得年月・正式名称の記載

履歴書に教員免許状を記載するときは、「免許・資格」の欄に「取得年月」と「正式名称」を一行で記入していきます。以下を参考に、履歴書へ正確に記入しましょう。

  • (例)
    〇〇〇〇年△月 小学校教諭一種免許状 取得
 

「取得年月」は、教員免許状をしっかり確認し、間違いのないように気を付けましょう。
教員免許の書き方以外にも、履歴書の書き方について詳しく知りたい方は「履歴書の書き方を解説!記載する際のマナーや好印象を与えるポイントも紹介」のコラムをご覧ください。

中学校・高等学校は教員免許の正式名称に教科も記載する

中学校・高等学校の教員免許を履歴書に記入するときは、教科名も忘れずに記載しましょう。「免許状」の後ろに括弧で教科名を書きます。
以下では、中学校の国語免許を所有している場合の例を紹介しますので、参考にしてみてください。

  • (例)
    〇〇〇〇年△月 中学校教諭一種免許状(国語) 取得
 

中学校・高等学校の教員免許状は、教科名を記載しないと正式名称とはいえないため、忘れないよう注意しましょう。

教科名の種類

文部科学省の「参考資料3 普通免許状の種類について」によると、中学校や高等学校の教員免許状に記載される教科名は、以下のとおりです。

学校種別(区分)教科一覧
中学校(二種・一種・専修)国語・数学・理科・社会・美術・音楽・保健体育・保健・家庭・技術・外国語・職業・職業指導・職業実習・宗教
高等学校(一種・専修)国語・数学・理科・公民・地理歴史・美術・音楽・保健体育・
保健・家庭・家庭実習・外国語・書道・工芸・職業指導・商業・商業実習・工業・工業実習・情報・情報実習・看護・看護実習・福祉・福祉実習・水産・水産実習・農業・農業実習・商船・商船実習・宗教
高等学校(一種のみ)計算実務・情報技術・情報処理・剣道・柔道・デザイン・
インテリア・建築

参照:文部科学省「参考資料3 普通免許状の種類について

履歴書に教員免許状の正式名称を記入する際に、教科名の横に「科」を付けるのは正しくありません。「家庭科」「社会科」といった記載をしないように注意しましょう。

参照元
文部科学省
教員養成部会 教員の養成・採用・研修の改善に関するワーキンググループ(第2回)配付資料

複数の教員免許状を保有している際の記載順

複数の教員免許状を保有している場合は、必ず1行ずつ記載しましょう。
たとえば、幼稚園と小学校の教員免許を保有しているとする場合、「幼稚園・小学校教諭一種免許状」のように教員免許状をまとめて記載してはいけません。
以下では、幼稚園と小学校の国語免許を所有している場合の例を紹介します。

  • (例)
    〇〇〇〇年△月 幼稚園教諭一種免許状 取得
    〇〇〇〇年◇月 小学校教諭一種免許状 取得

なお、教員免許状は、取得年月が古いほうから順番に記入します。教員免許状のほかに資格を保有している場合も同様です。
教員免許状・資格の取得年月は、西暦・和暦どちらで書いても構いませんが、どちらかの表記に統一しましょう。

新卒者の場合は「取得見込み」の記載をする

教員免許は学校を卒業する前に取得できないため、卒業前の新卒採用の履歴書には「△月〇日 取得見込み」と記載しましょう。なお、取得見込みの日付は、学校の卒業見込みの日付にするのが一般的です。以下を参考に、新卒採用の履歴書に記入してみてください。

  • (例)
    〇〇〇〇年△月 高等学校教諭一種免許状(数学)△月〇日取得見込み

ただし、あくまで「取得見込み」のため、実際に教員免許状を取得できなかった場合は、採用が取り消される可能性があります。確実に取得できる見込みがある場合のみ、記載するようにしましょう。

教員免許をアピールポイントとして活用する方法

「教職以外の業界に就職したいけど、教員免許はアピールになるの?」と考えている方もいるでしょう。ここでは、教職以外の職業で教員免許をアピールポイントとして活用する方法を紹介します。

教員免許は、教諭になるために必要な資格ですが、教職以外の一般企業を受ける際にも、アピールになる資格です。

教員免許を持っていて、教職以外の職業へ就職・転職を考えている方は、参考にしてみてください。

目標達成に対する努力を伝える

教員免許を取得したという実績は、「目標達成に対する努力」を示すことにつながります。
教員免許を取得するまでには、長期にわたる勉強や教育実習を行ってきたはずです。この経験から、将来に向けて継続的に勉強に取り組んだ実績や、目標に向けて粘り強く努力する姿勢をアピールできるでしょう。
一つの目標に対して努力を怠らずに取り組む姿勢は、企業にとって魅力的なポイントとなります。

なお、「目標達成に対する努力」を伝えた際、「努力して教員免許を取ったのに、教諭にならないの?」といった質問をされる可能性があるでしょう。
教諭にならない理由を聞かれた場合の回答方法については、このコラムの「面接で教諭にならない理由を聞かれた場合の回答例」にて後述しますので、あわせてチェックしてみてください。

教員免許取得にあたって得た強み・スキルを伝える

教員免許取得にあたって学んだものは、「強み」や「スキル」として一般企業でも活かせる部分があります。
たとえば、教職課程の際に学習指導案を作成した経験は、「適切に情報をまとめる能力」や「資料作成スキル」として、教職以外にも活かせるでしょう。
教職課程や教育実習で授業を行った経験は、「人に分かりやすく物事を伝えられる強み」や「コミュニケーション能力」「プレゼンテーションスキル」としてアピールできます。

また、教職から一般企業に転職する場合は、生徒の教育や指導を行った経験を活かして、マネジメントや人材育成の業務に活かせる可能性もあるでしょう。

結果的に教職を志望しなかったとしても、教員免許取得にあたって得た学びは素晴らしいものです。「教諭にならないから意味がなかった」と考えるのではなく、教員免許取得までの経験を自分の「強み」「スキル」として自信を持って、エントリーシートや履歴書に記載しましょう。
エントリーシートについて詳しく知りたい方は、「エントリーシートとは?企業側が見ているポイントや書き方を例文で解説」のコラムをチェックしてみてください。

ハタラクティブ プラス在籍アドバイザーからのアドバイス

荒井幹太

荒井幹太

企業は、「教員免許を持っている」ことだけではなく、あなたが「できること」に興味があります。教職課程を通して得たスキルを、企業が求める能力と結びつけてアピールしましょう。
教員免許取得に向けて努力した経験は、一般企業でも高く評価される可能性があります。自信を持って、自分の強みをアピールしてくださいね。

面接で教諭にならない理由を聞かれた場合の回答例

教員免許を取得している人が別の職種を受けた場合、「教諭にならない理由は?」といった質問をされる可能性があります。
言葉が詰まってマイナスな印象を与えないためにも、前もって回答を用意しておくことが大切です。教諭にならない理由を聞かれる場合に備えて、以下3つのポイントを押さえましょう。

  • ・志望の職種/企業に就きたいと思った理由
    ・教員免許の取得や教職課程にあたって学んだもの
    ・教員免許の取得や教職課程で学んだものを志望企業でどのように活かせるか

この3つのポイントを前向きな内容にまとめれば、納得感のある回答につながるでしょう。
ここでは、避けるべき回答例と好印象につながる回答例について解説します。

おすすめしない回答例

  • 「教育実習で実際に授業をした際、生徒を相手に分かりやすく教えるのが考えていた以上に大変で、自分には向いていない仕事だと感じました。ほかの職業を探していたところで〇〇業界に興味を持ち、御社を志望しました」

    「まずは教職以外の仕事に就いて視野を広げたいと思い、御社を志望いたしました。仕事を通して経験を積み、〇年後には教職に就きたいと考えています」

面接で、「大変だったから」「向いていない仕事だと感じた」などと回答するのは、ネガティブな印象を与えかねないためおすすめできません。
このような回答は、企業側から「『大変な状況を乗り越えよう』という気概がなさそう」「採用しても、向いていないと感じたらすぐ辞めてしまうのでは?」と思われてしまう可能性があるでしょう。

また、将来的に教諭になりたいと考えていても、正直に伝えるのはあまりおすすめできません。「採用しても、数年後には退職してしまう」と思われて、内定を逃してしまう可能性があります。

好印象につながる回答例

  • 「大学入学時は教職に就きたいと考えていましたが、就職に向けて業界研究をしていくうちに〇〇業界の××な魅力に惹かれ興味を持つようになりました。業界について調べていくなかで、△△な経験は御社でしか得られないと感じ、御社を志望いたしました。
    大学での教職課程を通して身に着けた、分かりやすくまとめる力やコミュニケーション能力を活かし、御社で活躍していきたいと考えています」

この回答例は、先述した「職種・企業に就きたい理由」「教職課程で学んだもの」「学んだものを志望企業でどう活かせるか」というポイント3つを組み込み、好印象につながりやすい前向きな理由になっています。
上記を参考にして、自分の志望している業界・企業に合わせた回答を考えてみましょう。
また、面接本番で考えが飛んでしまわないために、事前に面接練習をしておくのがおすすめです。面接練習については、「面接練習は必要?やり方は?効果的に進める方法や意識すべきポイントを解説」のコラムで紹介しているので、ぜひご一読ください。

「教職以外に就きたいけど、自分に向いている仕事が分からない…」という方には、就職・転職エージェントの利用をおすすめします。「就職エージェントとは?サービスの概要やおすすめの活用法を紹介!」では、就職エージェントのメリット・デメリットや活用方法について紹介しているので、あわせてご覧ください。

ハタラクティブは、若年層の就活支援に特化した就職・転職エージェントです。専任のキャリアアドバイザーが丁寧なヒアリングを行い、強みを引き出す自己分析を一緒に行うため、自分に合った求人が見つかります。
また、応募書類作成のサポートや添削も行っているので、「教員免許の正式名称が合っているか不安」という方も、安心してお任せください。ハタラクティブのご利用はすべて無料です。まずは、お気軽にご相談ください。

後藤祐介

監修者:後藤祐介

京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。
ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。

資格 : 国家資格キャリアコンサルタント国家資格中小企業診断士
メディア掲載実績 : 「働く」をmustではなくwantに。建設業界の担い手を育て、未来を共創するパートナー対談定時制高校で就活講演 高卒者の職場定着率向上へ【イベント開催レポート】ワークリア障がい者雇用セミナー
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