この記事のまとめ
- 寿退社とは、結婚することを理由に会社を辞めることを指す
- 結婚を機に退職するなら、入籍前に余裕をもって会社に伝えるのがマナー
- 結婚退職の伝え方は、ポジティブな理由を正直に伝え円満退職を目指すことが大切
- 退職後は健康保険や年金の切り替えなど必要な手続きを速やかに行うことがポイント
- 寿退社のメリットは、家事に集中できることや結婚式の準備に専念できること
結婚を機に退職する「寿退社」をしたいと考えている方もいるでしょう。しかし、寿退社をしたいときはどのように会社に報告すれば良いかわからないと、「引き止められたらどうしよう」「退職が長引いて入籍や新生活のスケジュールに影響が出るのでは」と不安になりますよね。
結婚を理由に退職する旨を伝える際は、前向きな理由で明確に伝えることが大切です。具体的な退職希望日も明確に提案すると、会社側も引き継ぎや人員補充の計画を立てやすくなり、話がスムーズに進みやすくなりますよ。
このコラムでは、キャリアアドバイザーの北島さんのアドバイスを交えながら、寿退社の意味や会社への伝え方を解説します。また、寿退社のメリットとデメリット、退職時に伝える挨拶の例文なども紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
「寿退社」とは
「寿退社(ことぶきたいしゃ)」とは、結婚を機に会社を辞めることを指す言葉です。結婚は人生の「おめでたい」イベントであることから、「寿」という言葉が使われています。
寿退社する人の割合
実際に、寿退社する人はどのくらいいるのか気になりますよね。厚生労働省の「令和6年雇用動向調査結果の概況」をもとに、結婚を理由に前職を退職した人の割合をみてみましょう。
| 男性 | 0.086 |
| 女性 | 12.8% |
引用:厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況(2)転職入職者が前職を辞めた理由(p.15)」
結婚を理由に前職を退職した人は、男性が8.6%、女性が12.8%です。この結果から、結婚・出産などを機とする離職は、女性のほうが多い傾向にあることがわかります。
ライフスタイルの変化を理由に退職する女性は多い
退職する理由は、人間関係や業務内容のミスマッチなど人によってさまざまです。女性のなかで、ライフスタイルの変化で退職する人は、どれくらいいるのかをハタラクティブが若年層(18~29歳)を対象に実施した独自調査「若者しごと白書2025」でみてみましょう。

引用:ハタラクティブ「若者しごと白書2025 1-3. 正社員の仕事を退職した理由(p.7)」
上記の結果から、退職する女性に多い理由は、「労働環境・時間が不満」の15.7%です。結婚・出産などのライフステージの変化で退職している女性は15.1%と、2番目に多い理由だとわかります。
結婚や出産は、女性のキャリアを考えるうえで大きな転機となっているといえるでしょう。
参照元:ハタラクティブ「若者しごと白書2025」
寿退社は時代遅れ?年々減少傾向にある
以前は「結婚したら家庭に入る」という考えが一般的でしたが、現代では共働き世帯が多数を占めています。そのため、結婚を理由に仕事を辞める「寿退社」は減少しつつあり、古い慣習のように感じられるかもしれません。
厚生労働省の「令和6年雇用動向調査結果の概況 4 離職理由別離職率の推移(p.18)」で、寿退社は統計上、「出産・育児」や「介護・看護」などとまとめて「個人的理由」として分類されますが、女性の「個人的理由」による離職率は、2015年が14.3%、2024年では12.9%です。
このデータは「結婚」単独の推移ではありませんが、女性の自己都合による離職全体が約10年間で減少していることがわかります。
このような減少の背景には、結婚後も女性がキャリアを継続しやすい環境が整ってきたことがあります。共働きが一般的になったことによる社会意識の変化に加え、育児休業制度の充実や在宅勤務(テレワーク)といった柔軟な働き方が広がり、以前よりも仕事と家庭生活が両立しやすくなっているといえるでしょう。
結婚を機に働き方を変えたいと思っても、「在宅勤務は特定のスキルや経験がないと難しいのでは」と感じますよね。しかし、在宅勤務の仕事のなかには、特別な専門スキルや職務経験を問わず、未経験から始められるものがありますよ。
結婚を機に退職し、在宅勤務をしたいと考えている方は、「未経験からリモートワークできる仕事は?おすすめの職種や目指すコツを解説」のコラムで未経験からリモートワークを始めやすい仕事を紹介しているのでチェックしてみてください。
参照元:厚生労働省「令和6年 雇用動向調査結果の概要」
出産の予定がある場合は退職時期に注意しよう
出産を控えている場合、退職のタイミングは慎重に考える必要があります。退職時期によっては、出産手当金や育児休業給付金などの社会保障が受けられなくなる可能性があるからです。
育児休業給付金は退職後は原則として受給できなくなりますが、出産手当金は一定の条件を満たせば、退職後も引き続き支給されます。そのため、これらの社会保障の要件をしっかり確認しておきましょう。まずは会社の制度と、社会保険の継続給付の条件を確認してから退職日を決めるのがおすすめですよ。
男性が結婚を理由に辞める場合も寿退社という
寿退社は結婚を機に退職する女性社員に多く使用される言葉ですが、男性の場合も結婚による退職であれば「寿退社」と表現することがあります。働き方が多様化したように、現代では生き方も多種多様です。結婚を機に退職し、専業主夫として家庭に入ることを決める方もいるでしょう。
男性の寿退社も珍しくなくなってきました。ただし、使用される頻度は低く、男性に対しては理由に関係なく「退職」というのが一般的なようです。
入籍前?後?結婚を理由に退職することを伝えるタイミング
結婚を機に退職したいけど、いつ会社に伝えればいいのか迷いますよね。退職を伝えるタイミングによっては、会社の後任手配や業務引き継ぎに支障をきたし迷惑をかけることにつながるため適切なタイミングで報告することが重要です。
ここでは、円満退職を果たすため、結婚を理由に退職を申し出る最適なタイミングと手順を解説するのでチェックしてみてください。
寿退社は入籍前に勤務先に伝えるのが一般的
結婚を機に退職する意向は、入籍前に会社へ伝えましょう。なぜなら、会社が業務への支障を最小限に抑え、円滑な人員補充の計画を立てるための十分な猶予を確保するためです。
突然の退職申し出は、業務の引き継ぎ期間が不足し、職場全体に大きな迷惑をかけてしまいます。特に、後任者の採用や教育には時間がかかるため、会社の負担が大きくなるでしょう。結婚が決まり、退職の意思が固まった時点で上司に相談するのがおすすめです。
結婚が決まったら早めに会社に伝えよう
結婚が決まり、早めに退職の意向を上司に伝えるメリットは以下のとおりです。
・会社が後任者を見つける時間を確保できる
・引き継ぎを丁寧に行える
・同僚との関係を良好に保てる
・退職金や有給休暇の処理がスムーズに進む
上司との面談は、落ち着いて話ができる環境を選びましょう。これまでの指導への感謝の気持ちを伝えながら、「結婚により生活基盤が変わるため」といった前向きな理由で退職することを説明すると、上司も理解を示しやすくなりますよ。
遅くとも退社予定日の3ヶ月前までに伝える
寿退社したいときは、遅くとも退社予定日の3ヶ月前までに上司に伝えましょう。退職予定日の半年~3ヶ月前に相談すると、退職手続きや仕事の引き継ぎを行うのに十分な余裕がもてます。
会社の就業規則で退職の申し出期限が定められている場合は、それに従いましょう。ただし、規則上は1ヶ月前でも、実務的には余裕をもって伝えると円満退職につながりやすくなります。
規定がない場合も、できるだけ会社の事情を考慮し、迷惑をかけないよう余裕をもって伝えることがおすすめです。
繁忙期は避けるのが望ましい
退職希望日を決める際には、会社の状況を考慮し、繁忙期を避けるのが望ましいでしょう。繁忙期に退職してしまうと、残された社員の負担が大きくなり、業務に支障をきたす可能性がつながるためです。
たとえば、経理部門であれば決算期、営業部門であれば年度末などが一般的に忙しくなる時期です。繁忙期を避けて退職することで、会社側も落ち着いて後任の手配や引き継ぎを進められるので円満退職につながるでしょう。
もし、どうしても繁忙期に退職せざるを得ない場合は、上司とよく話し合い、できる限り業務の引き継ぎを丁寧に行うなど、最大限の配慮をすることが重要です。状況によっては、退職時期を少し調整するのもいいかもしれませんね。
会社の辞め方に不安がある方は、「会社の辞め方が知りたい!基本的な手順や円満退職につなげるポイントを解説」のコラムもあわせてご覧ください。
寿退社のメリット
結婚を理由に、退職してもいいのか迷いますよね。寿退社のメリットを確認することで、「このタイミングで退職することが本当に自分にとって最善か」を冷静に判断でき、退職後の生活やキャリアについて後悔するリスクを減らせるでしょう。
円満退職の理由になる
寿退社のメリットは、円満退職の理由になることです。寿退社はポジティブな退職のため、会社側も退職の申し出を受け入れやすい理由といえます。引き止めもされにくいため、円満退職につながりやすいでしょう。
円満退職できれば、退職後も社内の親しい人と交流を続けられる可能性が高くなります。今後の人生のなかで、前職で培った人間関係がプラスの影響をもたらすこともあるかもしれません。
結婚式の準備に専念できる
結婚式の準備に専念できるのも、寿退社のメリットといえます。結婚式は、会場選びや衣装合わせ、招待客リスト作成など、想像以上に多岐にわたる打ち合わせや手配が必要となるため時間も労力もかかります。
仕事をしながらこれらの準備を進めるのは、精神的にも体力的にも大きな負担になりかねません。特に規模の大きな式を予定している場合、残業が多い職場だと準備が間に合わない可能性もあります。
退職して時間に余裕ができれば、焦らずにじっくりと準備を進められ、理想の結婚式を実現しやすくなるでしょう。
家事に集中できる
寿退社をすると、家事に集中できることがメリットに感じる人もいるでしょう。これまで仕事に費やしていた時間で家事に集中できるため、落ち着いて新しい生活をスタートさせられます。
また、出産や育児をすぐに考えている場合、退職後のゆとりある期間をマタニティライフの準備に充てられるのも、大きな利点といえるでしょう。
結婚に伴う手続きを進めやすくなる
結婚に伴う手続きを進めやすくなるのも、寿退社をするメリットの一つです。結婚後は、住民票の変更や年金の名義変更、免許証の更新など各種手続きをする必要があります。これらの手続きは役所や銀行の営業時間である平日の日中に行うのが基本となるため、仕事を休むか、有給休暇を取得しなければ対応が難しいでしょう。
仕事を辞めることで平日に使える時間ができるため、効率的に手続きを進められます。さらに、引っ越しを伴う場合は、新居の物件探しから内見、契約まで時間的余裕をもって対応できるでしょう。
また、雇用保険に加入していた方は、基本手当(失業手当)の受給手続きも進めやすくなるメリットがあります。結婚による転居やむを得ない退職の場合、通常の自己都合退職とは異なり、給付制限が免除される「特定理由離職者」として扱われる可能性があるため、早めにハローワークへ相談してみましょう。
基本手当(失業手当の受給手続きも、ハローワークの開庁時間である平日の日中に合わせて進めなければなりません。ハローワークに足を運ぶ時間や、何度も必要な説明会に参加するための時間を気にせず確保でき、手続きを遅滞なくスムーズに完了できるでしょう。
「失業したらやることは何?必要な手続きや失業保険を申請する方法を解説」のコラムでは、失業後に必要な手続きや基本手当(失業手当)の概要を解説しているのでチェックしてみてください。
仕事の悩みや通勤のストレスから解放される
寿退社をすることで、日々の仕事のプレッシャーや職場のストレスから完全に解放され、心身ともに大きなゆとりと安らぎを得られます。今まで業務に費やしていた時間とエネルギーを、まず心身の回復と休息に使えるでしょう。
心身が安定し、時間にも余裕ができれば、多忙な結婚準備もスムーズに進みやすくなります。具体的には、結婚式場の選定や打ち合わせ、引っ越し作業、新居の家具選びといった煩雑な準備を、仕事に追われず焦ることなく進められるでしょう。
また、新居の準備を含む結婚後の新生活の準備に十分な時間を充てられるため、不安なく最高の精神状態で新しい門出を迎えられますよ。
寿退社のデメリット
寿退社には多くのメリットがある一方、デメリットも存在しています。メリットとデメリットの両方を加味したうえで、決断することが大切です。
以下で、寿退社のデメリットを解説するので、寿退社を検討している方は、後悔のない決断をするために参考にしてみてください。
世帯収入が減る
寿退社するデメリットは、世帯収入が減少することです。夫婦のどちらかが専業主婦(主夫)になれば、当然収入の全体量は少なくなるでしょう。
寿退社後に生活が困窮しないようにするには、退職前に結婚後の予算プランを作り、一人分の収入でどのような生活が送れるのかシミュレーションしてみるのがおすすめです。特に、退職直後は収入がない状態で生活をスタートさせることになるため、当面の生活費や結婚費用を賄う資金計画が重要になります。
資金計画を立てる際、会社から支給される可能性のある退職金を考慮に入れるのも方法の一つです。結婚してすぐに生活に困らないよう、退職金制度の有無や支給額の目安を含めてしっかりと計画を立てましょう。
退職金がもらえる勤続年数や金額は、「退職金は勤続何年目から支給される?制度の概要やもらえる金額を知ろう!」のコラムでは解説しているので参考にしてみてください。
社会との接点が減る
寿退社後は会社に行くことがなくなるため、社会との接点が減ってしまうのもデメリットといえます。専業主婦(主夫)になって社会との接点が希薄になると、「配偶者以外との会話がない」「友達は日中働いているから誰とも会えない」というように、孤独感を感じやすくなる可能性があるでしょう。
退職後も社会との接点をもつには、意識的に新しいコミュニティに参加してみるのも方法の一つです。たとえば、地域のボランティア活動を始めてみたり、興味のある習い事や資格取得のためのスクールに通ったりするのもいいかもしれませんね。新しい接点を作ることで、結婚生活だけでなく自分の世界を広げ、精神的な安定を保てるでしょう。
職歴にブランクができてしまう
仕事を辞めることで職歴にブランクができてしまうのも、寿退社のデメリットの一つです。ブランクが長くなるほど、企業側はブランク期間が長いことに対し、「働く意欲が低下しているのではないか」「以前のスキルが失われているのではないか」といった懸念をもつため再就職が難しくなっていく傾向にあります。
将来的に再び働きたいと考えている場合は、ブランク期間の過ごし方を説明できるようにしておきましょう。ブランク期間をただの休息期間とするのではなく、「結婚後の生活基盤づくりに集中していた」といった前向きな理由や、「資格取得のための勉強に時間を充てていた」など、ポジティブに伝えることが大切です。
復職後の仕事につながる具体的な活動内容を説明すれば、企業側の不安を払拭できるので採用される可能性が高まりますよ。
面接で空白期間を伝えるときのポイントは「空白期間が面接官に与える印象は?答え方のポイントや履歴書の記載例を紹介」のコラムで解説しています。履歴書における空白期間の記載方法も紹介しているので、参考にしてみてください。
ハタラクティブ プラス在籍アドバイザーからのアドバイス

北島愛純
寿退社して専業主婦(主夫)になるとブランクが生じるものの、再就職の際にブランクが必ずしもマイナスに働くわけではないので、ご安心ください。面接でブランクの理由を聞かれる可能性はありますが、仕事を離れていた間はどう過ごしたのか、ブランク期間に得た経験を入社後どう活かすかを丁寧に伝えられれば問題ありません。
面接対策に不安がある方は、私たちハタラクティブのキャリアアドバイザーがサポートいたしますので、ぜひご相談くださいね。
結婚を理由に退職するときの流れ
結婚にかからわず、退職を決めたら計画的に手続きや準備を進めることが大切です。後任者や会社に迷惑をかけないように配慮することで、円満退職につながるでしょう。
以下で、結婚を理由に退職するときの流れを解説します。退職に必要な基本的な手続きの順番としても役立ちますので、参考にしてみてください。
1.最初は直属の上司に相談する
退職の意思は、必ず最初に直属の上司に伝えるのがマナーです。上司に相談するときは、上司の業務を滞らせたり、余計な憶測や不安を抱かせたりする可能性があるため、上司の都合に合わせて事前にアポイントメントを取りましょう。
結婚を理由に退職する旨を伝える際は、前向きな理由で明確に伝えることが大切です。たとえば、「△月△日に結婚することになり、新生活に向けて退職させていただきたいと考えています」というように、事実と意向を正直に伝えましょう。
また、具体的な退職希望日も明確に提案すると、会社側も引き継ぎや人員補充の計画を立てやすくなり、話がスムーズに進みやすくなりますよ。
2.仕事を後任の人に引き継ぐ
退職予定日が決まったら、自身の仕事を後任者に引き継ぎを行いましょう。十分な引き継ぎを行わないまま退職すると、後任者がスムーズに業務を進められず、会社全体に業務の停滞や遅延といったトラブルにつながり、迷惑をかけることになる可能性があります。
引き継ぎの詳細は口頭で伝えるだけでなく、書面やデータでマニュアルを作成しましょう。なぜなら、口頭の説明だけでは後任者が内容を忘れたり、誤って解釈したりするリスクがあるためです。
書面やデータでマニュアルを残すことで、後任者は業務をいつでも確認でき、あなたの退職後もスムーズかつ確実に業務を進められるでしょう。退職予定日まで責任をもって引き継ぎ業務をすることで、同僚や上司からの信頼を得られ、結果として円満退職につながります。
3.私物や会社からの貸与物を整理する
寿退社する日が近づいてきたら、私物や会社からの貸与物を整理し、確認しておきましょう。貸与物には、以下のようなものが挙げられます。
- ・社員証やIDカード
- ・健康保険証
- ・PCやスマートフォンなどの貸与品
- ・制服や作業服
- ・名刺や書類などの資料
返却漏れがあると、退職後に郵送したり、後日会社に出向いたりする手間が発生してしまいます。Web上のデータについても、個人のファイルを整理・削除し、必要なものは共有フォルダに移すなどの対応が必要です。事前にチェックリストを作り、スムーズに返却できるように準備してくと安心ですね。
4.最終出勤日やその付近にお世話になった人へ挨拶する
最終出勤日になったら、社内でお世話になった人へ退職の挨拶をすることも大切です。直接挨拶をするのが望ましいですが、相手が忙しいときはメールで挨拶をしても問題ありません。自分が所属していた部署だけでなく、普段から仕事の関わりが深かった部署にも挨拶しに行きましょう。
なお、社外の取引先には、最終出勤日前に済ませておく必要があります。その際に後任者が決まっている場合は、一緒に挨拶しにいくのがおすすめです。業務上の関係性を円滑に引き継ぎ、取引先に安心感を与えられるでしょう。
5.退社後は各種手続きを行う
会社を退職したあとは、自分で各種手続きを行う必要があります。特に、年金や健康保険などの公的な手続きは期限が定められているため、早めに進めましょう。退職後に必要な手続きには、「健康保険・年金の切り替え」「失業保険の申請」が挙げられます。以下でそれぞれ解説するので、チェックしてみてください。
健康保険・年金の切り替え
退職日をもって会社の健康保険と厚生年金の資格を喪失するため、会社を辞めたあとは切り替える手続きをする必要があります。健康保険・年金の切り替えは、退職して14日以内に最寄りの役場で国民健康保険と国民年金への切り替え手続きを行いましょう。
また、配偶者の扶養に入る場合は配偶者の勤務先を通じて健康保険組合に被扶養者認定の申請を行います。手続きの期限は加入する健康保険組合によって異なりますが、退職日の翌日から概ね5日~10日程度以内とされていることが多いため、必要な書類を早めに確認して提出しましょう。
「退職時の社会保険の手続きとは?具体的な方法や注意点を解説します」のコラムでは、退職後に行う健康保険・年金の手続きについて解説しているのでチェックしてみてください。
失業保険の申請
失業保険の申請は、退職後にハローワークで行いましょう。失業保険は、会社を退職後に経済的な心配をせず転職活動に集中するために受け取る手当です。結婚に伴う転居などにより、通勤が困難になったためやむを得ず離職した場合、「特定理由離職者」と認められる可能性があるでしょう。
通常、結婚は「自己都合による退職」となるため、失業保険(雇用保険)を受け取るまでに、原則として7日間の待期期間と、さらに2~3ヶ月の給付制限期間があります。
しかし、転居など結婚に伴うやむを得ない理由で離職した場合は、「特定理由離職者」として認められ、この給付制限が免除されるなど優遇措置を受けられるでしょう。退職後はハローワークへ行き、忘れずに申請することが大切です。
なお、「転居先で再就職する意思がない」「寿退社をして専業主婦(主夫)になる」といった場合は、失業保険の受給対象外となるのでご注意ください。
「失業保険を自己都合退職後にもらうには?給付制限期間や計算方法を解説!」のコラムでは、失業保険の受給要件や申請方法を紹介しているので参考にしてみてください。
【例文】結婚を理由に退職するときの伝え方
結婚を理由に退職する際は、伝える相手やシチュエーションによって、適切な伝え方やマナーがあります。適切な挨拶をすることで、退職後も良好な関係を維持できるでしょう。
ここでは、それぞれの状況に合わせた例文を紹介します。なお、例文はあくまで参考に留め、自分の言葉に置き換えると誠意が伝わりやすくなりますよ。
上司へ挨拶する場合
上司への退職の伝え方は、率直さと敬意が重要です。まずは退職の意向と理由を明確に伝え、これまでの感謝の気持ちを述べましょう。相手の反応に配慮しながら、引き継ぎなどの具体的な話に進むことがスムーズな退職につながります。
例文
「お時間をいただきありがとうございます。実は、このたび結婚することになり、△月△日をもって退職させていただきたいと考えております。これまで多くのご指導をいただき、心から感謝しています。
残りの期間も誠心誠意勤めさせていただきますので、引き続きご指導のほどよろしくお願いいたします。」
同僚へ挨拶する場合
同僚への伝え方は、上司より少しカジュアルに話しても問題ありません。ただし、同僚への挨拶は、上司に報告し、正式に退職が決定してから行いましょう。共に過ごした時間への感謝と、今後も関係を続けたい気持ちを素直に表現するのがおすすめです。
例文
「実は、結婚を機に△月△日で退職することになりました。一緒に働いてきたなかで、たくさんのことを学ばせてもらって本当に感謝しています。残りの期間もよろしくお願いします。退職後も連絡を取り合えると嬉しいです。」
退職日当日に社内の関係者へ挨拶する場合
最終日の挨拶は感謝の気持ちを中心に伝えましょう。長々と話すよりも、簡潔に心からの感謝を述べることが適切です。特にお世話になった方には、具体的なエピソードに触れると印象に残る挨拶になります。相手の仕事の邪魔にならないよう配慮することも忘れないようにしましょう。
例文
「本日で退職することになりました。これまで〇〇さんには大変お世話になり、たくさんのことを学ばせていただきました。新しい人生のスタートとなりますが、ここでの経験を活かして頑張ります。本当にありがとうございました。」
社内の関係者にメールで挨拶する場合
最終出勤日の業務終了後や翌日など、社内の関係者に一斉に送ります。メールで伝える際は、退職理由や感謝の言葉などを簡潔にまとめましょう。
例文
件名:退職のご挨拶
社員の皆様
お仕事中に失礼いたします。△△部の△△(自分の名前)です。
私事ではございますが、このたび結婚を機に退職させていただくことになりました。
△年△月に入社してから、皆様の温かいご指導のもと、一緒に働けたことを心より感謝申し上げます。
退職後は家庭を支える立場になりますが、△△社で培った経験を活かし、これから温かい家庭を築いてまいります。
本来なら直接ご挨拶するべきところ、メールでのご連絡となってしまい申し訳ございません。
末筆になりますが、△△社のさらなるご発展と、皆様のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げます。
(署名)
社外の関係者にメールで挨拶する場合
社外関係者へのメールでは、プロフェッショナルな印象を保ちつつ、必要な情報をもれなく伝えることが重要です。具体的には、退職日、後任者の連絡先、引き継ぎ情報などを明記します。結婚という個人的な理由は「一身上の都合」と表現するのがビジネスマナーとして適切でしょう。
例文
件名:退職のご挨拶
株式会社▽▽
営業部 ▽▽様
平素より大変お世話になっております。株式会社△△の△△(自分の名前)です。
私事ではございますが、このたび結婚を機に退職させていただくことになりました。
▽▽様には長きにわたってお仕事をさせていただき、大変お世話になりました。
今後は、同じ課の◎◎が担当を引き継ぐ予定です。
後日、◎◎より改めて▽▽様宛てにご連絡させていただきます。
今後とも変わらぬご指導のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
後任者の連絡先
ーーーーーーーーーーーーーー
氏名:◎◎(読み仮名)
電話番号:
メールアドレス:
ーーーーーーーーーーーーーー
末筆になりますが、▽▽社のさらなるご発展と、皆様のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げます。
(署名)
結婚を理由に退職する際の伝え方で気をつける点
退職理由の伝え方によって円満退職につながるか決まるため、誠実さと計画性をもって臨むことが大切です。以下で、結婚を理由に退職する際の伝え方で気をつける点を解説するので、うまく伝えられるか不安な方はチェックしてみてください。
結婚を理由にした退職で嘘をつくのは避ける
結婚退職の場合、会社に伝える退職理由で嘘をつくのは避けましょう。たとえ会社への不満があったとしても、それを退職理由に含めてしまうと、会社は「改善の余地がある」と判断し、部署異動や待遇改善を提案するなどして強く引き止めに遭う可能性があります。
退職理由が結婚の場合は、正直に「結婚に伴う転居するため」「新生活の準備に専念したいため」など、ポジティブな理由を伝えるのがおすすめです。結婚はおめでたいライフイベントです。正直かつ前向きな理由を伝えれば、会社も祝福とともに理解を示してくれるでしょう。
退職理由が結婚なら「一身上の都合」はおすすめしない
一般的に自己都合退職の際は「一身上の都合」を使うことが多いですが、結婚退職の場合はおすすめしません。「一身上の都合」で処理すると、会社側が後任の採用や引き継ぎの計画を立てにくくなる場合があります。
結婚に伴う転居など、やむを得ない退職理由であれば、雇用保険(失業保険)の給付で優遇される特定理由離職者に該当する可能性があります。そのため、退職理由を曖昧にせず、結婚退職であることを明確に伝えましょう。
言い出せないからといって急に退職を申し出るのは危険
退職を言い出しにくいからといって、急に退職を申し出るのは危険です。急な退職は、会社の人事計画や業務の引き継ぎに大きな支障をきたし、残された同僚に多大な迷惑をかけることにつながるため円満退職が遠ざかる恐れがあるでしょう。
会社への誠意を示すためにも会社の就業規則を確認し、余裕をもって直属の上司に伝えることが大切です。「言いづらい」と先延ばしにするよりも、早めに伝えることで会社側の準備期間を確保できるメリットもあります。退職は新しい人生のスタートなので、前向きな気持ちで伝えるようにしましょう。
結婚を理由に退職しても転職できる理由
結婚を理由に一度退職しても、「キャリアが途切れてしまい、再就職が難しくなるのでは?」と不安に思う必要はありません。しかし、結婚を理由に退職しても転職が難しくなるとは限りません。転職活動では、前向きな姿勢と自分のキャリアプランを明確に伝えることを心がけましょう。
以下で、結婚を理由に退職しても転職できる理由を解説するので、チェックしてみてください。
若い人材を求める企業はあるから
結婚を理由に退職しても転職できる理由は、若い人材を求める企業があるからです。特に、20代であれば、経験が少なくてもポテンシャルや学ぶ意欲、柔軟性などが重視される傾向があります。
基本的なビジネスマナーをしっかりとアピールできれば、未経験の分野で採用される可能性があるでしょう。たとえブランクがあったとしても、前職で培った専門的なスキルを活かせる企業であれば選考を有利に進められますよ。
「未経験でもできる仕事16選!正社員として就職するためのコツも紹介」のコラムでは、未経験でもできる仕事の特徴や未経験でもできる仕事を紹介しているので、仕事を選ぶとき参考にしてみてください。
企業で働き方が多様化しているから
現代の企業ではテレワークやフレックスタイム、時短勤務など、ライフステージに合わせた柔軟な働き方が可能になっているため、結婚を理由に退職しても転職できる可能性があります。
主な働き方の例と向いている人の特徴は、以下のとおりです。
| 働き方 | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| テレワーク | 場所を選ばずに働ける | 自己管理能力が高い人 |
| フレックスタイム | 出退勤時間の自由度が高い | 効率的に時間管理できる人 |
| 時短勤務 | 1日の労働時間を短縮できる | 家庭との両立を図りたい人 |
家庭との両立がしやすくなっており、結婚後の転職でも選択肢が広がっているといえるでしょう。退職後の働き方を考える際は、まずは配偶者としっかりと話し合い、今後のライフスタイルとキャリアプランを明確にすることから始めることが大切です。そのうえで、自身の状況や希望に最も合った働き方を見つけてみてくださいね。
ライフワークバランスを重要視している企業があるから
ライフワークバランスを重要視している企業があるのも、結婚を理由に退職しても転職できる理由の一つです。近年、従業員の幸福度や生活の質を重視する企業文化が広がっています。
ワークライフバランスを重視している企業を見極めるには、以下の項目をチェックするのがおすすめです。
- ・残業時間の実態
- ・有給休暇の取得率
- ・育児・介護関連制度の利用実績
- ・福利厚生の充実度
これらを確認するために、企業研究をしっかりと行うことが大切です。具体的には、応募先企業のWebサイトで公式に公開されている情報を確認したり、社員の生の声が集まる口コミサイトをチェックしたりするなど、多角的に多くの情報を集めることで自分が働きやすい企業か判断しやすくなるでしょう。
【まとめ】円滑に転職活動を進めたいならプロに頼ろう
退職を決めたら入籍前に会社へ伝え、3ヶ月前までには正式に手続きを開始しましょう。寿退社をするときは直属の上司に相談することから始め、仕事の引き継ぎや挨拶を丁寧に行うことが大切です。
「ライフプランに合った柔軟な働き方がしたい」「転職活動がうまく進むか不安」という方は、就職・転職エージェントのハタラクティブをご利用ください。ハタラクティブは、20代を中心とした若年層向けの就職・転職支援サービスです。
専属のキャリアアドバイザーとのカウンセリングをもとに、あなたの希望に合ったお仕事をご紹介します。求人紹介だけでなく面接対策も行いますので、選考前の事前準備についてもご安心ください。もちろん、これらのサービスはすべて無料です。ぜひお気軽にご相談くださいね。
寿退社に関してよくある質問
ここでは、寿退社に関してよくある質問をQ&A形式で回答します。
結婚を理由に退職する場合、履歴書に「結婚予定」を記載すべき?
結婚を理由に退職した場合、転職先の企業に伝える必要はありません。 履歴書には「一身上の都合により退職」と記載してOKです。
ただし、入籍や転居によって氏名や住所が変わる場合は、新しい情報を記載し、面接などで「△月に結婚(入籍)予定で、現在は新居に住んでいます」と伝えましょう。企業は長く働いてくれる人材を求めているため、入社後のライフプランを尋ねられた場合は、仕事への意欲を伝えるのがおすすめですよ。
寿退社する人へのプレゼントは何がおすすめですか?
寿退社する人へのプレゼントは、新しい生活ですぐに使える実用的なものや自分では買わない少し上質なものがおすすめです。
たとえば、新居で使えるおしゃれなキッチン用品やリラックスできる上質なアロマグッズなどが挙げられます。贈る相手との関係性や相手の好みに合わせて選びましょう。
寿退社する人にどんなメッセージを送るのが適切?
寿退社する人へのメッセージは、相手との関係性に応じてトーンを調整しましょう。上司や先輩など、関係性がフォーマルな相手には、「ご結婚おめでとうございます」「在職中の感謝」を丁寧に伝え、末永い幸せを祈るメッセージで締めくくります。
一方、個人的に親しい同僚や後輩には、上記に加え、「新婚生活を楽しんでね」といったプライベートへの応援や、「またご飯に行こう」など退職後も関係を続けたいという言葉を添えると心に残るメッセージになりますよ。
保育士が退職を伝えるタイミングはいつがいい?
保育士の退職は園の就業規則によりますが、業界の慣行では最低3ヶ月前、できれば半年前に伝えるのが理想です。保育園は年度途中の退職を避けたいこと、後任採用や新年度(4月)の準備に時間を要するためです。
特にクラス担任は、園への影響を最小限に抑えるため、年度末(3月)での退職が一般的。まずは就業規則を確認し、園長や主任に相談しましょう。
