この記事のまとめ

  • 試用期間に「合わない」と感じて退職する際は、理由を端的に伝えることがポイント
  • 「合わない」のが理由で試用期間に退職する際は、就業規則を確認してから上司に伝える
  • 病気やケガなどのやむを得ない理由がある場合、試用期間に即日退職が認められることも
  • 試用期間に退職するか迷ったときは、どのようなメリットやデメリットがあるか確認する
  • 試用期間に「合わない」と感じて退職する場合、円満退社に向けて適切な手順を踏むこと

試用期間に仕事や職場の環境などが合わないと感じ、退職したいと悩んでいる方もいるでしょう。入社前に仕事や企業の情報収集を行っていたとしても、働いてみないと分からないことはあるものです。

無期雇用契約の場合、2週間前までに申し出れば試用期間であっても退職はできますが、1ヶ月前までに申し出するように就業規則を設けている場合もあるので注意が必要です。

有期雇用契約の場合は、病気やケガなどのやむを得ない理由がない限り、基本的には契約期間が終了するまで退職できません。

このコラムでは、キャリアアドバイザーの板垣さんのアドバイスを交えつつ、試用期間に退職する際の流れや、円満退社に向けたコツを解説します。試用期間に「合わない」と感じて退職を申し出るときの例文もご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

試用期間に「合わない」と感じた場合の退職理由と例文

試用期間に職場や業務内容に対して「合わない」と感じることは珍しくありません。試用期間は、企業と従業員の双方が適性を確認するための大切な時間です。しかし、どうしても「合わない」と感じた場合、正直な気持ちを伝えると同時に、礼儀に配慮した言い方を意識する必要があります。

ここでは、試用期間に「合わない」と感じた際に伝える退職理由の例文をご紹介するので、どのように切り出したらいいか分からないと悩んでいる方は参考にしてみてください。

ハタラクティブ プラス在籍アドバイザーからのアドバイス

板垣拓実

板垣拓実

試用期間に仕事を辞める場合は、なぜ「退職したい」と感じたのか、理由をしっかりと自分の中で明確にしておくことが重要です。上司に退職を切り出す際は、感謝の気持ちも忘れずに伝えましょうね。
また、現在では「退職代行サービス」と呼ばれるものも存在します。試用期間に退職することで、会社とトラブルになるのを避けたい場合は、活用するのも一つの方法です。

社風が合わないとき

「試用期間を通じて入社前に私が勝手に想像していた社風と、実際の雰囲気にギャップを感じたため、退職したいと思っています。まだ試用期間の立場でありながら、このような形になり大変申し訳ありません。このまま仕事を続けても会社にご迷惑を掛けてしまうため、いろいろと考えた結果、退職を決断したなら早くお伝えしたほうが良いと思い、本日ご相談させていただきました」

会社の雰囲気は、入社してからでないと見えてこない部分が多いものです。試用期間に「合わない」と感じることは誰にでも起こり得ます。

 

しかし、試用期間に「社風が合わない」と感じ退職を決めた場合は、会社へのストレスをそのまま上司に伝えると、ネガティブな印象を与える恐れがあるのでおすすめできません。

なぜ社風が合わないかを詳しく伝える必要はないので、「自分が会社に順応できなかった」「勝手にイメージを固めてしまっていた」など端的に説明しましょう

仕事内容が合わないとき

「担当している仕事内容と、私のキャリア目標との間に乖離があるように感じたため、退職させていただきたいと思います。営業職は非常にやりがいのある仕事だと感じています。一方で、営業職の仕事を経験して、よりお客さまのニーズに応えられるような商品の企画や、開発に携われる業務に就きたい気持ちが大きくなりました。試用期間の身でありながら大変申し訳ありませんが、退職の決断に至りました」

選考時に採用担当者へ自分のキャリアプランや、携わりたい仕事を伝えていたとしても、入社後に希望と異なる部署へ配属されることもあるようです。しかし、試用期間に配属された部署が希望と違っても、会社や採用担当者、仕事内容を批判するのは避けましょう。

 

退職の意思を伝える際は、会社側に対して誠実な態度を示しつつ、自分自身の成長や将来のキャリアを考慮したうえでの決断であるとを伝えることが大切です

やむを得ないを得ない理由の場合は事実を正直に伝えよう

自分自身のケガや病気、家族の看護・介護、遠方への引っ越しなど、やむを得ない理由がある場合は、ありのままの事実を正直に伝えれば問題ありません。会社側も事情を理解して退職を受け入れてくれるでしょう。

一人ひとり、試用期間に退職したい理由や状況は異なります。自分の気持ちを尊重しつつ、社会人としてのマナーと会社に対する敬意をもって、退職の意思を上司に伝えましょう。

試用期間に「合わない」と感じたら退職できる?

試用期間に「合わない」と感じて退職することは可能です。ただし、無期雇用と有期雇用では退職のルールが異なります。雇用契約の内容によっては、退職できない場合もあるため注意が必要です。ここでは、「民法第八節 雇用」と「労働基準法 附則抄」を参考に解説していくので、試用期間に退職を検討している方はご一読ください。

無期雇用は2週間前までに申し出れば退職できる

無期雇用とは、一つの企業で期限なく働き続けることを想定した雇用契約です。試用期間を含め、正社員として企業に就職する多くの人が、この無期雇用に該当します。

民法第六百二十七条によると、「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。」と記載されているため、雇用契約が無期雇用であれば退職希望日の2週間前までに申し出れば退職が可能です

ただし、企業によっては業務の引き継ぎや、人材確保のために「退職は1ヶ月前までに申告する」といった就業規則が設けられている場合があります。今の職場を退職しようと検討している方は、就業規則を確認してみましょう。

有期雇用は雇用期間終了まで退職できない

有期雇用とは、雇用期間に定めがある働き方で、契約の満了日が設定されている雇用契約です。一般的には契約社員やアルバイト、パートなどで働く方が該当します。

有期雇用の場合、原則として雇用期間が終了するまで退職はできません。有期雇用は契約の満了日が決まっているため、やむを得ない事情がある場合を除き、雇用期間の途中で退職は難しいでしょう。

なお、「労働基準法第百三十七条」によると、有期雇用であっても雇用から1年以上経過していれば退職を申し出ることが可能となっています。

試用期間でも即日退職できる場合もある

先述のとおり、通常は退職を申し出ても即日退職はできません。しかし、状況によっては即日の退職が認められる場合があります。

即日退職が認められる場合の一例は以下のとおりです。

  • ・会社側が退職の申し出を受け入れて同意した場合
  • ・労働条件が労働契約の内容と著しく異なる場合
  • ・残業代の未払いがあった場合
  • ・パワハラやセクハラなど、ハラスメントによる理由の場合

ただし、即日退職は慎重に検討しましょう。即日退職すると、長期的なキャリアプランや転職活動の準備などに影響を及ぼす恐れがあります。やむを得ない理由や状況を除き、就業規則に従って退職の申し出をするのが望ましいでしょう

試用期間に退職しても給与はもらえる

試用期間に退職してもペナルティが発生することはなく、働いた分の給与はもらえます。たとえ入社から1ヶ月未満で退職したとしても、企業側は給与を日割りで計算した金額を従業員へ支払う義務があると労働基準法で定められているからです。

月給制の場合は日割り計算で、時給制の場合は実際に働いた時間分の給料が支払われます。試用期間に退職する際は、「何日働いたか」「試用期間中の給与額」を調べ、退職後に正しい金額が振り込まれたかを確認しましょう。

入社してすぐに退職した場合の給料や保険料については「入社してすぐ辞めるのはあり?給料はもらえる?退職までの流れも解説します」のコラムで解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

参照元
e-Gov法令検索
民法第八節 雇用
労働基準法 附則抄

試用期間とは

試用期間とは、新しく雇用した従業員の能力や勤務態度などをみて、企業で働く適性があるかどうかを企業側が見極めるための期間です。この制度を導入している企業では、一般的に3ヶ月から6ヶ月程度の試用期間を設けています。雇用された従業員にとっても、社風や求めるスキルとマッチしているか判断できる期間になるでしょう。

なお、試用期間は雇用上の必須項目ではありません。企業によっては、試用期間を経ずに本採用となる場合があるようです。試用期間に関する内容は労働契約書や就業規則に記載されているので、応募時に確認してみましょう。

試用期間の解雇について

企業側は、長期雇用を前提として試用期間を設けています。正当な理由なく試用期間に解雇されることは基本的にないでしょう。ただし、「著しく勤務態度が悪い」「能力が業務に見合っていない」など、企業側にとって本採用が難しいと判断する正当な理由がある場合、退職を勧められる可能性があるようです。

解雇されるケース

履歴書や職務経歴書で虚偽の内容を記載すると、経歴詐称となり試用期間に解雇される可能性があるでしょう。また、度重なる無断欠勤や遅刻といった勤怠不良や、就業規則違反を働くことも解雇の正当な理由となります。

ほかにも、スキル不足や仕事のミスにより業務や会社経営に重大な支障が出ると判断されると、解雇を通達される場合もあるようです。ただし、1回のミスで試用期間に解雇されることはありません。

厚生労働省の「労働契約の終了に関するルール 1解雇」では、企業が合理的な理由で従業員を解雇する場合のルールとして、以下の内容を挙げています。

  • ・解雇する際は少なくとも30日前に予告をする
  • ・予告を行わない場合、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払わなければならない
  • ・予告の日数が30日に満たない場合、不足日数分の平均賃金を解雇予告手当として支払う必要がある

どのようなケースが解雇に相当するかは、企業の就業規則に明記することが義務付けられています。就業規則に反する行為を行うと、試用期間であっても解雇されるので注意が必要です。

試用期間でクビにならないためには?前兆になることや対処法も紹介」のコラムでは、試用期間中にクビにならないための対策を紹介しています。こちらもぜひご覧ください。

参照元
厚生労働省
労働契約の終了に関するルール

解雇されないケース

企業側は本採用を見越したうえで、試用期間の働きぶりを見ています。試用期間に仕事をこなすスピードが遅かったり、業務でミスをしたりしても、それだけを理由に解雇されることはありません。また、働くうえで最低限の協調性やコミュニケーション能力も必要ですが、これらがうまくできないからといって、直接解雇につながることはないでしょう。

試用期間に病気やケガなどにより就労が困難な状況になった場合、療養に必要な期間によっては解雇や退職を勧められる場合も。回復後に復職の意思があるならば、上司に相談してみましょう。

試用期間中の福利厚生

試用期間中であっても条件を満たしていれば、社会保険へ加入できるのが一般的です。厚生労働省の「社会保険適用拡大ガイドブック」によると、2022年10月から正社員だけでなくアルバイトやパートで働く方の社会保険加入条件も拡大されました。ただし、社会保険へ加入できるかどうかは会社の従業員数や業務形態などによって異なるため、事前に確認が必要です。

一方、企業が独自に導入している福利厚生(社員旅行、社員割引、各種手当など)については、試用期間中は制限されることがあります。なぜなら、企業が正社員としての適性を見極める期間として、試用期間を位置づけているためです。

なお、試用期間中の賃金は、本採用後の賃金よりも低く設定されている場合があります。会社から提示された金額を時給に換算し、地域の最低賃金を下回っていないかを、厚生労働省の「地域別最低賃金の全国一覧」で確認してみましょう。

参照元
厚生労働省
社会保険適用拡大特設サイト
地域別最低賃金の全国一覧

試用期間に「合わない」と感じる理由

試用期間中に「自分に合わない」と感じることは、決して珍しいことではありません。「合わない」と感じる理由は、仕事内容や社風、人間関係などが挙げられます。以下で詳しく紹介するので、当てはまる理由があるか確認してみてください。

仕事内容が合わない

試用期間中に「合わない」と感じる主な理由の1つに、仕事内容が挙げられます。求人に掲載されている情報と実際の業務内容にギャップがある場合や、自分のスキルや適性が仕事にマッチしていないと感じる場合に起こりやすいでしょう

たとえば、「営業職として入社したのに、仕事内容は事務作業が大半を占めていた」「総務として働き始めたが、業務の幅が広く、自分の適性に合っていなかった」のような状況が考えられます。
仕事内容が理由で「合わない」と感じたら、まずはスキルアップに向けて学習してみたり、上司や人事部に配置転換の相談をしてみたりする方法を検討してみましょう。

社風や体制が合わない

社風や体制が自分の価値観・働き方と「合わない」と感じ、違和感を覚える場合もあるようです。入社して働き始めてみると、社風や体制が「想像と違った」と思うことは起こり得ます。

ただし、試用期間中は職場の環境や仕事に慣れる期間でもあるため、しばらく様子を見たうえで退職するかどうかの判断をしましょう

人間関係が合わない

職場の人間関係が理由で、試用期間に「合わない」と感じる場合があります。たとえば、「上司とのコミュニケーションがうまくいかない」「周囲と価値観が違い、孤立を感じる」「どうしても合わないと感じる同僚がいる」など、人間関係が合わないと感じる理由は人によってさまざまです。

職場の人間関係が合わないと感じて悩んでいる際は、信頼できる上司や社内の窓口に相談してみましょう。相談しても解決しそうになく、人間関係をリセットしたいと考える場合は、転職して新しい環境で働く選択肢もあります。

試用期間に「合わない」と感じたときの注意点

試用期間に「合わない」と感じることは、誰にでも起こり得ます。入社して間もないころは、仕事や職場の環境に慣れるために一定の時間が掛かるものです。

ここでは、試用期間に試用期間に「合わない」と感じたときの注意点を解説していきます。

理想がすべて叶うのは難しいと理解する

試用期間中に「合わない」と感じる理由の一つに、理想と現実のギャップが考えられます。すべて自分の理想が叶う仕事や職場を見つけるのは、現実的には難しいものです。

理想とする仕事や職場環境を求めるのは自然なことですが、働くうえで妥協するポイントもあると理解しておく必要があります。たとえば、仕事内容は魅力的でも通勤時間が長かったり、職場の人間関係は良好でも理想とする給料ではなかったりする場合もあるでしょう。

大切なのは、自分にとって譲れない条件と妥協できるポイントを見極めることです。仕事選びでは、自分の価値観や優先順位を明確にし、総合的に判断したうえで決断をしましょう。

仕事のレベルは後から追いつける

仕事のレベルについていけない不安から、試用期間に「合わない」と感じる場合があるようです。新しい職場では、最初は誰もが不安を感じるものです。仕事の内容や進め方に戸惑っても、焦る必要はありません。

大切なのは、学ぶ姿勢を持ち続けることです。業務に関して疑問があれば、積極的に質問したり上司や先輩社員にアドバイスを求めたりしましょう。

日々業務をこなすうちに、仕事のスキルは少しずつ向上していきます。最初は難しく感じていた業務も、繰り返し取り組むうちに徐々にこなせるようになっていくものです。焦らず自分のペースで着実にスキルアップを目指していきましょう

試用期間に辞めるメリット

仕事や職場の環境が合わないと感じた場合、早めに退職を決断することで、今後のキャリアや人生にとってプラスになる可能性があります。
ここでは、試用期間に辞めるメリットについて紹介していくので、仕事を続けるか悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。

精神的苦痛を感じていた場合ストレスから開放される

仕事でのストレスや精神的苦痛が原因で、試用期間に退職を決意する方もいるでしょう。そのような場合、仕事を辞めることによってストレスから解放されるメリットがあります。ストレスを抱えた状態で仕事を続けると、心身に影響を及ぼす恐れがあるので注意しましょう。

働くうえで、心身の健康を保つのは何よりも大切です。ストレスから解放されれば、転職をして次のステップへ進む意欲もわいてくるでしょう。

キャリアを見つめ直すきっかけになる

試用期間に退職すると、自分のキャリアを見つめ直す機会となります。自分が本当にやりたいことや今後のキャリアについて、深く考えるきっかけになるでしょう

短期間でも実際に働いてみることで、自分の強みや弱み、関心がより明確になる場合があります。自分自身と向き合い、納得のいく未来を築くためのステップだと考え前向きに取り組んでいきましょう。

新卒の場合は第二新卒として転職活動ができる

新卒入社で試用期間に仕事を退職した場合、第二新卒として転職活動が可能です。第二新卒とは、大学卒業後に就職したものの、3年以内に退職した方を指します。

厚生労働省の「若年者雇用を取り巻く現状」を参考に、第二新卒者に対し企業側が重視する項目を表にまとめました。

企業が第二新卒者に求めること割合
実務経験63.5%
熱意・意欲51.5%
行動力・実行力38.2%
コミュニケーション力36.5%

引用:厚生労働省「若年者雇用を取り巻く現状(2p)採用選考の際に重視する項目

第二新卒者に対し実務経験を求める企業が63.5%ともっとも多いとはいえ、熱意や意欲を重視する企業も51.5%と半数以上だと分かります。試用期間に退職したあとは、第二新卒として転職活動を行い、新たなステージでの活躍を目指しましょう。

第二新卒の就活について詳しく知りたい方は、「第二新卒とはいつまで?企業が求める理由や転職を成功させるポイントを解説」のコラムを参考にしてみてください。

参照元
厚生労働省
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社会保険加入前なら職歴として残らない

正社員として正規雇用を前提とした試用期間であれば、社会保険に加入するのが一般的です。しかし、何らかの事情により社会保険に加入していない、もしくは加入手続き前に退職する場合、職歴として残らない可能性があります。

試用期間の退職も履歴書に記載するのが基本

「試用期間の退職は履歴書に書かなくても良いのでは?」と考える方もいるでしょう。しかし、履歴書は自分の職歴を明らかにし、これまでの経験や学んだことを企業へ示す公的な書類。試用期間中に退職した場合でも、履歴書には嘘偽りなくその職歴を記載するのが基本です。

履歴書に書かないまま転職し、入社したあとに試用期間で退職していた過去があると企業側が知った場合、経歴詐称で解雇される可能性もあるでしょう。短期間であっても、働くことによって得たものは何かしらあるはずです。試用期間に身につけたスキルや経験を、あなたのアピールポイントとして転職活動に活かしましょう。

試用期間に辞めるデメリット

試用期間の退職は、メリットがある一方でデメリットもあります。仕事が「合わない」と感じて退職するかどうか迷っている方は、以下の解説でデメリットを把握したうえで検討してみてください。

会社の良いところを知らないまま退職する可能性がある

会社の雰囲気や業務内容は、試用期間の短い期間では分からない部分もあるでしょう。試用期間中に退職すると仲間同士の助け合いや上司の優しさ、やりがいなど、本当の魅力を知らないまま会社を去ってしまう可能性があります。

最初は苦手に感じた業務や環境も、時間とともに慣れて楽しさを見出せる場合があるでしょう。すぐに退職するかどうか判断せず、試用期間を乗り越えることを目標に仕事を続けてみるのも選択肢の一つです。

辞めぐせがつきやすくなる

試用期間の退職を経験すると、「辞めぐせ」がつきやすくなるデメリットがあります。辞めぐせがつくと、仕事や環境に少しでも不満を感じた場合に、早期退職を何度も繰り返す可能性があるため注意が必要です

試用期間での退職を選択するときは、その後のキャリアパスにどのような影響を与えるのか、転職しないと問題は解決できないのかを慎重に考えましょう。

雇用保険加入期間が1年未満の場合は失業保険をもらえない

会社を退職すれば必ず失業保険(雇用保険の基本手当)をもらえるわけではありません。退職後に失業保険を受給するためには、以下2点の条件を満たす必要があります。

  • 1.ハローワークで求職申し込みを行い、積極的に就職活動をしているが失業状態にある
  • 2.退職日からさかのって2年間に、雇用保険の被保険者であった期間が通算1年以上ある


つまり、試用期間が始まった日から1年未満で退職した場合、失業保険の受給対象外となるのです。失業保険がもらえないと収入がなくなるため、次の仕事が決まり給料が入るまでの間は生活資金の確保が難しくなるでしょう。

ただし、解雇や倒産による自己都合ではない退職の場合、6ヶ月以上雇用保険に加入していれば失業保険を受け取れます。試用期間に退職する際は、失業保険が受け取れない可能性があると把握しておきましょう。

参照元
ハローワークインターネットサービス
基本手当について

転職活動時にマイナスな印象を与える恐れがある

試用期間中の退職は、転職活動時の選考でマイナスな印象を与える恐れがあります。早期退職すると「採用してもまたすぐに辞めてしまうのでは?」といった懸念を企業側に抱かれる可能性も。企業側は、人材確保や育成に時間とコストを掛けています。そのため、採用した従業員には長期的な活躍を期待するのが一般的です。

試用期間に退職したあとに転職活動をする際は、面接で反省点を述べるとともに、長期勤務への意欲をしっかりとアピールすることが重要です。

早期退職の理由は面接でどう伝える?伝え方のポイントや例文を紹介!」のコラムでは、面接官を納得させる早期退職した理由の伝え方を紹介しています。転職を検討している方は参考としてぜひご覧ください。

退職理由はポジティブな内容にまとめておこう

転職活動では、「なぜ試用期間に辞めたのか」と退職理由について質問される傾向にあります。その際に退職理由を明確に伝えられないと、採用担当者にマイナスの印象を与える恐れがあるため気をつけましょう。
退職理由を伝える際は、「より専門的なスキルを身につけたいと考えたため」「新しい挑戦に取り組みたいと考えたため」のように、ポジティブな内容を意識してまとめておくことが大切です。

試用期間に円満退社するには?基本の流れ

試用期間中に退職を決意した場合、円満退社に向けて適切な手順を踏んで対応を進めていきましょう。突然の退職は会社側に迷惑を掛けるため、退社までの流れを確認して慎重に進める必要があります。
ここでは、円満退社に向けた基本の流れを紹介しているので、退職を検討している方は参考にしてみてください。

試用期間に円満退社するには?基本の流れ

  • 退職に必要な手続きを確認する
     
  • 直属の上司に伝える
     
  • 退職届を提出する
     
  • 業務の引き継ぎをする

1.退職に必要な手続きを確認する

試用期間に退職を決意したら、まず会社の規定や契約書を確認し、必要な手続きについて把握しましょう。会社によっては退職の申し出に関して就業規則で定めているため、事前に確認することが大切です。

また、退職すると健康保険や年金などの手続きを自分で行います。退職後は「離職票」「源泉徴収票」「雇用保険被保険者証」などの書類を受け取る必要もあるので、不明な点があれば上司や人事部などに相談してみましょう。

退職時の社会保険の手続きとは?具体的な方法や注意点を解説します」のコラムでは、退職時に必要な社会保険の手続きについて解説しています。社会保険の手続きについて詳しく知りたい方はぜひご覧ください。

2.直属の上司に伝える

退職の申し出に関する規則や必要な手続きを確認したら、直属の上司に退職する旨を伝えましょう。仕事中に作業をしながら伝えるのではなく、上司に「ご相談したいことがあるので、時間を作っていただけないでしょうか」と事前に相談してアポイントメントを取り、一対一できちんと話す場を設けることが大切です。退職の相談をする際は、自分の考えをしっかりと伝えつつ、上司の意見にも耳を傾けましょう。たとえば、「もう少し続けてみては?」と提案を受けることも想定されます。辞める決意が固まっている場合は、退職したい旨をはっきりと伝えましょう。

電話やメールで「退職したい」と伝えても良いの?

面と向かって、試用期間の退職を言い出すのは勇気がいることだと思います。しかし社会人として、「退職」といった重要な話を電話やメールで済ませるのは避けましょう。ただし、病気やケガなどのやむを得ない理由で直接伝えるのが難しい場合、電話やメールなどで相談する方法があります。

短期間であっても、試用期間に出会った上司はお世話になった相手です。誠意をもって、直接退職したい旨を伝えましょう。

3.退職届を提出する

上司に退職の意思を伝えて、退職日が正式に決定したあとに退職届を提出します。上司ではなく人事部への提出を求められる場合もあるので、誰に退職届を提出すべきかは事前に確認しておきましょう。退職届を提出すると、基本的には試用期間の退職を撤回することはできません。

なお、退職届と似た書類に「退職願」がありますが、これは退職の意思を伝えるためのものです。「辞表」は会社の役員や、取締役といった会社と雇用関係にない方が役職を辞する場合にのみ使用します。誤って「退職願」や「辞表」を提出しないように気をつけましょう。

4.業務の引き継ぎをする

スムーズな退職や円満退社に向けて、業務の引き継ぎ作業は非常に重要です。自分が担当していた業務を、後任者がスムーズに引き継ぎできるよう、分かりやすくまとめた資料の作成や口頭で説明を行いましょう

引き継ぎをするときは、退職日から逆算してスケジュールを組み、滞りなく行うことがポイントです。

退職日まで責任をもって自分の仕事を全うしよう

退職の意思を伝えたあとも、退職当日の業務を終えるまでは真摯に仕事と向き合いましょう。転職先で、今の会社が取引関係になる可能性もあります。最後まで真摯に仕事に取り組み、責任をもって対応する姿勢が大切です。
また、退職日までに関わった人たちに対して、在職中にお世話になった感謝やお礼を伝えることも忘れないようにしましょう。

試用期間中の退職を繰り返さないためにできること

試用期間の退職を繰り返すと、企業による早期退職への懸念から転職活動が難航する可能性があります。退職の繰り返しを避けるためには、自己分析や企業研究などの適切な対策を行いましょう。

ここでは、試用期間中の退職を繰り返さないためにできる具体的な方法を紹介します。

自己分析を徹底する

試用期間の退職を繰り返さないためには、企業を選ぶ前に自己分析をしっかりと行うことが大切です。自己分析とは、自分のスキルや適性、価値観を深く理解するための方法を指します。

たとえば、「仕事で一番大切にしたいことは?」「何をすれば自分が満足できるか?」「この先どのようなスキルを身につけてキャリアを築きたいのか?」などの問いかけを通して、客観的な視点をもって自分自身を見つめてみましょう。

自己分析を徹底して行うと自分に対する理解が深まり、「自分の強みを活かせる仕事」「興味をもつ業界や職種」がおのずとみえてきます。

企業研究を行い理解を深める

企業研究とは、会社の業務内容をはじめ、社風や業績の動向、実際に働いている従業員の評価などを調査する方法を指します。求人サイトに記載のある内容だけでなく、企業のWebサイトやニュース、口コミサイトなどを参考にしてみましょう。

企業の理念や文化、行っている事業、将来性などを把握すると、入社後のミスマッチを防げます

就職・転職エージェントに相談する

就職・転職エージェントを利用し、プロの視点をもつキャリアアドバイザーのサポートを受けるのもおすすめです。エージェントでは、世の中にある職業や業界についての情報を得られるだけでなく、適性に合った求人の紹介や自己分析の効果的なやり方、自己PRのコツなども教えてもらえますよ。

ハタラクティブは既卒や第二新卒、フリーターなどを含む20代の若年層に特化した就職・転職エージェントです。「自分に合う仕事が分からない」「次こそは試用期間の退職を避けて長期的に働きたい」と考えている方を、全面的にバックアップします。

ハタラクティブで扱う求人は、企業に直接インタビューを行っているので、入社後のミスマッチも避けられるでしょう。

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試用期間中の退職に関するよくある質問

ここでは、試用期間中に仕事が「合わない」と悩んでいる方が感じる疑問をQ&A形式にしてお答えしていきます。辞めるかどうか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

試用期間に辞めるのが気まずいため退職に踏み切れません

試用期間だと早期退職になるため、気まずさを感じて踏み切れないと悩むのは致し方ないでしょう。しかし、自分のキャリアや幸せのためには、勇気を出して退職する旨を伝えることが大切です。

長期的に見れば、自分に合わない環境に留まり続けるよりも、早期に退職を決断するほうが自分や会社にとってプラスになると考えられます。退職する際は、コラム内の「試用期間に円満退社するには?基本の流れ」も参考にしてみてくださいね。

試用期間で辞める人は多いですか?

厚生労働省の「【表】新規学校卒業就職者の在職期間別離職状況」では、令和3年3月に卒業して就職した新規学卒者における3年以内の離職率を公表しています。資料によると、1年目で退職した高卒の方は17.4%、大卒の方は10.9%でした。

こちらの資料は新規学卒者のみのデータですが、1年目のうちに辞めている方は一定数いると分かるでしょう。

参照元
厚生労働省
新規学卒者の離職状況

パートが試用期間で辞める際の退職理由で「合わない」はありですか?

合わない理由で試用期間中に退職することは、パートに限らずほかの雇用形態にも当てはまります。試用期間に「合わない」と感じて、対処法を試しても解決しそうにないのであれば、できるだけ早く退職の意思を伝えることが大切です。

退職の意思を早めに伝えると、会社側も早期に次の採用活動を始められるため、お互いにとってメリットがあるでしょう。

試用期間に退職するときの伝え方を教えてください

試用期間中に退職する際は、就業規則を確認して上司にアポイントメントをとってから伝えましょう。

たとえば「試用期間中ではありますが、△△の理由により退職させていただきたいと思っています。このような形になり申し訳ございませんが、真剣に考えた結果、退職する決断に至りました」のように、会社に対する批判を避けつつ端的に伝えることがポイントです。

コラム内の「試用期間に「合わない」と感じた場合の退職理由と例文」では、理由別に退職の伝え方を紹介しています。詳しく知りたい方はぜひ確認してくださいね。

仕事が「合わない」と感じて退職するか続けるか悩んでいる方は、就職・転職エージェントのハタラクティブにご相談ください。キャリアアドバイザーがあなたの抱える悩みや希望に寄り添い、全面的にサポートいたします。