この記事のまとめ

  • 就業手当は、長期的な就業の促進などの理由から2025年3月31に廃止されている
  • 就業手当の受給を考えている人は「就業促進定着手当」がもらえるかどうか確認しよう
  • 「就業促進定着手当」は6ヶ月以上の雇用かつ前職より賃金が下がった場合にもらえる
  • 「失業保険」と「就業促進定着手当」のもらい方についても理解を深めておこう
  • 早期に再就職を叶えたい人はエージェントを活用しよう

就業手当がもらえないのはなぜ?といった疑問を抱いている人もいるでしょう。前提として、就業手当は安定した職業への定着などの理由から2025年3月31をもって廃止されています。しかし、再就職する際に6ヶ月以上の雇用を前提としている人は「就業促進定着手当」がもらえる可能性があるので、事前に確認しておきましょう。

本コラムでは、キャリアアドバイザーの中野さんのアドバイスを交えつつ、就業手当が廃止された理由や「就業促進定着手当」の受給条件やもらい方について解説しています。必要なときに困らないよう、あらかじめ理解を深めておきましょう。

就業手当は2025年3月31に廃止されている

就業促進手当の1つである就業手当は、2025年3月31日をもって廃止されています。就業手当の支給実績や現状の人材不足状況を踏まえて就業手当の在り方が見直された結果、廃止となりました。

就業促進手当の見直しは、就職活動をより効果的に促進し安定した職業への定着を支援するためとされています。具体的には、短期間の就業よりも正社員などの安定した職業への早期再就職をより強く促すことを目的としています。

就業手当の受給を希望していた人の中で、再就職先で6ヶ月以上の雇用を前提としている人は「就業促進定着手当」が受給できるか確認しましょう。後述で、「就業促進定着手当」の受給条件やもらい方について解説しているので、参考にしてください。

参照元
厚生労働省
第197回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会

就業促進手当とは?

雇用保険の失業等給付の就職促進給付の中の「就業促進手当」には「再就職手当」「就業促進定着手当」「常用就職支度手当」があります。再就職手当は失業保険(基本手当)の受給資格者が、所定給付日数の3分の1以上を残して安定した職業に就いた場合に支給される手当です。

常用就職支度手当は、再就職が特に困難な方(障害のある方など)が、安定した職業に就いた場合に支給される手当です。「就業促進定着手当」については後に詳しく解説するので、参考にしてください。

その概要は以下のとおりです。

就業手当とはどういう制度だった?

就業手当は、失業給付(基本手当)の受給者が、給付終了予定日より前に再就職した場合に支給される手当です。この制度の目的は、失業者の早期再就職を経済的に後押しすることでした。

具体的には、失業給付の受給資格者が、非正規雇用で1年未満の契約で就職した際に受給できる制度です。就業手当をもらうためには、この他にもいくつかの条件があるので確認していきましょう。

就業手当を受給するための条件

就業手当を受け取るためには、以下のすべての条件を満たす必要があります。主な受給条件は以下の通りです。

  • 就業日の前日の基本手当の支給残日数が、所定給付日数の3分の1以上かつ45日以上であること
  • 再就職手当の支給対象とならない職業に就いたこと
  • 離職前の事業主(関連事業主を含む)に再び雇用されたものではないこと
  • 待期期間が経過した後に就業したこと
  • ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介により就職したこと
  • 求職の申し込みをした日より前に、雇い入れを約束した事業主に雇用されたものでないこと

上記の中でとくに注意が必要なのは、支給残日数についてです。就業手当を受給するには、再就職した日の前日までに、失業保険の基本手当をもらえる合計日数が3分の1以上残っており、それが45日以上の必要があります

参照元
厚生労働省
就職促進給付について

就業手当の計算方法

就業手当の計算方法は、「受給額=基本手当日額×30%×就業日数」です。基本手当日額とは、失業保険の基本手当で受け取る1日当たりの支給額で、就業日数は再就職先で働いた日数を指します。

たとえば、基本手当日額が5,000円で就業日数が20日の場合は、「5,000×30×20=30,000」の計算式となり、3万円が就業手当の支給額となります。

就業手当は上限金額が定められている

就業手当の支給額には上限があります。2023年11月現在で、1日当たりの支給上限額は1,887円、60歳以上65歳未満の方は1,525円です。就業手当の計算で、「基本手当日額×30%」の金額が1,887円を超えた場合は、「1,887円×就業日数」で受給額を出します。

就業手当のもらい方

就業手当を受給するための手順は、以下の通りです。

  • 1.ハローワークで失業保険の手続きを行う
  • 2.就職先を決める
  • 3.就業手当を申請する

就業手当を受給するためには、まずハローワークで失業保険の手続きを行いましょう。失業保険の手続きが終わったら、基本手当を受給しながら求職活動を行います。就職先が決まったら、基本手当の支給日数が所定給付日数の3分の1以上、かつ45日以上残っているか確認しましょう。

就業手当の受給条件をすべて満たしていれば、失業認定を受ける日にハローワークへ行き、受給の申請をします。

ハタラクティブ プラス在籍アドバイザーからのアドバイス

中野 来未

中野 来未

就業手当の廃止により、短期的なアルバイトではなく、正社員や長期雇用のキャリアを視野に入れることで、再就職手当や就業促進定着手当など、より大きなメリットを得られる可能性があります。

再就職を考え始めたら、一人で悩まず、まずは就職・転職のプロに相談してみましょう。ハタラクティブでは、あなたの希望やスキルに合った求人を厳選して消化しするだけでなく、書類作成のサポートや面接対策など、あなたの就職・転職活動をマンツーマンでサポートします。

就業促進定着手当について

「就業促進定着手当」は単に早期再就職を促すだけでなく、その後の雇用の安定性にも焦点を当てています。つまり、就職してすぐにまた離職するのではなく、長く続けられる仕事に就くことを奨励する仕組みになっています

失業と就職を繰り返すのではなく、一度就職したらその職場で継続して働くことができれば、個人の生活の安定にもつながるでしょう。また、企業側にとっても人材の定着率向上というメリットがあります。

ここでは、就業促進定着手当の受給条件やもらい方を解説します。廃止となった就業手当を受給しようと思っている人は、就業促進定着手当を受給できるか一緒に確かめてみましょう。

就業促進定着手当とは

就業促進定着手当は、再就職手当の支給を受けた方が、再就職先で6ヶ月以上雇用され、かつその間の賃金が離職前の賃金よりも低かった場合に、基本手当の支給残日数の20%を上限として、低下した分の賃金の6ヶ月分を支給する制度です

就業手当の廃止と同時に就業促進定着手当の内容も見直され、支給残日数の上限が40%から20%となりました。

就業促進定着手当の受給条件

就業促進定着手当を受け取るためには、いくつかの条件を満たす必要があります。主な受給条件は以下の通りです。

  • 再就職手当の支給を受けていること
  • 再就職した日から、同じ事業主に6ヶ月以上、雇用保険の被保険者として雇用されていること
  • 再就職後の6ヶ月間の1日分の賃金が、離職前の賃金日額を下回っていること

上記に加えて、起業により再就職手当を受給した場合や離職前の賃金日額が下限額の場合は対象外となるため注意しましょう。また、正社員だけでなく、派遣社員やパート・アルバイトでも、雇用保険に加入していて週20時間以上働いていれば対象となります。ただし、自営業や個人事業主は対象外です。

就業促進定着手当の計算方法

就業促進定着手当の計算方法は以下のとおりです。

(離職前の賃金日額 - 再就職後6ヶ月間の賃金の1日分の額)× 再就職後6ヶ月間の賃金の支払基礎となった日数

支給額には上限があり、上限額は基本手当日額 × 支給残日数 × 20%とされています。

就業促進定着手当のもらい方

就業促進定着手当のもらい方は再就職手当の支給決定通知書とともにハローワークから郵送される「就業促進定着手当支給申請書」に、以下の書類を沿えて手続きを行います

  • 雇用保険受給資格者証
  • 就職日から6ヶ月間の出勤簿の写し
  • 給与明細または賃金台帳の写し

申請期間は、再就職日から6ヶ月経過した日の翌日から2か月間です 。申請は、再就職手当を申請したハローワークへ郵送でも可能です 。

参照元
厚生労働省
再就職手当を受給した皆さまへ

失業保険のもらい方

失業保険は、離職後に再就職をめざす方が安心して生活しながら求職活動を行えるように支援する制度です。受給のためには、まずお住まいの地域を管轄するハローワークで手続きを行う必要があります。

受給手続きには、会社から受け取った「離職票」と、マイナンバーカード、本人名義の預金通帳、証明写真2枚などが必要となります。ハローワークで受給資格が決定すると、「雇用保険説明会」に参加します。その後、7日間の待期期間を経て、失業状態の認定を受けることで、失業保険(基本手当)が支給されます。

まだ失業保険の申請をしていない人は、「退職後にハローワークで行う手続きって何?失業保険の受給条件や手順を解説」のコラムを参考に自分が受給条件に当てはまるか確認しましょう。

失業保険受給の条件

失業保険(基本手当)を受給するには、主に2つの条件を満たす必要があります。第一に、離職理由に関わらず「失業の状態」にあること、第二に、雇用保険の被保険者期間が一定以上あることです。それぞれの条件の詳細は以下のとおりです。

「失業の状態」であること

  • 仕事を辞めた後、「働きたい」という気持ちがあり、すぐにでも働ける状態であること
  • そして、実際に仕事を探しているけれど、まだ見つからない状態であること

雇用保険に一定期間入っていたこと

  • 会社を辞めるまでの間に、雇用保険に入っていた期間が一定以上あること
  • 会社都合の退職(倒産や解雇など)の場合は直近1年間で6ヶ月以上、雇用保険に加入していること
  • 自己都合の退職の場合は直近2年間で12ヶ月以上、雇用保険に加入していること

病気やけが、出産、育児などで「すぐに働けない状態」の方は、基本的には受給資格がありませんが、「受給期間延長」の手続きを行うことで、働くことが可能になった後に受給できる場合があります。

基本的に離職日以前の2年間に12ヶ月以上の被保険者期間が必要となります。しかし、会社の倒産や解雇など、やむを得ない理由で離職した方(特定受給資格者・特定理由離職者)は、離職日以前の1年間に6ヶ月以上の被保険者期間があれば受給資格を得られます。

これらの条件に加え、自営業の開始や会社の役員に就任した場合、学生や家事に専念している場合など、基本的に失業保険の支給を受けられない場合があります。詳細は、必ずハローワークで確認することが重要です。

参照元
厚生労働省
離職されたみなさまへ

エージェントを活用して再就職を目指そう

就業手当は、支給実績や2025年3月31日をもって廃止となりました。就業手当の受給を考えている人は「就業促進定着手当」の受給資格があるか確認しましょう。就業促進定着手当は、「転職したものの給与の低いから辞めよう…」といった早期退職を防ぎ、長期的な就労を支援するための制度です。

失業保険などの支援を受けながら再就職を目指すものの、思いのほか就職活動が長引き、経済的に苦しくなることも考えられます。できるだけ早く自分に合った転職先を見つけたい人には、ハタラクティブがおすすめです。

ハタラクティブでは、プロのアドバイザーがマンツーマンでカウンセリングを行い、悩みや希望に合わせた求人を紹介します。また、求職活動中の疑問についても丁寧に相談に乗ってくれるので、不安を解決しながら求職活動に臨むことが可能です。サービスはすべて無料なので、ぜひ一度ご相談ください。

就業手当に関するFAQ

ここでは、就業手当についてよく寄せられる質問に答えていきましょう。

再就職手当をもらわないと損?

再就職手当や就業促進定着手当をもらわないと確かに、経済的には損する可能性がありますが単純にお金だけで判断するべきではありません

たとえば、再就職手当や就業促進定着手当を受給したいがために、自分に合わない仕事に就職してすぐに辞めてしまうと、かえって長期的にはキャリアにマイナスとなります。再就職手当をもらうために焦って就職を決めるのではなく、自分のスキルや志向に合った仕事を見つけることが大切です。

ハタラクティブでは、キャリアアドバイザーが丁寧にカウンセリングを行い、あなたに合った求人を紹介します。未経験からOKな求人が全体の8割と、新しい分野で挑戦したい方にもおすすめです。

正社員じゃなくても再就職手当はもらえるの?

正社員でなくても、一定の条件を満たせば再就職手当や就業促進定着手当はもらえます。派遣社員やパート・アルバイトの場合でも、条件を満たせば受給対象となります。

ただし、自営業や個人事業主として働き始める場合は対象外となります。また、同一事業所に再雇用される場合も、基本的に支給対象外となりますので注意が必要です。

参照元
厚生労働省
Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~