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就業手当とは?受給する条件やもらい方を解説!

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この記事のまとめ

  • 就業手当とは、失業保険受給者が1年未満の非正規雇用契約が決まった際に受け取る手当
  • 就業手当と再就職手当のどちらを受け取れるかは、再就職先の雇用期間の長さで決まる
  • 就業手当で受け取れるのは、失業保険の基本手当の日額から3割に相当する金額
  • 就業手当を受給するためには、設けられている条件すべてに該当する必要がある
  • 就業手当の手続きはハローワークで行い、最初に失業保険の手続きが必要となる

求職活動中の方であれば、「就業手当」という言葉を一度は耳にしたことがありますよね。ただ、就業手当の対象者や申請方法、失業保険の基本手当との違いなど、詳しくご存じの方は多くないでしょう。

就業手当とは、失業保険の受給資格のある方が対象で、非正規雇用契約が決まった際に受け取れる手当のことです。就業手当を受給するためには、細かい条件が設定されており、それらをすべて満たしている場合のみ受給できます。

このコラムでは、キャリアアドバイザーの太田さんのアドバイスを交えつつ、就業手当の受給条件や申請の手順についてまとめました。必要なときに困らないよう、あらかじめ手順を確認しておきましょう。

就業手当とは何?

就業手当とは就職促進給付の一種で、失業保険の受給資格がある方が、1年未満の非正規雇用契約(パートやアルバイトなど)が決まった際に受け取れる手当です。この手当は、新たな職場に定着して安定した収入を得るための支援となっています。

就業手当を受け取るには一定の条件を満たす必要があるため、すべての方が受け取れるわけではない点に注意しましょう。

就業手当・失業保険の基本手当・再就職手当との違い

失業保険の基本手当は、仕事を失った際に、再就職するまでの生活資金として給付されるものです。これに対し再就職手当は、失業保険を受給している期間中に再就職した方に対して支給される手当をいいます。

就業手当と再就職手当は失業中の給付を目的としているわけではなく、再就職が決まった後に支援を受ける制度です。失業保険の基本手当とは支給のタイミングや目的が異なります。就業手当と再就職手当の違いについては以下の表をご確認ください。

 就業手当再就職手当失業保険の基本手当
支給の目的早期再就職の促進早期再就職の促進生活および雇用の安定
支給のタイミング再就職したとき再就職したとき失業から再就職するまで
再就職先の雇用期間1年未満1年以上 

就業手当と再就職手当の違いは、再就職先の雇用期間の長さです。1年未満の場合は就業手当、1年以上の場合は再就職手当となります。

まだ失業保険の申請をしていない人は、「退職後にハローワークで行う手続きって何?失業保険の受給条件や手順を解説」のコラムを参考に自分が受給条件に当てはまるか確認しましょう。

就業手当で受給できる金額と期間

就業手当は就業日1日につき、失業保険の基本手当の日額から3割に相当する金額が支給されます。また、支給される期間は再就職後の就業日数分ですが、これが失業保険の基本手当の支給残日数を上回っている場合は、失業保険の基本手当の支給残日数分受け取れることになるようです。

さらに注意が必要なのは、就業手当を受けた日は失業保険の基本手当が支給されたものとみなされるので、働いた日数だけ失業保険の基本手当の支給残日数が減ります。

ハタラクティブ プラス在籍アドバイザーからのアドバイス

太田雅子

太田雅子

「就業手当と再就職手当は併用して受け取れるの?」と質問されることがありますが、残念ながら同時に受け取ることはできません。就業手当の支給条件は再就職先の雇用期間が1年未満、再就職手当支給条件は1年以上と、対象となる条件が異なるからです。

また、再就職手当は就業手当より給付率が高く、長期雇用となる場合が多いので、長い目で見ると再就職手当がおすすめです。わたしたちハタラクティブでは、あなたの適性や希望に合わせて、長く働ける企業を探すお手伝いをしています。

就業手当を受給するための条件とは?

厚生労働省の「就職促進給付」によると、就業手当は失業保険の基本手当の受給資格がある者のうち、以下のすべての条件に該当する場合のみ支給するとしています。

1.就業日の前日における基本手当の支給日数が所定給付日数の3分の1以上、かつ45日以上残っている
2.就業したものである
3.関連事業主を含めて、離職前の事業主に再び雇用されたものではない
4.雇入れの約束を失業保険の申請前にしていた事業主からの雇用でない
5.7日間の待期期間が経過してから就業している
6.自己都合退職で給付制限期間中の場合、待期期間終了から1ヶ月の間の就業はハローワークなどの職業紹介事業者の紹介である

ここで注意が必要なのは(1)についてです。就業手当を受給するには、再就職した日の前日までに、失業保険の基本手当をもらえる合計日数が3分の1以上残っており、それが45日以上の必要があります。受給条件に該当するかどうか分からない場合は、ハローワークへ問い合わせてみると良いでしょう。

参照元
厚生労働省
就職促進給付について

再就職手当の受給条件

ハローワークインターネットサービスの「再就職手当のご案内」によると、再就職手当を受給するには、「基本手当の受給資格がある方が安定した職業に就いた場合に、基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あり、一定の要件に該当する場合に支給されます。」とあります。詳しくはハローワークのインターネットサービスを確認してみてください。

参照元
ハローワークインターネットサービス
就職促進給付

就業手当の計算方法

自分がもらえる就業手当がいくらになるのか、気になる方は多いですよね。就業手当の計算方法は、「受給額=基本手当日額×30%×就業日数」です。基本手当日額とは、失業保険の基本手当で受け取る1日当たりの支給額で、就業日数は再就職先で働いた日数を指します。

たとえば、基本手当日額が5,000円で就業日数が20日の場合は、「5,000×30×20=30,000」の計算式となり、3万円が就業手当の支給額となります。

就業手当は上限金額が定められている

就業手当の支給額には上限があります。2023年11月現在で、1日当たりの支給上限額は1,887円、60歳以上65歳未満の方は1,525円です。就業手当の計算で、「基本手当日額×30%」の金額が1,887円を超えた場合は、「1,887円×就業日数」で受給額を出します。

就業手当のもらい方

就業手当を実際にもらうための手順は、どのように進めるのでしょうか。以下で、就業手当を受給するまでの手順を詳しく解説したので参考にしてください。

ハローワークで失業保険の手続きを行う

就業手当を受給するためには、まずハローワークで失業保険の手続きを行いましょう。手続きが終わり受給資格が認定されれば、初回の説明会に参加し、4週に1度の失業認定を受けるためハローワークに通う必要があります。

就業手当をもらうために必要なもの

ハローワークインターネットサービスの「雇用保険の具体的な手続き」によると、雇用保険の手続きには以下の書類が必要とされています。

・雇用保険被保険者離職票
・個人番号確認書類(マイナンバーカード、通知カード、個人番号の記載のある住民票のいずれか一つ)
・身元(実在)確認書類
(運転免許証、運転経歴証明書、マイナンバーカード、官公署が発行した身分証明書・資格証明書のうちいずれか1種類)
(あるいは、公的医療保険の被保険者証、児童扶養手当証書などのうち異なる2種類)
・写真(最近の写真、正面上三分身、縦3.0cm×横2.4cm)2枚
・本人名義の預金通帳又またはキャッシュカード

なお、会社から離職票が交付されない場合は、住居地を管轄するハローワークに相談しましょう。

参照元
ハローワークインターネットサービス
トップページ

就職先を決める

失業保険の手続きが終わったら、基本手当を受給しながら求職活動を行います。就職先が決まったら、基本手当の支給日数が所定給付日数の3分の1以上、かつ45日以上残っているか確認しましょう。再就職先の雇用期間が1年以上の場合は再就職手当の対象となるため、申請する際は注意が必要です。

仕事の探し方は?20代・30代別や適職がわからない場合のやり方をご紹介」のコラムでは、年代別の仕事の探し方をまとめています。

就業手当を申請する

就業手当の受給条件をすべて満たしていれば、失業認定を受ける日にハローワークへ行き、受給の申請をします。申請時は、以下の書類が必要となります

・失業認定申告書(求職活動の状況を記入する書類)
・就業手当支給申請書(就業手当を申請する書類)
・雇用保険受給資格者証
・就業したことを証明する書類

就業手当支給申請書は、ハローワークで受け取れます。また、ハローワークインターネットサービスからダウンロードも可能なので、必要な方は確認してみましょう。

就業手当がもらえるかもらえないか分からないときは?

就業手当を申請する条件や受給できる金額には細かい規定があるため、「自分が対象となるか分からない」と悩んでいる方もいますよね。就業手当について不明な点がある場合は、受給条件を確認しつつ、詳しい機関へ相談してみるのがおすすめです。

就業手当の受給条件を改めて確認しよう

まずは、就業手当の受給条件を再確認してみましょう。就業手当を受け取るためには、失業保険の基本手当の支給残数が一定数残っていたり、再雇用先や雇用期間に制限があったりします。このコラムの「就業手当を受給するための条件とは?」でもまとめられているので、改めて確認漏れがないか見てみましょう。

ハローワークや転職エージェントへ相談する

就業手当の受給条件を確認しても自分が対象か分からない場合は、ハローワークや転職エージェントへ相談してみましょう。就業手当はハローワークで申請が必要なため、ハローワークの職員に相談すれば疑問を解決し、抜かりなく手続きできます。さらに、求人検索や就職相談も可能なため、手続きを進めながら再就職に向けて動き出すことが可能です。

ハローワークの詳しい情報を知りたい方は、「ハローワークとは?詳しいサービス内容や利用時の流れなど分かりやすく解説」のコラムもご覧くださいね。

また、就職活動のプロである転職エージェントに相談するのもおすすめ。転職エージェントは求職活動中の方を支援する民間の機関で、求人紹介のほかにも選考対策や職業相談にも対応しています。オンラインで相談できるのも、魅力の一つです。

ハタラクティブは、若年層を中心に求職活動の支援を行っている転職エージェントです。プロのアドバイザーがマンツーマンでカウンセリングを行い、悩みや希望に合わせた求人を紹介します。また、求職活動中の疑問についても丁寧に相談に乗ってくれるので、不安を解決しながら求職活動に臨むことが可能です。サービスはすべて無料なので、ぜひ一度ご相談ください。

就業手当に関するFAQ

ここでは、就業手当についてよく寄せられる質問に答えていきましょう。

就業促進定着手当って何?

厚生労働省の「就業促進定着手当が受けられます」によると、就業促進定着手当とは、再就職手当の支給を受けた方が、再就職先での6ヶ月間の賃金が離職前の賃金よりも低い場合に、低下した賃金の6ヶ月分を支給するものとしています。支給対象者や支給額については、厚生労働省の資料を確認してみてください。

参照元
厚生労働省
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就業手当と再就職手当では、どちらが得をする?

個人の状況によって異なりますが、双方の計算式上は再就職手当のほうが給付率が高いです。また、再就職手当が受け取れるということは、雇用期間が1年以上の安定した職場へ就職できたことになります。よって、将来的に見ても再就職手当のほうが得をすると考えられます。

仕事が決まっても就業手当がもらえないことはある?

再就職できても就業手当がもらえない可能性はあります。

たとえば、再就職先が定められた基準を満たしていなかったり、基本手当の支給日数が条件に足りなかったりした場合、就業手当を受ける資格が得られません。また、手当を受け取るには適切な手続きが必要です。書類に不備があったり提出期限を過ぎたりすると、手当を受け取れないことがあります。

後藤祐介

監修者:後藤祐介

京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。
ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。

資格 : 国家資格キャリアコンサルタント国家資格中小企業診断士
メディア掲載実績 : 「働く」をmustではなくwantに。建設業界の担い手を育て、未来を共創するパートナー対談定時制高校で就活講演 高卒者の職場定着率向上へ【イベント開催レポート】ワークリア障がい者雇用セミナーSNS : LinkedIn®YouTube