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学士とは何を指す?学位の種類や就活で有利になるアピールポイントを解説
この記事のまとめ
- 学士とは、大学を卒業した人に与えられる学位のこと
- 学士以外に「修士」「博士」「短大学士」などの学位があり、修業した過程ごとに異なる
- 学士で就活するときは、入社・就業意欲の高さをアピールするのが有効
- 学士をうまく就活で活かせられない場合、プロに相談するのがおすすめ
「学士とは何のことなのか分からない」という方もいるでしょう。学士や修士、博士の違いや学位によって就活が不利になるのか気になりますよね。
学士とは、大学を卒業した人に与えられる学位のことです。修士は大学院の修士課程を修めた人に与えられ、博士は学院の博士課程を修めたり、博士論文が認められたりした人が授与できる学位を示します。学士を取って就活する場合、入社意欲や就業意欲が高いことをアピールするのが有効です。
このコラムでは、キャリアアドバイザーの北島さんのアドバイスを交えつつ、学位の違いをまとめました。また、学士の文系・理系で異なる就活のポイントをご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事にコメントしているアドバイザー
学士・修士・博士とは?
学士・修士・博士といった学位は、定められた期間で学業を修めることで得られます。文部科学省の「学位規則」に基づいて学士・修士・博士をそれぞれ解説するので、どのような違いがあるのかチェックしてみてください。
学士
「学士(学士号)」とは、大学を卒業した人に与えられる学位のことです。学士は一般的な大学で単位を取り、卒業論文が認められ卒業することで与えられるでしょう。学士を得ることで、基本的な学問や専門知識に関する学びを終えたことを証明できます。
修士
「修士(修士号)」は大学院の修士課程を修了し、専門分野におけるより高度な研究を行った場合に授与される学位です。修士は「マスター」とも呼ばれ、学士を得たあとに大学院で2年間の修士課程も修了する必要があります。
ただし、医学部や薬学部など6年制学部を修了した場合、2年間の修士課程を経ずに4年制の博士課程への進学が可能。学部卒業後、「修士相当」とされる博士課程へ進学できる学部は以下のとおりです。
- ・医学部医学科
- ・歯学部歯学科
- ・農学部獣医学科
- ・薬学部薬学科
上記のような6年制学部を修了したあとに博士課程へ進学すれば、学士から博士を取得できます。
博士
「博士(博士号)」の学位は「ドクター」とも呼ばれ、さらに専門性の高い研究を進める大学院の「博士課程」や「博士後期課程」を修了した場合に付与されます。
6年制学部を修了して大学院を目指す場合は、博士課程で独自の研究に取り組み論文の発表を行うのが一般的。博士課程で深い知識と高度な技術を身につければ、大学教授も目指せるでしょう。
短大学士
短大学士は、短期大学を卒業した人に与えられる学位です。短期大学は基本的に2年制であり、学士よりも短い期間で専門知識を学べるでしょう。短大学士を得られれば大学へ編入できるので、進路選択の幅が広がります。
準学士とは?短大学士に変わった背景
「短大学士」は以前まで、「準学士」と呼ばれていました。2005年に準学士から「短大学士」に変更された理由は、短期大学卒業者 の学位であることを明確に示すため「短期大学」の文字を含むことが適切だと考えられたためです。
短大学士が創設されたことで、「短期大学卒」の学歴が正当に評価されるようになったり、学位を授与する機関として教養教育の充実したりするメリットがあるでしょう。
専門士
「専門士」は学位ではありませんが、文部科学大臣が認めた専門学校を卒業した人に与えられる称号です。専門士を得ることで、短期学士同様、大学へ編入することが認められる場合があるでしょう。
文部科学省の「専門士・高度専門士の称号とは」で定められている専門士の付与が認められる専門学校の要件は、以下のとおりです。
- ・修業年限が2年以上
- ・総授業時数が1,700単位時間(62単位)以上
- ・試験等により成績評価を行い、その評価に基づいて課程修了の認定を行っていること
専門学校卒業後の就活方法は、「最終学歴が専門学校の方へ!在学中・卒業後の履歴書の書き方を解説します」のコラムで解説しているのでチェックしてみてください。
参照元
e-GOV法令検索
学位規則(昭和二十八年文部省令第九号)
文部科学省
専門士・高度専門士の称号とは
学士・修士・博士の社会的評価
学位・修士・博士といった学位ごとで、もたらす社会的評価が異なる傾向があります。
以下で、「初任給」と「就職市場」に分けて各学位の社会的評価を解説しているので、確認してみましょう。
学位と初任給の関係
厚生労働省の「令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況:1学歴別にみた初任給」による学士・修士・博士による初任給の違いを、以下にまとめました。
高専・短大卒 (専門士・短大学士) | 大学卒 (学士) | 大学院修士課程修了 (修士) | |
---|---|---|---|
男性 | 18万4,700円 | 21万2,800円 | 23万9,000円 |
女性 | 18万3,400円 | 20万6,900円 | 23万8,300円 |
男女計 | 18万3,900円 | 21万0,200円 | 23万8,900千 |
引用:厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況:1学歴別にみた初任給」
上記の表から、大学院修士課程修了の「修士」を得た人の初任給は、男性が23万9,000円、女性が23万8,300円でほかの学位に比べて高額なことが分かります。表では修士まで掲載されていますが、博士はより高度な研究をした人が得られる学位なので初任給も高く設定されるでしょう。
なお、一般的な正社員の給与は「正社員の給料を分類別に紹介!病欠時の給与計算や前払いの可否も解説」のコラムで解説しているので、比較するときに参考にしてみてください。
参照元
厚生労働省
令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況
就職市場において学位で異なる優位性
学士は一定期間に広範な基礎教育を受けたことを認められるため、多くの職種において基準となる学位とされています。一方で、修士や博士は、専門性の高い知識や研究能力を持つことが評価され、高度な技術を要する職種で評価されやすいでしょう。
また、博士は専門性の高い研究を行ったことで与えられる学士なので、国内だけではなく海外でも評価される学位です。博士課程において海外で学会に参加したり、海外の企業と共同研究していたりする経験がある場合、さらなる高評価が得られ就職が有利になるので学位のなかでも優位性が高いといえるでしょう。
ハタラクティブ プラス在籍アドバイザーからのアドバイス
北島愛純
高卒と比べると学士(大卒)のほうが収入が高い傾向があり、学士を得ることで求人の選択幅が広がります。ですが、高卒から応募できる求人は多数はあり、入社後にキャリアアップして収入を高めていくことも可能なので一概に「学士を取得したほうが良い」ということはありません。
また、修士や博士といった大学院卒の場合は、学士(大卒)と比べ専門性を活かした職種や業種に進むことが多いようです。福利厚生など待遇に大きな違いはないですが、一般的に学位によって給与に差があるでしょう。
高卒や大卒、院卒のそれぞれの特徴を踏まえたうえで、やりたいことを明確にして就活するのが大切です。
学士・修士・博士の学位で異なる学費
ここでは、学士・修士・博士の学位で異なる学費を解説します。自分が目指したい学位を得るためには、どのくらいの費用が必要になるか参考にしてみてください。
国公立大学で学士を取得する場合
「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」で、国公立大学の入学料・授業料といった学費の標準額は53万5,800円と定められています。国立短期大学や国立大学院といったそのほかの大学の学費は、標準額を踏まえ「一定の範囲内」で各大学ごとに決められているでしょう。以下で、「標準額」と文部科学省の「国公私立大学の授業料等の推移」を元に2021年度の公立大学における学費の平均額をまとめたので、入学先を検討するときの参考にしてみてください。
区分 | 授業料 | 入学料 |
---|---|---|
国公立大学 | 53万5,800円 | 28万2,000円 |
国立短期大学 | 39万円 | 16万9,200円 |
国立大学院 | 53万5,800円 | 28万2,000円 |
国立法科大学院 | 80万4,000円 | 28万2,000円 |
公立大学 | 53万6,363円 | 39万1,305円 |
引用:e-GOV法令検索「第二条」、文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」
上記の表から、国公立大学と国立大学院の学費は、授業料が53万5,800円、入学料28万2,000円と同じことが分かります。国公立大学のなかで高額なのは国立法科大学院の授業料80万4,000円ですが、入学料は国公立大学と変わらないでしょう。
参照元
e-GOV法令検索
国立大学等の授業料その他の費用に関する省令(平成十六年文部科学省令第十六号)
文部科学省
私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果について
私立大学で学士を取得する場合
文部科学省の「私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」で定めている私立大学で学士を取得したい場合に掛かる学費は、以下のとおりです。
区分 | 授業料 | 入学料 |
---|---|---|
私立大学 | 93万943円 | 24万5,951円 |
引用:文部科学省「私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」
上記の表から、私立大学で学士を取得したい場合は、135万7,080円となっています。なお、短大学士を取得したい場合の学費は授業料が72万3,368円、入学料が23万7,615円で合計112万7,586円となっているので、4年制の私立大学より約23万円ほど金額が下がるでしょう。
また、私立大学では通信教育課程を受講できる場合があるので、「働きながら大卒の資格が欲しい」という方にもおすすめです。「大卒認定試験はある?大卒資格の取り方や就活でのメリットを解説します!」のコラムでは、働きながら大卒資格を得る手段をご紹介しているので、チェックしてみてください。
参照元
文部科学省
私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果について
修士・博士の取得に掛かる学費
以下で、文部科学省の「令和3年度 私立大学大学院入学者に係る初年度学生納付金 平均額(定員1人当たり)の調査結果について」に基づいて修士・博士の取得に掛かる学費をまとめました。
区分 | 授業料の年額 | 入学料 |
---|---|---|
博士前期課程(修士課程を含む) | 77万6,040円 | 20万2,598円 |
博士後期課程 | 62万8,729円 | 18万9,623円 |
専門職学位課程 | 108万6,353円 | 19万8,190円 |
引用:文部科学省「令和3年度 私立大学大学院入学者に係る初年度学生納付金 平均額(定員1人当たり)の調査結果について」
上記の表から、修士課程を含む博士前期課程では、授業料が77万6,040円、入学料が20万2,598円で合計約98万円の学費が掛かります。また、法科大学院といった専門職学位課程博士になると、さらに学費が高額になるでしょう。
つまり、修士や博士の学位を得るには、約80~120万円ほど学費が掛かることが分かります。学士を得られる国公立大学に比べて、修士や博士の学位を目指すほうが学費は高額になるといえるでしょう。
学位を取得する方法によって学費に差がある
学位を取得するには通学する以外にも、夜間部や通信教育などさまざまな方法があるでしょう。文部科学省の「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令(平成十六年文部科学省令第十六号)」で国公立大学の夜間学部の授業料を見ると、26万7,000円と定められています。
同資料で昼間部の授業料は53万5,800円となっているので、約26万円の差があります。学位を取得する方法によって学費が低く設定されている場合があるので、学費の負担を減らしたい方は幅広い視点から進学先を検討しましょう。
参照元
e-GOV法令検索
国立大学等の授業料その他の費用に関する省令(平成十六年文部科学省令第十六号)
学士の文系・理系で異なる就活のポイント
就活をするうえで、学士は文系と理系とでアピールポイントが異なります。以下で、文系の場合と理系の場合に分けて学士をアピールするポイントをまとめたので、自分が学んだ専攻を確認してみてください。
文系の場合
文系の場合は研究内容がビジネスと直結しにくいため、基礎教養が求められる傾向があるでしょう。文系から就活するときは、コミュニケーションスキルや分析力といった個人の能力や実力があることをアピールすることをおすすめします。
また、文系は社会動向に関心があることも評価されやすいので、これまでの経験を企業でどう活かせるかを中心にキャリアパスを描きましょう。「自分のしたいことが分からずキャリアパスがうまく描けない」という方は、「やりたい仕事が見つからない新卒はどうする?就活を進める方法を解説!」のコラムで解決方法を解説しているので、参考にしてみてください。
理系の場合
理系は、学士を取得するときに研究した内容を活かせる業界へ進むことをおすすめします。理系の場合、入社後即戦力として活躍することを期待されるでしょう。
理系の就職市場では、専門知識を持っていることが評価されます。学生のうちから専門的な知識を豊富に身につけておくと、就活が有利になるでしょう。
学士が就活で有利になるアピールポイント
ここでは、大学を卒業し「学士」という学位を取得したことを、就活でアピールするポイントを解説します。以下を参考に、就活を有利に進めましょう。
入社意欲が高い
大学卒業後に与えられた学士が有利になるアピールポイントは、入社意欲が高いことです。企業や業界で実現したいことをはっきりさせたり、どのような業務もこなす柔軟性をアピールしたりすると、入社意欲が高いことを示せるでしょう。
また、「業務に役立つスキルを身につけたいので部署での業務内容を詳しく教えてください」といった質問をすることで、応募先企業での業務に真剣に取り組む姿勢があることも有効です。ただし、採用されることを前提に質問するのではなく、「もし採用いただけた場合は」といった文言で謙虚な姿勢を保つように心掛けましょう。
就業意欲がある
就業意欲があることをアピールすると、学士の就活で有利になります。学士は修士や博士と比べて専門性が低い学位のため、入社後にこれまでの経験を活かして企業へ貢献する姿勢があることをアピールしましょう。
就業意欲を志望動機に記載するときは、実際に学生時代に取り組んだこととどう企業へ活かすのかを具体的に示すと説得力が上がり好印象を与えられます。志望動機の完成度を上げるコツは、「志望動機書の書き方やコツは?第二新卒や未経験から転職する際の例文も紹介」のコラムで解説しているので、応募書類を作成するときの参考にしてみてください。
修士や博士は専門的な職種が有利
修士の場合は、専門的な職種を選ぶと就活が有利に進むでしょう。学士は学生時代の経験をアピールしますが、修士は研究の実績や身につけたスキルなどをアピールすることをおすすめします。
一方、博士は卒業後、大学教員や教授を目指すことが可能。民間企業では研究職への就職が有利なので、身につけたスキルや知識を活かせる分野の業界で就職先を探してみましょう。
学士からの就活が不安ならプロに相談しよう
大学を卒業して学士を取得した後の就活に不安がある場合は、就職・転職エージェントのプロに相談してみましょう。就職・転職エージェントではプロ視点で学歴や職歴に合わせたアドバイスを受けられるので、就活や転職活動がスムーズに進められます。
「学士を取得したけど就活できるか不安」「就活でうまく学士をアピールできない」という方は、就職・転職エージェントのハタラクティブをご利用ください。ハタラクティブは、若年層に特化した就職・転職エージェントです。
ハタラクティブでは一人ひとりに専属のアドバイザーがつき、丁寧にヒアリングを行うので就活に対する不安を払拭できます。また、応募書類の添削や面接対策など就活において全面的にサポートを行っているので、ぜひハタラクティブへご相談ください。
学士に関するQ&A
ここでは、学士に関するよくある疑問をQ&A形式で解決しています。
学士を得るメリットはありますか?
学位の一つである学士を得るメリットは、広範囲な基礎教育や専門知識を身につけるために学業に取り組んだことを客観的に証明できることです。
学士を得ることで大卒を条件とする企業への求人応募ができたり、資格を取得できたりするので選択肢の幅が広がるでしょう。また、就活のなかで学士を取得したことをアピールすれば、「一つのことをやり遂げる能力がある」と好印象を与えられるのもメリットの一つです。
学士3年とはどういう意味ですか?
学士3年とは、学士の学位を取得するために4年制大学の教育課程を3年間修了した時点の状態を指します。
学士を得るには、4年制大学を卒業するのが原則。ですが、大学生が就活を始めるのは基本的に大学3年生の5〜6月を目安にスタートします。就活をするなかで学士3年と伝えることで、まだ学士の学位を取得していないことを示せるでしょう。
大学を中退しても学士になりますか?
大学を中退した場合、「大学を卒業する」といった学士を与えられる要件を満たせないので学士の学位は得られません。
大学を中退すると最終学歴が「高卒」になるので、大学に通って得た知識や経験は評価されにくくなります。就職・転職エージェントのハタラクティブでは未経験OKの求人も多数所有しているので、あなたにぴったりな仕事をご紹介いたします。大学中退して就活に不安がある方は、ぜひご相談ください。
監修者:後藤祐介
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。
ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。
資格 : 国家資格キャリアコンサルタント・国家資格中小企業診断士
メディア掲載実績 : 「働く」をmustではなくwantに。建設業界の担い手を育て、未来を共創するパートナー対談・定時制高校で就活講演 高卒者の職場定着率向上へ・【イベント開催レポート】ワークリア障がい者雇用セミナーSNS : LinkedIn®・YouTube