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「取り急ぎご連絡まで」とは?目上の人に使う際の言い換え方や例文を解説
この記事のまとめ
- 「取り急ぎご連絡まで」とは、「とりあえず要件だけ連絡します」という意味
- 「取り急ぎご連絡まで」は、目上の人や取引先には使わないのがマナー
- 「取り急ぎご連絡まで」をメールで使う際は、伝えたい内容を1つに絞るのが大切
- 文末を省略せずに「取り急ぎご連絡にて失礼いたします」と言い換えると良い
「取り急ぎご連絡までとはどういう意味?」「取り急ぎご連絡までという表現は目上の人に使っていい?」と疑問に思う方もいるでしょう。意味や正しい使い方が分からないと、マナー違反と思われて就活で不利にならないか不安になりますよね。
「取り急ぎご連絡まで」とは、「とりあえず要件だけ連絡します」という意味です。ただし、目上の人に使用すると失礼に当たるので、「まずはメールでのご連絡にて失礼いたします。」と言い換えると良いでしょう。
このコラムでは、キャリアアドバイザーの八木さんのアドバイスを交えながら、ビジネスシーンにおける「取り急ぎご連絡まで」の意味をまとめました。また、目上の人に使うときの言い換え方や使い方の例文もご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事にコメントしているアドバイザー
「取り急ぎご連絡まで」とはどういう意味?
「取り急ぎご連絡まで」とは「とりあえず要件だけ連絡します」という意味があり、ビジネスシーンで良く使われる言葉です。通常はメールや電話で詳細に過程から結論まで連絡する必要がある内容を、一時的に結論だけ先に伝えておきたい状況で使われることが多いでしょう。
「取り急ぎご連絡まで」の「取り急ぎ」という言葉は、急に何かをしなければならない状況において使われる表現です。たとえば、翌日に予定されていた打ち合わせなどの日程が急遽変更となった場合、とりあえず関係者にその旨を連絡しなければならない場合などに使用されるでしょう。
状況によっては、「ご連絡」を「ご報告」「ご案内」などに言い換える必要があります。また、「ご連絡まで」の「まで」とは「いたします」のような丁寧語を省略した表現。ビジネスシーンにおいては、このような省略した表現を文末に用いるのは適さない場合も多いので注意しましょう。
取り急ぎの連絡には返信は必要?
メールで取り急ぎの連絡が届いたときは、返信する必要は基本的にはありません。「取り急ぎご連絡まで」には「要件だけ先に伝えたい」という目的があるので、返信を求めている可能性が低いためです。
追って詳細の連絡が届いた際に、返信しましょう。なお、内容を確認したことを伝えるために返信したい場合は、「承知いたしました」や「ありがとうございます」と送ればOKですよ。
「取り急ぎご連絡まで」を使用する例文
ここでは、「スケジュール変更の連絡」「メールや資料などの受け取り報告」「依頼された仕事の進捗・完了の連絡」の3つのシーンに分けて、メールで「取り急ぎご連絡まで」を使うときの例文を解説します。
スケジュール変更の連絡に使うときの例文
スケジュール変更の連絡に使うときの例文は、以下のとおりです。
- 明日11時より予定されていた企画部社内MTGについて、△△部長のご都合により来週へと変更いたします。変更日程については、追ってご連絡いたします。取り急ぎご連絡まで。
このように、ビジネスシーンにおいてスケジュールが変更される場面があるので、「取り急ぎご連絡まで」を正しく使えればスムーズに情報共有できるでしょう。ただし、就職活動中に面接日の変更の連絡をしたい場合などに「取り急ぎご連絡まで」を用いると、「マナーがなっていない」と思われる可能性があるので使用するのは避けましょう。
「面接前に体調不良になった場合の対処法を解説!当日の連絡方法とは?」のコラムでは、面接当日に体調不良になった場合などの連絡方法などについて詳しく解説しているので参考にしてみてください。
メールや資料などの受け取り報告に使うときの例文
以下は、メールや資料などを受け取った際に、受け取ったことだけを報告する場合に使用できる例文です。
- 頂いた資料(メール)、受け取りました。ありがとうございます。現在外出中のため、内容は確認できておりませんが、取り急ぎご連絡まで。
メールや書類は内容によって返信が必要な場合があるので、受け取った旨を連絡することで相手へ配慮していることが伝わります。また、返信できない理由も簡単に記載すれば、相手も納得するでしょう。
依頼された仕事の進捗・完了の連絡に使うときの例文
社内で依頼された仕事の進捗を途中経過として報告する場合にも使用することができる例文は、以下のとおりです。
- 先日依頼された資料作成の進捗について、明日までに完成しそうです。取り急ぎご報告まで。
ただし、上司から依頼された場合、「取り急ぎご報告まで」と伝えるのはマナー違反になるので注意しましょう。「取り急ぎご連絡まで」をメールで使用するときは、直属の上司や同僚など距離感の近い相手に伝えるときに使用するのが基本です。
「取り急ぎご連絡まで」を目上の人に使うときの言い換え方
「取り急ぎご連絡まで」という表現は、目上の人に対して使用することは失礼に当たるので、違う言い方をする必要があります。以下で、「取り急ぎご連絡まで」を目上の人に使うときの言い換え方を解説するので、参考にしてみてください。
「取り急ぎ」を「まずは」に言い換える
「取り急ぎ」という表現を丁寧な敬語を使いたい場合は、「まずは」と言い換えてみましょう。「取り急ぎ」という言葉は急ぎの連絡であることを示す表現ではあるものの、「とりあえず」という意味合いも含まれているため、目上の人に対して使うのはあまり適切ではありません。例文としては、「まずはメールでのご連絡にて失礼いたします。」などの文章に置き換えて連絡しましょう。
「まで」のような省略した表現は避ける
「まで」のような省略した表現は使わず、「ご連絡いたします」や「申し上げます」などの敬語を使用しましょう。「とりあえずご連絡まで。」のように「まで」で文章が終わる表現は、伝えるべきことを省略している印象になります。
ビジネスシーンにおいては、省略した表現をメールで使用することは失礼だと考えられる場合もあるため、取引先や目上の人に対しては極力省略した表現は適していません。例文としては、「営業時間外となるため、まずはメールにてご連絡いたします。」のように言い換えましょう。
お礼やお詫びの言葉を文面に添えるのがおすすめ
目上の人に対して、詳細が書かれていない急ぎの連絡を行う際には、しっかりと文末にお礼の表現やお詫びの言葉を添えるようにしましょう。例文としては、「本来であれば直接お会いしてお伝えすべきところ、文面でのご連絡となり申し訳ございません。」というように使用します。お礼やお詫びの言葉を添えるだけで、より丁寧な表現になるので不快感を与える可能性は低いでしょう。
「取り急ぎご連絡まで」以外の締めの言葉
「取り急ぎご連絡まで」を言いかえる際には、締めの文章を変更するという方法もあります。
以下で、「取り急ぎご連絡まで」を言い換える表現方法を解説するのでチェックしてみてください。
いつでも使える言葉
どのような状況でも使いやすい言葉は、以下のようなものが挙げられます。メールの文末で使用する言葉に迷った際には、これらを参考にしてみてください。
- ・「よろしくお願いいたします。」
- ・「何卒よろしくお願いいたします。」
- ・「ご検討のほどよろしくお願いいたします。」
この3つは、ビジネスメールの基本的な言葉なので、覚えておくと良いでしょう。
返答が欲しい場合
返答が欲しいようなメールの場合は、締めの文章に注意しないと気付かずにスルーされてしまう可能性もあります。以下の例文を参考にしてみてください。
- ・「お忙しいところ恐縮ですが、お返事をお待ちしております。」
- ・「お手数をおかけいたしますが、お返事をお待ちしております。」
- ・「お忙しいところ恐縮ではございますが、△月△日までにご返信いただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。」
ビジネスシーンでのメールは、返信するのが基本ですが、「返答が欲しい」という意思表示をしっかりと文末に添えると返信してもらいやすくなります。ほかにも、電話で不在着信があった場合も、折り返すのがマナーだということを留意しておきましょう。「電話の折り返し方を知ろう!基本的なマナーや会話の流れを解説」のコラムで、折り返すときのマナーを解説しているので、チェックしてみてください。
返答が必要ない場合
こちらからの連絡に対して、返信が必要ないということを伝える際には、「返信は必要ない」という意思表示を行いましょう。以下の例文を参考にしてみてください。
- ・「返信は不要です。」
- ・「ご確認のほどよろしくお願いいたします。なお、返信は不要です。」
ビジネスシーンにおいては、「返信は不要です。」という表現がよく使用されます。「何か不都合がございましたら、ご連絡ください。」といった一文を添えると、より親切で丁寧な内容になるでしょう。
ハタラクティブ プラス在籍アドバイザーからのアドバイス
八木寛斗
ビジネスシーンにおけるメールのコツは、大きく6つあります。
1.件名は、一見して内容が分かるものにする
件名だけで内容がある程度予想できれば、忙しい相手も「今すぐ読む」「後で読む」と判断できます。
2.はじめに相手の名前を書く
いきなり用件に入るのではなく、はじめに相手の名前を書くことによって敬意を示すことにつながります。例として、「株式会社△△ ▲▲部 ▽▽様」のように記載しましょう。名前が分からない場合は、「ご担当者様」と記載すればOKです。
3.簡単な挨拶を入れる
要件に入る前に、簡単な挨拶を入れましょう。「拝啓」など手紙のような儀礼的な挨拶は必要ありませんが、「いつもお世話になっております」といった簡単な挨拶を入れると良いでしょう。
4.自分を名乗る
簡単な挨拶を記載したあとは、自分を名乗りましょう。内容に入るまえに名乗ることで、誰からの連絡かが明確になります。
5.内容は分かりやすく簡潔にまとめる
メールの内容は、分かりやすく簡潔にまとめることを心掛けましょう。「何を」「いつまでに」など5W3Hを踏まえて書くと内容に抜けがなくなります。記載する内容が多い場合は、箇条書きを活用して要点を分かりやすく伝える工夫をしましょう。
さらに、「結論」となる一番伝えたいことや相手が知りたいことを先に書くと、用件が迅速に正確に伝わります。また、1行は30文字以内に、話の内容が変わる際は空白行を入れると、読みやすくなりますよ。
6.本文の終わりに結びとなる言葉を入れる
最後に、本文の終わりに結びとなる言葉としてもう一度挨拶をしましょう。「今後ともどうぞよろしくお願いいたします」など、結びのあいさつを入れることで文章が締まり、丁寧な印象を与えます。
「取り急ぎご連絡まで」をビジネスで使用するときの注意点
「取り急ぎご連絡まで」という表現をビジネスシーンで使用することは可能ですが、間違った使い方をすると「ビジネスマナーが備わっていない」とネガティブな印象を与えかねません。以下で、「取り急ぎご連絡まで」をビジネスで使用するときの注意点を解説するので参考にしてみてください。
「取り急ぎご連絡まで」をビジネスで使用するときの注意点
- 文末を省略しない
- 本当に急ぎの内容以外では使わない
- 返信が遅れている場合には使わない
- お礼・お詫びなどのメールでは使わない
- 改めて詳細の連絡をする
- 連絡・報告する内容を1つに絞る
- 口頭では使用しない
文末を省略しない
「取り急ぎご連絡まで」を使用するときは、文末を省略しないように使いましょう。特に、取引先や上司に使用するのは避けるのが賢明です。
「取り急ぎご連絡まで」ではなく「取り急ぎご連絡差し上げました」や「取り急ぎのご連絡にて失礼いたします」などのように言い換えましょう。相手へ敬意を払うために、しっかりと文章として成立する表現をすることが大切です。
本当に急ぎの内容以外では使わない
「取り急ぎ」という言葉をビジネスシーンで使うのであれば、急ぎの内容以外の場合にはあまり使わないようにしましょう。あまり多用しすぎてしまうと、「相手から軽んじられているのではないか?」という印象を与えかねません。
返信が遅れている場合には使わない
相手からの連絡に対して、返信が遅れている場合に使うのは避けましょう。日数が経っている場合の返信で「取り急ぎ」という言葉を使っても、「急いで返信したにしては連絡が遅い」とマイナスの印象を与えてしまいます。
お礼・お詫びなどのメールでは使わない
お礼やお詫びなど相手に対して謝意を伝える際にも、「取り急ぎご連絡まで」は使わないようにしましょう。お礼やお詫びなどのメールは、本来相手に対する誠意を伝えるものなので、「取り急ぎ」という言葉は適切ではありません。
改めて詳細の連絡をする
「取り急ぎご連絡まで」を使用したメールを送った場合は、余裕ができたタイミングで必ず追加の詳細を送りましょう。要件だけ連絡した場合、詳細を伝えないと相手に誤解される可能性があるので注意が必要です。正しい情報を共有するために、要件を伝えたあとは詳細もしっかり伝えましょう。
連絡・報告する内容を1つに絞る
急ぎの連絡を行う場合、相手に伝える内容は1つに絞るようにしましょう。複数の内容を詰め込んでしまうと、「結局何を伝えたいの?」と言いたいことが相手に伝わらない可能性があります。
「これだけは伝えておきたい」という情報を一つに絞って、ほかの情報はまとめてから改めて送ったほうが正確に情報共有できるでしょう。
口頭では使用しない
「取り急ぎご連絡まで」は基本的にビジネスメールなどで使用する言葉であるため、口頭では使われません。口頭で似たような表現を使いたい場合には、「詳細については後ほどご連絡差し上げます」などのような表現が適切です。
ビジネスマナーが備わっていないと転職できない?
ビジネスマナーが備わっていないからといって、転職できないとは限りません。特に、新卒の方は社会人経験が浅いため、ビジネスマナーが身についていない可能性があります。
社会人としての期間が長くなるとこのようなビジネスマナーは自然と身に付いていくものなので、過度に心配する必要はありませんよ。ただし、新卒での転職活動では、最低限のビジネスマナーを求められることもあるでしょう。
「新卒での転職は厳しいってほんと?有効なアピール方法や成功体験談をご紹介」のコラムでは、新卒からの転職活動のポイントを解説しているので、チェックしてみてください。
ビジネスマナーに不安があるならプロに相談しよう
就活中の方で、ビジネスマナーに不安がある場合、就職・転職エージェントのプロに相談することをおすすめします。相手に対して失礼な対応をしてしまうと、就活で不利になってしまう可能性があるでしょう。
プロに相談することで、ビジネスシーンでの言葉遣いや身だしなみなどのアドバイスを受けられます。ビジネスマナーを身につけて就活に臨むことで、面接官に好印象を与えられれば就活が成功しやすくなるでしょう。
「基本的なビジネスマナーが分からない」「応募先企業へのメールの書き方が合っているか不安」という方は、就職・転職エージェントのハタラクティブへご相談ください。ハタラクティブは、若年層に特化した就職・転職エージェントです。
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監修者:後藤祐介
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。
ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。
資格 : 国家資格キャリアコンサルタント・国家資格中小企業診断士
メディア掲載実績 : 「働く」をmustではなくwantに。建設業界の担い手を育て、未来を共創するパートナー対談・定時制高校で就活講演 高卒者の職場定着率向上へ・【イベント開催レポート】ワークリア障がい者雇用セミナーSNS : LinkedIn®・YouTube