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賞与とは?ボーナスとは違う?平均額やトラブルが起きたときの対処法を解説

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この記事のまとめ

  • 賞与とは、別で企業が従業員に対して基本給とは別に用意する一時金のこと
  • 賞与とボーナスは、ほぼ同じ意味で扱われることが多い
  • 賞与には、「基本給連動型賞与」「業績賞与」「決算賞与」などの種類がある
  • 賞与の平均額は30万円だが、企業や職種、就業形態によって差がある
  • 契約書に記載あるが賞与が支払われない場合、転職を検討するのも方法の一つ

「賞与って何?」「賞与は給料の何ヶ月分もらえるの?」と疑問を持つ方もいるでしょう。賞与について知らないと、「自分は支給対象になるか分からない」と不安になりますよね。

賞与とは、企業が従業員に対して基本給とは別に用意する一時金を指します。賞与の支給は法律で定められていないので、支給額や対象者は企業によって異なるので、分からない場合は確認してみましょう。

このコラムでは、キャリアアドバイザーの中村さんのアドバイスを交えながら、賞与はどのようなものかを解説しています。また、賞与の平均額や会社とトラブルになったときの対処法もご紹介。賞与について知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

賞与とは

賞与とは、企業が従業員に対して基本給とは別で支給する一時金のことです。賞与は夏季と冬季の年に1〜2回支給する企業が多いですが、目標達成したときなど不定期に支給される場合もあるでしょう。

近年は厚生労働省によって「同一労働同一賃金」が推進されており、非正規雇用者も正規雇用者同様に賞与を支給する企業が増えてきているようです。ただし、賞与の支給は義務化されていないため、アルバイトやパートで働いている従業員が賞与の対象になるかは、企業によって異なるでしょう。

また、契約社員も正社員とは異なる非正規雇用に含まれるため、賞与が支給されない場合があります。「契約社員はボーナスなし?支払われる場合や法律についても解説」のコラムでは、ボーナスを受け取る方法を解説しているので、受け取っていない場合は参考にしてみてください。

参照元
厚生労働省
同一労働同一賃金ガイドライン

 

「賞与」と「ボーナス」の違いは?

賞与とボーナスは一般的に同じ意味として扱われることが多く、明確な線引きはありません。そのため、「賞与」と「ボーナス」の意味は、ほぼ同じと捉えてOKです。

また、企業によって「特別手当」「年末手当」など呼び方はさまざまなので、ボーナスや賞与と記載がなくても支給されている場合があります。

 

賞与の決め方

賞与の決め方は企業によって異なりますが、基本的には役職や勤怠実績、個人の業績などによって決定されます。賞与の決め方は企業の就業規則に記載されていることが多いため、自分が働いている会社の基準を調べたいという場合は、就業規則を確認してみましょう。

「賞与なし」は違法?

賞与は労働基準法で定められている給与ではないため、賞与が支払われないことは違法ではありません。そのため、支給されない企業もあれば、年数回支給される企業もあります。

場合によっては賞与の減額や賞与なしもあり得る

賞与は会社の就業規則などに定められていますが、状況によっては金額が減額されることもあります。たとえば、賞与の査定期間に企業の支給基準に満たなかった場合や、会社の業績が悪化した場合などが考えられるでしょう。

ただし、賞与が設定されている場合には、特別な理由がない限り、賞与の金額が減額されることはほとんどありません。もし賞与の受け取り金額が減額されている場合には、会社にその理由を説明してもらうのも良いでしょう。

新卒は賞与をもらえる?

一部の企業では新卒でも最初の賞与を支払うという会社もあるようですが、在籍期間が短いため最初の賞与は少額の支給となることもあるでしょう。たとえば、新卒の場合、4月に入社して会社の賞与支給日が6月の場合には、2ヶ月しか働いていないということになります。そのため、賞与の査定期間に在籍していないということから賞与が支払われないという場合もあるようです。

ハタラクティブ プラス在籍アドバイザーからのアドバイス

中村凌河

中村凌河

賞与の支給対象は企業によりますが、基本的にはどの社員も対象になる場合がほとんどです。ボーナスの計算方法は「基本給×3ヶ月分×会社独自の掛率」が多いので、基本給がどれだけ少なくても掛率が多かった場合ボーナスが高くなります。

そのため、基本給のみで、ボーナスの支給額の大きさを判断できるとは限りません。支給額は会社の業績や個人の評価によるため、就職や転職前に知りたい場合は支給実績や例などを面接で聞くと参考になるかもしれませんよ。

賞与から控除されるもの

賞与から控除されるものには、税金や社会保険料が挙げられます。賞与は毎月の基本給と同じく会社から従業員に対して支払が行われる給与であるため、税金や社会保険料が控除されるので注意しましょう。賞与にかかる税金や社会保険料の金額は、「給与として合計いくらもらっているのか」「扶養家族はいるのか」などのさまざまな要因によって決定されます。

ただし、賞与を受け取ったとしても、一部社会保険料が発生しないという場合も。具体的には「社会保険資格を喪失した場合」「出産による休業を取得した場合」「育児休業を取得した場合」などに該当する人は、社会保険料を支払う必要はありません。

社会保険資格は、退職により喪失することとなります。退職日によっては賞与受け取り後でも社会保険資格が喪失している場合、退職前に受け取った賞与に社会保険料が発生しない可能性もあるため、覚えておきましょう。

ただし、仕事を辞めたら社会保険に関する手続きを行う必要があります。仕事を辞めたあとにやるべきことは、「仕事を辞めたらやることは?やるべき手続きを把握して不安を払拭しよう!」のコラムで具体的に解説しているので、ぜひご覧ください。

賞与の種類

ここでは、代表的な賞与を解説します。どのような賞与があるのか理解を深めて、仕事を選ぶときに役立ててみてください。

賞与の種類

  • 基本給連動型賞与
  • 業績賞与
  • 決算賞与

基本給連動型賞与

基本給連動型賞与とは、毎月従業員が受け取る基本給をベースとして金額を決定し支給する賞与です。「給料の△ヶ月分」と記載されている場合は、基本給連動型賞与を意味しているため、昇給に応じて賞与も増えると考えて良いでしょう。

たとえば、基本給の3ヶ月分が賞与として支給されるという場合、一ヶ月あたりの基本給が交通費や特別手当などを除いて25万円だとすれば、25万円×3ヶ月=75万円が賞与となります。基本給の何ヶ月分が基本給連動型賞与として給付されるかは企業によるため、会社に確認してみても良いでしょう。

業績賞与

業績賞与とは、個人の業績や会社の売上によって不定期で支給される給与です。基本給連動型給与は、一般的に6月と12月など支給されるタイミングが固定されている場合が多いですが、業績給与は支給タイミングが定まっていないのが特徴といえるでしょう。

つまり、業績賞与は成果報酬型の賞与となるため、売上を上げるなどして成果を出すほど賞与の金額も増えることが多いようです。職種の中でも、営業職などの個人が売り上げを上げるような職種の場合には、業績賞与を受け取ることができる可能性も高くなります。

実力で賞与額を上げて高収入を目指したいという方は、「営業職とは?きついって本当?向いている人の特徴や年収、目指し方を解説!」のコラムで営業職の種類や仕事内容を解説しているので、チェックしてみてください。

決算賞与

決算賞与とは、企業の決算月またはその前後の月に支払われる給与です。支払タイミングは企業の決算月前後となるため、会社によって異なります。決算時には会社の業績が確定するため、当該年度に売上を上げるにあたって尽力してくれた従業員に対してのねぎらいと、来期へのモチベーション向上を目的とした賞与といえるでしょう。

公務員と会社員は賞与が違う?

公務員の場合は「期末手当」や「勤勉手当」が賞与に該当し、年に2回支給されるのが一般的です。国家公務員のボーナス支給日は決まっていますが、地方公務員は各自治体の条例によって異なる場合があります。基本給連動型賞与が期末手当、業績賞与が勤勉手当に該当すると考えて良いでしょう。

賞与の平均額

厚生労働省の「毎月勤労統計調査 令和5年9月分結果速報等(p.13)」によると、賞与支給のある事業所における夏季賞与の一人当たり平均はとして39万7,129円となっています。企業によって異なりますが、夏より冬の賞与のほうが多く支給されるのが一般的。この結果から、正社員とアルバイトでは、将来的に受け取れる年収に差が出てくるでしょう。

そのため、給与を今よりも増やしたいという場合には、正社員への就職も検討するのも方法の一つです。正社員がもらえる給与については、「正社員の給料を分類別に紹介!病欠時の給与計算や前払いの可否も解説」のコラムで具体的に解説しているので、参考にしてみてください。

参照元
厚生労働省
毎月勤労統計調査(全国調査・地方調査):結果の概要
厚生労働省
毎月勤労統計調査 令和6年3月分結果確報

賞与で会社とトラブルになったときの対処法

賞与がある会社では、自分だけ明らかに支給額が低すぎたり、契約書や就業規則に賞与の記載があるにもかかわらず、支給されなかったりするといったトラブルが起こる可能性があります。以下で、それぞれの場合に分けて対処法を解説するので、参考にしてみてください。

自分だけ支給額が明らかに低すぎる場合

自分だけ支給額が明らかに低すぎる場合は、会社に金額の理由を説明してもらうことをおすすめします。賞与の支給基準は会社によって異なりますが、支給額が低い理由には業績や勤務態度などのあらゆる原因が考えられるでしょう。

会社側から正当な説明がされない場合には、合理的な金額を会社側に請求しましょう。また、外部機関への相談も視野に入れるのも方法の一つです。

契約に記載の賞与が支給されていない場合

入社時の雇用契約で賞与の金額が明記されているにもかかわらず、その金額が支給されていない、あるいは賞与が払われなかったなどの場合は、一度会社に確認を行いましょう。業績が悪化しているなどの理由から、従業員に賞与を支払えないという可能性もあります。

こちらの場合も合理的な説明がなされなかった場合には、上記と同様に会社側に請求を行う、外部機関に相談するなどの対応を検討しましょう。また、場合によっては、成績が安定している企業への転職も視野に入れるのも手です。

安定した職業の特徴は、「安定した職業に就きたい!その見分け方とおすすめの職種を紹介」のコラムで解説しているので、転職先を探すときの参考にしみてください。

「賞与がある企業へ転職したい」「ブラック企業を避けたい」という方は、就職・転職エージェントのハタラクティブへご相談ください。ハタラクティブは、20代を中心とした若年層に特化した就職・転職支援サービスです。

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また、サービスの一環として応募書類の添削や面接対策も行っているので、就活・転職活動をしたことがない方も安心して臨めるでしょう。ご登録・ご利用はすべて無料なので、お気軽にご相談ください。

後藤祐介

監修者:後藤祐介

京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。
ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。

資格 : 国家資格キャリアコンサルタント国家資格中小企業診断士
メディア掲載実績 : 「働く」をmustではなくwantに。建設業界の担い手を育て、未来を共創するパートナー対談定時制高校で就活講演 高卒者の職場定着率向上へ【イベント開催レポート】ワークリア障がい者雇用セミナーSNS : LinkedIn®YouTube