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顧客折衝の意味は?向上に必要なスキルや身につけるときのポイントを解説
この記事のまとめ
- 「顧客折衝」とは顧客の要望や課題を聞き取り、交渉や調整をすることを指す
- 顧客折衝能力の向上に必要なスキルには、「傾聴力」や「思いやり」が挙げられる
- 顧客折衝経験や能力を得たい場合、販売や接客、営業の仕事に就くのがおすすめ
- 顧客折衝能力を身につけるには、相手の立場になって物事を考えることが大切
フリーターの方のなかには「顧客折衝」とはどのような意味があり、どのようなスキルを指すのか疑問を持つ方もいるでしょう。顧客折衝力が身についていないと「仕事ができないと思われるのでは」「内定を得られないかも」と不安になりますよね。
「顧客折衝」とは顧客の要望や課題を聞き取り、最適な提案を行うための交渉や調整をすることを指します。相手の立場になって物事を考えたり、論理的な説明を意識したりすることで身につけられるので、日々の生活のなかで意識してみましょう。
このコラムでは、キャリアアドバイザーの荒井さんのアドバイスを交えつつ、顧客折衝の意味や使い方をまとめています。また、顧客折衝力の向上に必要なスキルや身につけるときのポイントをご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事にコメントしているアドバイザー
顧客折衝とは
「顧客折衝」とは顧客の要望や課題を聞き取り、最適な提案を行うための交渉や調整をすることを指します。信頼関係を築きながら、双方にとって納得のいく解決策を導き出すことが目的です。商品の販売や契約の締結、価格交渉など、さまざまなビジネスシーンで顧客折衝力が求められるでしょう。
「顧客折衝」の読み方は「こきゃくせっしょう」で、スキル自体を指したいときは「顧客折衝能力」や「顧客折衝力」と表します。「顧客折衝力」を高めることで顧客からの信頼を得やすくなるうえに、成果や実績にもつながりやすくなるでしょう。
「折衝」の言い換え方
「折衝」は、「渉外」や「取引」とも言い換えられます。「渉外」とは企業や組織が外部の関係者や団体と交渉や折衝を行うことを指し、「取引」は商品やサービスを売買または交換する経済活動を指す場合に用いられるでしょう。
ほかにも、「折衝」は、「交渉」と言い換えられます。「交渉」も価格や条件など、互いの利害が対立する可能性のある事柄を調整する際に使われる言葉です。いずれも、ビジネスシーンで使われる場面があるため、それぞれの意味を理解しておくことで仕事に役立つでしょう。
「折衝」と「交渉」はどちらも英語で「negotiation」
「折衝」と「交渉」はどちらも英語で「negotiation」と訳されます。ただし、日本語の「折衝」と「交渉」では状況によって使い分ける必要があるでしょう。
「折衝」は利害が一致しない相手と話し合い、目標を達成するために合意点を見出すことを指します。一方、「交渉」はお互いが合意することを目的としているので、利害の一致・不一致を問いません。「折衝」と「交渉」では話し合いの目的が異なるため、日本語で話す場合は、「折衝」と「交渉」の使い分けに気を配ると、より丁寧な印象を与えられるでしょう。
場面別でみる「顧客折衝」の使い方
「顧客折衝」を使うときは、「する」や「行う」と合わせて表現するのが一般的です。たとえば、「私は顧客折衝をすることが得意なので、営業で活躍したいと考えている」「新商品の提案を通じて顧客折衝を行い、取引条件の調整を進めた」といった使い方ができます。
顧客折衝力は「顧客との条件交渉をするとき」や「クレームの対応をするとき」などの場面でどのように使われるのか、以下で例文を挙げて解説するので、チェックしてみてください。
顧客との条件交渉をするときの例文
顧客との条件交渉をするときの例文は、以下のとおりです。
- 「ご提示いただいた価格は承知いたしました。弊社としましては、品質維持のため、△△円でのご契約をお願いしたいと考えております。そのぶん、△△サービスを無償で追加させていただきます。」
新規顧客への商品・サービスを提案する場合や、既存顧客へ新商品や新しいサービスを紹介する場合は、顧客のニーズを丁寧にヒアリングし、課題解決につながる提案ができれば、顧客折衝力が評価されるでしょう。
クレームの対応をするときの例文
クレームの対応をするときは、以下のような例文になります。
- 「この度はご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。すぐに状況を確認し、対応させていただきます。また、同様の問題が発生しないよう、社内体制の見直しを図ります。」
顧客折衝では、常に顧客の立場に立って考え、丁寧かつ誠実な対応を心掛けることが重要です。顧客の不満に真摯に耳を傾け、謝罪と再発防止策を提示しましょう。顧客折衝力を活かして顧客の不満を明確にし、迅速に適切な対応ができれば被害の拡大を防げます。
就職活動や転職活動で志望動機を考えるときも、具体的なエピソードを盛り込むことで好印象を与えられる可能性があります。これまでの経験から顧客折衝力を活かした具体的なエピソードを伝えることで、内容に説得力が上がるでしょう。
「志望動機書の書き方やコツは?第二新卒や未経験から転職する際の例文も紹介」のコラムでは、志望動機書を書くときのコツや注意点を解説しているので、参考にしてみてください。
顧客折衝能力の向上に必要な4つのスキル
顧客折衝能力は、生活のなかで意識することで向上させられます。顧客折衝能力の向上は適切な提案で契約の成立につながったり、顧客と信頼関係を築けたりすることが期待できるので、仕事の実績や成果にもつながるでしょう。
以下で、顧客折衝能力の向上に必要なスキルを4つ解説するので、参考にしてみてください。
顧客折衝能力の向上に必要なスキル
- 傾聴力
- 思いやり
- 理論的思想
- 提案力
1.傾聴力
傾聴力とは、相手の話をただ聞くだけでなく、意図や感情を理解しようとする姿勢を持って丁寧に耳を傾ける力を指します。顧客の意見に真摯に向き合えば潜在ニーズや課題が明確になるため、最適な提案や解決策を導き出せる可能性があるでしょう。
適切な提案や解決策は良好な関係の構築にもつながります。傾聴力を身につけるには、 相手の話を遮らず、うなずきや相づちを適切に入れながら最後まで丁寧に聞くことを意識してみましょう。 必要に応じてメモを取れば、真剣に向き合っていることが伝わりやすくなりますよ。
2.思いやり
相手を思いやる気持ちは、良好な関係を築くうえで重要な役割を果たします。感情を理解する姿勢は相手に安心感を与え、信頼につながるでしょう。自分が顧客の立場になって問題と向き合うことで、顧客の状況に合った提案や解決策が見つかりやすくなる可能性があります。
ただし、共感し過ぎると、自分の気持ちが相手の気持ちに影響される場合があるので注意が必要です。優しさから「自分がなんとかしなければ」と考え過ぎてしまうと、負担になる可能性があります。
一人で抱え込むと問題解決に時間が掛かったり、過度なストレスで心身に影響が出たりする恐れがあるので適度に先輩や同僚など周囲の人に頼ることが大切です。
「優しすぎる人に向いてる仕事とは?活かせる強みや適職を探す方法を解説」のコラムでは、「優しすぎる人は仕事ができない」といわれる理由や活躍できる仕事の特徴を解説しているので、チェックしてみてください。
3.理論的思想
倫理的思想を意識することで、顧客折衝能力が高まる可能性があります。感情だけでなく、根拠のある解決策を提示することで説得力のある提案を行えるでしょう。
たとえば、「自社のサービスを利用することで、本来収益の△%掛かっていたコストから約30%削減できます」と具体的な数字や事実を交えたうえで、根拠を説明すると内容に説得力を持たせられます。
顧客折衝能力向上に有効な「PREP法」とは?
顧客折衝能力を向上させるために、「PREP法」を意識することもおすすめです。「PREP法」とは、主張(Point)、理由(Reason)、具体例・事例(Example)、結論(Point)の順番で話す方法のこと。この方法を用いることで話の構造を明確にし、相手が内容を理解しやすくなるでしょう。
提案内容が曖昧では、相手が納得しないと合意に至りません。PREP法を意識した具体的で分かりやすい伝え方を工夫することで、成果につながりやすくなるでしょう。
4.提案力
顧客のニーズに応える最適な解決策を提示するため、提案力を養うことも大切です。提案力はどのようなニーズに対しても対応できるメリットがあるので、顧客折衝で役に立つでしょう。
提案力を磨くには、事前準備を入念に行ったり、情報収集をしたりするのが有効です。たとえば、顧客との商談で一つの提案だけ用意しなかった場合、納得してもらえなかったら契約につながりません。あらかじめ複数の提案内容を用意しておけば、最適な提案を行えるでしょう。
顧客折衝経験や能力を得られる仕事
顧客折衝経験や能力は、仕事のなかで得られる可能性があります。ただ業務をこなすのではなく、顧客折衝能力を意識することで、効率的に身につけられるでしょう。
接客・販売
接客・販売の仕事は、お客さまに対して商品やサービスを直接提供する仕事です。お客さまと直接顔を合わせてコミュニケーションを取り、顧客のニーズを的確に捉える必要があるため、顧客折衝能力を身につけられるでしょう。
たとえば、アパレルショップでお客さまが購入を迷っていた場合、コーディネートの提案やアドバイスによって販売につながることがあります。顧客ニーズに沿った提案力が身につけば、顧客折衝力が向上しているといえるでしょう。
また、接客・販売の仕事では、顧客からのクレームに対応する場面もあります。冷静かつ丁寧に対応することで、問題解決能力や交渉力の向上も期待できるでしょう。「接客業とは?代表的な職種をご紹介!向いている人や転職に役立つスキルも」のコラムでは、接客業のやりがい・メリットや向いている人・向いていない人の特徴を解説しているので、接客・販売の仕事に興味がある方は参考にしてみてください。
営業
営業とは、会社が扱う商品やサービスを顧客に提案し契約につなげる仕事です。仕事の性質上、営業は顧客折衝能力を高める職種といえるでしょう。
営業では顧客の課題やニーズを深く理解し、最適な商品やサービスを提案しないと契約にはつながりません。顧客との長期的な信頼関係を築き、価格や契約条件などの交渉を通して、Win-Winの関係を築くための交渉力が求められるでしょう。
営業職でヒアリング力や提案力、交渉力などの顧客折衝スキルを身につければ、実績にもつながります。企業によっては、業績を給与に反映する「インセンティブ制度」を設けている場合もあるので、高収入も目指せるでしょう。
「営業職とは?きついって本当?向いている人の特徴や年収、目指し方を解説!」のコラムでは、営業職の年収や営業職に向いている人の特徴を解説しているので、参考にしてみてください。
ハタラクティブ プラス在籍アドバイザーからのアドバイス
荒井幹太
効果的な顧客折衝にはコミュニケーション能力はもちろん、相手のニーズを的確に捉える傾聴力、そして信頼関係を築くための誠実さも重要です。 経験としては、接客業や営業など、人と接する仕事での実績があると就職活動や転職活動での選考が有利になるでしょう。
顧客折衝は一朝一夕で身につくものではないので、焦る必要はありません。なぜうまくいかなかったのかを分析し、次に活かすことが成長につながります。 過度に不安にならず、積極的に挑戦していくことが大切ですよ。
顧客折衝能力を身につけるための3つのポイント
顧客折衝能力は努力や意識次第で身につけられるので、「自分には無理」と諦める必要はありません。以下では、顧客折衝能力を身につけるためのポイントを3つ解説するので、スキルを活かして仕事で活躍したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
顧客折衝能力を身につけるためのポイント
- 相手の立場になって物事を考える
- 事前準備をしっかり行う
- 論理的な説明を意識する
1.相手の立場になって物事を考える
顧客折衝能力を身につけるには、相手の立場になって物事を考えてみるのが有効です。自分以外の人の気持ちを完璧に理解するのは難しいもの。しかし、感情や置かれている状況、背景まで理解しようと努める姿勢は、相手に誠実さが伝わるので信頼につながるでしょう。
顧客との信頼関係を築くことで、潜在ニーズが見えてきます。相手が求めるものを理解できれば、適切な提案ができるため顧客折衝能力が身につくでしょう。
2.事前準備をしっかり行う
事前準備をしっかり行うのも、顧客折衝能力を身につけるうえで大切な要素の一つです。自社製品・サービス内容をはじめ、顧客が抱えている問題やその背景が分からないままだと、何を提案すれば良いのか判断が難しくなります。
たとえば、自社に売り出したい商品があっても、顧客が抱えている問題が解決しなければ契約にはつながりません。顧客折衝の目的は利害が一致しない相手と話し合い、目標を達成するために合意点を見出すことです。
あらかじめ顧客が求めているニーズを把握し、複数の提案内容を用意しておくのが望ましいでしょう。用意周到の状態で顧客折衝を行えれば、顧客の要求にも冷静に対応できます。
3.論理的な説明を意識する
顧客折衝能力は、論理的な説明を意識することで身につく可能性があります。コラム内の「3.理論的思想」で前述したように、具体的な数字を用いたり、根拠のある解決策を提示したりすることで説得力が上がりやすくなるでしょう。
提案内容に納得したうえで契約できれば、クレームやトラブルの防止にもつながります。情報収集をしっかりと行い、事実に基づいた分かりやすい説明を意識すれば顧客折衝能力も身につくでしょう。
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顧客折衝に関するお悩みQ&A
ここでは、顧客折衝に関するお悩みをQ&A形式で解決します。
顧客折衝力を活かせる職業は?
顧客折衝力を活かせる職業には、「接客・販売」や「営業」が挙げられます。顧客と直接コミュニケーションを取りながら良好な関係を築き、ニーズを的確に捉えて適切な対応をすることが求められる職種が顧客折衝力を活かせるでしょう。
ほかには、カスタマーサービスやコンサルタントなども該当します。いずれも未経験から始められる場合があるので、視野を広げて探してみましょう。「未経験でもできる仕事8選!正社員就職成功のコツもご紹介します」のコラムでは、未経験からできる仕事や正社員になるコツを解説しているので、チェックしてみてください。
アルバイトで顧客折衝経験が身についたことを自己PRで書いても良い?
アルバイトで身についた顧客折衝経験は、自己PRに書いても問題ありません。お客さまとのやり取りを通じて得られた経験は、企業にとって貴重な情報となるので評価される可能性があります。
自己PRで顧客折衝経験があることをアピールしたい場合は、具体的なエピソードを挙げて、どのような結果を得たのかを説明するのがおすすめです。「フリーターの自己PRはどう書く?書けないときの対処法や例文を解説」のコラムでは、フリーターの自己PRでアピールするときのポイントや書き方のコツを解説しているので、参考にしてみてください。
顧客折衝が苦手だと就職や転職は不利になる?
顧客折衝が苦手だからといって、就職や転職が不利になるとは限りません。企業によっては、スキルや経験よりも、人柄やポテンシャルを重視している場合があるからです。
就職・転職エージェントのハタラクティブが扱う求人の大半は未経験OK。経験やスキルよりも、あなたの人柄やポテンシャルを重視して仕事探しを進められます。専属のキャリアアドバイザーが、希望や経験、性格などをじっくりとヒアリングを実施。ミスマッチを防いで自分に合った仕事を見つけたい方は、ぜひご相談ください。
監修者:後藤祐介
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。
ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。
資格 : 国家資格キャリアコンサルタント・国家資格中小企業診断士
メディア掲載実績 : 「働く」をmustではなくwantに。建設業界の担い手を育て、未来を共創するパートナー対談・定時制高校で就活講演 高卒者の職場定着率向上へ・【イベント開催レポート】ワークリア障がい者雇用セミナー
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