人間関係で仕事を辞めるのは甘え？悪くなる原因や転職する際の注意点を解説

仕事をするなかで、職場の人間関係に悩んだことがある人も多いのではないでしょうか。人間関係が理由で、仕事を辞めたいと思っても「甘えにならないか」「転職に影響しないか」と不安になりますよね。

人間関係が原因で辞める人は一定数おり、我慢を続けると体調不良にもなりかねないので一概に「甘え」や「逃げ」になるとはいえません。一時的な感情で辞めると面接で「忍耐力がない」と判断されかねないので、改善策を試したうえで状況が変わらなければ転職を検討しても良いでしょう。

このコラムでは、キャリアアドバイザーの中村さんのアドバイスを交えながら、人間関係を理由にして退職して良いかを解説しています。また、職場の人間関係が悪化する原因や転職するときの注意点もご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

人間関係を理由に仕事を辞めるのは甘えや逃げになる？

人間関係を理由に仕事を辞めても、甘えや逃げになるとは限りません。ハタラクティブの「若者しごと白書2024（p31）」の調査によると、正社員が就職活動・転職活動を始めたきっかけのランキングは、以下のとおりです。

引用：ハタラクティブ「若者しごと白書2024 03 就職活動・転職活動について 3-4. 就職活動・転職活動を始めたきっかけ」

正社員が就活・転職活動を始めたきっかけに多い理由は、1位に給与が低い（44.6%）、2位がやりがい・達成感がない（29.9%）、3位に人間関係が悪い（23.0%）となっています。この結果から、人間関係で辞める人は一定数いることが分かります。

仕事を辞めたいと感じるきっかけは、人間関係に限らず、給与や業務内容など人によってさまざまあるでしょう。特に、責任感が強い人は「このくらいで辞めたらだめ」と、なかなか退職する判断ができない場合があります。

退職するか迷ったら、「仕事を辞めるのは逃げじゃない！退職の判断基準と逃げ癖の改善方法を解説」のコラムで退職の判断基準を解説しているので、参考にしてみてください。

参照元
ハタラクティブ
若者しごと白書2024

人間関係が仕事を辞めることにつながる3つの原因

職場における人間関係の課題は、どのような職場でも避けられないものです。トラブルを未然に防ぐためには、根本的な原因を把握し、適切な対応策を立てる必要があるでしょう。

職場での人間関係が悪化しやすい理由として、以下の3点が挙げられます。それぞれ解説するので、改善策を立てるときの参考にしてみてください。

1.社員同士でコミュニケーションが不足している

職場の人間関係が悪化する原因には、社員同士でコミュニケーションが不足している場合があります。コミュニケーションが不足すると社内での情報共有が不十分となり、ミスが増加したり、ネガティブな感情や不安が広がったりする可能性があるでしょう。

業務中のコミュニケーションは相手のことを知り、相互の信頼を築き上げるチャンスです。日頃からこまめに業務の進捗状況や情報の共有でコミュニケーションを取れば、業務の円滑な進行と良好な会社の雰囲気を保てるでしょう。

ただし、コミュニケーションを取るのが苦手だからといって、仕事ができないわけではありません。「コミュ障な人が続けやすい仕事とは？活かせる強みや仕事探しのコツも解説！」のコラムでは、コミュニケーションが苦手な人におすすめの仕事をまとめているので、仕事を探すときの参考にしてみてください。

2.仕事に対してのストレスを感じている

仕事に対してのストレスを感じていると、良好な人間関係を作ることが難しくなるでしょう。業務をするなかでイライラしたり、焦りを感じたりすることは、誰にでもあり得ることです。

ただし、そういった負の感情を周囲に伝えてしまうと、コミュニケーションが難しくなり、職場の雰囲気に悪影響を及ぼしかねません。イライラしたり焦ったりすることは仕方ありませんが、周囲への配慮を忘れないようにしましょう。

3.同じ空間で長時間過ごすことでストレスが溜まる

同じ空間で長時間過ごすことによって、相手の悪い部分に目が付きやすくなったり、会社への悪いイメージが蓄積されたりして人間関係が悪化することがあります。

特に、会社勤務ではコミュニケーションをとる相手が限られてしまうことや個々のプライバシーが制限される可能性があることも人間関係の悪化の要因となりうるでしょう。定期的なミーティングやフレキシブルな勤務体系、リモートワークの導入など、より働きやすい環境を整えることが人間関係の向上につながります。

人間関係が原因で仕事を辞めても良い理由

仕事は一人で行うものではないため、人間関係がうまく構築できていない場合、仕事を続けることは難しくなります。以下では、人間関係が原因で仕事を辞めても良い理由を解説しているので、職場の人間関係で悩んでいる方は参考にしてみてください。

パワハラやセクハラがある

社内でパワハラやセクハラを受けている場合は、直ちに会社を辞める覚悟を検討しましょう。パワハラは重大な社会問題であり、刑事罰の対象となることもあります。

ハラスメントが原因で会社を辞めるのであれば、問題解決のために法的手段を検討しても良いかもしれません。また、転職活動で退職した理由を聞かれても、ハラスメントが原因で辞めたことを伝えれば正当な理由として判断されるでしょう。

業務にプレッシャーを感じる

仕事に求められる期待値が高すぎると、プレッシャーを感じることで辞めたいと思うこともあるでしょう。仕事量に追われることで、コミュニケーションを取る余裕がなくなってしまう傾向があります。

また、自分の適性を活かせず、業務内容にミスマッチを感じる場合も退職する理由として認められやすいでしょう。自分に合った職場で働くことでやりがいを感じたり、モチベーションを保てたりするので、人間関係も良好に築ける可能性がありますよ。

職場の雰囲気が悪い

職場の雰囲気が悪ければ、仕事を辞めることは妥当な選択といえます。スタッフ同士のコミュニケーションが希薄であり、不満が絶えない環境では、業務に対するモチベーションの向上や円滑な進行が難しくなりやすいでしょう。

職場の雰囲気や社風は一人で改善できる問題ではないので、すぐに改善さえるのは困難です。雰囲気が良い会社の特徴を知りたい方は、「雰囲気の良い会社に入るためにチェックするべきこと5選！」のコラムで詳しく紹介しているのでぜひ御覧ください。

人間関係が原因でも仕事を辞めないほうが良い理由

仕事を辞めたい原因が人間関係にあっても、退職しないほうが良い場合もあります。以下で、人間関係が原因でも仕事を辞めないほうが良い理由をまとめているので、退職するか迷ったときの参考にしてみてください。

人間関係が悪化した原因が自分にある

人間関係悪化の原因が自分にある場合は、退職を考え直したほうが良いでしょう。たとえば、仕事への取り組みが不十分であったり、挨拶や会話での言葉遣いが悪かったりすることが、人間関係が悪化する原因になっている可能性があります。

また、遅刻や欠勤の回数が多い、同僚や上司に対する反抗的な態度を取っているといったことも信頼を損なう一因になるでしょう。心当たりがある場合、自分が原因で人間関係が悪化している可能性があります。

仕事は一人では完結しないので、協調性を持って良好な人間関係を築くことを心掛けることが大切です。これまでの行動を振り返り問題点を見つけたら、すぐに行動を改め改善に努めれば人間関係を築き直せるでしょう。

入社したばかりで馴染めていない

新卒や入社したばかりの場合、まだ組織内の人間関係が形成されていない可能性が高いので退職を決断するのは賢明ではありません。特に、新人に対して上司が意図的に厳しく接することも考えられるので、人間関係がうまくいかないと思って即座に退職を決断するのは早すぎるかもしれません。

しばらくの間、仕事や環境への慣れ・適応力を養いつつ、状況をじっくり見極めることが重要です。同時に、自身が周囲の期待にどれだけ応えられているかを振り返る良い機会でもあります。「仕事をすぐ辞める人の理由とは？早期離職のデメリットや長続きのコツを紹介」のコラムでは、入社後のすぐに転職を考えても良い場合を解説しているのでぜひご覧ください。

仕事にやりがいを感じている

人間関係に不満があっても、今の仕事や業務そのものにやりがいを感じているのであれば辞めるべきではありません。携わっている仕事が自分にとって魅力的で、達成感を感じられる状況である職場を見つけるのは恵まれているといえます。

人間関係の問題だけでやりがいのある仕事を諦めてしまうのは、もったいないでしょう。気持ちを割り切るのも方法の一つですが、どうすれば人間関係を改善できるかを考えることでより良い職場環境で働ける可能性がありますよ。

相談できる同僚や先輩がいる

人間関係が原因で会社を辞めないと思っても、職場に相談できる同僚や友人がいるなら退職しないほうが良いでしょう。何か問題があっても、誰かに相談することでストレスが軽減されたり、一人で抱え込まずに済むので改善策が発見しやすかったりすることがあります。

また、大企業であれば会社内に悩みや問題に対応する部署がある場合もありますので、そういった部署の利用を検討するのも良いでしょう。

「仕事の一部」と気持ちを割り切っている

人間関係に問題があっても、「これも仕事の一部」と割り切っていれば、辞める必要はありません。人間関係の問題はどんな会社や職場でも起こりうるものです。

それを「仕事の一環」と受け入れることができれば、精神的なストレスが軽減されることも。仕事に取り組むなかで気持ちや状況が変わり、割り切ることが難しくなった場合は、改めて仕事を辞めることを考えても良いでしょう。

人間関係で仕事を辞める前に試すべき7つの対処法

人間関係が原因で退職したときに、改善策を試さず仕事を辞めると「前の職場のほうが良かった」と後悔につながる恐れがあるので一時的な感情で決断するのは避けましょう。面接で退職した理由を聞かれたときに、解決するために行動したうえで改善されなかったことを伝えれば「問題解決に向けて行動できる人」と評価を得られる可能性があります。

以下で、人間関係で仕事を辞める前に試すべき対処法を解説してるので、できることがないか探すときの参考にしてみてください。

1.人間関係も含めて仕事であると割り切る

人間関係で退職したいと思ったら、「人間関係も含めて仕事だ」と割り切ってみましょう。仕事においては、チームワークが不可欠であり、良好な人間関係は重要です。

ただし、良好な関係を築く必要があるからといって、職場の人も友人のように深いプライベートの部分まで共有する必要はありません。適度な距離を保てれば、業務の進行や職場の雰囲気に影響することはないでしょう。

また、仕事から離れたところでは、考えないようにすることもおすすめです。仕事とプライベートの切り替えをしっかり行うことで、人間関係も割り切りやすくなるでしょう。

2.自分の考え方を変えてみる

自分の考え方や接し方を変え、ストレスを最小限に抑えることも仕事を辞める前にできることの一つです。仕事では価値観の異なる人とも付き合う必要があるため、「なじめないものは仕方ない」「好きになれないものは好きになれない」と割り切ることも重要です。

3.仕事での人との関わりを必要最低限にする

仕事を辞める決断をする前に、仕事での人との関わりを必要最低限に抑えてみましょう。仕事ではさまざまな人と関わるので、必要以上に気を使ってすべての人に合わせようとすると疲れてしまい「しんどい」と感じやすくなります。

業務に関係のない連絡を避けるのも、最低限の関わり方として挙げられるでしょう。どうしても苦手な人と関わりたくないと感じてしまう方は、「人と関わりたくない…ストレスの原因やおすすめの仕事を紹介！」のコラムで「人と関わりたくない」気持ちを軽減させる考え方を解説しているので参考にしてみてください。

4.信頼できる同僚や上司に相談する

人間関係に悩んで退職を決意する前に、信頼できる同僚や上司に相談するのもおすすめです。職場内の信頼できる存在に悩みを打ち明けられれば、ストレスが軽減されたり、改善策が見つかったりする可能性があるでしょう。

また、職場に相談できる人がいない場合、同僚や上司など信頼できる存在を見つけることも重要です。先輩や同僚の経験を知ることで新たな視点が得られ、退職以外の選択肢が見えてくるかもしれません。

ただし、相談相手の信頼性を検証し、話す内容によっては慎重に選択する必要があります。話したことが本人に伝わったり、内容が湾曲して新たな噂が広がったりしないよう慎重になる必要があるでしょう。

5.人事部や役員などの上層部に直接相談する

人間関係が原因で退職を検討する前に、会社の人事部や上司に直接状況を相談することも有効な手段でしょう。いつ、どこで、どのような状況で問題が発生したのか、そしてどのような被害が生じているのかを明確に伝える必要があります。

相談内容によっては、証拠となるものを取っておくと役立つでしょう。パワハラやセクハラなどの深刻な問題に直面した際、社内に専門の部署がある場合にはそういった窓口を利用することも検討することをおすすめします。

6.休職する

人間関係に疲れた際には、退職を決断する前に休職してみるのも良いでしょう。一度ストレスの原因から距離を置き、心身をリフレッシュすることがおすすめです。

一定期間職場から離れることで気持ちがリセットでき、前向きに業務に取り組めるようになるかもしれませんよ。休職の規定は企業によって異なるため、就業規則を確認しましょう。

人間関係を理由に仕事を辞めて転職するときの注意点

人間関係をきっかけに転職しようとしている場合、いくつかの注意点があります。以下で人間関係を理由に仕事を辞めて転職するときの注意点を解説するので、参考にしてみてください。

一時的な感情で退職しない

人間関係が悪いからといって、一時的な感情で退職しないほうが良いでしょう。勢いで辞めてしまうと、経済的に厳しくなったり、再就職が遅くなったりするなど、準備不足によるデメリットも多くなるためです。

なかなか内定が得られない場合、焦ってしまい条件に満足しない職場を選んでしまって後悔することも考えられるでしょう。人間関係の問題で仕事を辞めたいと思ったら、じっくりと自分の気持ちと将来の計画を見つめ直し、慎重に決断を下すことが求められます。

計画を立てないまま退職しない

転職を成功させるためには、計画を立てることが大切です。転職の準備をしないまま退職すると、自分に合った職場を選べなかったり、退職時に問題が発生したりして円満退職ができなくなることがあるでしょう。

また、「いつまでに退職する」と期限を設けないと、転職活動に集中できず長引いてしまい、モチベーション低下にもつながることも。転職を決めたら退職前に「10月までに転職を完了させる」というような具体的な目標を立て、達成するための具体的な計画を立てることで成功しやすくなるでしょう。

転職に不安があるならプロに相談しよう

職場の人間関係は、仕事を決めるうえで大切な項目の一つです。転職に不安がある場合、就職・転職エージェントのプロに相談するのも良いでしょう。

就職・転職エージェントに相談すれば、面接で退職理由を伝えるときに好印象を得られる伝え方や仕事の選び方のアドバイスを得られます。また、あなたの適性に合った求人を紹介してくれるので、ミスマッチを防げるのもメリットになるでしょう。

「退職理由を聞かれたときの答え方が分からない」「人間関係が良い職場を見つけたい」という方は、就職・転職エージェントのハタラクティブにご相談ください。ハタラクティブは、若年層に特化した就職・転職エージェントです。

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