この記事のまとめ
- 退職は逃げとは限らず、辞めた方が将来的にキャリアにプラスになる場合もある
- 改善が難しい職場の問題や過度なストレス、ミスマッチによる退職は逃げではない
- 退職は逃げか判断する基準は「やりがいがあるか」「仕事の不満を自己解決できるか」など
- 逃げ癖のリスクの一つは、スキルや経験を積む機会を逃しキャリア形成が難しくなること
- 自分に合った仕事を見つけたいなら、エージェントを利用して転職活動を始めるのも手
「退職したいけど逃げになる?」と不安な方もいるでしょう。仕事を辞めて良いか判断するのは難しいですよね。
退職することが、必ずしも逃げになるとは限りません。辞めたい理由によっては、退職したほうがキャリアにプラスになる場合もあります。ただし、短期退職を繰り返すと「転職が難しくなる」「忍耐力が低下する」などのリスクがあるのも事実です。仕事を辞めたいと思ったら、すぐに退職するのではなく「逃げになるか」「自分のキャリアにとってプラスになるか」を見極めてから決断しましょう。
このコラムでは、キャリアアドバイザーの高城さんのアドバイスを交えつつ、退職が逃げにならないパターンを解説します。また、逃げ癖によるリスクや改善方法も紹介するので、ぜひご一読ください。
退職するのは逃げになる?
仕事を辞めることは、必ずしも逃げになるとは限りません。逃げるとは、問題に向き合わず避けることを指します。たとえば、「職場の人間関係に悩み、過度なストレスを抱えている」「ほかの業界でやりたい仕事を見つけた」といった状況の場合、退職しても逃げにはならないでしょう。
仕事を辞めたい人のなかには「退職すると逃げ癖がつくかも」「上司に退職の意思を伝えたら逃げだと言われた」と悩み、我慢して働き続けて体調不良を起こしてしまう場合も。心身の健康を保つためにも、退職を判断する基準を自分のなかで明確にしておくのが大切といえるでしょう。
なお、ハタラクティブの「若者しごと白書2025(p.8)1-3. 正社員の仕事を退職した理由」によると、正社員経験のあるフリーターが正社員の仕事を退職した理由は男女ともに「人間関係」や「労働環境・時間」「健康上の理由」が多いようです。「給与が低かった」「社風が合わなかった」も、一定の割合を占めています。
職場環境や待遇面の理由で会社を辞める人が多いことが分かるでしょう。
「退職したら後悔するかもしれない」と迷っている方は、「もう辞めたいと思ったら退職して良い?迷ったときのポイントや対処法を解説」のコラムも参考にしてみてください。
ハタラクティブ プラス在籍アドバイザーからのアドバイス

高城綾香
在籍期間にもよって異なりますが、現在のお仕事を辞めるリスクは、キャリアを変えることによって新しい環境でイチからのスタートになってしまうことです。
しかし、何かしらに不満を抱き退職を考えているのであれば、新しい環境に一歩踏み出すことによって解消できるかもしれません。「ほかの企業であればどうなのか?」「ほかの業界や職種ではもっと自分の強みを活かせることがあるのではないか?」と比べてみるのもおすすめです。
転職したとしても、勤務地やお給料、仕事内容や職場の人間関係などが、今の環境より良くなるとは限りません。現職の何に満足できていて、何に不満を抱いているのか、最も実現させたいことは何なのか、優先順位を考えてみてください。自分に合う環境は現在の職場なのか、また別のところにあるのかが見えてくるでしょう。
参照元
ハタラクティブ
若者しごと白書2025
退職が逃げになるかどうかを見極める3つのポイント
ここでは、退職が逃げになるか判断するときのポイントを3つ紹介します。「仕事を辞めたいけど逃げるのは嫌…」「どうすれば後悔しない選択ができるか分からない」とお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
退職が逃げになるかどうかを見極めるポイント
- やりがいを感じているか
- 今の仕事で叶えたい目標があるか
- 辞めたい原因を自己解決できるか
1.やりがいを感じているか
仕事を辞める前に、現在の仕事にやりがいを感じているかどうかを考えてみましょう。業務内容にミスマッチを感じる場合、やりがいを感じづらいでしょう。
やりがいは、仕事に意欲的に取り組んだり、成長したりするために重要な要素です。やりがいを感じない仕事を続けると、「モチベーションが低いため成果を出せない」「精神的なストレスにつながる」などのリスクがあります。
「今の仕事が自分に合わない」と感じる場合は、辞めても逃げにはなりません。むしろ、今後のキャリアにとってプラスになる可能性があるため、退職を検討することをおすすめします。
2.今の仕事で叶えたい目標があるか
今の職場で実現したい目標があるかどうかも、退職が逃げにならないかを判断する基準の一つ。「昇進してやりたい業務がある」「キャリアアップをしたい」など、現職でしたいことがあるか考えてみましょう。
何らかの目標がある場合は、仕事を続けるのも手といえます。一方、今の職場環境では入社時の目標を達成できない、得たいスキルが習得できないと判断したら、退職を視野に入れて考えてみましょう。
3.辞めたい原因を自己解決できるか
辞めたいと思った原因を、自分で解決できるかどうかも退職を判断する大切なポイントです。原因を解決するために自分にできる対策があれば、退職を決断する前に実行してみましょう。
たとえば、辞めたいと思った原因が「仕事を覚えられず、ミスが多い」といった場合、退職を決断する前にメモをとったり、こまめに上司に確認をとったりして改善を試みましょう。
仕事のやり方を工夫することで問題が解決できれば、仕事を続けようという気持ちになるかもしれません。
ただし、すべての問題が自分だけで解決できるとは限りません。辞めたい原因が自分の力だけで改善するのが難しい人間関係や職場環境の場合は、転職を検討してみてくださいね。
退職が逃げにならない4つのパターン
ここでは、退職が逃げにならないパターンを具体的に解説します。自分に当てはまるものはあるか、チェックしてみてください。
退職が逃げにならないパターン
- 退職したい原因が自分以外にある
- 心身に負担がかかっている
- 仕事内容にミスマッチを感じる
- ほかにやりたい仕事がある
1.退職したい原因が自分以外にある
辞めたい原因が自分以外にあり努力しても解決が難しい場合、退職することは逃げになりません。先述したとおり、すべての問題を自分だけで解決できるとは限らないからです。
仕事を辞めたい理由が会社の方針や人間関係などの場合、上司や同僚に相談して改善を試みても解決しないこともあるでしょう。
改善しない問題に過度にこだわらず気持ちを切り替えて転職することは、逃げにはなりません。転職活動で退職理由を聞かれた際は、状況を改善するための努力をしたことを伝えればマイナスな印象をもたれにくいでしょう。
2.心身に負担がかかっている
職場で日常的に過度なストレスを感じて退職した場合、逃げたことにはなりません。ストレスを感じながら勤務し続けることで、心身に影響が出る恐れも。健康に支障が出てしまう前に退職するのが賢明といえます。
周囲の目が気になったり、仕事への責任を感じたりして辞めづらいという方もいるでしょう。自分で退職を決断するのが難しい場合、上司や担当医に相談するのも方法の一つです。
3.仕事内容にミスマッチを感じる
「今の仕事が合っていない」「やりがいを感じられない」という理由で退職をしても、仕事から逃げたとはいえません。仕事内容にミスマッチを感じるなら、自分のスキルや知識を活かせる職場を探すことを考えてみましょう。
転職活動は年齢が若いほど有利になります。我慢して合わない仕事を続けるよりも早めに転職活動を始めることをおすすめします。
4.ほかにやりたい仕事がある
現職と異なる業界や業種で挑戦したい仕事が見つかったら、退職を前向きに検討してみましょう。別の道へ進みたいというのは、逃げではなく前向きな退職理由といえます。
やりたい仕事に転職すると、モチベーションを維持しやすいため「成果を出しやすい」「やりがいを感じやすい」などのメリットがあるでしょう。
ただし、退職のタイミングには注意が必要です。今の職場で得られるスキルのなかに、やりたい仕事で活かせるものがあるかもしれません。退職を決断したら実行に移す前に、転職活動でアピールできる経験やスキルを得てから辞めることも検討してみてくださいね。
短期退職を繰り返す「逃げ癖」のリスク
自信や意欲がなく、「ミスして怒られたから」「やる気が起きないから」といった理由ですぐに退職すると「逃げ癖」がついてしまう恐れもあります。ここでは、「逃げ癖」から頻繁に退職することのリスクを解説しています。「退職したいけど逃げ癖がつきそう…」とお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
仕事に対する忍耐力が低下する
仕事で困難な状況に直面するたびに退職を繰り返すと、忍耐力が低下する恐れがあります。どのような仕事であっても、嫌なことやつらいことはありますよね。
感情に任せてすぐに辞めてしまうと、どの仕事も長続きしづらくなるでしょう。「仕事を辞めて逃げ出したい」と感じても、ある程度は我慢したり状況を改善するために行動したりして、忍耐力や問題解決能力を養うことが大切です。
キャリア形成が難しくなる
キャリア形成とは、仕事における目標を明確にして、実現するために必要なスキルや経験を積むプロセスのことです。短期退職を繰り返すと仕事のスキルや専門性が身につきづらいため、キャリア形成が難しくなります。
キャリア形成がうまくできないと、責任のある仕事を任されづらかったり、昇進や昇給のチャンスを逃したりする恐れがあるでしょう。将来の目標を見据えて、一時的な不満だけで退職を判断しないことが大切です。
転職活動で不利になる場合がある
「逃げ癖」から短期間で退職を繰り返すと、転職活動が不利になる恐れがあります。短期間の職歴が多数あると、採用担当者に「入社してもすぐ退職するのでは」と危惧されやすくなるためです。
また、短期間で仕事を辞めるとスキルや知識が身につきづらく、転職活動でのアピールが難しくなる恐れがあるでしょう。
今の会社で働き続けてスキルを習得することで仕事に慣れ、辞めたい気持ちが解消する可能性もあります。入社後すぐに退職するのはできる限り避けて、一定期間勤務してから判断するのがおすすめです。
失業手当(基本手当)を受け取れないことがある
短期間で退職をすると、失業手当(基本手当)の受給条件に満たず受け取れないことがあるでしょう。ハローワークインターネットサービスの「基本手当について」によると、自己都合退職の場合、失業手当の受給条件は「離職の日以前の2年間に、雇用保険(失業保険)の被保険者であった期間が通算12ヶ月以上あること」です。
会社への在籍期間が12ヶ月に満たず失業手当を受け取れないと、収入が途切れる不安から焦って転職先を決めてしまい、ミスマッチを繰り返すという悪循環になりかねません。
また、先述したとおり転職活動が不利になるといったリスクもあるので、心身の不調やけが以外といったやむを得ない場合以外、短期退職は避けるのが賢明といえます。
退職後に失業手当を受給したいと考えている方は「退職後にハローワークで行う手続きって何?失業保険の受給条件や手順を解説」のコラムもご覧くださいね。
参照元
ハローワークインターネットサービス
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短期退職を繰り返す「逃げ癖」を改善する3つの方法
もし仕事で「逃げ癖」がついてしまっても、目標を立てたり退職することのデメリットを考えたりすることで改善に取り組めます。ここでは、仕事で嫌なことがあるとすぐ「逃げたい」と思う癖を改善する方法をまとめました。「逃げ癖」を改められるよう、普段から意識して仕事に取り組んでみましょう。
「逃げ癖」を改善する方法
- 今の仕事で目標を立てる
- 退職することのデメリットを考える
- 退職したい原因を解決する方法を考える
1.今の仕事で目標を立てる
仕事で嫌なことがあっても目標があることでモチベーションを保ちやすくなり、結果的に仕事の満足度を上げられる可能性があります。まずは、短期的な目標から立ててみましょう。
目標を達成するために積極的に仕事に取り組むことで、新しい知識やスキルを身につけたり成果を出せたりするかもしれません。そして、スキルや成果が職場で評価されて意欲がさらに高まるという好循環が生まれる可能性もあるでしょう。
2.退職することのデメリットを考える
すぐに仕事を辞めたいと思ったときに、退職したらどのようなデメリットがあるか考えることも逃げ癖を改善する方法の一つです。退職後のデメリットを挙げてみることで、辞めたい気持ちが解消される可能性があるでしょう。
すぐ退職するデメリットには「収入がなくなり、生活が厳しくなる」「次の仕事が決まりにくい」などがあります。具体的なデメリットを確認することで、「すぐ辞めないほうが良い」と冷静に判断しやすくなるでしょう。
3.退職したい原因を解決する方法を考える
仕事で「逃げたい」と思う問題が起きたら、原因を突き止め解決する方法を考えてみましょう。一人で解決するのが難しい場合は、上司や同僚、人事に相談することで早く解決策が見つかることもあります。
退職を決断するのは、周囲に相談したり解決策を試したりしたうえで状況が改善できないことが判明してからでも遅くはありません。逃げ癖をつけないために、まずは問題を解決する方法がないか探すよう心がけましょう。
自分に合った仕事を探すコツ
短期退職を防ぐためには、自分に合った仕事を選ぶことが大切です。希望やスキルにマッチした仕事であれば、長く続けられる可能性があるでしょう。自分だけで仕事探しをするのが不安なら、転職エージェントに相談するのもおすすめです。
仕事をするうえで必要な条件を明確にする
転職活動を始めるにあたり、業務内容や勤務地などの希望条件を明確にしておきましょう。また、企業選びの軸となる「譲れない条件」と、「妥協できる条件」を決めることも重要です。そうすることで理想の働き方が具体的になり、マッチする企業を選びやすくなるでしょう。自分に向いている仕事を探す方法を知りたい方は、「自分に合う仕事をする大切さって?その特徴や仕事探しの方法」のコラムもぜひチェックしてみてください。
「待遇」のみを重視して仕事を選ぶのは避けよう
求人を探すときに、「待遇」のみを重視するのは避けましょう。もちろん、福利厚生や給与面といった条件も大切ですが、職場環境や仕事内容も仕事の満足度と密接に関係しています。
待遇以外にも、「自分のスキルや経験が活かせる職場なのか」「職場環境が良好か」といった点を考慮して仕事探しをしましょう。
視野を広くもって仕事探しをする
求人を探すときは視野を広くもつために、自分が苦手と感じている分野にも目を向けてみましょう。
仕事探しでは自分の興味がある仕事ばかりに目が行きがちですが、やりたい仕事と自分の適性がマッチしているとは限りません。反対に、自分には向いていないと思っている職種でも実際に働くとスキルを発揮できる可能性もあります。
自分の得意分野・苦手分野を洗い出し、どうしても避けたい苦手な要素を含む求人以外に目を向けることで、広い視野で仕事を探しやすくなりますよ。
転職エージェントを利用する
「自分に合う仕事がわからない」「長く働ける職場を見つけたい」という方は、就職・転職エージェントに相談するのも方法の一つです。就職・転職エージェントは、求人紹介や選考対策などで就職活動をサポートする民間のサービスです。
エージェントによっては、幅広い業界の求人を豊富に取りそろえていたり、自己分析を一緒に行い適性や強みを洗い出してくれたりするので、自分に合う仕事を見つけやすいでしょう。
また、退職するかどうか迷っている場合は、エージェントに相談するのも手です。エージェントによっては、現状を踏まえて「退職しても問題ないですよ」「今の仕事を続けるのもアリ」といったアドバイスをしてくれます。
サービス内容やサポートの対象年齢はエージェントによって異なるので、利用する際は自分の状況や希望に合ったエージェントを選んでくださいね。
「今の仕事を辞めたい」「次こそ自分に合う職場を見つけたい」という方は、若年層に特化した就活・転職エージェントであるハタラクティブをご利用ください。ハタラクティブでは一人ひとりに担当のキャリアアドバイザーがつき、自己分析や企業選びの軸の決定もサポートしています。希望や強みに合わせた求人を多数の求人から厳選してご紹介。求人に掲載の企業には取材を行っているため、職場の雰囲気といった詳しい情報もお伝えします。
ほかにも、企業とのやりとりの代行や応募書類の添削、面接対策などで手厚くサポートするので、今の仕事を続けながら転職活動をしたい方にもぴったりです。サービスはすべて無料なので、ぜひお気軽にご相談ください。
「退職は逃げ?」というお悩みに関するFAQ
ここでは、「会社を辞めるのは逃げ?」と迷う場合によくあるお悩みにQ&A形式で回答します。退職を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
上司に退職の意思を伝えたら逃げと言われた…仕事を続けるべき?
労働者には、民法や労働基準法などにより退職の自由が認められています。後悔しないためにも、上司の意見に流されず自分で退職するかどうかを判断することが大切です。
なお、退職することは逃げとは限りません。このコラムの「退職が逃げになるかどうかを見極める3つのポイント」を参考に、「自分が辞めることは逃げになるのか」「仕事を続けたいか」を考えてみてくださいね。
職場で退職ラッシュが起きて逃げ遅れたらどうなる?
多くの社員が次々と辞めると、残った社員が人手不足で残業や長時間労働をしなければならなくなったり、職場の雰囲気が悪化したりする恐れがあります。
退職ラッシュが起きた原因が「ハラスメントが常態化している」「元々人手不足で残業が多い」など会社側にあり、解決が見込めない場合は、自分も退職を視野に入れて考えるのも手です。
仕事の「辞め癖」がついた人の末路は?
辞め癖がつくと、「どのような業界や職種でも長く働くのが難しくなる」「転職活動で不利になる」「自己都合で退職後、失業手当(基本手当)が受け取れない場合がある」などのリスクがあります。
「長続きする仕事を見つけたい」「自分に合う企業の選び方が分からない」という方は、ハタラクティブへご相談ください。経験豊富なプロのキャリアアドバイザーが、カウンセリングや求人紹介などで就職・転職活動を手厚くサポートします。
