この記事のまとめ
- 高専卒フリーターの就職活動では、専門知識やアルバイト経験がアピール材料となる
- 面接対策では、高専卒フリーターに特化した想定質問への回答準備が大切
- 製造業やIT関連職などは、専門性を活かせる就職先として高専卒にフリーターにおすすめ
- フリーター期間が長いほど就職難易度は上がるため、早めに行動を開始しよう
「高専卒のフリーターだけど就職できる?」「専門知識を活かせる仕事に就きたい」と悩んでいませんか?
高専卒フリーターの就職事情は、一般的なフリーターよりも有利な面があります。高専卒業者の就職率は99.6%と非常に高く、フリーターから正社員への就職率も約7割と高い傾向にあります。これは、高専で学んだ専門知識や技術が企業から評価されることがあるからです。
このコラムでは、キャリアアドバイザーの林さんのアドバイスのもと、高専卒フリーターの就職活動における強みや、就職成功への6つのステップを紹介します。「正社員になりたいけど何から始めれば良いか分からない」という方はぜひ参考にしてくださいね。
そもそも高専(高等専門学校)って?
高専(高等専門学校)は、実践的な技術者を育成することを目的とした学校です。中学校卒業後に入学でき、5年間の一貫教育を行う点が高校とは異なります。授業では専門分野の知識や技術を学ぶため、座学だけでなく実験や実習も豊富に取り入れられているのが特徴です。
高専で学んだ専門知識やスキルは、社会に出てからも役立つものが多いでしょう。そのため、高専を卒業すると、即戦力として企業から評価されやすい傾向があります。
高専卒フリーターの就職事情について知ろう!
高専卒フリーターの就職事情は、一般的なフリーターよりも有利な面があります。その理由と現状について、以下で詳しく見ていきましょう。
高専卒業者の就職率は99.6%と高い
厚生労働省の「令和7年3月大学等卒業者の就職状況(4月1日現在)を公表します」によると、2024年度(令和6年度)の高専卒業者の就職率は99.6%です。短期大学卒業者が97.0%、大学卒業者が98.0%なので、高専卒業者の就職率は高めであるといえるでしょう。
| 高専(高等専門学校) | 短期大学 | 大学 | |
|---|---|---|---|
| 就職率 | 99.6% | 97.0% | 98.0% |
参照:厚生労働省「令和7年3月大学等卒業者の就職状況(4月1日現在)を公表します(p.3)」
高専では5年間という長期にわたって専門的な知識や技術を学ぶため、卒業時点ですでに一定のスキルをもっていると評価され、企業側も採用に積極的になるのだと考えられます。
参照元
厚生労働省
令和7年3月大学等卒業者の就職状況(4月1日現在)を公表します
就職先として多いのは製造業
下記の表は、文部科学省による「学校基本調査(令和6年度)」をもとに高専卒業者の主な就職先と就職者数をまとめたものです。
| 業種 | 就職者数 |
|---|---|
| 製造業 | 2,668人 |
| 情報通信業 | 832人 |
| 建設業 | 603人 |
| 電気・ガス・熱供給・水道業 | 382人 |
| 学術研究、専門・技術サービス業 | 332人 |
参照:政府統計の総合窓口(e-Stat)「学校基本調査 / 令和6年度 高等教育機関 卒業後の状況調査 卒業後の状況調査票(高等専門学校)」
このデータから高専卒の就職先として特に多い業種は、製造業であることが分かります。
製造業は、製品の設計や開発、生産、品質管理など、さまざまな工程で専門知識が必要です。高専で学んだ知識が活かせる職場が多いことから、就職先として製造業が選ばれやすい傾向にあるのだと考えられます。
参照元
文部科学省
学校基本調査-令和6年度 結果の概要-
フリーターからも7割近くが就職に成功している
独立行政法人労働政策研究・研修機構の「労働政策研究報告書 No. 213(p.126)」によると、正社員になろうとした高専卒のフリーターのうち、実際に正社員になれた人の割合は67.6%です。専門学校と短大の卒業者も含む数字のため、高専だけに絞ると前後する可能性はありますが、約7割の方が就職に成功していることが分かります。
そのため、「卒業後すぐに就職しなかったから…」と正社員になることを諦める必要はありません。ただし、フリーター期間が長くなるほど就職難易度は上がる傾向があるため、できるだけ早めに就職活動を始めるのが望ましいでしょう。
参照
独立行政法人労働政策研究・研修機構
労働政策研究報告書 No.213 大都市の若者の就業行動と意識の変容―「第5回 若者のワークスタイル調査」から―
年収は大学・大学院卒よりも低い可能性がある
厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査の概況」をもとに学歴別の平均賃金を比べると、高専卒の方は大学・大学院卒の方より給与が低い傾向にあることが分かります。
| 学歴 | 平均賃金 |
|---|---|
| 高校 | 28万8,900円 |
| 専門学校 | 30万6,900円 |
| 高専・短大 | 30万7,200円 |
| 大学 | 38万5,800円 |
| 大学院 | 49万7,000円 |
参照:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査の概況(p.8)」
高専・短大卒の平均賃金が30万7,200円であるのに対し、大卒は38万5,800円、大学院卒は49万7,000円。学歴によって、平均賃金に8~19万円程度の差があります。
企業規模や勤続年数などによっても給与は変動すると考えられますが、一般的に高専卒の方は、大卒・大学院卒の方よりも高収入を得にくいことを把握しておきましょう。
参照元
厚生労働省
令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況
高専卒フリーターが就職活動で有利な点
高専卒フリーターの強みを理解し、効果的にアピールすることで就職成功の可能性を高められる可能性があります。高専で身につけた専門性とフリーター時代の実務経験をうまく組み合わせることで、ほかの求職者との差別化が図れるでしょう。
以下で、高専卒フリーターの就職活動における強みについて詳しく解説します。
高専で学んだ専門知識・スキルをアピールできる
高専で身につけた専門知識や技術は、就職活動において武器となります。即戦力となる人材を求めている企業では、高専で学んだ実践的なスキルが高く評価されることも珍しくないでしょう。
書類選考や面接では、専攻分野で具体的に何を学んだのか、どのような実験や実習を行ったのかをアピールするのがおすすめです。たとえば、「卒業研究で〇〇を開発しました」「〇〇のプロジェクトでリーダーを務めました」などの具体的なエピソードを話すと、説得力が増しますよ。
フリーターとして実務経験を積んでいる場合は強みとなる
フリーターとして働いた経験も強みとなります。たとえば、「接客業のアルバイトでコミュニケーション能力を磨いた」「事務作業でPCスキルを向上させた」などの経験は、正社員として働く際にも活かせるスキルとしてアピールできるでしょう。
正社員として働くことに漠然とした不安を抱いている人も、フリーター期間の経験を振り返り、自信をもって就職活動に臨むことが大切ですよ。
ハタラクティブ プラス在籍アドバイザーからのアドバイス

林 瑠莉香
高専卒のフリーターは、幅広い業界で就職のチャンスがあります。高専で培った技術力や専門性が強みとなり、即戦力として期待されることも少なくないでしょう。
フリーター期間があることを不安に感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、その間に何をしていたのか、どのようなスキルを身につけたのかを明確に伝えられれば、むしろ強みになることもあります。アルバイトを通して身につけたスキルや、自主的に勉強して取得した資格などがあれば、積極的にアピールしてみてくださいね。
高専卒フリーターに特化した就職成功の道6ステップ
高専卒フリーターが正社員として就職するには、計画的に就職活動を行うことが成功の鍵です。
ここでは、就職成功への道筋を6つのステップに分けて詳しく説明します。これらのステップを着実に踏むことで、効率的に就職活動が進められるでしょう。
1.自己分析を行い自分の強み・弱みを知る
就職活動の第一歩は、自分自身をよく知ることです。高専で何を学び、どのような技術に興味をもったのか、フリーター期間にどのような経験をしてきたのかを振り返ってみましょう。
高専卒のフリーターの方が自己分析を行うときは、以下のポイントについても考えてみてくださいね。
- ・高専で学んだ専門分野で、特に得意なことは何か?
- ・卒業研究や実験でどのような成果を出したか?
- ・フリーター期間に身についたスキルは何か?
- ・どのような仕事や働き方をしたいのか?
自己分析をすることで、自分の強みや弱みが明確になり、あなたに合った仕事を見つけやすくなるでしょう。
2.就職活動の軸を定め目標を設定する
自己分析ができたら、次に就職活動の軸を定めます。業種や職種、勤務地、企業規模、給与水準など、あなたにとって何が重要かを考えてみましょう。就職活動の軸がはっきりすると、応募する企業のリストアップがしやすくなります。
就職活動の軸が決まったら、それに沿って具体的な目標を設定しましょう。たとえば、高専で電子工学を学んだ場合は、「電子機器メーカーのエンジニア職を目指す」「首都圏の中小企業で技術職として働きたい」など、ある程度絞り込んだ目標設定がおすすめです。
3.求人情報を集め応募企業を選ぶ
就職活動の軸と目標が決まったら、求人情報を集めます。高専卒フリーターが求人情報を集めるときは、以下のような方法がおすすめです。
- ・求人サイト・アプリの活用
- ・ハローワークの利用
- ・就職エージェントの活用
- ・高専の就職支援窓口に相談(卒業生でも利用できる場合がある)
- ・企業のWebサイトで採用ページをチェック
求人情報を集めるときは、複数の方法を活用することで、より多くの選択肢のなかから自分に合った仕事を探しやすくなります。
4.企業研究をしっかり行う
応募する企業を決めたら、企業研究をしっかり行いましょう。企業研究とは、企業の事業内容や経営理念、社風などを調べることです。企業のWebサイトやニュース記事、SNS、口コミサイトなど、さまざまな情報源から調べてみてくださいね。
また、企業研究を通して高専卒の強みを活かせるポイントを見つけるのもおすすめです。たとえば、「この企業では◯◯という技術が使われているが、それは高専で学んだ内容と関連している」といった接点を見つけられると、面接で具体的なアピールができるでしょう。
企業研究は、「本当にその企業で働きたいのかどうか」を自分自身が判断するためにも大切です。入社後のミスマッチを防ぐためにも、しっかりと時間をかけて行うことをおすすめします。
5.応募書類(履歴書・職務経歴書など)を作成する
応募書類は、あなたの魅力を企業に伝えるための大切な手段です。高専での学びやフリーター期間の経験を、具体的なエピソードを交えて記載しましょう。
履歴書や職務経歴書を作成するときは、以下のポイントを押さえると効果的です。
- ・高専時代の研究テーマや専攻分野を具体的に書く
- ・フリーター期間中のアルバイト経験は、身につけたスキルや成果とセットで書く
- ・空白期間がある場合は、その間に学んだことや取り組んだことを書く
- ・誤字脱字がないか入念にチェックする
近年、企業の指定がなければ履歴書をパソコンで作成するのが一般的になってきています。ただし、手書きの方が人柄が伝わるという意見もあるため、応募先企業の雰囲気や業界の慣習に合わせましょう。
応募書類の書き方や記入時のポイントが知りたい方は、「履歴書の書き方を解説!記載する際のマナーや好印象を与えるポイントも紹介」や「職務経歴書とは?企業が見ていることや書くときのポイントを例文で解説」のコラムをチェックしてみてくださいね。
6.面接対策を行い自信をつける
面接は、企業に直接自分をアピールできるチャンスです。自分の強みや魅力が企業に伝わるように面接対策を行いましょう。基本的な面接対策のやり方は、以下のとおりです。
- ・志望動機と企業に伝えたい自分の強みをはっきりさせる
- ・想定される質問への回答を準備する
- ・模擬面接を行う
特に高専卒のフリーターの場合は、「なぜ今まで正社員として働いていなかったのか」「高専で学んだことをどのように活かせるのか」などの質問をされる可能性があります。これらに対する説得力のある回答を準備しておくことが大切です。
また、友人や家族に協力してもらって模擬面接を行うことで、自分では気づけなかった改善点に気づけることがあります。面接練習の必要性について解説している「面接練習は必要?やり方は?効果的に進める方法や意識すべきポイントを解説」のコラムも、あわせてチェックしてみてくださいね。
高専卒フリーターにおすすめの就職先5選
高専卒フリーターの方には、専門的な知識や技術を活かせる就職先が特におすすめです。ここでは、なぜその業界がおすすめなのか、そして内定を勝ち取るためのポイントもあわせて解説します。
1.製造業
製造業は、自動車や家電、半導体などのさまざまなメーカーがあります。高専で学んだ機械工学や電気工学などの知識を活かせるため、高専卒のフリーターの方におすすめです。企業からも即戦力として期待されやすいでしょう。
選考では、高専での卒業研究の内容や、実験・実習で身につけたスキルを具体的にアピールするのがポイント。フリーター期間に製造業のアルバイトを経験しているなら、その経験も強みとなることがあります。
製造業を含むものづくりの仕事について解説している「ものづくりの仕事一覧!向いている人の特徴や将来性も解説」も、ぜひ読んでみてくださいね。
2.IT関連職
高専で情報工学を専攻していた人には、IT業界がおすすめです。実力主義の傾向が強いため、フリーター期間に自主的にスキルを身につけた人も活躍しやすい環境といえるでしょう。
これまでに制作したWebサイトやアプリケーションなどが提示できる場合は、ポートフォリオを作成すると、あなたのスキルを企業にアピールできます。また、「ITパスポート」や「基本情報技術者試験」などの資格を取得することで、基本的なIT知識の証明になるでしょう。
3.建設業
建設業は、高専で土木工学や建築学を専攻していた人におすすめです。インフラ整備や建物の建設など、社会に貢献できるやりがいのある仕事が多いのが特徴。また、人手不足の業界でもあるため、未経験者の採用にも積極的な傾向があります。
高専で勉強したことや、関連するアルバイト経験があれば積極的にアピールしましょう。「地図に残る仕事がしたい」「社会の基盤を支えたい」など、ものづくりに対する熱意を伝えるのも効果的ですよ。
4.サービス業
高専で学んだ知識やアルバイトでの経験を活かして、サービス業で働く選択肢もあります。たとえば、機械やシステムの保守・点検を行うサービスエンジニアは、専門知識とコミュニケーション能力の両方が求められるため、フリーター期間に接客スキルを身につけた人にもおすすめです。
選考では、フリーター期間の経験や仕事で活かせる専門知識を具体的に説明しましょう。サービス業は、お客さまの対応を行う機会が多い仕事のため、分かりやすい言葉で説明するスキルが求められます。
5.公務員
公務員は、安定した収入や福利厚生が魅力です。高専で学んだ知識やスキルが活かせる技術職の採用枠もあり、専門知識を活かして社会に貢献できる可能性があります。仕事に安定を求める高専卒のフリーターの方におすすめです。
公務員になるためには、公務員試験に合格しなければなりません。そのため、試験への対策をしっかり行いましょう。高専で学んだ専門知識を活かせる職種の場合は、面接でどのように知識を活用し、社会に貢献していきたいのかをアピールすることが大切です。
公務員試験の概要については「公務員就職は既卒で目指せる?試験概要やうまくいかないときの対処法を解説」のコラムを参考にしてくださいね。
まとめ
高専卒のフリーターという状況が就職活動において不利となる可能性は低いでしょう。高専で学んだ専門知識と技術を即戦力として評価する企業は少なくありません。フリーター期間の経験も、見せ方次第であなたの強みになりますよ。
正社員への就職に向けて一歩踏み出すためには、まず自己分析から始めてみましょう。就職エージェントなどのサポートも活用しながら、計画的に就職活動を進めることが大切です。
ハタラクティブは、フリーターや既卒を含む20代の若年層に特化した就職エージェント。専任のキャリアアドバイザーが丁寧にヒアリングを行い、求職者一人ひとりの強みやスキルにぴったりの求人を紹介します。
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高専卒フリーターの就職に関するよくある質問
最後に、正社員就職を目指す高専卒のフリーターの方によくある質問とその回答を紹介します。
高専卒は高卒と同じ扱い?
高専卒は「準学士」という称号が与えられ、学歴としては高卒より上位とされるのが一般的です。しかし、企業によっては採用区分が「高卒」と「大卒」の二区分のみで、高専卒は「高卒」に含まれることもあります。その場合、高専で学んだ実践的なスキルや知識が、即戦力として優遇される可能性があるでしょう。
高専卒で年収1,000万円は可能?
企業規模や仕事内容によっては、高専卒で年収1,000万円を目指すこともできるでしょう。ただし、入社してすぐに達成できるわけではありません。高専卒で年収1,000万円を目指すには、専門性をさらに高めることや、実績を積み重ねることが重要です。
たとえば、IT業界でプロジェクトマネージャーになったり、製造業で技術開発のリーダーになったりすることで、高収入を得られる可能性が高まります。また、スキルアップのために資格を取得したり、常に新しい知識を学んだりするなど、地道な努力が年収アップにつながるでしょう。
高収入な仕事に魅力を感じる方は、「高収入の仕事を一覧でご紹介!役立つ資格や就職するときのポイントも解説」のコラムもチェックしてみてくださいね。
高専卒で就職していないことを後悔しています…
大切なのは過去を振り返るよりも、「これからどうしていくか」ということです。高専で得た専門知識は、これから就職活動をするうえで強みとなります。また、フリーター期間の過ごし方や経験からも、あなたの人柄やスキルをアピールできるでしょう。
これから就職活動を始める方は、ぜひハタラクティブへご相談ください。キャリアアドバイザーがあなたの経歴や強みに応じたアピール方法をアドバイスいたします。
