この記事のまとめ
- 既卒フリーターの就職は厳しい面もあるが、適切な対策をとることで十分に正社員が目指せる
- 小売業や飲食業など既卒者の採用割合が高い業界もあるため、視野を広げて探すのがポイント
- 既卒フリーターの期間を資格取得や自己分析の時間に活用することで強みになる
- 既卒フリーターは就職活動の期間を長引かせないために、目標期限を設定するのがおすすめ
実は既卒フリーターの就職には、資格取得に時間を使えたり、挫折経験から学びを活かせたりするなどのメリットがあります。メリットを活かして、自分の経験や強みをアピールすることが大切でしょう。
このコラムでは、キャリアアドバイザーの安田さんのアドバイスをもとに、既卒フリーターの就職が厳しいといわれる理由や、就職活動を成功させるためのコツを解説します。正社員就職を目指す既卒フリーターの方はぜひ参考にしてくださいね。
既卒フリーターの就職は厳しいって本当?
「既卒フリーターからの就職は厳しい」と見聞きしたことがある方もいるでしょう。たしかに、新卒と比べると就職状況が異なる部分はありますが、ネガティブになる必要はありませんよ。
大切なのは、既卒フリーターの就職の現状を理解し、必要な対策をとることです。なかには、既卒者を積極的に採用している業界や企業もあるので、希望を捨てずに就職活動を進めましょう。
新卒者と比べて就職者の割合が低いのは事実
正社員として就職した若者のうち、新卒者より既卒者の割合が低いのは事実です。
独立行政法人労働政策研究・研修機構の「若年既卒者の雇用動向―厚生労働省「雇用動向調査」二次分析(p.34)」によると、正社員への若年入職者の割合は、新卒者が68.8%、既卒者が上期で15.6%・下期で15.6%でした(※2014年~2020年累計)。
新卒者が約7割を占めている結果から、既卒者よりも新卒者のほうが正社員として就職しやすい傾向にあるといえるでしょう。
なかには既卒者の割合が高い産業も
正社員として就職した若者全体では新卒者が高い割合を占めていますが、産業別にみてみると既卒者の割合が高いものもあります。下記の表は、「同資料」を参考に、産業別の入職者の割合をまとめたものです。
| 新卒就職者 | 3年以内既卒就職者 (上期) | 3年以内既卒就職者 (上期) | |
|---|---|---|---|
| 建設業 | 5.4% | 4.4% | 5.4% |
| 製造業 | 17.1% | 12.9% | 13.24% |
| 情報通信業 | 6.8% | 3.3% | 4.5% |
| 小売業 | 9.4% | 11.0% | 14.8% |
| 金融・保険業 | 4.7% | 1.4% | 1.9% |
| 不動産・物品賃貸 | 1.7% | 2.1% | 2.8% |
| 宿泊・飲食サービス業 | 5.5% | 8.6% | 11.2% |
| 教育・学習支援業 | 4.6% | 8.4% | 2.5% |
| 社会保険・社会福祉・介護 | 4.4% | 5.8% | 3.8% |
| 複合サービス業 | 1.0% | 0.5% | 0.4% |
小売業や宿泊・飲食サービス業などでは、新卒者よりも既卒者のほうが多くの割合を占めています。この結果から、志望職種や業界を絞り込まず視野を広くもつことで、就職の可能性は広がるといえるでしょう。
参照元
独立行政法人労働政策研究・研修機構
資料シリーズNo.266 若年既卒者の雇用動向―厚生労働省「雇用動向調査」二次分析―
そもそも既卒ってなに?
「既卒」とは、学校(大学・短大・専門学校など)を卒業したけれど、正社員として就職した経験がない人を指します。はっきりとした決まりはありませんが、卒業後3年以内の人を既卒と呼ぶことが一般的なようです。
「第二新卒」との違いは、正社員として働いた経験があるかどうか。第二新卒は、新卒で正社員として就職後、3年以内に退職した人を指します。既卒フリーターの就職が厳しいといわれる理由
既卒フリーターの就職が厳しいといわれるのにはいくつか理由があります。理由を理解することで、あなたの就職活動の方向性を決めるヒントが見つかるかもしれませんね。
企業側の視点と、採用市場の状況などから詳しくみていきましょう。
企業から仕事への意欲を不安視されるため
既卒フリーターの就職が厳しいといわれる理由の一つは、企業から仕事への意欲を不安視されることでしょう。
日本の就職市場の特徴に「新卒一括採用」というものがあり、特に大手企業では毎年4月に新卒者を一斉に採用し、社内で育成していくという採用スタイルが一般的です。
そのため、卒業後すぐに就職しなかったことに対して、「なぜ正社員にならなかったのか」「仕事へのモチベーションが低いのではないか」などの疑問をもたれる可能性があります。
面接では正社員として働きたいという意欲や、これまでの経験からなにを学び、今後どのように貢献したいかをアピールすることが大切ですよ。
中途採用枠ではスキル不足により不利になりやすいため
既卒フリーターの就職が厳しいといわれるもう一つの理由は、中途採用枠ではスキル不足により不利になりやすいためです。中途採用では、未経験の既卒フリーターも、すでに実務経験や専門スキルをもつ人材と内定枠を競い合うことになります。
たとえば、IT業界であれば特定のプログラミング言語の経験、営業職であれば法人営業の実績などがあったほうが有利でしょう。スキルがない場合は、これまでのフリーター経験で培ったコミュニケーション能力や、自主的に学んだことなどをアピールすることが大切ですよ。
既卒フリーターの就職活動にはメリットもある!
既卒フリーターからの就職活動には厳しい側面がある一方で、新卒にはないメリットも。メリットを活かすことで、就職成功の可能性を高められるでしょう。
以下で、既卒フリーターの就職活動におけるメリットを紹介します。
資格取得に時間を使える
既卒フリーターの期間は、正社員として働いている人と比べて、自分のために使える時間が多いというメリットがあります。この時間を有効活用すれば、就職に役立つ資格の勉強やスキルの習得を目指せるでしょう。
資格を取得することで、企業に「意欲」や「学習能力」をアピールでき、選考を有利に進められる可能性がありますよ。
「フリーターにおすすめな資格や取得するメリットは?有効な勉強法も解説」のコラムでは、フリーターにおすすめな資格を紹介しているので参考にしてみてくださいね。
挫折経験からの学びを活かせる
新卒での就職活動でうまくいかなかった経験や、フリーターとして過ごした期間は、決して無駄ではありません。むしろ、挫折からなにを学び、どのように成長したのかを企業に伝えることで、人間としての深みや立ち直る力をアピールできる可能性があります。
たとえば、「新卒時の就職活動で自分の強みを理解していなかったことに気づき、自己分析を徹底しました」や「フリーター期間中に社会経験を積み、正社員として働くことの重要性を強く感じました」といった具体的なエピソードを交えることで、企業にポジティブな印象を与えられるでしょう。
内定後すぐに働ける
新卒者の場合、基本的に内定が出ても実際に働き始めるのは卒業後の4月からです。しかし、既卒フリーターは、内定が出れば比較的短期間で入社できるというメリットがあります。
企業によっては、「すぐにでも人材を確保したい」と考えているケースも。そういった企業では、内定後すぐに勤務できる既卒フリーターは、採用メリットがある人材として評価されることがあるようです。
ハタラクティブ プラス在籍アドバイザーからのアドバイス

室谷 絵夢
たとえば、「3ヶ月以内に内定をもらう」「半年後には正社員として働き始める」など、具体的な目標を設定し行動計画を立ててみましょう。期限を決めることで、適度な緊張感が生まれ、モチベーションの維持にもつながりますよ。
既卒フリーターからの就職におすすめの仕事は?
既卒フリーターから就職活動を始めるとき、どの仕事に就こうか迷うこともあるでしょう。
ここでは、既卒フリーターの方に特におすすめの仕事を5つピックアップして紹介するので、仕事探しで迷っている方は参考にしてみてくださいね。
1.介護職
高齢化社会が進む日本では、介護職の需要が非常に高く人手不足が続いています。そのため、経験や経歴に関わらず、積極的に人材の採用が行われている傾向があるようです。
求人数が多いのはもちろん、幅広い年齢や無資格からチャレンジできるのも魅力。既卒フリーターの方が未経験から始めても、働きながらスキルを身につけたり資格を取得したりできるので、将来のキャリアパスを考えやすい就職先といえますよ。気遣いが得意な方や、人の役に立つことに喜びを感じる方におすすめの仕事です。
2.ITエンジニア
ITエンジニアと聞くと、高度なITスキルが求められるイメージがあるかもしれませんが、一から教育してくれる会社も少なくありません。未経験から就職するのが不安な場合は、初級者向けのプログラミングスクールやオンライン講座を利用して、自宅で学んでから挑戦するのもおすすめです。
ITエンジニアは専門性が高く、一度スキルを身につければ長く活躍できる可能性のある職種です。リモートワークが可能な求人もあり、柔軟な働き方を実現できる可能性もありますよ。
3.物流ドライバー
車の免許があり運転が好きな方は、物流ドライバーの仕事がおすすめです。ネット通販の普及により、物流業界はニーズが高まっています。経歴にこだわらずに採用してくれる会社もあるため、既卒フリーターから挑戦しやすいでしょう。
人との接触が少ない仕事であるため、コミュニケーションが苦手な方でも働きやすいというメリットもあります。最初は、担当の配達先を覚えるといった大変さがありますが、徐々に慣れていくでしょう。
人と接する機会が少ない仕事について知りたい方は、「人と接しない仕事に就くには?おすすめ職種12選と正社員になるコツ」のコラムをチェックしてみてくださいね。
4.警備員
ビルや商業施設などで働く警備員という選択肢もあります。入社時に必須となる資格やスキルがなく、研修制度が充実している会社が多いのも特徴。必要な知識やスキルは、入社後に身につけられるでしょう。
人々の安全を守る仕事であり、責任感をもって取り組める人に向いている可能性があります。施設警備やイベント警備、交通誘導など、体力面での負担は職種によって異なりますが、長時間立っていることが多い仕事であることは考慮しましょう。
警備員の仕事内容については「警備員の仕事内容とは?やりがいは?年収や向いている人の特徴など徹底解説」のコラムで詳しく解説しているので、参考にしてみてくださいね。
5.営業職
営業職は、業界や商材を問わず多くの企業で募集されているため求人が豊富です。未経験者を対象に募集している求人も多いため、既卒フリーターから就職を目指しやすいでしょう。会話が得意な方、チャレンジ精神が旺盛な方にぴったりの仕事です。
また、成果主義の傾向があるため、努力次第で収入アップを目指せる可能性があります。会社によっては予算(ノルマ)が設定されている場合もあるので、「自分の力を試してみたい」という向上心のある方におすすめですよ。
「既卒で正社員になるのは難しい?おすすめの職種や成功させるポイントを解説」のコラムでも、既卒から正社員を目指すときにおすすめの職種を紹介しているので、あわせてチェックしてみてくださいね。
既卒フリーターからの就職活動を成功させるコツ
既卒フリーターから就職活動を成功させるためには、いくつかの大切なポイントがあります。以下で紹介するポイントを押さえておくことで、効率的に就職活動を進められるでしょう。
既卒フリーターからの就職活動を成功させるコツ
- 就職に対するモチベーションを上げる
- 自己分析をして自分の強み・弱みを知る
- 幅広い仕事を視野に入れて求人を探す
- 応募書類の作成や面接対策に力を入れる
- 卒業後の空白期間については前向きに説明する
- 一人で悩まずに誰かに相談してみる
1.就職に対するモチベーションを上げる
モチベーションを保ち続けることは、就職活動を成功させるうえで大切なことの一つといえます。就職活動は長期戦になることも珍しくないため、途中で諦めずに続けられる強い意志が必要です。
まずは、「なぜ正社員になりたいのか」「どのような働き方をしたいのか」を具体的に考えてみるのがおすすめ。たとえば、「安定した収入を得ながら趣味に打ち込みたい」「社会貢献できる仕事がしたい」など、目標をはっきりさせることでモチベーションを維持しやすくなりますよ。
2.自己分析をして自分の強み・弱みを知る
就職活動の第一歩は、自分自身についてよく知ることです。自己分析を行い自分の強みや弱み、興味のあること、価値観などを明確にしましょう。これにより、自分に合った仕事や企業を見つけやすくなり、入社後のミスマッチを防ぐことにもつながります。
自己分析は、面接で自分の魅力を効果的にアピールするためにも大切です。「自分にはアピールできることなんてない」と思っている方も、じっくりと自分と向き合うことで、意外な強みを発見できるかもしれませんね。
自己分析の簡単なやり方
自己分析は、過去の経験から自分の興味や関心、好きなこと、苦手なことなどを考えていくのが一般的なやり方です。学生時代のことやフリーターとして働くなかで起こった出来事を洗い出したうえで、どのような気持ちだったか、どのような学びがあったかなどを詳しく書きます。そこから、自分の強みや弱みを見つけましょう。3.幅広い仕事を視野に入れて求人を探す
「自分にはこれしかない」と決めつけず、できるだけ幅広い業種や職種の求人を視野に入れて探すことが大切です。既卒フリーターの場合、新卒時とは違った視点で仕事を探すことで、新たな可能性が見えてくることがありますよ。
未経験者の教育に力を入れている会社に注目してみよう
求人情報をチェックするときは、「未経験者歓迎」や「研修制度充実」といった記載に注目してみましょう。このような企業は、経験よりもポテンシャルや意欲を重視し、入社後にしっかり育ててくれる体制が整っている傾向がありますよ。4.応募書類の作成や面接対策に力を入れる
応募書類の作成や面接対策にも力を入れましょう。
履歴書や職務経歴書などの応募書類は、あなたの第一印象を決める大切なものです。丁寧かつ正確に作成し、誤字脱字がないか入念にチェックしてくださいね。
また、面接では想定される質問への回答を準備し、自信をもって回答ができるように練習しておきましょう。企業研究をしっかり行い、企業が求める人物像に合わせた志望動機やアピールポイントを伝えることが大切です。
5.卒業後の空白期間については前向きに説明する
卒業後の空白期間をネガティブに捉えるのではなく、どのように過ごし、なにを学んだのかを前向きに説明することが大切です。
たとえば、「フリーターとして働いた期間に、社会人としての責任感やコミュニケーション能力を培いました」や「資格取得のために勉強に集中し、〇〇の資格を取得しました」など、具体的な経験や成果を伝えることで、企業に好印象を与えられるでしょう。
6.一人で悩まずに誰かに相談してみる
既卒フリーターから就職するかどうか迷ったり、就職活動のやり方で困ったりした場合は、一人で悩みを抱え込まずに信頼できる人に相談しましょう。
親や友人など、話を聞いてくれる人に自分の考えや悩みを話すことで、新たな視野を得られることも。また、自分一人の力だけでは解決できない問題についてアドバイスをもらえる可能性もあります。
周りに相談できる人がいない場合は、専門家に相談してみるのがおすすめ。「就職相談の無料窓口5選!サービス内容や活用方法を解説」では、無料で就職相談ができる窓口を紹介しているので、チェックしてみてくださいね。
初めての就職活動なら分からないことがあるのは当たり前
初めての就職活動は、不安や迷いがあって当然です。不安や迷いを解消するために、できるだけ多くの情報を集め準備を行いましょう。最初から明確な将来のビジョンをもつことは難しいので、少しずつ準備をして考えていけば大丈夫ですよ。まとめ
既卒フリーターからの就職は、たしかに新卒者と比べると「厳しい」と感じる部分があるかもしれません。しかし、自身の状況を理解し、適切な対策をとることで、正社員として就職できるチャンスは十分にありますよ。
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既卒フリーターから就職したい方向けのFAQ
ここでは、既卒フリーターから就職したいと考えている方によくある質問について、Q&A方式で詳しく解説します。
既卒とフリーターの違いって?
「既卒」とは、大学や専門学校などを卒業後、正社員として就職経験がない人を指します。一方、「フリーター」は、アルバイトやパートなどで生計を立てている人を指します。
「卒業後の状態」を表しているのが既卒、「今の働き方」を表しているのがフリーターと考えると分かりやすいでしょう。
既卒になってしまったら人生終了って本当?
そんなことはありません。実際に、既卒から正社員になり、充実したキャリアを築いている人はたくさんいます。
大切なのは「既卒であること」よりも「その後どのように行動したか」です。資格取得や自己啓発などに取り組み自分を成長させることで、むしろ既卒経験がプラスに働くこともあるでしょう。
既卒がバイトをしながら就活しても受からないって本当?
アルバイトをしながら就職活動をすることは可能ですし、実際に成功している人もいます。ただし、アルバイトに時間を使いすぎると、就職活動に十分な時間を割けなくなり結果的に内定が得られないことも。大切なのは、アルバイトと就職活動のバランスです。
就職活動に集中する期間を設けたり、アルバイトのシフトを調整したりする工夫が必要でしょう。
既卒の就活で大手企業を目指すのは厳しい?
既卒から大手企業への就職は、新卒と比べると難易度が上がる可能性はあるでしょう。大手企業は新卒採用に力を入れる傾向が強く、応募者数も多いためです。
しかし、既卒から大手企業への就職が不可能というわけではありません。大手企業でも、中途採用枠や既卒向けの採用枠を設けている場合があります。また、中小企業で経験を積んだあと、大手企業へ転職するというキャリアパスもあります。まずは、自分の希望する企業がどのような採用を行っているのかをしっかりと調べることが重要ですよ。
ハタラクティブでは、大手企業の求人も多く取り扱っているので、ぜひお気軽にご相談くださいね。
