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退職時の社会保険の手続きとは?具体的な方法や注意点を解説します

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この記事のまとめ

  • 退職時に手続きが必要な社会保険は「健康保険」と「年金保険」の2つ
  • 社会保険料は日割りではなく月ごとに計算される点に注意しよう
  • 退職後は社会保険の切り替え手続き以外にも失業保険受給の申請を行おう
  • 退職時は業務の引継ぎや貸与品の返却などもしっかり行う必要がある

退職時の社会保険の手続きに関して「何をすれば良いの?」「自分に合う方法が分からない」と疑問をお持ちの方は多いでしょう。ほかの退職手続きと変更して情報収集しなければいけないのも負担を感じるポイントのようです。

退職後、すぐに転職しない場合は健康保険と年金保険の切り替え手続きを行いましょう。健康保険には「国民健康保険に入る」「任意継続制度を利用する」「家族の扶養に入る」の3通りの方法があります。年金保険の場合は、「国民年金保険への切り替え」が必要です。

このコラムでは、キャリアアドバイザーの荒井さんのアドバイスを交えながら、退職時に行うべき手続きを解説します。疑問点や不安を解消し、スムーズに退職手続きを行うためにぜひ参考にしてみてくださいね。

退職時に必要な社会保険の手続きとは?

そもそも、社会保険とは「健康保険」「年金保険」「介護保険」「雇用保険」「労災保険」の5つの総称のこと。これらのうち、退職時に手続きが必要なのは「健康保険」と「年金保険」です。

以下で、それぞれの手続き方法を解説しているので、ぜひお役立てください。

健康保険に関する手続き

健康保険の切り替え方法として挙げられるのは、「健康保険任意継続制度を利用する」「国民健康保険に切り替える」「扶養に入る」の3つです。

日本において、健康保険に未加入の期間を作ることは認められていません。厚生労働省のWebサイトに明記されているように、日本では国民全員が公的医療保険に加入する「国民皆保険制度」が実施されているためです。

以下で3つの切り替え手続きを詳しく解説しているので、ご自身に合った方法を見つけるための参考にしてみてください。

参照元
厚生労働省
我が国の医療保険について

健康保険任意継続制度を利用する

健康保険任意継続制度を利用することで、退職後もそれまでの健康保険を引き続き利用することが可能です。

利用条件は、退職日の前日までに被保険者期間が2ヶ月以上あることと、退職日の翌日から20日以内に利用申し込みを行うこと。継続期間は最長で2年間です。制度を利用したいとお考えの方は、「任意継続被保険者資格取得申請書」を記入のうえ、在職時に加入していた健康保険協会や健康保険組合に提出しましょう。

国民健康保険に切り替える

在職時に加入していた健康保険から、国民健康保険に切り替える方法もあります。

厚生労働省によると、国民健康保険とは、ほかの健康保険に加入していないすべての人を対象とした医療保険制度のこと。国民健康保険の運営主体は都道府県や市町村などの自治体です。

加入する場合は、退職日の翌日から14日以内に住居地域を管轄する役所の窓口に行って手続きを行いましょう。

参照元
厚生労働省
国民健康保険制度

扶養に入る

家族が会社の健康保険に加入している場合、その家族の「扶養」に入る手もあります。扶養に入れば、自身で保険料を負担する必要がなくなるのがメリットです。

ただし、扶養に入るためには、被保険者である家族との関係性や収入に関する条件を満たす必要があります。たとえば、全国健康保険協会において定められている条件は以下の通りです。

  • ・被保険者の三親等以内の親族であること
  • ・年間収入が130万円未満で、かつ被保険者の年間収入より少ないこと

条件は保険組合によって異なる部分もあるため、加入を考えている方は事前によく確認しておきましょう。

参照元
全国健康保険協会
全国健康保険協会

年金保険の切り替え手続き

退職後、再就職するまでに期間が空く場合は、厚生年金から国民年金保険への切り替え手続きが必要です。

日本年金機構の「国民年金に加入するための手続き」によると、手続きの期限は退職日の翌日から14日以内。住んでいる自治体の役所へ基礎年金番号が分かる書類を持参して、手続きを行いましょう。

参照元
日本年金機構
国民年金

ハタラクティブ プラス在籍アドバイザーからのアドバイス

荒井幹太

荒井幹太

退職時の社会保険に関する手続きの有無は、再就職までに掛かる期間によって異なります。退職後すぐに再就職が決まっている場合、社会保険に関する手続きはすべて転職先が行ってくれるため、ご自身で対応する必要はありません。

私たちハタラクティブでは、転職活動サポートの一環として社会保険の手続きに関するアドバイスも実施しております。キャリアアドバイザーがマンツーマンでサポートいたしますので、お困りの際はご相談くださいね。

退職時の社会保険に関する注意点

ここでは、退職後の社会保険に関する手続きを行う際の注意点をご紹介します。疑問点や不安を解消するためにぜひお役立てください。

社会保険料の計算方法を間違えない

社会保険料は日割りではなく、月単位で計算します。また、社会保険料を請求されるのは、資格喪失日(退職日の翌日)を含む月の前月分までです。

たとえば、5月15日付けで退職した場合、社会保険の資格喪失日は5月16日。社会保険料は前月の4月分までを支払うことになります。

健康保険料の二重払いに気をつける

同じ月のうちに退職と再就職をすると健康保険料が二重払いになる可能性があります。

たとえば、4月1日にA社に入社したものの同月の20日付けで退職。その後同じ月のうちにB社に転職した場合は、A社とB社の両方で健康保険料を徴収されます。1月のうちに2ヶ月分の健康保険料を支払うことになるため、退職や転職のタイミングには気をつけたほうが良いといえるでしょう。

1ヶ月未満で退職した場合の年金保険料は?

1ヶ月未満で退職した場合も、年金保険料は発生します。ただし、健康保険とは違って厚生年金保険については保険料が還付される可能性があるようです。退職日と同月内に転職先で厚生年金保険に再加入したり国民年金に切り替えたりした場合は、退職した企業経由で年金事務所から保険料が返金されます。

退職後の社会保険以外の手続き

退職後、再就職までに期間が空く場合は失業保険や住民税に関する手続きも忘れずに行いましょう。また、年末の時点で再就職していないのであれば、確定申告も自身で行う必要があります。

以下でそれぞれの方法をご紹介するので、漏れなく手続きを進められるようにチェックしておきましょう。

失業保険受給の手続きをする

退職後、転職先が決まっていないときは最寄りのハローワークに行って失業保険を受給するための手続きをしましょう。ハローワークの「基本手当について」によると、失業保険の受給資格は以下の2点です。

  • ・就職する意思や能力はあるものの就業できない「失業の状態」にあること
  • ・退職日より前の2年間で、雇用保険に入っていた期間が通算して12ヶ月以上あること

上記に当てはまる方は居住地を管轄するハローワークで求職申し込みをし、受給説明会に参加することで失業の認定を受けられます。また、その後も継続して失業保険を受給するためには4週間に1度ハローワークに行って求職活動の報告が必要です。

参照元
ハローワークインターネットサービス
基本手当について

住民税の納付方法は退職時期によって異なる

住民税の納税額は前年1月~12月の収入をもとに決まり、6月から徴収が開始されます。納付方法は、給与から天引きされる「特別徴収」と自分で納付手続きをする「普通徴収」の2種類です。

何月に退職したかによって納付方法は異なるため、以下を参考にご自身が行うべき手続きを確認しておきましょう。

退職時期が6~12月の場合

退職時期が6~12月の場合、退職月の住民税は給与から引かれます。しかし、退職月の翌月からは特別徴収から普通徴収に切り替わるため、注意が必要です。居住する自治体から納付書が送られてくるので、忘れずに支払いましょう。

退職時期が1~5月の場合

退職時期が1~5月の場合、5月までの住民税が給与や退職金から一括で天引きされます。しかし、住民税が給与や退職金を上回ってしまい一括で納めるのが難しい際には普通徴収に切り替わることも。未納を防ぐためにも、会社に確認するなどしてご自身の支払い方法を把握しておくことが大切です。

確定申告をする

国税庁によると、確定申告とは毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得額と所得税額を計算して確定する手続きのこと。徴収された税金や予定納税額などの過不足を精算する意味もあるようです。

退職した年の年末時点で再就職していない場合は、翌年2月~3月の期限内に自分で確定申告を行う必要があります。源泉徴収票や控除証明書などをもとに確定申告書を記入し、所轄の税務署に提出するのが主な手続き方法です。期限を過ぎても手続きを行わないと追徴課税を課されることもあるため、忘れずに申請を行いましょう。

参照元
国税庁
No.2020 確定申告

社会保険以外で退職日までにやるべきこと

社会保険以外で退職日までにやるべきこと

  • 退職届を提出する
  • 業務の引継ぎを行う
  • 貸与品を返却する
  • 必要な書類を受け取る

退職後だけでなく、退職日までに社内で済ませるべき手続きもいくつかあります。具体的には、「退職届を提出する」「後任者と引継ぎを行う」などです。

社内での手続きを疎かにしてしまうと周囲の人に迷惑が掛かってしまい、円満退職が難しくなることも。以下で順を追って解説しているので、必要な手続きを進めるための参考にしてみてください。

1.退職届を提出する

退職する意思が固まったら、退職届を作成して会社に提出しましょう。

退職届は、辞めることを会社側に届け出る書類です。提出後、会社側に受理されたら撤回することはできません。

退職届を提出する期限については、「退職日の1~2ヶ月前まで」というように社内で決まっていることもあるようです。期限を守らないとその後の退職手続きのスケジュールにも影響が出てしまうため、確実に提出できるように余裕をもって用意しましょう。

2.業務の引継ぎを行う

退職届が受理され、退職日が決まったら自分が担当していた業務の引継ぎ作業を行います。

担当している業務の詳細や仕事関係で重要な連絡先、使用しているツールやファイルの使い方などを後任者に説明しましょう。口頭で説明するだけでなく資料にまとめ、形に残す方法もおすすめ。自分が退職したあとも業務が円滑に進められるような工夫をすることが大切です。

3.貸与品を返却する

退職にあたっては、会社から貸与されていたものはすべて返却しなければなりません。よくある貸与品としては、以下のような例が挙げられます。

  • ・社員証や制服など
  • ・社用パソコン
  • ・資料やデータ
  • ・健康保険証

社員証や制服、パソコンなど会社から貸与されているものはすべて回収対象です。また、業務で作成した資料・データや健康保険証なども忘れずに返却しましょう。退職後にうっかり「返すのを忘れていた」となる事態を避けるために、返却すべきものをあらかじめリストアップしておく方法がおすすめです。

4.必要な書類を受け取る

退職に伴って、会社から受け取る必要がある書類には以下のようなものがあります。

  • ・雇用保険被保険者証
  • ・退職証明書
  • ・年金手帳
  • ・離職票
  • ・源泉徴収票
  • ・健康保険被保険者資格喪失確認通知書

上記の書類のうち、すべての退職者に渡されるのは「雇用保険被保険者証」と「源泉徴収票」です。退職後に失業保険を申請したり再就職先に入社したりする際に必要になるため、確実に受け取るようにしましょう。

そのほかの書類は、退職者の状況によって必要性が変わります。会社によっては、希望者のみに発行するという場合もあるようです。ご自身はどの書類を受け取るべきなのかを見極め、会社側に忘れずに発行を依頼しましょう。

退職するにあたって、「手続きや確認事項が多くて大変そう…」「転職活動と両立できるか不安…」と感じる方は、ぜひハタラクティブにご相談ください。ハタラクティブは、主に若年層に特化した就職・転職エージェントです。専任のキャリアアドバイザーが仕事探しから内定獲得後のケアまで、あなたの求職活動をしっかりとサポートいたします。退職に際して必要な手続きや具体的な方法についてもアドバイスいたしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

退職時の社会保険の手続きに関するお悩みQ&A

ここでは、退職時の社会保険に関するお悩みをQ&A形式で解決します。

社会保険からの切り替え手続きは退職後いつまでに行うべき?

社会保険から国民健康保険や国民年金保険に切り替える場合は、退職日の翌日から14日以内に手続きする必要があります。加入していた健康保険の任意継続制度を利用する場合は、退職日の翌日から20日以内に申請を行いましょう。詳しくは、このコラムの「退職時に必要な社会保険の手続きとは?」をご一読ください。

従業員が退職する際に会社側が行う手続きには何がある?

「従業員が提出した退職届を受理する」「年金事務所に社会保険の資格喪失届を出す」「ハローワークに雇用保険の資格喪失届を出す」などがあります。
また、退職日以降に発行される「離職票」や「源泉徴収票」などの書類を従業員のもとへ送る作業も必要です。行き違いや伝達ミスを回避するためにも、従業員本人との細かなやり取りが求められるでしょう。

退職しないで社会保険を抜けることは可能?

常勤の正社員の場合、社会保険への加入が義務付けられているため、在職中に脱退することはできません。さらに、2022年10月からは、勤務時間や給与に関する条件を満たすパート・アルバイト従業員にも、社会保険の加入が義務付けられました。

参照元
厚生労働省
社会保険適用拡大特設サイト

社会保険から切り替える手続きが遅れたらどうなる?

退職後、社会保険からの切り替え手続きが遅れると「医療費の保険適用が受けられない」「将来支払われる年金額が減る」といったリスクが考えられます。
国民健康保険や国民年金への切り替え期限である14日を過ぎたとしても、手続きは可能です。ただし、未払いの保険料をあとから一括で請求されることもあるため期限内に手続きすることをおすすめします。

後藤祐介

監修者:後藤祐介

京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。
ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。

資格 : 国家資格キャリアコンサルタント国家資格中小企業診断士
メディア掲載実績 : 「働く」をmustではなくwantに。建設業界の担い手を育て、未来を共創するパートナー対談定時制高校で就活講演 高卒者の職場定着率向上へ【イベント開催レポート】ワークリア障がい者雇用セミナーSNS : LinkedIn®YouTube