この記事のまとめ
- 転職してすぐ辞めることに法律上の問題はなく、適切な理由があれば次のキャリアに進める
- 20代の短期離職は比較的理解されやすいが、次の選考で不利になる恐れもある
- 転職してすぐ辞めるか判断するポイントは、仕事を辞めて問題が解決するかどうか
- 転職してすぐ辞める際は退職理由を前向きに伝え、自分に合った環境を見つけることがカギ
- キャリアについて悩んでいる場合は、転職エージェントに相談するのがおすすめ
転職後に仕事内容や条件が合わず、すぐに退職を考えている方もいるでしょう。なかには、「転職先が合わないけど、とりあえず1年は続けよう」と思っていても、心身に影響が出て、1ヶ月程度で退職を決意する方もいるかもしれません。
退職するのは基本的に本人の自由ですが、業界や企業によっては再就職時に悪い影響が及ぶ恐れがあるため、注意が必要です。次の就職を成功させるには、退職理由やキャリアプランを明確にし、採用担当者を納得させられる説明が求められるでしょう。
このコラムでは、キャリアアドバイザーの北島さんのアドバイスを交えつつ、転職してすぐ辞めることによるキャリアへの影響や、再就職を成功させる方法を解説しています。転職してすぐ辞めるか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
転職してすぐ辞めることは可能?
転職してすぐ辞めることは可能です。たとえ入社して間もない期間であっても、労働者には退職の自由が認められています。
ただし、転職してすぐ辞める場合には、いくつか考慮すべき点があります。退職理由や再就職への影響などを踏まえ、慎重に判断する必要があるでしょう。焦って辞めるのではなく、自分の状況を客観的に分析し、計画的に行動することが大切です。
理由によっては辞められる
転職してすぐに辞めることが認められやすいのは、客観的に見て合理的な理由がある場合です。たとえば、「求人票や面接での説明と実際の仕事内容が大きく異なる」「パワハラやセクハラがある」「健康上の理由」などが挙げられます。これらのケースでは、転職してすぐの退職も正当だと認められやすいでしょう。一方で、「なんとなく合わない」「思ったより大変」といった主観的な理由は、次の転職活動で説明が難しくなる可能性があります。短期間で退職する場合は、具体的かつ客観的な理由を整理しておくことが重要です。
転職してすぐ辞めるのは法的に問題ない?
雇用期間に定めがない正社員が転職してすぐ辞めることは、法的には問題ありません。民法第627条においても「雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する」と規定されているため、法律上は2週間前に申し出れば退職できます。
一方、アルバイトや契約社員など、雇用期間に定めがある方は、原則として一方的に辞められません。ただし、「やむを得ない理由がある」「企業側に認められた」という場合は、転職してすぐ辞めることが可能ですよ。
参照元
e-Gov 法令検索
民法
引き止められる可能性はある
転職後すぐ退職する場合、状況によっては「もう少し働いてみて判断してほしい」「待遇や部署を変えて様子を見てほしい」といったような、引き止めに遭う可能性があります。
ここで気持ちが揺らいでしまうと、不満を抱えながらずるずると今の仕事を続けることになるので、相談ではなく決心として伝えることが大切です。重要なのは、自身の働きやすさと体調を維持すること。引き止められた場合は、自分自身を第一に考えて動きましょう。
新卒や第二新卒は再就職に影響が少ない
新卒や第二新卒の場合、転職してすぐ辞めても再就職への影響は比較的少ないといえます。なぜなら、若手人材は可能性を評価されることが多く、短期間の失敗はむしろ成長の糧と見なされることもあるからです。
新卒・第二新卒の方にとって短期離職の影響が少ない理由として、以下の点が挙げられます。
- ・若さゆえの柔軟性や可能性を評価される
- ・経験不足によるミスマッチは珍しくない
- ・若手人材の争奪が活発に行われている
- ・ポテンシャル採用の考え方が浸透しつつある
ただし、短期離職を繰り返すと企業側に「すぐに辞める」と思われるリスクがあるため注意が必要です。次の転職先は慎重に選び、事前のリサーチや企業研究をしっかり行うことが大切でしょう。
短期離職の影響は業界によっても異なる
転職してすぐ辞めることの影響は、業界や職種によって大きく異なります。たとえば、IT業界やベンチャー企業などの分野では、短期離職はそれほど問題視されない傾向にあります。なぜなら、人材の流動性が高く、選考時には勤続年数よりも能力が重視されるからです。
一方で、金融機関のように安定性や長期的なキャリア形成を重視する業界では、短期離職がマイナスに評価されることがあります。組織への忠誠心や長期的な視点が重視される業界では、辞める前にキャリアについてしっかりと考えておく必要があるでしょう。
「仕事をすぐ辞める人の理由とは?早期離職のデメリットや長続きのコツを紹介」のコラムでは、短期間で辞めることのデメリットを解説しています。転職してすぐ辞めることが不安な方は、ご確認ください。
転職してすぐ辞めたいときにやるべきこと
転職してすぐに辞めたいと感じる場合、焦りや罪悪感から冷静な判断ができなくなりがちです。しかし、そんなときこそ慎重に行動することが大切。感情的に退職を決めるのではなく、状況を客観的に分析し、自分にとってベストな道を選びましょう。
ここでは、転職してすぐ辞めたいと感じたときに、まず取り組むべき3つのステップを紹介します。自分の心と将来のキャリアを守るために、ぜひ参考にしてみてくださいね。
転職してすぐ辞めたいときにやるべきこと
- 辞めたい理由や現状を整理する
- 心と体を休ませる
- 信頼できる相手に相談する
辞めたい理由や現状を整理する
転職してすぐ辞めたいと感じたとき、まず行うべきことは「なぜ辞めたいのか」をしっかり整理することです。感情に任せた判断ではなく、客観的な視点で自分の状況を分析しましょう。
具体的な整理方法としては、以下のようなポイントを書き出してみてください。
| 確認項目 | 確認するポイント |
|---|---|
| 仕事内容 | 求人情報と実際の業務に違いはあるか |
| 労働環境 | 残業時間、職場の雰囲気は想定どおりか |
| 人間関係 | 上司や同僚とのコミュニケーションに問題はないか |
| 自分のスキル | 求められるスキルと自分の能力にギャップはあるか |
| 将来性 | 働き続けることでキャリアアップできるか |
労働条件の不一致や人間関係のトラブル、スキルとのミスマッチなど、辞めたい理由は人それぞれです。理由を明確にすることで、今後の対策が見えてくる可能性がありますよ。
心と体を休ませる
転職してすぐ辞めたいと感じるほどのストレス状況では、自分の心と体を休ませることが重要です。疲れが溜まった状態で大きな決断をすると、冷静な判断ができなくなり、後悔する可能性があります。具体的には、以下の方法でリフレッシュのための時間を作りましょう。
- ・十分な睡眠をとる
- ・趣味の時間を確保する
- ・軽い運動を行う
仕事から距離を置き、自分の状態を客観視できるようになると、より冷静に状況を判断できるでしょう。心身の健康を取り戻すことが、次のステップへの準備になりますよ。
信頼できる相手に相談する
転職してすぐ辞めることを考えているとき、一人で抱え込まず信頼できる相手に相談することが重要です。客観的な視点からアドバイスをもらうことで、自分では気づかなかった視点や解決策が見つかることがあります。また、感情を言語化して話すことで、自分の気持ちの整理にもつながるでしょう。
相談相手としては、以下のような人が挙げられます。
- ・家族
- ・親しい友人
- ・業界事情に詳しい先輩や元同僚
- ・転職エージェントのキャリアアドバイザー
特に、同じ業界で働く人やキャリアアドバイザーに相談すると、転職してすぐ辞めることの影響について教えてもらえます。具体的なアドバイスをもらうと、次のステップを考える際に役立つでしょう。
転職してすぐ辞めるかどうかの判断基準5選
転職後の勤務先で何かしらの問題を感じると、辞めたいと考えることは誰しもありますよね。しかし、転職活動への影響や会社への申し訳なさから、なかなか退職に踏み出せない方もいるでしょう。
転職を考えた際は、焦らず冷静に状況を分析することが重要です。ここでは、転職してすぐ辞めるかどうか判断するポイントを5つ紹介しているので、自分の状況を照らし合わせてみてください。
転職してすぐ辞めるかどうか判断するポイント
- 転職で問題を解決できるか考える
- 心身への影響を確認する
- キャリアアップできるか考える
- 仕事のやりがいを考える
- 転職前後の収入を比較する
1.転職で問題を解決できるか考える
転職後すぐ退職を考えた際は、今の悩みや問題が転職することで解決するのか考えてみましょう。
たとえば、人間関係で悩んでいれば異動できないか、給料に問題があれば昇給する可能性はあるかなど、現職で解決しないかどうか確認することが大切です。解決しそうであれば、辞めずに様子を見るのも一つの手段でしょう。
しかし、自分の努力では変えられないようなことが理由なら、すぐ辞めて転職することを検討してみてください。
2.心身への影響を確認する
今の仕事の悩みが心身に悪影響を及ぼしていれば、転職後すぐであったとしても迅速な対応が求められるでしょう。たとえば、仕事が辛くて夜眠れなかったり憂鬱な気分が続いていたりする状態のまま働き続けると、日常生活に支障をきたす可能性があります。また、健康問題につながる恐れもあるため、自分の心と体を最優先に考えて行動しましょう。
ハタラクティブ プラス在籍アドバイザーからのアドバイス

北島愛純
転職後すぐに退職を考えても、現職に迷惑をかけてしまうのではないかという思いから、もう少し我慢してみようと考える方もいるのではないでしょうか。
ストレスを抱えながら我慢を続けると、肉体的あるいは精神的に疲れが溜まり、日常生活に支障をきたしてしまう可能性があります。いつもと違う違和感を覚えた際は周囲に相談して、原因が現職にあれば転職を検討することが必要です。
転職後すぐ退職するのは悪いことではありません。早い段階で自分に合った職種を見つけられるチャンスと捉えましょう。わたしたちハタラクティブは、「あなたにどんな仕事が合うか」を考えることから、職探しのお手伝いをしています。
3.キャリアアップできるか考える
転職してすぐ辞めるかどうかの判断において、「その会社でキャリアアップできるか」という視点も大切です。入社前に描いていたイメージと現実に大きなギャップがある場合、長期的なキャリア形成に支障をきたす可能性があります。
たとえば、希望していたスキルを身につける機会がない、成長を実感できるプロジェクトに携われないといった状況では、転職してすぐでも退職を検討してみましょう。
また、短期的な不満と長期的なキャリア形成のバランスを考えることも重要です。今は大変でも、そこで得られる経験やスキルが将来的に自分の市場価値を高めるものであれば、しばらく続けてみる価値があります。
逆に、現在の環境が自分のキャリアビジョンと根本的に合わないと判断した場合は、早期の決断が将来の可能性を広げることにつながるでしょう。
4.仕事のやりがいを考える
転職してすぐ辞めるかどうかを判断するうえで、「仕事にやりがいを感じられるか」という点は非常に重要です。「自分が役に立っている」「求められている」といったように感じていれば、これからもポテンシャルを維持して仕事を続けられるでしょう。反対に、毎日の業務に意義や充実感を見出せないと、長期的にモチベーションを維持することは難しくなります。
ただし、入社直後は業務に不慣れなため、やりがいを感じにくいのも事実です。「まだ本来の仕事内容に触れていない」「自分の役割が明確になっていない」といった場合は、もう少し時間をかけて判断することも必要でしょう。
転職してすぐ辞めることを決断する前に、現在の状況が一時的なものか、それとも本質的な問題なのかを見極めることが大切です。
5.転職前後の収入を比較する
転職してすぐ辞めるかどうかを判断する際、収入面の比較も重要な要素です。転職の目的の一つに「年収アップ」を掲げていた場合、実際に期待どおりの収入が得られているかをチェックしましょう。基本給だけでなく残業代や賞与、福利厚生なども含めた総合的な待遇を比較することが大切です。ただし、収入だけで判断するのは危険な面もあります。たとえ収入が以前より増えていても、労働時間や精神的負担が大幅に増加している場合は、トータルで見ると待遇が悪化している可能性もあります。「ワークライフバランス」も含めた総合的な判断が必要でしょう。
退職を考え直したいケース
転職してすぐ辞めることを考える前に、以下のようなケースでは少し立ち止まって考え直してみる価値があります。
・新しい環境に慣れていない
・職場の人とコミュニケーションが不足している
・部署異動のチャンスがある
・繁忙期で一時的に忙しい
通常、新しい職場に適応するには3~6ヶ月程度かかるといわれています。「すぐに辞めたい」と考えている場合、「慣れ」で解決できる問題なのか、本質的な不一致なのかを見極めることが大切です。
特に「慣れない」「できない」という不安からくる退職希望の場合は、少し時間を置くことで状況が変わる可能性があります。転職してすぐ辞めることには一定のリスクも伴うため、慎重な判断が必要です。
転職してすぐ辞めることのリスク
転職して間もない時期に「もうこの会社は合わない」と感じることは、誰にでも起こりうることです。しかし、転職してすぐ辞めることには、いくつかのリスクが伴います。
リスクを理解したうえで決断することで、将来のキャリアへの影響を最小限に抑えられるでしょう。ここでは、転職してすぐ辞める際に考慮すべき主なリスクについて解説していきます。
転職してすぐ辞めることのリスク
- 次の選考で不利になる場合がある
- 雇用保険(失業保険)を受け取れない可能性がある
次の選考で不利になる場合がある
転職してすぐに辞めると、次の転職活動において不利になる可能性があります。採用担当者は応募者の職歴を見る際、短期間での離職歴があると「すぐに辞めてしまうのではないか」という懸念を抱きがちです。特に短期間で複数回の転職を繰り返している場合、その懸念はさらに強くなるでしょう。
書類選考の通過率が下がりやすい
転職してすぐ辞めた経歴があると、書類選考の段階でふるいにかけられてしまう可能性があります。企業によっては、履歴書や職務経歴書の勤務期間を確認し、短期離職が目立つ応募者を選考から外します。
たとえば、1年未満での退職が複数回あると、「定着しない人材」というイメージをもたれ、書類選考に通過できないリスクがあるでしょう。
面接で短期離職について聞かれることがある
書類選考を通過できたとしても、面接で短期離職の理由について質問される場合があります。「前職をわずか1ヶ月で辞めたのはなぜですか?」という質問に対して、説得力のある回答ができるかどうかが、選考通過の大きなポイントになるでしょう。
先述したように、面接官は短期離職の経験がある方に対し「採用してもすぐに辞めるのでは?」と懸念をもつことがあります。「前職は△△だったので、自分のキャリアプランを見直し、より自分に合った環境を探すことにしました」といった具体的かつ前向きな説明をして、懸念を払しょくすることが大切です。
20代と30代で短期離職が与える影響は変わる
転職してすぐ辞めることの影響は、年齢層によって異なります。一般的に、20代の短期離職は比較的寛容に見られる傾向があるのに対し、30代以降の短期離職はより厳しく評価されるようです。
20代のうちは「自分に合った職場やキャリアを探している段階」と見なされる傾向にあり、ある程度の転職は許容されます。一方、30代になると安定したキャリアの構築が期待されるため、短期離職はより慎重に説明する必要があるでしょう。
雇用保険(失業保険)を受け取れない可能性がある
転職してすぐ辞めることの重要なリスクの一つに、雇用保険(失業保険)に関わる問題があります。一般的に、雇用保険(失業保険)の基本手当(失業手当)を受給するためには、離職前の2年間に12ヶ月以上被保険者期間があることが必要です。転職したばかりで12ヶ月以上働いていない場合、前職での被保険者期間との通算で判断されます。
「働いた経験がない」「前職と合計しても離職前の2年間の被保険者期間が12ヶ月未満」という場合、基本手当(失業手当)を受け取れない可能性があります。基本手当(失業手当)がないと収入が途絶えてしまうので、「貯金が減る」「生活を維持できなくなる」といったリスクがあるでしょう。
基本手当(失業手当)の受給に関しては、詳細なルールがあり個々によって状況が異なるため、最寄りのハローワークで相談することをおすすめします。「退職後にハローワークで行う手続きって何?失業保険の受給条件や手順を解説」のコラムでは、基本手当(失業手当)の受給条件を解説しているので、ぜひご一読くださいね。
転職してすぐ辞める理由
仕事内容のギャップや人間関係の難しさ、労働条件の相違など、「仕事を辞めたい」理由は一つとは限りません。
ここでは、ハタラクティブの「若者しごと白書2025」に掲載されているデータに沿って、正社員の仕事を辞める理由をまとめます。データによると、正社員を退職した理由は以下のとおりでした。
引用:ハタラクティブ「若者しごと白書2025 1-3. 正社員の仕事を退職した理由(p.7)」
それぞれの原因について詳しく解説するので、思い当たる要因がないかを確認してみましょう。
思っていた仕事内容と違う
「思っていた仕事内容と違った」は、正社員男性の仕事を辞めた理由の1位です。求人票の情報や面接時の説明と現実のギャップに戸惑い、「こんなはずではなかった」と感じている人は少なくありません。
たとえば、「企画職として採用されたはずなのに、実際は単純作業ばかり」「裁量をもって仕事ができると聞いていたのに、細かく指示を出される」などのケースがあります。想定していた業務内容や権限とのギャップが大きいと、モチベーションの低下につながりやすいでしょう。
人間関係がうまくいかない
職場での人間関係の問題は、正社員の仕事を辞めた理由として男性・女性ともに2位です。どれだけ仕事内容が理想的でも、一緒に働く人たちと良好な人間関係が築けなければ、毎日の出社が苦痛になりかねません。新しい環境に飛び込んだ直後は特に、人間関係の構築に悩むことが多いでしょう。
職場の人間関係の問題には、いくつかのパターンがあります。「直属の上司との相性が悪い」「既存のチームに溶け込めない」「職場のコミュニケーションスタイルが自分に合わない」など、さまざまな形で現れるでしょう。
人間関係の問題は、入社前に見抜きにくいため、転職してすぐに辞めることを考えるきっかけにもなります。
労働環境・時間に不満がある
労働環境や時間に関する不満は、正社員の仕事を辞めた理由として女性で1位、男性で3位。どちらも15%を超えています。特に、ワークライフバランスを重視する方にとっては、労働環境や時間の不満は、退職理由につながりやすいようです。
入社前に説明されていた労働条件と実態が異なる場合、「転職してすぐに辞めたい」と思ってしまうことも。たとえば、残業時間や休日出勤の頻度、リモートワークの可否などについて、想定外の状況に直面すると「もっと自分に合った環境で働きたい」と感じる方もいるでしょう。
健康面で悩みがある
正社員の仕事を辞めた理由として、男性の11.6%、女性の12.1%が健康上の理由を挙げています。体調不良や精神的な不調を感じた場合、転職してすぐ辞めることを考える方もいるでしょう。
特に、転職後は、環境の変化に対する負担や過度のプレッシャーが心身に負担をかけることもあります。
健康面の問題が生じた場合の対処法としては、まず産業医や人事部門に相談することが考えられます。職場環境の改善や業務調整が可能な場合もあるでしょう。しかし、根本的な原因が企業の体質や仕事内容にある場合、転職を検討することも選択肢の一つです。
給与が低い
仕事を辞めたくなる理由として、給与に対する不満が挙げられます。転職してすぐの場合、面接時に説明された給与と実際に支給される額に差があったり、業務量に見合わない報酬だと感じたりすると、失望感を抱いてしまうでしょう。
給与の額は、金銭的な問題だけではなく、企業からの評価や信頼の問題として受け止められることもあります。
給与の問題を感じたときは、上司や人事部門に相談することも一つの選択肢です。ただし、給与体系が企業の方針として確立されている場合、個人の交渉で大きく改善する可能性は低いかもしれません。その場合、自分のキャリアと市場価値を見つめ直し、より条件の良い環境を探すことも選択肢として考えられます。
希望の仕事ができない
自分がしたかった仕事ができないことも、転職してすぐ辞める理由として見られます。「自分のスキルや経験を活かせる場がない」「キャリアプランが描けない」という場合、仕事に対するモチベーションが下がってしまうかもしれません。
たとえば、「マーケティング職として転職したのに、実務ではデータ入力ばかりを任される」といったケースが考えられます。また、「前職で培った専門性を活かせると思っていたのに、全く別の業務を任される」というケースもあるでしょう。
希望の仕事ができない場合、長い目で状況を見ることも大切です。入社直後は基礎的な業務から始まり、実績を積むにつれて希望の業務を任されるようになるケースもありますよ。
社風が合わない
「企業の雰囲気や価値観が自分に合わない」という違和感は、長期的に働くうえで大きな障壁となります。社風が合わなければ、日々のストレスとなり、徐々に仕事のモチベーションが下がってしまうかもしれません。
企業の本質的な文化や価値観は、面接や企業研究では見えにくいため、実際に働き始めて初めて実感する可能性もあります。
社風のミスマッチは、時間が経っても解消されにくい問題の一つ。なぜなら、企業の文化や価値観は長年かけて形成されたものであり、個人の力で変えることは難しいからです。
「慣れれば大丈夫だろう」と考えることもできますが、自分の価値観や働き方と根本的に相容れない環境では、長期的な成長やキャリア構築が難しくなる可能性があります。自分らしく能力を発揮できる環境を見つけることも、プロフェッショナルとして大切な選択です。
家庭の事情で辞めざるを得ない
家庭の事情も、転職してすぐ辞める原因の一つです。これは本人の意思とは関係なく起こり得る問題であり、どれだけ仕事に満足していても、家庭を優先せざるを得ない事情が生じることがあります。
家庭の事情は多種多様で、以下のようなケースが考えられます。
- ・病気やケガをした家族の介護
- ・パートナーの転勤に伴う引っ越し
- ・家計の急変
また、結婚や出産によって退職するケースも考えられます。前述のハタラクティブの資料によれば、正社員の仕事を退職した理由として女性の15.1%が「結婚・出産などのライフステージの変化」を挙げていました。
家庭の事情による退職を考える場合、まずは企業側と相談してみましょう。時短勤務やリモートワークの活用など、退職以外の選択肢が用意されている可能性もあります。
もし企業側との調整が難しく、退職が避けられない場合でも、家庭の事情による退職は、転職市場において理解を得やすい理由の一つです。転職活動の際には、「家庭の事情により退職したが、次は続けられる」と説明すると、「すぐに辞める人」というネガティブなイメージを軽減できるでしょう。
参照元
ハタラクティブ
若者しごと白書2025
転職せずに状況を改善する方法
「転職してすぐ辞める」という選択をする前に、現在の環境で状況を改善する方法を検討することも大切です。転職直後は誰もが不安や戸惑いを感じるもの。すぐに次の転職を考える前に、現状を改善するための行動をとることで、問題が解決する可能性があります。
以下では、転職先でのキャリアを続けるための具体的な改善策をまとめました。辞める前にできることがないか考えてみましょう。
転職せずに状況を改善する方法
- 上司や同僚にアドバイスをもらう
- スキルアップを目指す
- 異動を申し出る
1.上司や同僚にアドバイスをもらう
転職先での不安や悩みは、一人で抱え込まずに上司や同僚に相談するのがおすすめです。長く働いている人は職場環境をよく知っており、適応するためのアドバイスをくれる可能性があります。
まずは、定期的な1on1ミーティングなど、上司との面談の機会を活用しましょう。具体的な悩みや課題を伝え、改善策について一緒に考えてもらうことで解決の糸口が見つかるかもしれません。また、職場の先輩社員に業務のコツを教えてもらったり、ランチの機会に職場の雰囲気について質問したりするのも効果的です。
2.スキルアップを目指す
転職先での不満の原因が「仕事についていけない」と感じることにある場合は、積極的にスキルアップを目指すことが状況改善のカギとなります。新しい環境では、これまでとは異なるスキルや知識が求められることが多いため、積極的に学ぶ姿勢が大切です。
スキルアップの方法としては、以下が挙げられます。
- ・社内研修の活用
- ・独学
- ・外部セミナーへの参加
また、日々の業務のなかで分からないことはすぐに質問する習慣をつけることも重要です。質問することで理解が深まるだけでなく、周囲からの信頼も得られやすくなるでしょう。
3.異動を申し出る
現在の部署や職種が合わないと感じる場合は、社内異動を検討する選択肢もあります。企業によっては、社員の適性や希望を考慮した人事異動の仕組みが整っています。退職するよりも、同じ会社内で環境を変えることで、問題が解決する場合もあるでしょう。
社内異動のメリットとしては、以下が挙げられます。
- ・一から人間関係を構築する必要がない
- ・企業について理解しており、新しい仕事に適応しやすい
- ・転職してすぐ辞めるキャリア上のリスクを回避できる
異動を申し出る際は、単に「今の部署が合わない」という消極的な理由だけでなく、「△△のスキルを活かしたい」「△△の分野に興味がある」などの前向きな理由も伝えましょう。
ただし、入社して間もない場合は、すぐの異動が難しいケースもあります。その場合は、半年〜1年程度は現在のポジションで経験を積んだうえで、正式に異動の希望を伝えるのが一般的です。
転職してすぐ辞めるときの退職手続き
転職してすぐ辞める際には、通常の退職手続きと同様のプロセスを踏みますが、入社間もないぶん、より丁寧な対応が求められます。企業の就業規則にある退職に関する規定を確認し、必要な手続きを適切に行うことが重要です。
ここでは、転職してすぐ辞めるときの退職手続きについて詳しく解説します。
退職の手順
一般的に、退職の手順は以下のとおりです。
- ・直属の上司に退職の意志を伝え、退職願を提出する
- ・退職日を決めて、業務の引き継ぎや挨拶を行う
- ・退職日に保険証や会社の備品などを返却する
- ・企業側から離職票を受け取り、社会保険や税金などの手続きを行う
退職の手続きにはある程度の時間を要します。自分の業務の引き継ぎや片付けも必要なため、繁忙期と重なってしまうと十分な時間を確保できなくなることも。可能な限り落ち着いている時期を狙うのが、円満退職するコツです。
「入社してすぐ辞めても給料はもらえる?退職までの流れも解説」のコラムでは、転職後すぐ辞める場合の流れを解説しているので、ぜひご覧ください。
退職理由の伝え方
退職を決意したら、直属の上司に仕事を辞めたい旨を伝える必要があります。円満退職するためには、退職理由に嘘をつかず短期離職のお詫びとお礼を伝えることがポイントです。
嘘をつかない
退職理由で嘘をつくことは避けましょう。嘘をついてしまうと理由を詳しく聞かれた際に、うまく答えられなかったり自信のなさそうな印象を与えてしまったりして、上司を納得させられない可能性があります。
本当の理由を包み隠さず、素直に伝えることが大切です。
短期離職となるお詫びと今までの感謝の気持ちを伝える
転職後すぐ退職すると、いかなる理由であっても上司や同僚へ業務の負担が発生したり、新しく人材を確保する手間が発生したりします。まずは、迷惑をかけたことに対して謝ることが大切です。
また、短期離職となるお詫びと一緒に、職場で働かせてもらったことや経験させてもらったことに感謝の気持ちを伝えると、より円満退職につながるでしょう。
引き止めに遭わないよう強い意志をもつ
先述したように、退職の意志を伝えると、待遇の改善や別部署への異動を理由に引き止められる可能性があります。
しかし、決意が揺らいでしまうと根本的な問題が解決しないまま、ずるずると退職を引き延ばされる恐れも。引き止められても強い意思をもち、退職の相談ではなく決心として伝えましょう。
転職してすぐ辞めたあとに再就職を成功させるコツ
転職してすぐ辞めたい場合、「再就職できるのか」「今後のキャリアに影響しないか」といった不安から迷いが生じることもありますよね。
再就職を成功させるためには、早めに行動したり、キャリアプランを明確にしたりすることが大切です。ここでは、早期退職後の再就職を成功させるコツをご紹介するので、参考にしてみてください。
転職してすぐ辞めたあとに再就職を成功させるコツ
- 早めに転職活動を始める
- 自己分析をする
- キャリアプランを明確にする
- 退職理由を前向きに伝えられるように準備する
- 企業選びの条件を決める
- 徹底的に企業研究する
- 転職エージェントを活用する
1.早めに転職活動を始める
転職してすぐ辞める決断をしたら、できるだけ早く次の転職活動を始めることが重要です。退職後に時間が空くほど、経歴の空白期間が延び、再就職で不利になる恐れがあります。在職中から転職活動を始めれば、空白期間を最小限に抑えられるだけでなく、経済的な不安も軽減できるでしょう。
転職活動のスタートタイミングとしては、退職の意思が固まった時点で準備を始めるのがおすすめです。ただし、現職での業務に支障が出ない範囲で行うことが大切。たとえば、転職サイトへの登録や履歴書・職務経歴書の更新は平日の夜や週末に行い、面接は有給休暇を使って対応するなど、計画的に進めましょう。
「次の仕事が決まってないけど辞めるのはアリ?後悔しないための準備と注意点」のコラムでは、次の仕事が決まっていない状態で辞めるメリットと注意点をまとめています。転職活動をスタートさせるタイミングに迷っている方は、ぜひご一読ください。
2.自己分析をする
自己分析を行うことで、自分に合った企業を選びやすくなります。具体的には、以下の表のポイントについて考えてみましょう。
| 自己分析のポイント | 考えること |
|---|---|
| 価値観 | ・仕事をするうえで最も大切にしたいことは何か ・給与とやりがい、人間関係のどれを優先するか |
| 強み・弱み | ・どのような仕事が得意か ・どのような仕事にストレスを感じるか |
| 過去の経験 | ・過去の仕事で楽しかったことは何か ・過去の退職理由の共通点は何か |
自己分析を通じて、今の職場を辞めるべきかどうかの判断材料が得られるだけでなく、次に目指すべき環境も明確になります。「自分に合った仕事は何か」という問いに対する明確な答えがあれば、たとえ短期間で退職することになったとしても、次は的確な判断ができるようになるでしょう。
焦らず時間をかけて自分と向き合うことが、長い目で見たキャリア構築への第一歩です。
3.キャリアプランを明確にする
再就職を成功させるためには、キャリアプランを明確にすることが大切です。キャリアプランを明確にもつことで、自分が求める職場や役職を具体的にイメージでき、入社後のミスマッチを防げるでしょう。
「転職してどのような目標を達成したいか」「1年後や3年後にどのような立場に立っていたいか」などを考え、キャリアプランを叶えられる企業を選びましょう。
4.退職理由を前向きに伝えられるように準備する
転職してすぐ辞めた経歴がある場合、次の面接で問われやすいのが「なぜ短期間で辞めたのか」という質問です。この質問への回答は、採用担当者があなたの人柄や仕事への姿勢を判断する重要な材料となります。ネガティブな印象を与えないよう、前向きな伝え方を事前に準備しておきましょう。
退職理由を伝える際のポイントは、事実に基づきながらも、建設的な表現を心がけることです。たとえば「人間関係が最悪だった」という否定的な表現ではなく、「自分のコミュニケーションスタイルと職場の文化に違いがあり、より自分に合った環境を探したいと考えました」と言い換えてみましょう。
また、短期間で辞めたことから学んだことや、次に活かしたいことを付け加えると誠実さが伝わります。「短期離職の経験から、事前の企業研究の重要性を学びました。御社は△△の点で自分に合っていると感じており、長く貢献していきたいと考えています」といった伝え方がおすすめです。
5.企業選びの条件を決める
転職してすぐ辞めたいと感じた理由を踏まえ、次の企業選びではより明確な条件を設定することが重要です。自己分析の結果も活用しながら、自分にとって譲れない条件と妥協できる条件を整理しましょう。
条件を決める際には、以下のような優先順位づけがおすすめです。
- ・絶対に譲れない条件
- ・できれば満たしてほしい条件
- ・あればうれしい条件
優先順位に基づいて求人を確認すると、自分に本当に合った企業を見極めやすくなります。給与のような表面的な条件だけでなく、自分の価値観や希望の働き方に合った環境かどうかをも確認し、長く続けられる企業を探しましょう。
6.徹底的に企業研究する
転職してすぐ辞めた経験がある方は、次の選択を慎重に行うために企業研究を徹底的に行うことが重要です。前回の転職先で感じたギャップを繰り返さないためにも、表面的な情報だけでなく企業の実態を深く調べましょう。
企業研究の方法としては、公式サイトはもちろん、SNSや口コミサイトも確認するのがおすすめです。また、可能であれば実際に企業で働いている人や以前働いていた人から話を聞くことで、より実態に近い情報を得られます。
面接時には具体的な質問を準備し、自分の価値観と企業文化の一致度を確認しましょう。
7.転職エージェントを活用する
転職後すぐ退職して再就職できるか不安な方は、転職エージェントを活用してみるのもおすすめです。
転職エージェントでは、これまでの経歴や希望に合わせた求人紹介のほか、応募したい業界や企業の情報を提供してくれます。また、面接の準備や履歴書の書き方もサポートしてくれるので、短期離職の経歴に不安がある方も安心して転職活動の準備を進められるでしょう。
「転職失敗後すぐに再転職しても良い?伴うリスクと成功させるポイントを解説」のコラムでは、再就職のコツを解説しています。転職してすぐ辞めたあと、再就職先が決まるか不安な方はご覧ください。
転職後すぐの退職に関するまとめ
転職してすぐに辞めることは、再就職に影響を及ぼす可能性がありますが、基本的には問題ありません。退職を決めた場合は、自己分析と企業研究を徹底的に行い、自分に合った企業を見極めましょう。経験を次のステップに活かすことが、再就職成功のカギとなりますよ。
「転職してすぐ辞めると再就職に影響しそうで不安」という方は、転職エージェントのハタラクティブにご相談ください。「職歴不問」「未経験歓迎」などの求人のなかから、あなたに合ったものをご紹介します。
自己分析のお手伝いもするので、「自分に向いている企業が分からない」という方もご相談くださいね。
転職してすぐ辞めることのお悩みQ&A
ここでは、転職してすぐ辞めることを考えている方の疑問に答えていきます。転職したけれど「思っていたのと違う」と悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
転職してすぐに辞めたことは履歴書に書かなければいけませんか?
原則として、短期間であっても職歴として履歴書に書かなければいけません。転職してすぐ辞めた経験を書かなかった場合、経歴詐称と見なされて内定が取り消されたり、懲戒解雇になったりするリスクも。職歴に含めることで余計な空白期間ができないので、履歴書には正直に書くのがおすすめです。
試用期間中に退職できますか?
退職できます。なぜなら、試用期間は従業員と企業の双方がお互いの適性を見極める期間だからです。法律上は、基本的に2週間前の申し出で退職できますよ。
ただし、円満に退職するためには、就業規則に定められた手続きを守りましょう。引き継ぎの配慮をすれば、企業側も理解を示してくれることが多いようです。
転職先が合わないです…1ヶ月で辞めても良いですか?
基本的には問題ありません。しかし、転職後1ヶ月は環境に慣れる段階であり、初期の不安や戸惑いが大きく影響している可能性も考えられます。本当に辞めるのがベストかを考えて決断するのがおすすめです。
「長く働いても問題が解決する見込みがない」「心身に影響が出ている」などの場合は、1ヶ月で転職を検討するのも一つの方法でしょう。
転職後、1週間で辞めると会社に迷惑がかかりますか?
会社に一定の迷惑がかかることは否定できません。会社視点で見ると、1週間では十分な引き継ぎができておらず、採用にかけたコストや時間が無駄になるからです。
ただし、研修中で本格的な業務が始まっていなかったり、引き継ぎがスムーズに行われていたりすると退職の影響が小さい可能性もあります。どのような場合も、退職の意思を伝える際は誠実に対応し、可能な限り円満な形で辞められるように心がけましょう。
転職して半年で辞めたいです…再就職に影響は出ますか?
影響が出る可能性があります。企業側からの「すぐ辞めるのでは」という懸念を払しょくするためにも、「なぜ半年で辞めたのか」という質問に対する前向きな答えを考えておく必要があるでしょう。
短期離職の影響が不安な場合は、ぜひ転職エージェントのハタラクティブにご相談ください。キャリアアドバイザーがあなたの状況を丁寧にヒアリングし、求人探しや選考対策を1対1でサポートします。
