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勤続年数の数え方とは?休職期間は含む?転職や退職金への影響も一緒に解説

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この記事のまとめ

  • 勤続年数とは、従業員が一つの会社で入社から退職まで働き続けた期間のこと
  • 多くの企業では、勤続年数が長いほど給与や待遇が良くなる傾向にある
  • 勤続年数の数え方は、一般的に入社日から退職日までの期間を数える
  • 勤続年数は、有給休暇や転職活動に影響する可能性もある

「勤続年数の数え方が分からない」「働いた年数によって何か影響があるの?」と疑問に思っている方もいるでしょう。転職を考えている場合、自分の職歴が正しく把握できていないと、選考が不利になるのではないかと不安になりますよね。

勤続年数の数え方は、一般的に入社日から退職日までの期間を数えます。しかし、入社時期や表記方法など、状況によっては数え方が異なるので注意が必要です。

このコラムでは、勤続年数の正しい数え方をキャリアアドバイザーの中村さんのコメントつきで紹介しています。そのほか、勤続年数による退職金や転職への影響も解説しているので、理解を深めぜひ転職活動で役立ててください。

勤続年数とは?

勤続年数とは、従業員が一つの会社で入社から退職まで働き続けた期間のことです。勤続年数は、企業によって異なる場合もありますが、入社日から退職日までを計算するのが一般的。
国税庁「No.2732 退職手当等に対する源泉徴収」によると、勤続年数は「退職手当等の支払者の下で退職の日まで引き続き勤務した期間」と定義しているようです。

参照元
国税庁
国税庁トップページ

勤続年数が影響するものは?

多くの企業では、勤続年数が長いほど給与や待遇が良くなる傾向があります。これは、長年の会社に対する貢献や経験などが人事評価の目安になるためです。
勤続年数は昇進や昇給、退職金などの算出に重要な要素として用いられますが、評価基準は一般的に業績や能力なども考慮されるため、留意しておきましょう。

勤続年数が短く転職するか迷っている方は、「転職するか迷うときは?年代別の判断基準とやめた方がいい人の特徴を解説」のコラムもあわせてご覧ください。

平均勤続年数とは?違いを把握しよう

勤続年数と間違えやすい「平均勤続年数」とは、企業や業界全体の従業員の勤続年数の平均値のことです。個人の勤続年数とは異なり、組織全体の傾向を示す指標となります。

平均勤続年数が長い企業は、従業員の定着率が高く、従業員満足度や安定した雇用環境を示唆している可能性があるといえるでしょう。一方、平均勤続年数が短い企業は、人材の流動性が高い場合があり、成長産業や新興企業に多く見られるようです。

また、平均勤続年数が低いからといって、離職率が高いわけではありません。平均勤続年数は全社員が対象となるため、新入社員が多い企業の場合、算出のタイミングによっては平均勤続年数が短くなることがあります。平均勤続年数だけで企業の状況や職場環境などを判断してしまうと、求人の選択肢を狭くする恐れがあるので注意が必要です。

勤続年数に「満」をつける必要はある?

勤続年数の表記で「満」を使う場合は、その年数を完全に満たしていることを示します。正式な書類や履歴書など、正確さが求められる場面で使用される傾向にあるようです。
一方、日常会話や一般的な文書では省略されることが多いといえます。表記を統一し、必要に応じて「満」の意味や入社日、現在の日付を補足することで、誤解を防ぎましょう。

履歴書の正しい書き方を知りたい方は、「履歴書の書き方を解説!記載する際のマナーや好印象を与えるポイントも紹介」のコラムで記載する際のマナーや好印象を与えるポイントを紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

勤続年数の正しい数え方について

先述したように、勤続年数は就職活動や転職活動において、給与や待遇の決定に影響する重要な要素です。しかし、その数え方が曖昧で、どのように計算すればいいのか迷う方もいるでしょう。
ここでは、勤続年数の基本的な数え方から休職期間の扱い、計算に便利なツールまで初心者の方にも分かりやすく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

勤続年数の数え方

勤続年数は、「入社日」から「退職日(または現在)」までの期間です。しかし、「月の途中での入社・退職した場合」や「年単位で表記する場合」「同じ会社に複数回入社した場合」で勤続年数の数え方が異なる可能性もあるので注意しましょう。

勤続年数を数えるときは、以下のことに気をつけて数えてみてください。

月の途中で入社・退職した場合入社・退職日が月の15日より前か後かで、月を繰り上げたり繰り下げたりする会社が多いため、会社の規定を確認することが大切。
年単位で表記する場合履歴書では、年単位で表記するのが一般的。 6ヶ月以上の端数があれば切り上げ、6ヶ月未満であれば切り捨てる。
同じ会社に複数回入社した場合それぞれの期間を合算するのが一般的。ただし、会社によっては異なる扱いをする場合もあるので、確認が必要。

たとえば、2020年4月1日に入社し、2023年6月30日に退職した場合、勤続年数は3年3ヶ月です。しかし、年単位で表記する場合は、6ヶ月未満であれば切り捨てとなるので、勤続年数は3年になります。
このように状況によって勤続年数の数え方が異なるので、もし就活で使用する場合は何を基準としているのかをよく確認してから数えるようにしましょう。

産休や育休などの休職期間は含まれる?

労働基準法の「第39条 年次有給休暇 10」によると、育児休業や産前産後の女性は休職期間であっても出勤したものとみなされると記載があるため、産休や育休中などの休職期間も勤続年数に含まれるといえます
また、産休・育休だけでなく従業員が業務上で負傷した場合や病気で療養する場合、家族等の介護で休養を取る場合も勤続年数に含まれるようです。

しかし、上記はあくまで有給休暇の日数を定める際に限定されるので、注意する必要があります。会社によって休職期間は勤続年数に含まないという場合もあるため、事前によく確認しておくと良いでしょう。

参照元
e-gov法令検索
労働基準法

勤続年数を自動計算してくれるツールもある

勤続年数の計算は、特に複雑なケースでは間違いやすいため、自動計算ツールを利用するのも有効な手段です。勤続年数を自動計算してくれるツールには、以下のようなものがあります。

・勤続年数計算ツール
・社会保険労務士事務所などが提供する計算ツール

勤続年数計算ツールはインターネットで検索するとすぐに出てくるので、気軽に利用することが可能です。また、入社日と退職日を入力するだけで自動で計算してくれるため、時間がないときや早く勤続年数を知りたい人におすすめといえます。

社会保険労務士事務所などが提供する計算ツールは、インターネットにある勤続年数計算ツールより詳細な条件設定が可能です。そのため、勤続年数をより詳しい条件で調べたい方は、社会保険労務士事務所が提供する計算ツールを使用するほうが良いでしょう。

勤続年数に関しては何年になるかギリギリ分からない場合不安になりますよね。不安な場合、一番は転職先の面接にてその悩みを伝えたり、エージェントなどに伝えておくのが間違いないと思います。

勤続年数によって影響されるものはある?

勤続年数は、単に会社で働いた期間を示すだけではありません。勤続年数によって、「有給休暇」や「退職金」「失業保険」「転職活動」など、様々な待遇や制度が変わってきます。ここでは、勤続年数によって影響を受ける主な項目について紹介するので見てみましょう。

有給休暇

勤続年数によって影響を受けるものの一つに、有給休暇があります。勤続年数が長くなるほど、付与される有給休暇の日数は増加傾向に。これは、労働基準法で定められており、勤続年数に応じて最低限付与しなければならない有給休暇の日数が決められているからです。

具体的には、入社6ヶ月で10日間の有給休暇が付与され、その後、勤続年数が長くなるにつれて、付与日数は増えていくのが一般的といえます。以下で有給休暇の早見表を紹介するので参考にしてみてください。

有給休暇の早見表

1年ごとに有給休暇日数が1日増える場合は以下のとおりです。
勤続年数有給休暇日数
6ヶ月10日
1年6ヶ月11日
2年6ヶ月12日
3年6ヶ月14日
4年6ヶ月16日
5年6ヶ月18日
6年6ヶ月以上20日

ただし、これは法律で定められた最低限の日数であり、会社によってはこれよりも多くの有給休暇を付与している場合もあります。有給休暇の正しい付与数を知りたい方は、就業規則を確認するか上司に聞いてみるのがおすすめです。

退職金

退職金も、勤続年数に影響されやすい制度の一つです。一般的に、勤続年数が長いほど退職金の金額は多くなる傾向にあります
これは、長年の勤務に対する功労を評価する意味合いがあるためです。退職金の計算方法は企業によって異なりますが、多くの企業では、「勤続年数」や「給与」「役職」などを元に算出されます。しかし、近年では退職金制度を廃止する企業や、勤続年数に関わらず一定額を支給する企業も増えているようです。

雇用保険被保険者資格喪失確認通知書とは?役割や発行の流れを解説」のコラムでは、退職後に受け取る「雇用保険被保険者資格喪失確認通知書」について詳しく紹介しているのであわせてご覧ください。

失業保険

失業保険の給付日数も、勤続年数によって変動することも。失業保険は勤続年数が長いほど、給付日数が長くなりやすい傾向にあります。これは、長く働いていた人ほど年齢が上がるため、就職ハードルも上がりやすく、再就職に時間がかかってしまう可能性が高いという考え方に基づいているからです。

ハローワークインターネットサービスの「基本手当の所定給付日数」によると、30歳未満の求職者の給付日数は、一般的な離職者の場合、勤続年数1年未満で90日、1年以上5年未満で90日、5年以上10年未満で120日、10年以上20年未満で180日となります。
給付日数は、勤続年数以外にも年齢によって異なる場合もあるため、事前に自分がどの区分に該当するかを確認しておきましょう。

失業保険の受け取り方を知りたい方は、「失業保険を自己都合退職後にもらうには?給付制限期間や計算方法を解説!」のコラムで、給付制限期間と失業保険の計算方法をあわせて紹介しています。
また、公務員の方は「公務員が失業保険を受け取れない理由は?代わりにもらえる手当や条件を解説」のコラムをご覧ください。

参照元
ハローワークインターネットサービス
基本手当について

転職活動

勤続年数は転職活動にも影響を与えます。一般的に、ある程度の勤続年数は、採用担当者から「責任感がある」「粘り強い」といったプラスの評価を受ける可能性があるでしょう。しかし、短すぎる勤続年数は、転職を繰り返す傾向があると見なされる可能性があります
そのため、勤続年数が短い人は長期的に働く意欲をアピールすることが効果的といえるでしょう。

ただし、最適な勤続年数は業種や職種、個人のキャリアプランによって異なります。そのため、転職活動においては、勤続年数だけでなく仕事内容や実績、スキルなどを総合的にアピールすることが重要です。

「勤続年数が短くて転職できるか不安」と感じている方は、就職・転職エージェントのハタラクティブへご相談ください。ハタラクティブでは、経験豊富なキャリアアドバイザーが一人ひとりの要望に合った求人を紹介します。そのほか、利用者のお悩みに合わせて書類の作成や面接対策などのサポートを行っているので、自身の勤続年数に不安を抱いている方も安心です。
サービスはすべて無料ですので、お気軽にお問い合わせください。

勤続年数や数え方に関するQ&A

ここでは、勤続年数や数え方に関する疑問をQ&A方式でお答えします。

勤続年数の数え方は?新卒入社から何年目か知りたいです

勤続年数は、入社日(雇用契約を結んだ日)から数え始めるのが一般的です。新卒入社の場合も同様で、入社日が4月1日であれば、その日から勤続1年目としてカウントが始まります。
自分の勤続年数を知りたい場合は、入社日から今日までの期間を計算しましょう。また、入社日は履歴書の作成や社内での手続きなどで必要になることがあるため、忘れないように記録しておくことが重要です。

パート勤務の場合も勤続年数の数え方は同じですか?

パート・アルバイト勤務の場合も、勤続年数の数え方は正社員と基本的に同じです。雇用契約を結んだ日から勤続年数をカウントします。労働基準法では、雇用形態に関わらず、労働者の権利が保護されているため、パート・アルバイト勤務者も会社に貢献しているという認識のもと、勤続年数が計算されるのが一般的です。

ただし、会社によっては、福利厚生や昇給の基準として勤続年数を利用する際に、パート・アルバイト勤務者の場合は労働時間や日数に応じて調整される場合があります。そのため、入社時に会社の規定をよく確認しておきましょう。

転職したいときは勤続年数による影響を考慮すべきですか?

転職活動において、勤続年数は、応募者の仕事に対する姿勢や経験値を示す指標の一つとして見られるため、考慮すべき要素といえます。短期間で転職を繰り返していると、採用担当者に「すぐに辞めてしまうのではないか」という懸念を抱かれる可能性もあるようです。

ただし、これはあくまでも一般的な傾向であり、転職する業界や職種、企業文化、そして応募者自身のスキルや経験によって適切な勤続年数は異なります。転職を検討する際は、自身のキャリアプラン、市場価値、転職理由などを総合的に判断し、適切なタイミングを見極めることが重要です。

後藤祐介

監修者:後藤祐介

京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。
ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。

資格 : 国家資格キャリアコンサルタント国家資格中小企業診断士
メディア掲載実績 : 「働く」をmustではなくwantに。建設業界の担い手を育て、未来を共創するパートナー対談定時制高校で就活講演 高卒者の職場定着率向上へ【イベント開催レポート】ワークリア障がい者雇用セミナー
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